完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール

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7話

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 お腹が満たされた私は、この街に興味を惹かれ、少し散策することにしました。

 本当に沢山のお店が所狭しと軒を連ねています。そして暫く歩いて行くと、色々な種類の草花が数多く植えられたガーデンの様な場所があり、その周りにはベンチが並んでいます。
 私は空いているベンチに腰掛けてこれからどうすべきか考えました。

 もしかしたらこのまま忘れ去られて放って置かれる可能性が大きいのでは無いかと少し不安にかられました。
 これからどのように生活をしていったらよいのでしょうか。
 私はなんとか一人でも生活するすべを見つけなくてはいけません。
 だって、いずれにしても実家の男爵家に帰る事は出来無いのですから。

 さて、困りましたね。
 持ってきたお金が底をつく前に何とかしなければと考えていると目の前の小綺麗なパン屋さんから小さな子供が飛び出して来て、私の前で転んでしまいました。
 私は直ぐに駆け寄りその子を起こしてあげたところで、後からお腹の大きな妊婦と思われる女性が追いかけて来ました。

「こら、勝手に出て行ったらダメじゃないか」

 女性は男の子を叱りながら私に声を掛けてくださいました。

「済まないね、ありがとよ」

 私は女性に静かに微笑み返しました。

「大丈夫です。それより妊婦さんの様ですがそんなに走って平気なのですか?」
 
「そうなんだよ、今、九ヶ月でね。なのにこの子がヤンチャで少しも言う事を聞いてくれなくて」

 そう言って笑ってらっしゃる。

「子供がいると、産んだ後の方が大変なんだよ、だから子供が産まれてから暫くの間だけ誰か私の代わりに働いてくれる人を探しているんだが、短期間だけの仕事なんで中々人が見つからなくてね」

 困ったお顔で仰ったのです。私は思わず女性に尋ねてしまいました。

「良かったら、私を雇って頂けませんか?」

「そんな短期間だけなんて、こっちの都合の良い条件なのにいいのかい?」

 女性は驚いた顔をしている。

「私はつい最近この街に来たばかりでここで働かせて頂いている間に次のお仕事を探すので、その繋ぎで構わないので宜しければお願いします」

 そう言って頭を下げた。

「助かるよ、じゃあ直ぐにうちの旦那に紹介するから付いてきておくれ」

 女性は嬉しそうに、私の手と子供の手を引いて、パン屋さんの中へと通してくれました。
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