転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

神域魔法と奇跡の実

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「アルティメット・ヒール・ウーンド!それから~~起死回生!!!」


 最初に発動したのは回復魔法の最上級魔法なんてものじゃない。暇な時に読んでいたパパアティスからのプレゼントの魔法書に書いてあったやつだ。今はもう失われた神域に到達した魔法らしい。どんな怪我も死の一歩手前までなら、まるで無かったかのように一瞬で治せる。まるで神のような力だったとされる。この魔法が使えたのは、莫大な魔力量と加護持ちだけだったらしい。オバケ魔力持ち(めっちゃ魔力持ってる人の事を喩えてみた!!)は少なからず今もいるらしいけど私ほどではないらしいし、加護も直接パパアティス神から貰ってる人なんていないからね。今じゃ、神域に近い最上級回復魔法までしか使える人はいないんだって。私のは正真正銘の神域魔法なんだよ!えっへん!


 と言ってもこれは怪我が丸々治るのであって、死にかけてる人がピンピン完全復活なんて事にはならない。だから後付けで起死回生っていう魔法を創造魔法で作ったんだよね!起死回生って四字熟語からその意味通りの魔法を創ってみました。これは死にかけている人を再び生き返らせるって意味だったかな。流石に蘇生魔法なんてもの作れないしね。


 これによって眩い光に包まれたモッサさんは先ほどまでの状態と打って変わって、怪我一つ見当たらない姿で規則正しい寝息を吐いていた。


「ふぅ…」


 初めて使った魔法だからか、緊張からなのか気を張っていたみたい。成功に安心して息を吐いた。


「「「………………………………」」」


 何故、全員黙る!?もしかして効果がイマイチだった?


「だ、だから、誓約は必要だと言ったでしょう。まぁ、私も予想の何倍も上の出来事に動揺が隠しきれませんが……」


 ニールはゼーレオルコスを使った判断は正解だったと心から思った。


「念の為、この実も食べさせとく??」


 そう言って取り出したのは例のあの実だ。その名も…奇跡の実!!じゃじゃーん!


「「「…………………………………」」」


 あれ?今度はニールさんまで無言になっちゃったよ?



「か、確認だがどっからどう見てもヤバそうなその実はなんだ?」


 アルが口元を引き攣りながら聞いてきた。


「えっと、奇跡の実っていう食べ物だね!」


「だね!じゃないぞ!?それで済まされる代物じゃないからな!?そんなものホイホイ出すんじゃない!!」


 エリック隊長は、ヤバい代物またかよ…とか呟いている。


「だ、だって最初から奇跡の実を出そうと思ったけど、これだと食べないとでしょ?さっきのモッサさんに食べさせるなんて無理だよ。だから仕方なく先に魔法で回復させたんだよ?これなら今すぐ起こして食べさせる事出来るし!!」


「そういうことじゃない!!魔法もその実も何もかもヤバいの一言に尽きるんだよ。それをダブルパンチでモッサさんに与えてみろ?完全復活どころか、もはや若返るレベルだわ!!」


「怪我や病気とかが治るだけで若返ったりはしないよ?」


「だろーな!」


 ぜぇぜぇ息を吐くエリック隊長。大丈夫?


「なぁ、それ本物の奇跡の実なのか?」


 アルはぷるぷるしながら指をさす。怖いものじゃないよ?


「うん。」


「な、なんでそんな国宝級レベルのもの持ってるんだよ!?」


「貰ったから??」


「はぁあ???ティア、それがどれだけ価値のあるものか分かってるのか?それを欲しがる奴なんていくらでもいるんだぞ。もしかしたら力づくで奪いに来る奴だっている。誓約をしたからいいものの、してなかったら俺が奪ったかもしれないんだぞ!!」


「アルなら普通にあげるから奪う必要ないよ??」


「「「「はぁあ????」」」」


 え?何かおかしなこと言った??



「ティア!だから言っただろう。それは価値のあるものなんだ。それをホイホイとあげようとするな。」


「だって、有りすぎて使う機会が滅多にないんだもん。有効活用してほしいし…」


「「「有りすぎて…??」」」


 ティアの一言に嫌な予感を感じたのはティアの規格外性を知っているエリックたちだけではない。知りたいような知りたくないような、手に負えない情報を手に入れた感じだ。

〈あーあ。ティア、余計な事は言ったらダメだよ~〉


 スノウはあちゃーと反応するのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 奇跡の実の難点…それは食べ物の為、食べないと効果を発揮出来ないということ。故に最初から奇跡の実を使うという事が出来なかったというわけです!







 
 


 
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