転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

ティアLOVEはすごいよ

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 キャスさんがデュースさんの話を終えたので次は私の番になった。エリック隊長についてだよね。私、エリック隊長の事なら沢山話せる自信あるよっ!


「あのね、あのね!エリック隊長はね、カッコいいんだよ!!たまに…いやかなり?残念な所もあるけど、大好きなの!」


「残念な所もあるけど大好きなのね笑笑」


 キャスさんは笑いを堪えようとして無理だったのかクスクス笑っている。


「エリック隊長がね、私を見つけてくれたから私はいま生きているんだよ。モーリーの森で助けてくれなかったら私死んでたかも。それでね、第1騎士団に保護されてラーロルド王国に来たの。」


「そんな経緯があったのね…良かった。ティアちゃんが無事で本当に良かったわ。」


「えへへ。ありがとう。それから暫くは騎士寮にお邪魔になってたんだ。セシルたちも皆んな優しくて凄く心がぽかぽかしたの。あんなに大勢の人に優しくされたの初めてで嬉しかった~。それにね!エリック隊長が私に家族になろうって言ってくれたの。ずっとそばにいるって。エリック隊長の家族も皆んな優しくて…こんなに幸せな事が次々と起きるなんて奇跡だよね!だって、夢じゃないんだよ?これは現実なんだよ!すごいよね、エリック隊長と出会って私の世界は変わったの。私のことを大事にしてくれて心配もしてくれる。笑えば笑い返してくれる。わがまま言っても許してくれる。」


 ティアはなんてことないかのように言っているが、ティアの言葉一つ一つがキャスの胸を痛める。そっとティアを抱きしめるキャス。


「キャスさん?」


「なんとなく抱きしめたくなっちゃったの。嫌だった?」


「全然!嬉しいよ!…それでね、家でのエリック隊長はね今にも増して甘々なんだよ!」


「ふふっ。どんな感じなの?」


 キャスはティアの頭を撫でながら聞く。


「例えばね、ご飯食べる時は私1人でも食べれるのに絶対食べさせようとしてくるの!お土産だとか何かと理由つけてはプレゼントをしてくるし…服もね、似合うだろうって言ってたくさん買ってくるし。クローゼットがすごい事になるんだよ。それから、おはよう、おやすみ、行ってきます、ただいま等において必ず顔中にチューするんだよ。ちなみにこれらはエリック隊長だけじゃないんだけどね。グレイおじいちゃん、ジュリアンおばあちゃんもだし。セバスさんやマリーさんたちも世話好きなのか沢山良くしてくれるの。」 


「だいぶルーゼルト家は重症に陥ってるわね。それにしても、あのエリック隊長が家ではティアちゃんLOVE全開なのね。今でもかなりティアちゃんLOVEではあるけど…あれで抑えてるつもりなのかしら。」


 エリック隊長曰く、外では隊長らしく、公爵家の人間らしくそれなりに我慢してるつもりらしい。私から見れば多少は家より落ち着いてるって感じだけど…周りからはそうは見えないよね。


「この任務で噂通り、エリック隊長が人が変わったかのように凄く感じていたのよ。エリック隊長といえば、貴族でそれも公爵家の嫡子じゃない。それでいて騎士団隊長だし。気さくで誰にでも優しく、強くてあの容姿でしょう?社交場でも人気なのよ。特に女性からね!なのに誰とも踊ったりしないで浮いた話もあがらない。そんな人が急に残念な感じが漂うようになって…正直驚きよ。同一人物か疑いたくもなるわ。娘が出来ると人は変わるとか聞くけど、典型的な事例ね。エリック隊長がこんな親バカだったなんて誰も想像つかなかったでしょうね。」


 やっぱりエリック隊長は親バカなのか。それにしても、やはりエリック隊長はモテモテなのか。なんでエリック隊長は恋人がいないんだろう?エリック隊長にもし恋人がいたらとイメージする。


「なんかヤダッ!」


「ティアちゃん?」


「むぅーー!なんかモヤっとした!」


「えぇ!?急にどうしたの?」


 そんな時だった。部屋をノックする音がした。


「ティア、キャスいるか?」


「あ、はいっ!」


 声の主は間違いなくエリック隊長。


 私はドアへと向かい開けると…


「うりゃあー」


 ポスっ


「お?どうした?そんなに俺に抱きつきたかったのか?可愛いなぁ~」


 ち・が・う!!私はエリック隊長のお腹目掛けて頭突きしに行ったの!


「ふふっ。ティアちゃんもエリック隊長LOVEなのね~」


 キャスさんまで…スノウだけは分かってくれるよね?


 あ、ダメだ。〈羨ましい…僕にモフッって突っ込んで来てくれないかな…〉などと言っている。






 どうしてこうなった!?





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