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第六話
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ギルドから、お城までは馬車でも2週間かかる。ギルド長とソフィはいろいろな話をした。村での話を興味深く聞いてくれるギルド長は、優しかった。
ソフィの傷を少しずつ癒やしてくれた。
村からギルドのある町まで、ソフィは歩いてたどり着いたし、すべて野宿だったが、今回の移動では、高級な宿に泊まった。
そして、2週間後、ソフィたちは、お城に着いた。
ギルド長もソフィも、謁見の間に通された。
しばらく待つと、国王陛下が2人の前に
やってきた。
2人とも、頭を下げて陛下の言葉を待った。
「顔を上げよ」
ソフィは国王陛下の顔を見た。金髪碧眼、壮年の王からは、威厳と温かさを感じた。
「さて、トマスギルド長。この方が聖女だという話は本当か?」
「間違いありません。適正は光魔法で、治癒魔法が使えて、魔力は無限大です。もし気になるなら、王宮での測定をお願いいたします」
「ふむ。それは必要になるな。だが、お前が言うのなら、間違いはないだろう」
陛下はギルド長を知っているようだ。
ソフィはこれからのことを考えると、自分はどうしたらいいかわからなくなる。
ギルド長は馬車の中で言っていた。
「王宮に着いたら、陛下とお会いすることになります。おそらくもう一度測定があるでしょう。それが終わったら、ソフィ様は未婚の王子の婚約者になります。あとは神殿で、お仕事をしていただくことになります」
王子と婚約?神殿?
ソフィの理解を超えていた。
まさか本当にはならないと思っていたのだが、測定器らしきものが白衣を着た男性によって運ばれてきた。ソフィは、とまどいながらも、言われるままに従った。
今度の測定器は、球ではなかった。
「さぁ、ソフィ様。こちらに手を乗せてください」
ソフィが言われた通りにすると、
測定器が、動き始めた。
「適正魔法は治癒魔法と防御魔法です。魔力量は、無限大」
ギルドの結果と適正魔法がちがっていた。一つ増えている。
「ソフィ様。貴方様は聖女に間違いありません」
国王陛下の口調が変わっている。
「第三王子カティスがまだ婚約者もおりません。ソフィ様はおいくつですか?」
「もうすぐ17歳になります」
ソフィの傷を少しずつ癒やしてくれた。
村からギルドのある町まで、ソフィは歩いてたどり着いたし、すべて野宿だったが、今回の移動では、高級な宿に泊まった。
そして、2週間後、ソフィたちは、お城に着いた。
ギルド長もソフィも、謁見の間に通された。
しばらく待つと、国王陛下が2人の前に
やってきた。
2人とも、頭を下げて陛下の言葉を待った。
「顔を上げよ」
ソフィは国王陛下の顔を見た。金髪碧眼、壮年の王からは、威厳と温かさを感じた。
「さて、トマスギルド長。この方が聖女だという話は本当か?」
「間違いありません。適正は光魔法で、治癒魔法が使えて、魔力は無限大です。もし気になるなら、王宮での測定をお願いいたします」
「ふむ。それは必要になるな。だが、お前が言うのなら、間違いはないだろう」
陛下はギルド長を知っているようだ。
ソフィはこれからのことを考えると、自分はどうしたらいいかわからなくなる。
ギルド長は馬車の中で言っていた。
「王宮に着いたら、陛下とお会いすることになります。おそらくもう一度測定があるでしょう。それが終わったら、ソフィ様は未婚の王子の婚約者になります。あとは神殿で、お仕事をしていただくことになります」
王子と婚約?神殿?
ソフィの理解を超えていた。
まさか本当にはならないと思っていたのだが、測定器らしきものが白衣を着た男性によって運ばれてきた。ソフィは、とまどいながらも、言われるままに従った。
今度の測定器は、球ではなかった。
「さぁ、ソフィ様。こちらに手を乗せてください」
ソフィが言われた通りにすると、
測定器が、動き始めた。
「適正魔法は治癒魔法と防御魔法です。魔力量は、無限大」
ギルドの結果と適正魔法がちがっていた。一つ増えている。
「ソフィ様。貴方様は聖女に間違いありません」
国王陛下の口調が変わっている。
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「もうすぐ17歳になります」
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