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本編
パーティー 3
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あぁ…ついにダンスホールに着いてしまった。
「レオン、今からでも遅くはないからダンスを…」
「やめないよ?」
ですよね~逃がさないよって目してるもん。その証に手を離してくれないもんね。とほほ…
「ほら。一緒に楽しもうよ?」
「わかったよ。足踏んだりしても知らないんだからね!!」
「ふふ。そうならないようにしっかりリードしないとだね。」
渋々ながら音楽に合わせて踊る。あれだけ言っていただけあってレオンは物凄くダンスが上手だ。ちょっとしたミスはカバーしてくれるし、何より安心して身を任せて踊れる。なんだか楽しくなってきた。
「妖精みたいだ…」
レオンが呟いた。
「妖精?何が??」
「ティアだよ。見てよ。皆んな僕たちに注目している。中でもティアに目を奪われている人たちばかりだ。」
うわっ。本当だ。いつの間にかダンスを踊っているのは私たちだけになってるし。恥ずかしい…
そのままエリック隊長のいる所まで戻る。
ダンス疲れた。私、頑張ったよ。褒めて慰めてー
「よしよし。(レオンハルト様の相手)疲れたよな?上手に踊れてたぞ。もう帰ろうな。ということなので陛下、今日はもう失礼します。」
なんか疲れたの意味が違ったような?何故だろう。ダンスじゃなくてレオンを指していた気がしたんだが。
「おいおいおい。早すぎるだろう。まだ始まって間もないんだ。ゆっくりして行け。ティアも同じ年頃の友達が欲しいだろ?話してくるといい。さぁレオン連れて行ってあげなさい。」
「行こうかティア。」
今、エリック隊長の所に戻ってきたばかりなのに~エリック隊長!!!!
「ちょっと聞いていますの?」
「あまりいい気にならないことね!」
「レオンハルト様に馴れ馴れしくするなんて恥ずかしくなくて??」
えっと……仲良くなれる気がしないんだけど。友達は欲しい。けどこの子、会ってそうそう次々に声を上げて迫ってくるんだけど。
何故こんな状況に陥ったかというと……
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「動いたし喉が渇いたでしょ?僕、飲み物貰ってくるよ。ちょっと待っておいて。」
え、一人にしないでよ。周りには私たちと同じ歳くらいの子達しかいないけど知り合いもいない中に一人は心細い。
「うっ…その顔は反則でしょ。す、すぐ戻るから!!」
レオンは飲み物を取りに早足で行った。そしてすぐに戻って来ようとしたんだけど…直前で捕まったの。本当に目の前だよ!!私とレオンの間にどこぞの令息や令嬢が入って来たの。主にレオンには令嬢、私の所には令息達だね。
「レオンハルト様、是非私と一曲踊って下さい。」
「あちらでお話しませんか?」
「今日も素敵ですね!!」
レオンは引き気味に笑みがひきってる。私の方はというと令息たちが集まっている。
「僕と踊って下さい!!」
「お名前をお伺いしても??」
「その…可愛いです…」
レオンと目が合った。レオンもだけど私の顔も引き攣ってそうだな。そして見事に分断された私たちは自然と離れ離れになった。私はなんとか令息たちを撒いてバルコニーに出たんだけどそこで一人の令嬢に見つかった。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
で、今に至るって感じかな。つり目でずっと見てくるんだもん。ちょっと怖いよ。
「あの…どちら様ですか?」
とりあえず名前聞かないとと思って聞いたら女の子は顔を赤くして言った。
「私の事を知らないと言うの!?私はラリューラ公爵家のアシュナよ。アシュナ・ラリューラよ!!覚えておきなさい!!」
公爵家かい!!なんで私って身分高い人だったりレア系な人ばかりと知り合うんだろう。
「私はティア・ルーゼルトです。」
「知ってるわよ!!いいこと、よく聞きなさい。ちょっとレオンハルト様に優しくされたからって特別だなんて思わないことね。殿下は誰に対しても優しいのよ。それに簡単に一人になるなんてあなた、注意力がないのではなくて?」
私、嫌われてる?
「……危なかっしいから仕方なく私があなたを面倒みてあげるわ!感謝しなさい!」
「ふぇ?」
なんか思ってたのと違う?きょとんとして首を傾げる。
「可愛いっ(ボソッ)……あっ!そうだわ。あなたには特別に私の事をアシュナと呼ぶことを許してあげるわ。だから、その…あなたの事もえっと…な、名前で呼んでも…」
私は目をぱちくりさせる。これって所謂ツンデレとかいうやつかな?
「うん!アシュナ!私と友達になってくれるって事だよね。私の事はティアって呼んでね。…えへへ。初めての友達出来た(*´꒳`*)」
「…ふん!友達になってあげなくもないんだから!」
そう呟くアシュナの顔は嬉しげに笑みを浮かべていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アシュナちゃんはツンデレキャラだよ。ティアと友達になりたくてパーティーの間ずっと遠くから見ていたんだよ。話すきっかけにレオンハルトを持ち出したんだよね。レオンハルトちょい役ww
「レオン、今からでも遅くはないからダンスを…」
「やめないよ?」
ですよね~逃がさないよって目してるもん。その証に手を離してくれないもんね。とほほ…
「ほら。一緒に楽しもうよ?」
「わかったよ。足踏んだりしても知らないんだからね!!」
「ふふ。そうならないようにしっかりリードしないとだね。」
渋々ながら音楽に合わせて踊る。あれだけ言っていただけあってレオンは物凄くダンスが上手だ。ちょっとしたミスはカバーしてくれるし、何より安心して身を任せて踊れる。なんだか楽しくなってきた。
「妖精みたいだ…」
レオンが呟いた。
「妖精?何が??」
「ティアだよ。見てよ。皆んな僕たちに注目している。中でもティアに目を奪われている人たちばかりだ。」
うわっ。本当だ。いつの間にかダンスを踊っているのは私たちだけになってるし。恥ずかしい…
そのままエリック隊長のいる所まで戻る。
ダンス疲れた。私、頑張ったよ。褒めて慰めてー
「よしよし。(レオンハルト様の相手)疲れたよな?上手に踊れてたぞ。もう帰ろうな。ということなので陛下、今日はもう失礼します。」
なんか疲れたの意味が違ったような?何故だろう。ダンスじゃなくてレオンを指していた気がしたんだが。
「おいおいおい。早すぎるだろう。まだ始まって間もないんだ。ゆっくりして行け。ティアも同じ年頃の友達が欲しいだろ?話してくるといい。さぁレオン連れて行ってあげなさい。」
「行こうかティア。」
今、エリック隊長の所に戻ってきたばかりなのに~エリック隊長!!!!
「ちょっと聞いていますの?」
「あまりいい気にならないことね!」
「レオンハルト様に馴れ馴れしくするなんて恥ずかしくなくて??」
えっと……仲良くなれる気がしないんだけど。友達は欲しい。けどこの子、会ってそうそう次々に声を上げて迫ってくるんだけど。
何故こんな状況に陥ったかというと……
♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「動いたし喉が渇いたでしょ?僕、飲み物貰ってくるよ。ちょっと待っておいて。」
え、一人にしないでよ。周りには私たちと同じ歳くらいの子達しかいないけど知り合いもいない中に一人は心細い。
「うっ…その顔は反則でしょ。す、すぐ戻るから!!」
レオンは飲み物を取りに早足で行った。そしてすぐに戻って来ようとしたんだけど…直前で捕まったの。本当に目の前だよ!!私とレオンの間にどこぞの令息や令嬢が入って来たの。主にレオンには令嬢、私の所には令息達だね。
「レオンハルト様、是非私と一曲踊って下さい。」
「あちらでお話しませんか?」
「今日も素敵ですね!!」
レオンは引き気味に笑みがひきってる。私の方はというと令息たちが集まっている。
「僕と踊って下さい!!」
「お名前をお伺いしても??」
「その…可愛いです…」
レオンと目が合った。レオンもだけど私の顔も引き攣ってそうだな。そして見事に分断された私たちは自然と離れ離れになった。私はなんとか令息たちを撒いてバルコニーに出たんだけどそこで一人の令嬢に見つかった。
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
で、今に至るって感じかな。つり目でずっと見てくるんだもん。ちょっと怖いよ。
「あの…どちら様ですか?」
とりあえず名前聞かないとと思って聞いたら女の子は顔を赤くして言った。
「私の事を知らないと言うの!?私はラリューラ公爵家のアシュナよ。アシュナ・ラリューラよ!!覚えておきなさい!!」
公爵家かい!!なんで私って身分高い人だったりレア系な人ばかりと知り合うんだろう。
「私はティア・ルーゼルトです。」
「知ってるわよ!!いいこと、よく聞きなさい。ちょっとレオンハルト様に優しくされたからって特別だなんて思わないことね。殿下は誰に対しても優しいのよ。それに簡単に一人になるなんてあなた、注意力がないのではなくて?」
私、嫌われてる?
「……危なかっしいから仕方なく私があなたを面倒みてあげるわ!感謝しなさい!」
「ふぇ?」
なんか思ってたのと違う?きょとんとして首を傾げる。
「可愛いっ(ボソッ)……あっ!そうだわ。あなたには特別に私の事をアシュナと呼ぶことを許してあげるわ。だから、その…あなたの事もえっと…な、名前で呼んでも…」
私は目をぱちくりさせる。これって所謂ツンデレとかいうやつかな?
「うん!アシュナ!私と友達になってくれるって事だよね。私の事はティアって呼んでね。…えへへ。初めての友達出来た(*´꒳`*)」
「…ふん!友達になってあげなくもないんだから!」
そう呟くアシュナの顔は嬉しげに笑みを浮かべていた。
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アシュナちゃんはツンデレキャラだよ。ティアと友達になりたくてパーティーの間ずっと遠くから見ていたんだよ。話すきっかけにレオンハルトを持ち出したんだよね。レオンハルトちょい役ww
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