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本編
夜の密会
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♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
真夜中の暗い路地裏に1人の男が忍ぶようにやってきた。先に闇に潜んで待っていた人物は、やって来た男に気付くと声を掛けた。
「やあ、今宵はいい月夜だね。密会するにはピッタリだ。」
「……それより用件を。あまり時間がありませんので。」
「君はせっかちだな~。こんなにも素敵な夜だというのに。」
はぁ…と態とらしいため息を吐き出した人物は言葉を続ける。
「実はね、今日冒険者ギルドに偵察に寄ったんだけど随分と面白い3人組を見かけてね、あいつらを上手く使えないかな?と思ったんだ。」
「面白い3人組ですか?」
「そうだよ。全員女の冒険者でキャラ…キャワ…キャワフンズみたいに呼ばれていたと思うけど。」
「あぁ、キャワルンズですね。」
「そうそう!キャワルンズ!!あいつら使えそうだと思わない?ちょこっと背中を押してやれば喜んで手を汚してくれそうだし。あいつらと面識ある君なら怪しまれる事もなく近づけるだろう?あ、あとボスが数日以内に暴れるって言ってたから協力宜しくね。」
「……わかりました。」
躊躇うように視線を一度彷徨わせた男。未だ自分の選択に迷いがあるようだ。
「うん、それじゃあ君の失態には目を瞑ってあげる。後ろの奴は僕が始末しておくから安心していいよ。」
「……後ろ⁉︎なっ!!なぜあなたが!!」
「チッ…バレていたか。」
暗闇から現れた一つの影。
「すごいね!気配を消すのが上手いね。」
「ハッ!笑わせるな。気配が上手いと褒めるなら気付くなよ。クソ野郎が!!」
「クソ野郎だなんて酷いな。僕にはきちんとした名前があるんだけど。」
「報告を受けていた特徴からしてお前はヤヤとかいう名前の野郎だろう?」
「正解~」
パチパチと拍手するヤヤ。
「それじゃあ、死んでもらうね。」
「待って下さい!!彼に今死なれると困ります!」
ヤヤが動こうとした瞬間、ヤヤの密会相手であり裏切り者である男が待ったを掛けた。
「はぁ?なんで?僕は君の尻拭いをしてあげようとしてるんだよ?」
「それは…彼ほどの手練れが死んだとなれば一緒に行動していた私も怪しまれます。ここは生捕にして持っている情報を引き出してはいかがでしょうか?」
「こいつが僕らの欲しい情報を持っているとでも?…あぁ!そういえば彼の事気になっていたんだった!彼ほどの強者は久しぶりだったからあんな別れ方は残念だったんだよね~もしかして、死んじゃったかな?」
ヤヤの言う彼が誰なのかは裏切り者である人物には分からなかったが、ヤヤに視線を向けられた人物には分かったようだ。
「貴様ぁああ!!!」
暗器を持ち出しヤヤに襲い掛かる。ヤヤの喉元まであと少しというところで弾かれた。
「うん、いい動きだね。でも弱いや。」
そう言うと笑みを消したヤヤ。ヒヤリとした空気に裏切り者の人物はマズイと思った。裏切り者の人物はヤヤに気を取られている隙に魔法を展開し、ヤヤに襲い掛かった者を拘束した。
「何をするッ!邪魔をするな!この裏切り者がッ!!」
「死にたいんですか?…少しの間、眠っておいて下さい。それがあなたの為です。」
「くっ……」
意識を刈り取られた男はその場に倒れた。
「君さぁ、勝手に獲物を奪わないでよ。あーつまんない。こいつはとりあえず地下にぶち込んでおいて。」
「…すみません。拘束し、牢に入れておきます。」
「それじゃあ、後は宜しく。必ずあの小さなウルフといた可愛らしい人の子を手に入れてね。期待してるよ。」
そう言うと姿を消したヤヤ。取り残された裏切り者は気を失った男を運ぶ作業に取り掛かる。
「力仕事はまるっきりダメだというのに彼を運べるかな………今更、後戻りは出来ないとはいえ、これで良かったのかな?いいや、良かったはずだ。そう、だよね。」
裏切り者は自身の最も信頼する存在に話しかける。その存在はただ悲しそうに、心配そうに見つめるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主人公たち登場せず……次回はティアたち登場しますよ!笑笑
真夜中の暗い路地裏に1人の男が忍ぶようにやってきた。先に闇に潜んで待っていた人物は、やって来た男に気付くと声を掛けた。
「やあ、今宵はいい月夜だね。密会するにはピッタリだ。」
「……それより用件を。あまり時間がありませんので。」
「君はせっかちだな~。こんなにも素敵な夜だというのに。」
はぁ…と態とらしいため息を吐き出した人物は言葉を続ける。
「実はね、今日冒険者ギルドに偵察に寄ったんだけど随分と面白い3人組を見かけてね、あいつらを上手く使えないかな?と思ったんだ。」
「面白い3人組ですか?」
「そうだよ。全員女の冒険者でキャラ…キャワ…キャワフンズみたいに呼ばれていたと思うけど。」
「あぁ、キャワルンズですね。」
「そうそう!キャワルンズ!!あいつら使えそうだと思わない?ちょこっと背中を押してやれば喜んで手を汚してくれそうだし。あいつらと面識ある君なら怪しまれる事もなく近づけるだろう?あ、あとボスが数日以内に暴れるって言ってたから協力宜しくね。」
「……わかりました。」
躊躇うように視線を一度彷徨わせた男。未だ自分の選択に迷いがあるようだ。
「うん、それじゃあ君の失態には目を瞑ってあげる。後ろの奴は僕が始末しておくから安心していいよ。」
「……後ろ⁉︎なっ!!なぜあなたが!!」
「チッ…バレていたか。」
暗闇から現れた一つの影。
「すごいね!気配を消すのが上手いね。」
「ハッ!笑わせるな。気配が上手いと褒めるなら気付くなよ。クソ野郎が!!」
「クソ野郎だなんて酷いな。僕にはきちんとした名前があるんだけど。」
「報告を受けていた特徴からしてお前はヤヤとかいう名前の野郎だろう?」
「正解~」
パチパチと拍手するヤヤ。
「それじゃあ、死んでもらうね。」
「待って下さい!!彼に今死なれると困ります!」
ヤヤが動こうとした瞬間、ヤヤの密会相手であり裏切り者である男が待ったを掛けた。
「はぁ?なんで?僕は君の尻拭いをしてあげようとしてるんだよ?」
「それは…彼ほどの手練れが死んだとなれば一緒に行動していた私も怪しまれます。ここは生捕にして持っている情報を引き出してはいかがでしょうか?」
「こいつが僕らの欲しい情報を持っているとでも?…あぁ!そういえば彼の事気になっていたんだった!彼ほどの強者は久しぶりだったからあんな別れ方は残念だったんだよね~もしかして、死んじゃったかな?」
ヤヤの言う彼が誰なのかは裏切り者である人物には分からなかったが、ヤヤに視線を向けられた人物には分かったようだ。
「貴様ぁああ!!!」
暗器を持ち出しヤヤに襲い掛かる。ヤヤの喉元まであと少しというところで弾かれた。
「うん、いい動きだね。でも弱いや。」
そう言うと笑みを消したヤヤ。ヒヤリとした空気に裏切り者の人物はマズイと思った。裏切り者の人物はヤヤに気を取られている隙に魔法を展開し、ヤヤに襲い掛かった者を拘束した。
「何をするッ!邪魔をするな!この裏切り者がッ!!」
「死にたいんですか?…少しの間、眠っておいて下さい。それがあなたの為です。」
「くっ……」
意識を刈り取られた男はその場に倒れた。
「君さぁ、勝手に獲物を奪わないでよ。あーつまんない。こいつはとりあえず地下にぶち込んでおいて。」
「…すみません。拘束し、牢に入れておきます。」
「それじゃあ、後は宜しく。必ずあの小さなウルフといた可愛らしい人の子を手に入れてね。期待してるよ。」
そう言うと姿を消したヤヤ。取り残された裏切り者は気を失った男を運ぶ作業に取り掛かる。
「力仕事はまるっきりダメだというのに彼を運べるかな………今更、後戻りは出来ないとはいえ、これで良かったのかな?いいや、良かったはずだ。そう、だよね。」
裏切り者は自身の最も信頼する存在に話しかける。その存在はただ悲しそうに、心配そうに見つめるのだった。
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主人公たち登場せず……次回はティアたち登場しますよ!笑笑
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