120 / 283
第三章 魔王の真実
第118話 アルカトル防衛戦④
しおりを挟む
一方、アッサールの近くで戦っていたグリゴリーは焦っていた。
アッサールの【バーサーカー】スキルが解除されたら一旦本陣に帰ってもらう段取りなのだが、なかなか解除されない。
というのも、アッサールとA級モンスター 鵺(ぬえ)の相性が非常に悪いのだ。
鵺のスキルはこの3つ。
++++++++++++
【再生 ★★★★】・・HPや傷が回復する。回復量などは魔力に依存する。
【乗り移り ★★★】・・相手の身体を乗っ取って動かすことができる。その間自分は動けなくなる。自分より魔力が低い相手にしか効かない。
【我慢強い ★★】・・ダメージを10%軽減する。
++++++++++++
パワータイプのアッサールは魔力が低く、鵺の【乗り移り】の対象となってしまう。
【バーサーカー】の状態で乗り移られると、ステータス増加をしたまま敵、つまり冒険者たちだけを攻撃するようになる。
過去に1度だけ乗り移られたことがあるのだがこれはかなりの非常事態で、その時は数名の冒険者の被害が出た。
それからアッサールは他の冒険者と距離を置くようになった。
死んでしまった冒険者のパーティメンバーからはかなり辛い言葉を投げかけられたが、アッサールはそれを全て受け入れた。
そして、罪を償うために、また自分を追い込むように1人でモンスターを倒し続けた。
それでも同じ過ちを犯さないように、鵺を含むA級モンスターが近づいてきたら【バーサーカー】スキルは使わずに戦っていた。
しかし、今回は想定通りにいかなかった。
いつもと規模が違ったこと。
回復役であるグリゴリーパーティが近くにいたことで、回復のタイミングが早かったこと。
いくつかの要因が重なり、A級モンスターが接近してるにも関わらず、【バーサーカー】を発動し続けてしまっている。
アッサールが倒したモンスターの数はゆうに200体を超えていた。
(…倒しすぎてる。)
グリゴリーはアッサールの様子を見て違和感を感じた。
確かにアッサールは強い。
敵の殲滅速度はS級冒険者の中でも群を抜いている。
それでも。
このペースは異常だ。
それに、こんなに長時間【バーサーカー】が解けないことにも腑が落ちない。
(…グリフォンが、アッサールの周りにいない…?)
その違和感の正体はグリフォンだった。
グリフォンはアッサールが戦っている範囲のモンスターに【光輝の壁】や【上級特殊魔法】による支援を施していなかった。
過去、魔族に扇動されているモンスターたちが細かい指示に従っていた様子はない。
明らかに今までと違い、戦術を使ってきている。
「そういうことか!
みんな、一旦離れるぞ!!」
グリゴリーがパーティメンバーにそういったとほぼ同時に、アッサールが突然グリゴリーたちの方へ走り出した。
それを止めようとするモンスターはいない。
「遅かったか!
【全能力50%UP】!」
A級モンスターのグリフォンは、アッサールの【バーサーカー】が解けないように、周りのモンスターを強化しなかったのだ。
それにより、アッサールの受けるダメージが減り、結果 鵺 が接近することを許してしまった。
アッサールとのステータス差を埋めるために【全能力50%UP】を発動するグリゴリー。
もしこのスキルがなければ同じS級冒険者とはいえ、あっという間に殺されていただろう。
「お前ら、なんとか鵺を見つけて倒してくれ!!」
今頼れるのは残ったパーティメンバーと、近くにいたロックの分裂体。
しかし、分裂体とコミュニケーションをとることはできない。
本体の簡単な指示を受けて行動している分裂体は、本体と離れた状態で特定の個体を狙って攻撃することはできないのだ。
鵺を見つけることは難しくなかった。
この戦場の中で動かない個体は異質だからだ。
しかし、倒すのは難しい。
【我慢強い】により防御力が上がり、【再生】によって与えたダメージも回復する。
何より、他のA級・B級モンスターがいるため乗り移ってる鵺を倒すどころか、自分たちがやられてしまいそうになっている。
その時、グリゴリーの【魔獣化】が解けた。
アッサールの【バーサーカー】スキルが解除されたら一旦本陣に帰ってもらう段取りなのだが、なかなか解除されない。
というのも、アッサールとA級モンスター 鵺(ぬえ)の相性が非常に悪いのだ。
鵺のスキルはこの3つ。
++++++++++++
【再生 ★★★★】・・HPや傷が回復する。回復量などは魔力に依存する。
【乗り移り ★★★】・・相手の身体を乗っ取って動かすことができる。その間自分は動けなくなる。自分より魔力が低い相手にしか効かない。
【我慢強い ★★】・・ダメージを10%軽減する。
++++++++++++
パワータイプのアッサールは魔力が低く、鵺の【乗り移り】の対象となってしまう。
【バーサーカー】の状態で乗り移られると、ステータス増加をしたまま敵、つまり冒険者たちだけを攻撃するようになる。
過去に1度だけ乗り移られたことがあるのだがこれはかなりの非常事態で、その時は数名の冒険者の被害が出た。
それからアッサールは他の冒険者と距離を置くようになった。
死んでしまった冒険者のパーティメンバーからはかなり辛い言葉を投げかけられたが、アッサールはそれを全て受け入れた。
そして、罪を償うために、また自分を追い込むように1人でモンスターを倒し続けた。
それでも同じ過ちを犯さないように、鵺を含むA級モンスターが近づいてきたら【バーサーカー】スキルは使わずに戦っていた。
しかし、今回は想定通りにいかなかった。
いつもと規模が違ったこと。
回復役であるグリゴリーパーティが近くにいたことで、回復のタイミングが早かったこと。
いくつかの要因が重なり、A級モンスターが接近してるにも関わらず、【バーサーカー】を発動し続けてしまっている。
アッサールが倒したモンスターの数はゆうに200体を超えていた。
(…倒しすぎてる。)
グリゴリーはアッサールの様子を見て違和感を感じた。
確かにアッサールは強い。
敵の殲滅速度はS級冒険者の中でも群を抜いている。
それでも。
このペースは異常だ。
それに、こんなに長時間【バーサーカー】が解けないことにも腑が落ちない。
(…グリフォンが、アッサールの周りにいない…?)
その違和感の正体はグリフォンだった。
グリフォンはアッサールが戦っている範囲のモンスターに【光輝の壁】や【上級特殊魔法】による支援を施していなかった。
過去、魔族に扇動されているモンスターたちが細かい指示に従っていた様子はない。
明らかに今までと違い、戦術を使ってきている。
「そういうことか!
みんな、一旦離れるぞ!!」
グリゴリーがパーティメンバーにそういったとほぼ同時に、アッサールが突然グリゴリーたちの方へ走り出した。
それを止めようとするモンスターはいない。
「遅かったか!
【全能力50%UP】!」
A級モンスターのグリフォンは、アッサールの【バーサーカー】が解けないように、周りのモンスターを強化しなかったのだ。
それにより、アッサールの受けるダメージが減り、結果 鵺 が接近することを許してしまった。
アッサールとのステータス差を埋めるために【全能力50%UP】を発動するグリゴリー。
もしこのスキルがなければ同じS級冒険者とはいえ、あっという間に殺されていただろう。
「お前ら、なんとか鵺を見つけて倒してくれ!!」
今頼れるのは残ったパーティメンバーと、近くにいたロックの分裂体。
しかし、分裂体とコミュニケーションをとることはできない。
本体の簡単な指示を受けて行動している分裂体は、本体と離れた状態で特定の個体を狙って攻撃することはできないのだ。
鵺を見つけることは難しくなかった。
この戦場の中で動かない個体は異質だからだ。
しかし、倒すのは難しい。
【我慢強い】により防御力が上がり、【再生】によって与えたダメージも回復する。
何より、他のA級・B級モンスターがいるため乗り移ってる鵺を倒すどころか、自分たちがやられてしまいそうになっている。
その時、グリゴリーの【魔獣化】が解けた。
27
あなたにおすすめの小説
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる
ともボン
ファンタジー
「ケンシン、てめえは今日限りでクビだ! このパーティーから出て行け!」
ある日、サポーターのケンシンは勇者のキースにそう言われて勇者パーティーをクビになってしまう。
そんなケンシンをクビにした理由は魔力が0の魔抜けだったことと、パーティーに何の恩恵も与えない意味不明なスキル持ちだったこと。
そしてケンシンが戦闘をしない空手家で無能だったからという理由だった。
ケンシンは理不尽だと思いながらも、勇者パーティーになってから人格が変わってしまったメンバーのことを哀れに思い、余計な言い訳をせずに大人しく追放された。
しかし、勇者であるキースたちは知らなかった。
自分たちがSランクの冒険者となり、国王から勇者パーティーとして認定された裏には、人知れずメンバーたちのために尽力していたケンシンの努力があったことに。
それだけではなく、実は縁の下の力持ち的存在だったケンシンを強引に追放したことで、キースたち勇者パーティーはこれまで味わったことのない屈辱と挫折、そして没落どころか究極の破滅にいたる。
一方のケンシンは勇者パーティーから追放されたことで自由の身になり、国の歴史を変えるほどの戦いで真の実力を発揮することにより英雄として成り上がっていく。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる