転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

アルの正体 2

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 私の大声の叫びに1番近くにいたアルは耳がキーンと鳴ったのか頭上にヒヨコが回っているようだ。


「ほらぁ~聞かなきゃ良かっただろ?」


 エリック隊長はムスッ~とした空気を漂わせ言う。アルは頭を振って回復したようだ。


「ティア、俺が王子だと知って態度を変えるか??」


 チラチラとこちらを窺うアル。なんでそんなに不安そうなの?


「アルは態度を変えて欲しいの?敬ってアルベルタ様~なんて言われたい系??」


「嫌だっ!!ティアには愛称で呼んで欲しいし、王子だからと距離をとられたくはない…今までの態度で接して欲しい。」


「ふふっ。私ね、友達にアルと同じような王族がいるんだよね。アルとはまた違ったタイプの友達なんだけど、仲は良いと思うんだよね。王族とか身分関係なしに友情を育んでる感じ?だからね私、アルを王子だからとかそんな理由で態度を変えるつもりはないよ。アルが敬って欲しいとかなら、そうするつもりだったけど、嫌だなんて言われたちゃったらねぇ?ふふっ。」


「ティア!!」


 ガバッと抱きつくアルの頭を撫でる。


「ティアは友情を育んでるとか言っているがレオンハルト様は友情以上のものを育もうとしてやがるんだよなーあいつは友達で終わろうとしていないがティアは友達としか認識していないとは朗報だな…ククッ。」


 悪い笑みを浮かべて呟くエリックの声は、アルベルタを相手していたティアには届かなかった。






「それにしてもアルが王子様だなんて衝撃だったな。ここ最近で1番驚いた事かも!」


「俺もティアが一応貴族令嬢にあたる事には知った時驚いたけどな。」


 一応ってなんだ。一応って!!


「でもアルにはレオンにはない、コレぞ王族の姿!みたいなのあったよね~青薔薇さんとかに指示する所とかレオンとは大違いって感じ!そう考えるとアルが王子なのも納得かもしれないね。」


「ティアの前だと残念な所が目につくが意外と有能なんだぞアレでも…まぁ、王族としての風格はアルベルタの方がありそうだがな(苦笑)」


 ひどい言われようであるレオンハルト。噂されているのを感じたのか人知れず城でクシャミをするレオンハルトであった。






♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 時は遡り、ティアたちが冒険者ギルドを後にしたときの場面である。ティアたちの後ろ姿をちょうど目撃していた3人の女冒険者がいた。彼女らは全身が汚れ、ひどい臭いをさせていた。すれ違う人は皆嫌な顔をして距離を取ってそそくさと歩いていく。誰も近寄ろうなどとはしない。



「あいつら!!」
「何よっ!私たちがなんでこんな目にっ!」
「絶対に許さないわ」


 憎しみの目でティアたちを見つめていたのはキャワルンズである。彼女たちは先日の罰として下水道掃除を任されていたのだ。彼女たちにとって悪臭漂う場所での汚れ作業という労働は嫌悪そのものであった。手を抜こうものならば、さらに罰を増やすと言われ泣き言や恨み言を言いつつ手を動かして働いた。


 キャワルンズは今日のノルマ達成を報告する為、ギルドに入る。その瞬間ギルド内にいた冒険者たちが皆、顔を顰めて3人から距離をとる。あからさまな態度に怒り心頭の3人である。先ほどティアたちを見送ったテルボーは受付嬢と話をしていた途中でキャワルンズを目にし声を掛けた。


「お!キャワルンズじゃないか。悪臭プンプン漂わせてお疲れ様だな!冒険者カード早く提示したら帰れよ。臭くて堪らんわ(笑)」


 テルボーの言葉に顔を赤くするキャワルンズ。イライラ気に受付に冒険者カードを叩きつける。


「……確認しました。明日は朝7時に集合となります。それではお気をつけて。」


 受付嬢は鼻が曲がりそうな臭いに息継ぎする間も無く早口で言い終えると席を立ち、離席中の板版を置いて裏へと駆け込んで行った。キャワルンズは残ったテルボーを睨みつけると舌打ちを残してギルドを後にした。




 そんなキャワルンズたちの様子をギルドに情報収集に来ていたある人物が楽しそうに見ていた。


「ふ~ん。あの3人使えそうだな~。にやらせれば簡単にあの3人を引き込めるだろうしね!そうすればあの上質な子供を手に入れやすくなって、ボスの目的達成に近づく!!てな訳で君の飼い主に今夜会いに行くって連絡しておいてね。」


 そう言うと場所と時間を書いた小さなメモを近くに置き、静かに立ち去って行った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 キャワルンズの様子を楽しそうに見て利用しようとしている人物わかる人いるかもしれませんね!そして、その人物が残したメモを届ける存在とは……



 



 


 










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