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本編
ヒーローがやってくるには十分な時間だ
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「驚いたー!完全に心を折ったと思ったのになー。つまんないのー」
ナイフをクルクルと回しながらヤヤは言
う。
「つまんない?あなたの暇つぶしに付き合わされる為に私たちはいるんじゃないわ!そもそもあなた達は何がしたいの!?」
「何がしたいって言われてもなぁ?僕はボスに言われた通り魔力の高い成人未満の子どもたちを生きたまま各地から集めて来いって言われて献上するくらいだしな。あとは、ボスの計画に邪魔になりそうな存在とかは適宜殺せって命令されたっけ?あぁ、今回はパッチーナで実験したいからって、ちょっとした演出を用意したんだよね。その実験の為にパッチーナには実験台になってもらうんだー。それで、こいつらはその為の駒かな?」
こいつらと言って指したのは、ちょうど戻って来たモッサさんやコルチカムの構成員だった。
「駒って、、彼らは仲間でしょう?その言い方は間違ってる!!」
「仲間?間違ってなんかないさ、そいつらは駒なんだよ。そうだよね?」
「えぇ。」
「「「はいっ!!」」」
モッサもコルチカムの人たちもヤヤの言葉に同意する。
「2人、それから1匹がこちらに侵入しました。向こうで応戦していますが、ここにくるのも時間の問題かと。」
「たった2人?あと何、その1匹って?」
「1人は王都の騎士団長で、もう1人はそちらのアルベルタ君の護衛の者です。1匹というのはティアちゃんの従魔かと。」
「へぇ。騎士団長ね。そりゃ強そうだ!アルベルタって誰…あぁ獣人君か!え、獣人君ってば護衛なんているの?」
アルベルタという名にピンとこなかったヤヤに私とアルは呆れる。今のいままで「アル」と呼んでいたのに耳に入ってなかったのか。それとも覚える気がないのか。
「アルベルタ君は獣王国の王子ですので。」
「獣王国…へぇ!ムバードの国の王子だったんだ。」
「急いでここを離れた方がいいかと。」
私は胸に手を当て、スノウの気配を探す。気配探知の魔法は使えないからエリック隊長やビスさんの魔力は察知出来ないが、スノウとは従魔契約で繋がっているから近くまで来ているとしたら分かるはずだ。
(いる。スノウがすぐ近くにいる!)
私はアルに口パクでスノウが来たことを伝える。アルはコクリと頷く。
「タイムリミットも近づいてきたことだし、重要物を持って南港に行こうか。」
ヤヤは私を軽々と担ぎあげた。もうスノウの防護壁の発動条件を分かっているから、発動しないように対処をしている。いくら私が暴れて嫌がろうとこの防護壁は敵の行動・意志による攻撃にのみでしか発動しないため、なす術がない。せっかくスノウたちが来てるっていうのに!!
「おい!!」
「なーに?獣人君、君じゃ僕には敵わないって分からないの?せっかく殺さないであげようかと気まぐれで思ったのに、死に急ぎたい願望でもあるわけ?叶えてあげようか?」
「そんな願望あるかー!!」
「なら邪魔するなよ。離れろ。」
アルベルタはヤヤの脚にしがみついていたが振り払われた。アルベルタは上手く転がり受け身をとるとニヤリと笑った。
「たった数秒…だがそれで十分だろう?」
「何??」
「あぁ、十分だ!!」
「…ッ!!!」
ヤヤに担がれていた私は、今は別の人物に抱えられている。ヤヤは左肩から血を流し、落ちた腕を見て斬った人物を睨む。
「待たせたなティア。」
そこには私の大好きなエリック隊長の姿があった。
ナイフをクルクルと回しながらヤヤは言
う。
「つまんない?あなたの暇つぶしに付き合わされる為に私たちはいるんじゃないわ!そもそもあなた達は何がしたいの!?」
「何がしたいって言われてもなぁ?僕はボスに言われた通り魔力の高い成人未満の子どもたちを生きたまま各地から集めて来いって言われて献上するくらいだしな。あとは、ボスの計画に邪魔になりそうな存在とかは適宜殺せって命令されたっけ?あぁ、今回はパッチーナで実験したいからって、ちょっとした演出を用意したんだよね。その実験の為にパッチーナには実験台になってもらうんだー。それで、こいつらはその為の駒かな?」
こいつらと言って指したのは、ちょうど戻って来たモッサさんやコルチカムの構成員だった。
「駒って、、彼らは仲間でしょう?その言い方は間違ってる!!」
「仲間?間違ってなんかないさ、そいつらは駒なんだよ。そうだよね?」
「えぇ。」
「「「はいっ!!」」」
モッサもコルチカムの人たちもヤヤの言葉に同意する。
「2人、それから1匹がこちらに侵入しました。向こうで応戦していますが、ここにくるのも時間の問題かと。」
「たった2人?あと何、その1匹って?」
「1人は王都の騎士団長で、もう1人はそちらのアルベルタ君の護衛の者です。1匹というのはティアちゃんの従魔かと。」
「へぇ。騎士団長ね。そりゃ強そうだ!アルベルタって誰…あぁ獣人君か!え、獣人君ってば護衛なんているの?」
アルベルタという名にピンとこなかったヤヤに私とアルは呆れる。今のいままで「アル」と呼んでいたのに耳に入ってなかったのか。それとも覚える気がないのか。
「アルベルタ君は獣王国の王子ですので。」
「獣王国…へぇ!ムバードの国の王子だったんだ。」
「急いでここを離れた方がいいかと。」
私は胸に手を当て、スノウの気配を探す。気配探知の魔法は使えないからエリック隊長やビスさんの魔力は察知出来ないが、スノウとは従魔契約で繋がっているから近くまで来ているとしたら分かるはずだ。
(いる。スノウがすぐ近くにいる!)
私はアルに口パクでスノウが来たことを伝える。アルはコクリと頷く。
「タイムリミットも近づいてきたことだし、重要物を持って南港に行こうか。」
ヤヤは私を軽々と担ぎあげた。もうスノウの防護壁の発動条件を分かっているから、発動しないように対処をしている。いくら私が暴れて嫌がろうとこの防護壁は敵の行動・意志による攻撃にのみでしか発動しないため、なす術がない。せっかくスノウたちが来てるっていうのに!!
「おい!!」
「なーに?獣人君、君じゃ僕には敵わないって分からないの?せっかく殺さないであげようかと気まぐれで思ったのに、死に急ぎたい願望でもあるわけ?叶えてあげようか?」
「そんな願望あるかー!!」
「なら邪魔するなよ。離れろ。」
アルベルタはヤヤの脚にしがみついていたが振り払われた。アルベルタは上手く転がり受け身をとるとニヤリと笑った。
「たった数秒…だがそれで十分だろう?」
「何??」
「あぁ、十分だ!!」
「…ッ!!!」
ヤヤに担がれていた私は、今は別の人物に抱えられている。ヤヤは左肩から血を流し、落ちた腕を見て斬った人物を睨む。
「待たせたなティア。」
そこには私の大好きなエリック隊長の姿があった。
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