レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第四章 世界中が敵

第217話 助っ人の正体

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ハンナとロヴェルが戦う一方、同じく弓使いのティナに対して、剣を使うデイジーが相手をしていた。

距離を取られる前に、とにかく接近戦で仕留める腹づもりだ。

デイジーはS級冒険者とはいえ、レベルは低めの72。

ティナは80に達している。

【全能力50%UP】を使っているため、全てのステータスがデイジーを上回っていた。

とはいっても、近づかれると有効な攻撃を繰り出すことができない。

近づきたいデイジーと距離を取りたいティナ。

自分の距離にするための戦いになった。



残るファルクと助っ人の男は、睨み合ったまま動かずにいた。

静寂を破ったのは、助っ人の言葉だった。

「…ずいぶん強くなったようだな…。」

「あ?
 その声、あんた…」

ファルクの話を遮って、助っ人が斬りかかってきた。

「…手合わせ願おう。」

「望むところだ。」

相手の攻撃を受け止めて、ファルクはニヤリと笑った。



ロヴェルの思惑に反して、ハンナとの戦いは持久戦にはならなかった。

大幅にレベルアップし、【神速】という強力なスキルを手に入れたハンナがロヴェルを圧倒した。

レベルが上がり、さらに【奥義】で威力が底上げされた[武技]は、威力重視でなく範囲攻撃型の方でも、ロヴェルを瀕死にするだけの威力があった。

【神速】でどこから撃ってくるかわからない状況でロヴェルが躱し続けることは不可能であった。

「ば、馬鹿な…。
 短期間でこんなに強くなってるとは…。」

新たなシールドを発生させる間もなく、直撃を喰らったロヴェル。

ハンナに軍配があがった。



ティナとデイジーの戦いは硬直状態となっていた。

ステータスで上回るティナが距離を取ろうと動くが、【先読み】スキルを持つデイジーがうまく距離を潰す。

それだけでなく、ティナは剣の[武技]により何度も攻撃を受けてしまっていた。

しかしティナがその度に【上級回復魔法】で回復するので、デイジーとしても決め手がない状況であった。

ティナも攻撃を返すが、弓の攻撃を生かせる距離でない上、【先読み】で避けられてしまい、ダメージを与えることができなかった。

…というより、ティナは思い切って攻撃できないでいた。

馬鹿な国王のせいで無理矢理戦わされている相手を傷付けることに躊躇いがあったのだ。

そしてそれをデイジーも感じていた。

「…優しいのね。
 でも、手加減はいらない。」

いろんな事情があるにしても、1人の戦士として手加減されるのは我慢できない。

そんな想いを乗せた一言だった。

ティナにもそれが伝わる。

「…ごめんなさい。
 本気でやらないと、失礼よね。」

デイジーがニヤリと笑う。

ティナも自然と笑みが溢れる。

結果…、ティナの猛攻にデイジーが耐えきれず、崩れ落ちた。

弓の[武技]での範囲攻撃はかなり広範囲への攻撃となる。

いかに【先読み】があろうとも、全て回避することはできない。

本来、弓使いは体力や素早さなどで剣士に大きく劣る。

それゆえに近づかれれば不利な戦いとなるのだが、その不利を【全能力50%UP】で覆していたため、決着は早かった。

とはいえ、ティナもデイジーもお互いに相手を殺さないよう気をつけながら戦っていた。

その上でお互い本気で戦ったのだ。

相手を殺すつもりでの戦いなら、また結果は違ったかもしれない。



残るファルクと助っ人は、スキルも使わず、お互いの強さを確認するように打ち合っていた。

「…強くなったな。」

「あんたにそう言ってもらえると嬉しいねぇ!」


そして3組の戦いを見ていたサンジャータ国王はワナワナと震えていた。

「ロヴェル、デイジー!
 この役立たずが!!
 もうよい!!
 さっさと皆殺しにしろ!」

サンジャータ国王が残った助っ人に怒号を飛ばす。

それを聞いたファルクと助っ人は打ち合いをやめ、サンジャータ国王の方に向き直る。

「何をしておる!?
 なんのためにわざわざお主を迎えに行ったと思っとるんじゃ!?
 そこの役立たずごと、そいつらを皆殺しにするんじゃ!」

「は?」

その言葉にファルクやティナたちが怒りを滲ませる。

「それが終わったら今度は砦の奴らも皆殺しじゃ!
 その次はエスの城!
 この大陸の支配者はわしじゃ!」

「…だとよ。
 どうするんだ?
 アッサールの旦那。」
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