婚約破棄されて森に捨てられたら、フェンリルの長に一目惚れされたよ

ミクリ21 (新)

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本編◆第二章

2◆バジル視点

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「ルディガーさん、今日はルディガーさんの大好きなバジルソースを使ったご飯ですからね」

「それは食べるのが楽しみだな!」

「「「「わぁーい!ママのバジルソース!」」」」

僕を溺愛する夫のルディガーさんと、ルディガーさん似の息子の三つ子シモンとカミルとエリックと、僕似の息子フレディ。

いつもの幸せな家族の光景。

この村はいつだって平和で幸せが溢れている。

まだ身体の小さい息子達も、よく元気に遊んでいる。

毎日幸せだった。

………僕は、この幸せがずっと続くと思っていたんだよ。

だけど、幸せはある日唐突に壊されてしまった。



「へぇ?ここがフェンリルの村なんだ」

村の皆が警戒態勢に入る。

侵入者が村にいきなり現れたからだ。

フェンリル達の全力の撃退おもてなしを軽々と躱す男は、ルディガーさんをみてニヤリと笑ってみせた。

「あぁ、みつけた。私に相応しい男」

「は?」

男が魔法で出した鎖がルディガーさんに巻き付いて、ルディガーさんの身体中を締め上げる。

「ぐぅっ!?」

「ルディガーさん!!」

僕はルディガーさんを助けようと駆け寄ったけど、鎖が僕の頬を思いっきり殴りつけて、僕がルディガーさんの側に近寄ることを許さなかった。

「ぐぁっ!!」

「バ…ジ……ル…っ!!」

「あぁ、美しいフェンリルの長。この者こそ私の夫に相応しい」

「なっ!?ルディガーさんは僕の夫ですよ!!」

口の中を切ってしまったのか血の味がしたけれど、そんなことに構っている暇はない。

僕は男を睨みつける。

男は挑戦的に僕をみると、ルディガーさんの頬を一無でしてこう言った。

「私はジークフリート王国の王エルミラーダ。返してほしければ、私の王国に乗り込んでくるんだな?アハハハハハ!」

笑いながら侵入者……いや、略奪者泥棒猫はどこかに消えてしまう。

鎖が巻き付いているルディガーさんごと………。



「「「「パパーーーっ!!うわぁーーーんっ!!」」」」

息子達には、危険だから隠れていてねって言っていたのにいつの間にか出てきていたらしい。

ルディガーさんが連れて行かれる光景をみて、皆泣き出してしまった。

「なんてことだ。ルディガー様が拐われた」

クロムさんの悔しそうな表情をみて、クロムさんの夫のオリヴァーさんが抱きしめている。

村全体が、ルディガーさん誘拐事件に絶望を感じていた。

「ジークフリート王国エルミラーダ王、僕はお前を許さない」

初めて殺意という感情を感じた僕は、必ずルディガーさんを取り戻すと心に誓いを立てる。

そして、その王国を潰してやるって思ったよ。
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