レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第118話 アルカトル防衛戦④

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一方、アッサールの近くで戦っていたグリゴリーは焦っていた。

アッサールの【バーサーカー】スキルが解除されたら一旦本陣に帰ってもらう段取りなのだが、なかなか解除されない。

というのも、アッサールとA級モンスター 鵺(ぬえ)の相性が非常に悪いのだ。

鵺のスキルはこの3つ。



++++++++++++

【再生 ★★★★】・・HPや傷が回復する。回復量などは魔力に依存する。

【乗り移り ★★★】・・相手の身体を乗っ取って動かすことができる。その間自分は動けなくなる。自分より魔力が低い相手にしか効かない。

【我慢強い ★★】・・ダメージを10%軽減する。

++++++++++++



パワータイプのアッサールは魔力が低く、鵺の【乗り移り】の対象となってしまう。

【バーサーカー】の状態で乗り移られると、ステータス増加をしたまま敵、つまり冒険者たちだけを攻撃するようになる。

過去に1度だけ乗り移られたことがあるのだがこれはかなりの非常事態で、その時は数名の冒険者の被害が出た。

それからアッサールは他の冒険者と距離を置くようになった。

死んでしまった冒険者のパーティメンバーからはかなり辛い言葉を投げかけられたが、アッサールはそれを全て受け入れた。

そして、罪を償うために、また自分を追い込むように1人でモンスターを倒し続けた。

それでも同じ過ちを犯さないように、鵺を含むA級モンスターが近づいてきたら【バーサーカー】スキルは使わずに戦っていた。


しかし、今回は想定通りにいかなかった。

いつもと規模が違ったこと。

回復役であるグリゴリーパーティが近くにいたことで、回復のタイミングが早かったこと。

いくつかの要因が重なり、A級モンスターが接近してるにも関わらず、【バーサーカー】を発動し続けてしまっている。

アッサールが倒したモンスターの数はゆうに200体を超えていた。


(…倒しすぎてる。)


グリゴリーはアッサールの様子を見て違和感を感じた。

確かにアッサールは強い。

敵の殲滅速度はS級冒険者の中でも群を抜いている。

それでも。

このペースは異常だ。

それに、こんなに長時間【バーサーカー】が解けないことにも腑が落ちない。


(…グリフォンが、アッサールの周りにいない…?)


その違和感の正体はグリフォンだった。

グリフォンはアッサールが戦っている範囲のモンスターに【光輝の壁】や【上級特殊魔法】による支援を施していなかった。


過去、魔族に扇動されているモンスターたちが細かい指示に従っていた様子はない。

明らかに今までと違い、戦術を使ってきている。


「そういうことか!
 みんな、一旦離れるぞ!!」

グリゴリーがパーティメンバーにそういったとほぼ同時に、アッサールが突然グリゴリーたちの方へ走り出した。

それを止めようとするモンスターはいない。


「遅かったか!
 【全能力50%UP】!」


A級モンスターのグリフォンは、アッサールの【バーサーカー】が解けないように、周りのモンスターを強化しなかったのだ。

それにより、アッサールの受けるダメージが減り、結果 鵺 が接近することを許してしまった。

アッサールとのステータス差を埋めるために【全能力50%UP】を発動するグリゴリー。

もしこのスキルがなければ同じS級冒険者とはいえ、あっという間に殺されていただろう。


「お前ら、なんとか鵺を見つけて倒してくれ!!」

今頼れるのは残ったパーティメンバーと、近くにいたロックの分裂体。

しかし、分裂体とコミュニケーションをとることはできない。

本体の簡単な指示を受けて行動している分裂体は、本体と離れた状態で特定の個体を狙って攻撃することはできないのだ。


鵺を見つけることは難しくなかった。

この戦場の中で動かない個体は異質だからだ。

しかし、倒すのは難しい。

【我慢強い】により防御力が上がり、【再生】によって与えたダメージも回復する。

何より、他のA級・B級モンスターがいるため乗り移ってる鵺を倒すどころか、自分たちがやられてしまいそうになっている。


その時、グリゴリーの【魔獣化】が解けた。
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