レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第三章 魔王の真実

第146話 抑制された力

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一方、魔王の元へ向かったティナ・ミラ・ファルク・リッチェルの4人は、魔王のいる玉座の間へと辿り着いていた。

「イーザ!!」

そこには4体のS級モンスター、デルベルト、それにイーザがいた。


そして…、玉座に圧倒的な存在感を放つ禍々しい魔族が座っていた。



いや、魔族ではなく、奴こそ…魔王。



「ファルク…!
 みんな…!」

満身創痍の上、魔王の威圧感の前に動くこともできないイーザは、絞り出すような声でファルクたちを呼んだ。

イーザを助けに来た4人の体も気圧されたのか、重い。


「来たか。
 …マーティンめ。
 スキル5つ持ちのやつだけ通せという命令だったのに…。
 強さは魔族の中でも飛び抜けてるが、やっぱり命令を無視するのは致命的だな…。
 しかし、奴にかかれば戦闘不能になるのも時間の問題だろう。」

「デルベルト…!!」

イーザを攫ったデルベルトをファルクが睨みつける。


「デルベルト。」

魔王が底冷えしそうな低い声でデルベルトに呼びかけた。

「はい。」

「お前もマーティンのところへ迎え。」

「それは…、あの小僧にマーティンが1対1で負けるかもしれないと…?」

「いや、戦闘は問題ないだろうが、マーティンの記憶が呼び戻される恐れがある。」

「彼らには何か関係があるんですか?」


「ああ…。
 あいつらは…、親子だ。」


「な!?
 そうだったんですか!?」

「うむ。
 万が一があるから、階段下の守りをお前に任せたかったのだが、あいつは言うことを聞かんからな…。
 この我とは一緒に戦いたくないと抜かしおった…。
 せめて関わりが少ないように、他の冒険者の足止めを頼んだのに…、それすらも無視するとはさすがに想定外だった。」

「かしこまりました。
 ただ差し出がましいようですが、この者たちの処理はこのモンスターたちだけでは荷が重いのでは…?」

「構わん。
 このレベル相手なら、我の敵ではない。」

「そうですね。
 ですが魔王様、この槍使いだけは私に相手をさせていただけませんか?」

「ほう?
 珍しいな。
 何故だ?」

「いえ、大したことではありませんが、冒険者時代の私に憧れていたらしいのです。
 せめて直接引導を渡してやれればと。」

「…マーティンもだが、お前も自我が残り過ぎておるな…。
 …まあいいだろう。
 その代わり早く片付けよ。」

「御意。」


「舐めやがって…!
 リッチェル、俺はデルベルトを倒す。
 お前らはS級モンスターを倒してくれるか?
 速攻で倒してイーザを守りたい。」

【気配察知】を持っていなくても、魔王の底知れない強さは全員が感じ取っていた。

だからこそ静観状態の魔王へ無理に攻めることは提案せず、ロックが来るまでに取り巻きから倒すことを選んだ。

とはいえ、イーザが危険に晒されそうであれば無理をしてでも魔王と対峙することは覚悟した上で。


「女性をこんな目に合わせるなんて、男の風上にも置けない奴らだね。
 さっさと倒してしまおう!」

「イーザさん。
 絶対私たちが助けるわ。
 【全能力50%UP】!」

「もう少ししたらロックが来てくれる!
 がんばろう!!
 [ハイフォース][ハイシールド]!」

「よっしゃ!
 行くぜ!
 【素早さ50%UP】!」


ファルクが先陣を切ってデルベルトに槍を突き立てる。

…が、重く感じていた体は、感覚だけでなく実際に動きが抑制されていた。


「…遅い。」

槍での攻撃をあっさりとデルベルトに受け止められる。


(ち、力も入らねえ…。)

素早さだけでなく、力も入らない。


「はっ!」

デルベルトの[武技]が全員を襲った。


「ぐぁっ!!」

「「きゃっ!!」」


【光輝の壁】が間に合ったにも関わらず、HPの半分近くを削られたファルク。

他のメンバーに至っては、同じく【光輝の壁】でダメージを半減していたが、半分以上のHPを失ってしまった。


ドゴッ!


「ぐっ!」


デルベルトがファルクを蹴飛ばす。


「悪いな。」


ファルクの動きがさらに鈍ったところで、デルベルトがファルクの四肢を…、槍で突き刺した。


「うっ…ぐっ…あ…。」
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