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溶けてしまいたい
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しっかりと仕事を終えて、急いで宿へ戻る。泊まれるのは今日までだ、また次いつ二人で外出できるかわからない。少しの時間も惜しくて息が切れて汗が流れるのもお構いなしに、人にぶつからないように首都の中を走っていた。
宿に辿り着いてそのままの勢いで走っていたら流石に他の人に迷惑だから、なるべく静かに。でも急ぎ足で泊まっている部屋へと向かう。昨日よりは早い時間だからもしかするとリクトさんのほうがまだ戻ってきていないかもしれない。
そんな心配は扉を開けて杞憂となった。昨日と同じようにベッドの上でゆっくりと寛いでいるリクトさんは俺に気付いて「お疲れ」と言葉を投げてくれた。
「飯は?」
「はぁはぁ……あ、今日はライリーと食べてきました」
「そうか。ならそれは明日の朝にでも食えばいい」
「昨日に引き続き準備してくれてありがとうございます、リクトさん」
「ついでだからな」
昨日も露店に美味しそうなものがあったからと俺の分まで買ってきてくれた。このさり気ない優しさにまたキュンとする。村で遠巻きに見ていた子たちは彼のこういう一面も知らないんだ。いや彼の幼馴染である二人はきっと知ってるんだろうけど。
少しモヤッとしたけれど、幼馴染二人とは一緒に居た月日が俺とは違うのだからどう足掻いても敵いっこない。これはしょうがないと自分に言い聞かせモヤッとした気持ちを霧散させる。
汗を流しに行ってきますと急いで湯浴みに向かった俺にリクトさんは「おー」とひらっと手を振って見送る。視線が俺に向かわず下に落ちていたのは時間潰しに読んでいた本の続きを見ていたからかもしれない。
リクトさんも本読むんだ……あとで何を読んでいたのか聞いてみよ、と思いながらも急いで身支度を済ませる。
本当に時間がもったいないから、急いで髪を洗って汗を流して部屋に戻った。ぽたぽたと髪から滴り落ちる水滴はタオルで拭い取る。俺が出てきたのを確認して本をベッドヘッドボードに置いたリクトさんの上に覆い被さり、俺からキスをする。
「リクトさん……いいですか……?」
「まぁ今日までだもんな、チャンス」
「そうなんです! 次はいつになるかわからないし……! がっついているようで、申し訳ないんですけど」
「いや、お前もちゃんと男なんだなぁって感心した」
フッと笑ったリクトさんにもう一度キスをして、昨日リクトさんが俺にしてくれたようにボタンに手をかける。一つずつ外していく度に心音がドッドッと煩くなる。昨日もしたのに、まるで初めてのような感覚だ。
リクトさんも舌を絡めてきて俺の服を脱がしていく。たまにするっと肌を撫でられて身震いした。あの逞しい手が俺の肌に触れている、それだけでまた鼓動が早くなる。
下を脱がそうと手を伸ばしたけれど、なぜかリクトさんの手によって止められた。戸惑いを隠すことができなくて困惑した表情をしてしまった俺に、リクトさんはもう一度小さく笑ってフッと真顔になる。そしてゆっくりと脱がされてあらわになったそこに、俺は喉の奥で小さく叫んだ。
「リ、リクトさん、あの、こここ、これ、は……」
「時間がねぇと思って自分でやった」
「ああああの、あの、ぬ、濡れて……?」
「仕込んでおいた――お前がすぐに挿入れるように」
「っ……!」
まず、下着を脱いだ時に薄っすらと糸が引いていた。なんだろう、と首を傾げる前に答えはすぐにやってきた。
リクトさんが見せてきたそこが昨日初めて見た時とは違って少し解こされていて、はくはくと動いている。中からとろりと液体も溢れてきていた。
え、え。もしかして先に戻ってきたリクトさんは、わざわざ俺のために自分で解かして、しかも俺がすぐに挿入れるように潤滑剤まで中に仕込んで――
ぶわっと熱が上がって、目の前にある唇にかぶり付いた。優しすぎじゃないか、この人は。俺が思っている以上に、俺はこの人に想われているんじゃないか。
セオ、と耳に届いた低い声に唇を離し顔を上げる。
「男は慣れるまでは後ろからのほうが楽らしい」
「あ……そう、なんですね。すみません、俺知らなくて……」
「俺も同性相手だと知らなかったからな。だから今日は後ろから挿入れみろ」
「わかりました」
昨日は俺ばかりが気持ちよくなってしまったから、今日こそはリクトさんにも気持ちよくなってもらおうとうつ伏せになったリクトさんの身体に覆い被さる。そういえば背中をこんな間近でまじまじと見たことがなかった、と目を向ける。首にかかっている髪の間から項が見えて、ついゴクリと喉を鳴らしてしまった。
でも見惚れている場合じゃない、次いつになるかはわからないから今日できる限りのことはしないと。少し見えている項にキスを落として、ぢゅっと強めに吸い付く。ここならきっと髪で隠れるはずだ。
そのまま項から肩、そして背中へとキスを落とす。綺麗な凹凸のある筋肉を撫でそのまま下へと移動した。とろぉっと今にも滴り落ちそうになっている液体はもう誘っているようにしか見えない。触ってもいないのにすでに反り勃っているそれをそこに充てがった。
昨日言われた通り性急に動かすことはせず、ゆっくりと挿入していく。このカリの部分が本当に一番つらそうだった。けれど、自分で解こしたと言っていた通りそこはすで柔らかい。昨日はやや押し出すような動きをしていたけれど、今日はそんなことはなくただ受け入れてくれている。
グッと一度押し進めるとぐぽっとカリの部分が中に入った。そっと息を吐き出しゆるく前後に動かす。後ろからだからリクトさんの表情が見えないのが少し困った。痛いのかどうかがわからない。でも今日こそは丁寧に丁寧にと自分に言い聞かせた。
腰を動かしている間も何度もキスを落とす。今のところつらそうな声は聞こえてこない。ただ俯いている状態だから枕に顔を押し付けているだけかもしれない。
俺がもっと上手かったら、リクトさんにこんなにもつらい思いをさせなかったんだろうなぁと。少し悲しくなりつつも、腰を動かしてあるところを掠めたなと感覚に気付いた時だった。
「っ……」
少しだけリクトさんの肩が跳ねた。痛かったのかなと急いで顔を覗き込もうとしたけれど、俺がそうする前に先にリクトさんが僅かに顔を上げてこっちに振り向いてきた。
「リクトさん……?」
「は……さっきの、とこ……もう一度突いてみろ」
「……? さっきの、とこ」
掠めた感覚のあったところだと、言われた通りそこを突いてみる。すると今度はパッと見でわかるぐらいに目の前の身体が反応した。
そういえば男性でも気持ちよくなるところがあると、本に書いてあった。ここがそうなのかと重点的に突いてみるとあきらかに漏れ出る声色が変わった。
「っ……リクトさん、ここ、ですか? 気持ちいいの」
「は、ぁ……」
掠れた声が耳に届く。もぞりと動いて自分のそれに手を伸ばして上下に動かしているのが見えた。
気持ちいいんだ、リクトさんも。俺に中を突かれて、嬌ってる。
腰を掴んで更にそこを激しく攻め立てる。突く度にリクトさんの口から低く甘やかな声が漏れていた。
「リクトさんっ……気持ちよくなってっ、俺のでっ」
「っ、あっ、んっぁ」
顔が見たい。どうしても、感じてるリクトさんの顔が見たい。俺よりもずっと鍛えられている右腕を掴んで思い切り引っ張る。無理矢理振り向かせる形になってしまって、いつもなら申し訳ないと思うのにそんな感情すらどこかへ置いてきてしまった。
赤く染まってる首筋と耳、いつもキリッとして格好良い眼差しは心なしかとろっと溶けているように見えるのは俺の欲目のせいなのだろうか。
「セオ」
今まで聞いたことのない声色にまるで雷に打たれたかのように全身に衝撃が走り、名前を呼んだ時に見えた赤い舌を貪り付いた。リクトさんがやってくれたように、絡めて、吸い付いて。腰を動かすことをやめず、寧ろ感じるところを重点的に攻め立てる。リクトさんの手が離れたのを見て、今度は俺が猛っているそれを扱いた。
「ハァッ、ハァッ……! 俺ので、俺のでイって、リクトさんっ!」
「ぁっ、くっ……イっ……」
ドクッと手に振動が伝わってきて、それと同時に中も昨日とは比べ物にならないくらい締め付けられた。涎を足しながら歯を食いしばって、急いで中から引き抜く。リクトさんから一拍遅れた感じで俺も腰へと吐精した。
二人分の荒々しい息遣いが部屋の中に響く。昨日よりもずっと気持ちよくて、そして身体の力も抜けた。覆い被さるように倒れ込むと重いはずなのにリクトさんは呻き声一つ上げることなく、難なく俺の身体を背中で受け止める。やっぱり逞しい身体だ。
息を整えているとぬっと腕が伸びてきて、くしゃっと頭を撫でてきた。
「中に出さずに外に出して、お前は偉いな」
「……リクトさんのこと、大切にしたいですから」
「俺相手にそんなこと言うのお前ぐらいだろ」
横に身体をずらし向き合う形になる。お互い目を合わせながらリクトさんはまだ俺の頭を撫でていた。
「あの、どうでした……?」
「ん、昨日に比べてちゃんと気持ちよかった」
「……! よかったです!」
「ちゃんとな」
パッと喜んだ俺にリクトさんは小さく笑って、つられるように俺も笑顔になった。よかった、ちゃんと俺で気持ちよくなってくれて。嬉しさのあまりににこにことなってしまう顔が止められない。そんな俺の頭をリクトさんは撫でて――気付いたら天井を見上げていた。
「……へっ?」
「俺がちゃーんと準備していたおかげで、まだ時間はあるな?」
「は、え」
鼻から何かが流れたのがわかった。だって、あまりにも、あまりにも絶景すぎる。肌は火照って赤く染まり、逞しい身体には汗がツーっと流れていっている。その身体を惜しみなく曝け出して、俺の上に跨っているのだから鼻血だって出る。
リクトさんが楽しそうに笑って俺の鼻を少し力強く指で拭ってくれる。格好良いと煽情的だという感情が行ったり来たりで忙しい。
「お前は学習するのが早いな」
「え、は、あ」
「そして俺もまぁ、そんなに遅いほうじゃない」
まだ柔らかいそこに、すでに猛っている俺のがゆっくりと挿入されていく。体温上昇とともに呼吸も荒くなって何もかも熱くなって、目の前にチカチカと星が飛んだ。
「今度はお前をドロドロに気持ちよくさせてやろうな、セオ」
低く漏らされた声にズクンと腰が重くなる。もし上だったら砕けていたかもしれない。俺の腹の上で上下に跳ね出したリクトさんの腰を鷲掴みにして、下から思い切り突き立てればリクトさんは仰け反り、それでも楽しそうに笑っていた。
抱いているはずなのに、俺のほうが抱かれている。そんな不思議な感覚だった。
宿に辿り着いてそのままの勢いで走っていたら流石に他の人に迷惑だから、なるべく静かに。でも急ぎ足で泊まっている部屋へと向かう。昨日よりは早い時間だからもしかするとリクトさんのほうがまだ戻ってきていないかもしれない。
そんな心配は扉を開けて杞憂となった。昨日と同じようにベッドの上でゆっくりと寛いでいるリクトさんは俺に気付いて「お疲れ」と言葉を投げてくれた。
「飯は?」
「はぁはぁ……あ、今日はライリーと食べてきました」
「そうか。ならそれは明日の朝にでも食えばいい」
「昨日に引き続き準備してくれてありがとうございます、リクトさん」
「ついでだからな」
昨日も露店に美味しそうなものがあったからと俺の分まで買ってきてくれた。このさり気ない優しさにまたキュンとする。村で遠巻きに見ていた子たちは彼のこういう一面も知らないんだ。いや彼の幼馴染である二人はきっと知ってるんだろうけど。
少しモヤッとしたけれど、幼馴染二人とは一緒に居た月日が俺とは違うのだからどう足掻いても敵いっこない。これはしょうがないと自分に言い聞かせモヤッとした気持ちを霧散させる。
汗を流しに行ってきますと急いで湯浴みに向かった俺にリクトさんは「おー」とひらっと手を振って見送る。視線が俺に向かわず下に落ちていたのは時間潰しに読んでいた本の続きを見ていたからかもしれない。
リクトさんも本読むんだ……あとで何を読んでいたのか聞いてみよ、と思いながらも急いで身支度を済ませる。
本当に時間がもったいないから、急いで髪を洗って汗を流して部屋に戻った。ぽたぽたと髪から滴り落ちる水滴はタオルで拭い取る。俺が出てきたのを確認して本をベッドヘッドボードに置いたリクトさんの上に覆い被さり、俺からキスをする。
「リクトさん……いいですか……?」
「まぁ今日までだもんな、チャンス」
「そうなんです! 次はいつになるかわからないし……! がっついているようで、申し訳ないんですけど」
「いや、お前もちゃんと男なんだなぁって感心した」
フッと笑ったリクトさんにもう一度キスをして、昨日リクトさんが俺にしてくれたようにボタンに手をかける。一つずつ外していく度に心音がドッドッと煩くなる。昨日もしたのに、まるで初めてのような感覚だ。
リクトさんも舌を絡めてきて俺の服を脱がしていく。たまにするっと肌を撫でられて身震いした。あの逞しい手が俺の肌に触れている、それだけでまた鼓動が早くなる。
下を脱がそうと手を伸ばしたけれど、なぜかリクトさんの手によって止められた。戸惑いを隠すことができなくて困惑した表情をしてしまった俺に、リクトさんはもう一度小さく笑ってフッと真顔になる。そしてゆっくりと脱がされてあらわになったそこに、俺は喉の奥で小さく叫んだ。
「リ、リクトさん、あの、こここ、これ、は……」
「時間がねぇと思って自分でやった」
「ああああの、あの、ぬ、濡れて……?」
「仕込んでおいた――お前がすぐに挿入れるように」
「っ……!」
まず、下着を脱いだ時に薄っすらと糸が引いていた。なんだろう、と首を傾げる前に答えはすぐにやってきた。
リクトさんが見せてきたそこが昨日初めて見た時とは違って少し解こされていて、はくはくと動いている。中からとろりと液体も溢れてきていた。
え、え。もしかして先に戻ってきたリクトさんは、わざわざ俺のために自分で解かして、しかも俺がすぐに挿入れるように潤滑剤まで中に仕込んで――
ぶわっと熱が上がって、目の前にある唇にかぶり付いた。優しすぎじゃないか、この人は。俺が思っている以上に、俺はこの人に想われているんじゃないか。
セオ、と耳に届いた低い声に唇を離し顔を上げる。
「男は慣れるまでは後ろからのほうが楽らしい」
「あ……そう、なんですね。すみません、俺知らなくて……」
「俺も同性相手だと知らなかったからな。だから今日は後ろから挿入れみろ」
「わかりました」
昨日は俺ばかりが気持ちよくなってしまったから、今日こそはリクトさんにも気持ちよくなってもらおうとうつ伏せになったリクトさんの身体に覆い被さる。そういえば背中をこんな間近でまじまじと見たことがなかった、と目を向ける。首にかかっている髪の間から項が見えて、ついゴクリと喉を鳴らしてしまった。
でも見惚れている場合じゃない、次いつになるかはわからないから今日できる限りのことはしないと。少し見えている項にキスを落として、ぢゅっと強めに吸い付く。ここならきっと髪で隠れるはずだ。
そのまま項から肩、そして背中へとキスを落とす。綺麗な凹凸のある筋肉を撫でそのまま下へと移動した。とろぉっと今にも滴り落ちそうになっている液体はもう誘っているようにしか見えない。触ってもいないのにすでに反り勃っているそれをそこに充てがった。
昨日言われた通り性急に動かすことはせず、ゆっくりと挿入していく。このカリの部分が本当に一番つらそうだった。けれど、自分で解こしたと言っていた通りそこはすで柔らかい。昨日はやや押し出すような動きをしていたけれど、今日はそんなことはなくただ受け入れてくれている。
グッと一度押し進めるとぐぽっとカリの部分が中に入った。そっと息を吐き出しゆるく前後に動かす。後ろからだからリクトさんの表情が見えないのが少し困った。痛いのかどうかがわからない。でも今日こそは丁寧に丁寧にと自分に言い聞かせた。
腰を動かしている間も何度もキスを落とす。今のところつらそうな声は聞こえてこない。ただ俯いている状態だから枕に顔を押し付けているだけかもしれない。
俺がもっと上手かったら、リクトさんにこんなにもつらい思いをさせなかったんだろうなぁと。少し悲しくなりつつも、腰を動かしてあるところを掠めたなと感覚に気付いた時だった。
「っ……」
少しだけリクトさんの肩が跳ねた。痛かったのかなと急いで顔を覗き込もうとしたけれど、俺がそうする前に先にリクトさんが僅かに顔を上げてこっちに振り向いてきた。
「リクトさん……?」
「は……さっきの、とこ……もう一度突いてみろ」
「……? さっきの、とこ」
掠めた感覚のあったところだと、言われた通りそこを突いてみる。すると今度はパッと見でわかるぐらいに目の前の身体が反応した。
そういえば男性でも気持ちよくなるところがあると、本に書いてあった。ここがそうなのかと重点的に突いてみるとあきらかに漏れ出る声色が変わった。
「っ……リクトさん、ここ、ですか? 気持ちいいの」
「は、ぁ……」
掠れた声が耳に届く。もぞりと動いて自分のそれに手を伸ばして上下に動かしているのが見えた。
気持ちいいんだ、リクトさんも。俺に中を突かれて、嬌ってる。
腰を掴んで更にそこを激しく攻め立てる。突く度にリクトさんの口から低く甘やかな声が漏れていた。
「リクトさんっ……気持ちよくなってっ、俺のでっ」
「っ、あっ、んっぁ」
顔が見たい。どうしても、感じてるリクトさんの顔が見たい。俺よりもずっと鍛えられている右腕を掴んで思い切り引っ張る。無理矢理振り向かせる形になってしまって、いつもなら申し訳ないと思うのにそんな感情すらどこかへ置いてきてしまった。
赤く染まってる首筋と耳、いつもキリッとして格好良い眼差しは心なしかとろっと溶けているように見えるのは俺の欲目のせいなのだろうか。
「セオ」
今まで聞いたことのない声色にまるで雷に打たれたかのように全身に衝撃が走り、名前を呼んだ時に見えた赤い舌を貪り付いた。リクトさんがやってくれたように、絡めて、吸い付いて。腰を動かすことをやめず、寧ろ感じるところを重点的に攻め立てる。リクトさんの手が離れたのを見て、今度は俺が猛っているそれを扱いた。
「ハァッ、ハァッ……! 俺ので、俺のでイって、リクトさんっ!」
「ぁっ、くっ……イっ……」
ドクッと手に振動が伝わってきて、それと同時に中も昨日とは比べ物にならないくらい締め付けられた。涎を足しながら歯を食いしばって、急いで中から引き抜く。リクトさんから一拍遅れた感じで俺も腰へと吐精した。
二人分の荒々しい息遣いが部屋の中に響く。昨日よりもずっと気持ちよくて、そして身体の力も抜けた。覆い被さるように倒れ込むと重いはずなのにリクトさんは呻き声一つ上げることなく、難なく俺の身体を背中で受け止める。やっぱり逞しい身体だ。
息を整えているとぬっと腕が伸びてきて、くしゃっと頭を撫でてきた。
「中に出さずに外に出して、お前は偉いな」
「……リクトさんのこと、大切にしたいですから」
「俺相手にそんなこと言うのお前ぐらいだろ」
横に身体をずらし向き合う形になる。お互い目を合わせながらリクトさんはまだ俺の頭を撫でていた。
「あの、どうでした……?」
「ん、昨日に比べてちゃんと気持ちよかった」
「……! よかったです!」
「ちゃんとな」
パッと喜んだ俺にリクトさんは小さく笑って、つられるように俺も笑顔になった。よかった、ちゃんと俺で気持ちよくなってくれて。嬉しさのあまりににこにことなってしまう顔が止められない。そんな俺の頭をリクトさんは撫でて――気付いたら天井を見上げていた。
「……へっ?」
「俺がちゃーんと準備していたおかげで、まだ時間はあるな?」
「は、え」
鼻から何かが流れたのがわかった。だって、あまりにも、あまりにも絶景すぎる。肌は火照って赤く染まり、逞しい身体には汗がツーっと流れていっている。その身体を惜しみなく曝け出して、俺の上に跨っているのだから鼻血だって出る。
リクトさんが楽しそうに笑って俺の鼻を少し力強く指で拭ってくれる。格好良いと煽情的だという感情が行ったり来たりで忙しい。
「お前は学習するのが早いな」
「え、は、あ」
「そして俺もまぁ、そんなに遅いほうじゃない」
まだ柔らかいそこに、すでに猛っている俺のがゆっくりと挿入されていく。体温上昇とともに呼吸も荒くなって何もかも熱くなって、目の前にチカチカと星が飛んだ。
「今度はお前をドロドロに気持ちよくさせてやろうな、セオ」
低く漏らされた声にズクンと腰が重くなる。もし上だったら砕けていたかもしれない。俺の腹の上で上下に跳ね出したリクトさんの腰を鷲掴みにして、下から思い切り突き立てればリクトさんは仰け反り、それでも楽しそうに笑っていた。
抱いているはずなのに、俺のほうが抱かれている。そんな不思議な感覚だった。
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