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お楽しみは、このあとで
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ズシン、と重い音が森の中に響き渡る。今回は一体だけだったが大きさと状態はまぁまぁ問題はない。ピクリとも動かない身体を確認し、ダガー片手にそれに近付く。
「本当に手慣れてますね」
「本職だからな」
いつもなら一人で狩っているところだが、今は俺以外にもう一人人間がいた。
前に近くの屯所の隊長が父さんと話し込んでいた時があったが、あの時どうやら話を持ち出し諸々と決めていたらしい。
「通常決して森に入らないように心がけていますが、今回のように緊急時があるかもしれません。もしよろしければそういう状態に陥った時の対処法をご教授願いたい」
翌日に父さんから隊長からそんな話をされたのだと教えられた。確かに騎士は戦い慣れているだろうが森での戦いは慣れていない。今回みたいに無闇に武器を振り回してめちゃくちゃにされるぐらいなら多少教えたほうがいいんじゃないか、そう思い父さんに「別にいいんじゃないか」と返事しておいた。ちなみに父さんも同じことを思っていたらしい。
隊長ともう一人の騎士は多少心得はあるそうだが、新人二人はまぁ、あの時見た通りだ。二人にはしっかりと教えておいたほうがいいのかもしれない、と思ったが父さんは念には念をとあと二人の騎士もと言っていた。
それから何度か隊長が我が家に来ては打ち合わせをし、一人ずつ教えていこうということになったわけだ。ちなみに隊長ともう一人の厳つい騎士は父さんが、なぜか新人二人は俺が請け負うことになったわけだが。新人二人が首都に行っている間に父さんが残っている騎士と一人ずつ森に入っていっていた。
「流石は隊長だと思いました。あそこまで思慮深い人が上司だととても安心します」
「よかったな、できる隊長で」
「はい!」
そして俺は今こうしてセオと森にいるというわけだ。セオは厳つい騎士と槍使いの騎士とは違ってそこまで大振りな武器じゃない。戦うことに関しては特に言うことはなく、森での対処での方法を主に教えることにした。
丁度いい感じに魔獣が一体現れ、最初はセオに戦わせた。急所はどこか、弱点はどこか、それさえわかれば騎士として鍛えられているセオが魔獣を倒すのはあっという間だった。
外傷も少なく急所のみを狙った攻撃。これなら素材としての価値もそこまで下がらない。森での立ち振舞いも問題ない。一度教えるとすぐに吸収できるのはセオの強みだろう。
「あんまり教えることなかったな」
「そんなことないです! リクトさんの助言があったからここまで上手くできたんです。俺だけだと魔獣の急所とかわかりませんから」
「まぁそこは経験だな。ライリーの時はワーワー騒いでたから随分と賑やかだった」
面白かったけどな、と付け足すと途端にセオの表情が変わる。笑顔は浮かべているもののあきらかに作り笑い。隠そうともしない不機嫌に思わず魔獣から目を離しセオに視線を向ける。
「嫉妬深いな」
「実は俺も驚いているんです。俺ってここまで嫉妬深かったんだなって」
セオの前に先にライリーと森に入っていた。あいつの武器は槍で長いもんだから、まぁ難儀した。すぐに木に引っ掛かるし今回とはまた別のタイプの魔獣に突進されて軽く弾き飛ばされたりと。騎士だからそこまで手助けしなくていいかと思い眺めていたが、最終的には手を出した。
あまりにも面白かったから敢えて傍観していたことはライリー本人にも言っていない。
魔獣を解体しながらも「不機嫌になるなよ」と声をかけた。一拍置いてからの「はい」の返事は納得していない証拠だ。
「……リクトさん、解体を見ていていいですか?」
「お前戻らなくて大丈夫なのかよ」
「はい。魔獣討伐が早く終わったので時間はまだあります」
確かにライリーの時に比べたらすぐだったな、と納得し首を縦に振った。ただ魔獣の解体は獣臭さや血生臭さが身体に染み付いてしまうため、あまりおすすめできない。
まぁ俺みたいに直接捌いているわけでもないし、きっと屯所に戻ればすぐに汗を流すだろう。そもそも今回魔獣と戦うことを想定していたため他の騎士たちも特に気にしないかもしれない。と勝手に予想し黙々と手を動かした。そんな俺の隣にセオはちょこんと座って眺めている。
「……ライリーと仲良くなったんですね」
「いや普通だろ。まぁ初対面みたいな反応はしなくなったけどな」
「俺よりも先にライリーだったじゃないですか。貴方と森に入った日、ライリーずっと貴方のことすげーすげー言ってたんですよ。あんだけ最初敵対心剥き出しにしていたのに。前に彼に好きだと言われたんですけど、今ライリーの好きな人ってリクトさんじゃないのかって思うんです」
「いやそりゃねぇだろ。あいつにも好みってもんがあるだろうし」
「……リクトさん相手の好みを変えてしまう魅力があるから」
「お前、目は大丈夫か?」
度々思うことだが、セオの中の俺はどうなっている。どうも美化しすぎているような気がしてならない。何度も一度目を見てもらえと言ったが「正常です」ときっぱりと首を横に振られただけだった。
喋りながらもある程度解体をし終わり、血を水で洗い流す。やっぱり獣臭さとか染み付いたなと軽く鼻先を動かしつつ、あとは持ち帰りやすいようにと肉を細かく切り分ける。
「リクトさんとお父さんのおかげで、俺たち美味しいお肉食べれるんですよね。村の人たちとても感謝してました」
「ま、そのための狩人だしな」
「リクトさん」
ダガーに付いた脂を拭き取り顔を上げる。すぐ目の前には綺麗な顔があった。反射的に身を引いたため軽く体勢を崩してしまったが向こうはお構いなしに距離を縮め、止める間もなくキスをしてきた。
あれから何度か身体を重ねた。本当にセオは学習能力が高い。一度教えればすぐに覚える。何度も何度もこいつに中を突かれて普通にイけるようになってしまった。だがもうそろそろ俺が上になってもいいんじゃねぇかっていう不満は抱えている。
軽く当てるだけのキス。それが二度、三度続き、今度は構うことなく舌を捩じ込まれた。ただ俺もやられっぱなしじゃない。応えるように迎え入れ今度はこっちから舌を絡める。水音とセオの鼻から抜ける息遣いが耳に届く。
学習能力は高いが、キスだけは相変わらず下手なままだ。あきらかに腰が抜けてきた様子に小さく笑い、軽く肩を押しのけた。
「だから森ですんなって言っただろ。魔獣が出てきたらどうする」
「さっき倒しましたし、周りに気配はありません」
「ったく、騎士として随分と逞しくなったもんだな」
「ふふっ、ありがとうございます」
少し紅潮した顔でふにゃりと笑う。改めて見ると本当にツラがいいなと思いつつ、可愛いとつい思ってしまったのはそのツラじゃなく表情のほうだった。
「リクトさん?」
「いや、お前が別に嫉妬深かろうがなんだろうが、中身が好みだなって改めて思っただけだ」
「……えっ⁈ あ、あの、顔じゃなくて?」
「別に顔はどうでもいいわ。気にしてねぇし」
「……そう言われたの、初めてです。いつもみんな、顔から褒めてくれるんです」
だろうな、と納得する。村にいた時もいつも顔を真っ先に褒められていた。確かに美形ではあるものの、俺にとってはそうだなと思う程度だった。
ただ前に俺が思っていることを直接セオに言ってあげてとアルフィーに言われたことを思い出し、そのまま口にしただけだった。それだけなのにセオは心からの感情を隠そうともしない。満面の笑みを浮かべて、ただただ嬉しそうにしている。
「嬉しいです、リクトさん。本当に、貴方はいつも俺が欲しい言葉をくれる」
「そう言うのもお前だけだな。俺はどっちかっていうと口下手だぞ」
「そんなことないです。大切なことはちゃんと言ってくれるので、なのでこの嫉妬心もどうにかします」
「そうか。まぁ頑張れよ」
「はい。ちなみに今すごくリクトさんを抱きたいです」
「よくこの空気を台無しにできたな」
なんで今このタイミングでそう思うのか。セオのことはある程度わかるようになってきたものの、たまにこういう突飛な発言は理解できない。何をどうしてそう思ったのか。
「リクトさんが俺のことを知ってくれているのはわかります。でも一つだけ、貴方はまだまだ俺のことを知らない」
にこにこと笑いながらも今にでも俺を押し倒そうとしてくる腕に抵抗する。正直力勝負はまだ俺のほうが上だし、これからも俺が上だ。
「俺がどれだけリクトさんのことを好きなのか、まだわかってませんよ?」
いや確かにそれはわかっていないかもしれない。そこはまだまだ理解できない。こいつ本当に俺のことが好きなんだな、その程度だ。だからどの程度で嫉妬するのかもわかってはいない。
だからといっていつ魔獣が出てくるかわからないこの森で抱かれるつもりはサラサラないし、セオのことをまだわかっていないと当人は思っているが熟知しているところもある。
俺を押し倒そうとしてくる身体を押し退ける、ことはせずに敢えて首に手を回して引き寄せた。キスはしない、まだお預けだ。その代わり耳元に口を寄せ、セオが好きだと言っている声を発した。
一言喋るとセオは飛び跳ねるように仰け反った。真っ赤になっている顔はついさっき俺を抱きたいと言っていた奴と同一人物には見えない。まだまだ初心だな、と笑みを隠すことなくクツクツと喉を鳴らした。
「焦るなよ。この身体はお前のもんだろ」
「っ……そう、ですね。ありがとうございます。ちなみに俺の身体もリクトさんのものですっ」
真っ赤な顔のままに土下座で頭を下げたセオの後頭部から「抱き潰す」という単語が聞こえてきたような気がしたが。まぁ、俺も狩人として体力があるしそいつはまだ無理な話だなと鼻で笑い飛ばした。
「本当に手慣れてますね」
「本職だからな」
いつもなら一人で狩っているところだが、今は俺以外にもう一人人間がいた。
前に近くの屯所の隊長が父さんと話し込んでいた時があったが、あの時どうやら話を持ち出し諸々と決めていたらしい。
「通常決して森に入らないように心がけていますが、今回のように緊急時があるかもしれません。もしよろしければそういう状態に陥った時の対処法をご教授願いたい」
翌日に父さんから隊長からそんな話をされたのだと教えられた。確かに騎士は戦い慣れているだろうが森での戦いは慣れていない。今回みたいに無闇に武器を振り回してめちゃくちゃにされるぐらいなら多少教えたほうがいいんじゃないか、そう思い父さんに「別にいいんじゃないか」と返事しておいた。ちなみに父さんも同じことを思っていたらしい。
隊長ともう一人の騎士は多少心得はあるそうだが、新人二人はまぁ、あの時見た通りだ。二人にはしっかりと教えておいたほうがいいのかもしれない、と思ったが父さんは念には念をとあと二人の騎士もと言っていた。
それから何度か隊長が我が家に来ては打ち合わせをし、一人ずつ教えていこうということになったわけだ。ちなみに隊長ともう一人の厳つい騎士は父さんが、なぜか新人二人は俺が請け負うことになったわけだが。新人二人が首都に行っている間に父さんが残っている騎士と一人ずつ森に入っていっていた。
「流石は隊長だと思いました。あそこまで思慮深い人が上司だととても安心します」
「よかったな、できる隊長で」
「はい!」
そして俺は今こうしてセオと森にいるというわけだ。セオは厳つい騎士と槍使いの騎士とは違ってそこまで大振りな武器じゃない。戦うことに関しては特に言うことはなく、森での対処での方法を主に教えることにした。
丁度いい感じに魔獣が一体現れ、最初はセオに戦わせた。急所はどこか、弱点はどこか、それさえわかれば騎士として鍛えられているセオが魔獣を倒すのはあっという間だった。
外傷も少なく急所のみを狙った攻撃。これなら素材としての価値もそこまで下がらない。森での立ち振舞いも問題ない。一度教えるとすぐに吸収できるのはセオの強みだろう。
「あんまり教えることなかったな」
「そんなことないです! リクトさんの助言があったからここまで上手くできたんです。俺だけだと魔獣の急所とかわかりませんから」
「まぁそこは経験だな。ライリーの時はワーワー騒いでたから随分と賑やかだった」
面白かったけどな、と付け足すと途端にセオの表情が変わる。笑顔は浮かべているもののあきらかに作り笑い。隠そうともしない不機嫌に思わず魔獣から目を離しセオに視線を向ける。
「嫉妬深いな」
「実は俺も驚いているんです。俺ってここまで嫉妬深かったんだなって」
セオの前に先にライリーと森に入っていた。あいつの武器は槍で長いもんだから、まぁ難儀した。すぐに木に引っ掛かるし今回とはまた別のタイプの魔獣に突進されて軽く弾き飛ばされたりと。騎士だからそこまで手助けしなくていいかと思い眺めていたが、最終的には手を出した。
あまりにも面白かったから敢えて傍観していたことはライリー本人にも言っていない。
魔獣を解体しながらも「不機嫌になるなよ」と声をかけた。一拍置いてからの「はい」の返事は納得していない証拠だ。
「……リクトさん、解体を見ていていいですか?」
「お前戻らなくて大丈夫なのかよ」
「はい。魔獣討伐が早く終わったので時間はまだあります」
確かにライリーの時に比べたらすぐだったな、と納得し首を縦に振った。ただ魔獣の解体は獣臭さや血生臭さが身体に染み付いてしまうため、あまりおすすめできない。
まぁ俺みたいに直接捌いているわけでもないし、きっと屯所に戻ればすぐに汗を流すだろう。そもそも今回魔獣と戦うことを想定していたため他の騎士たちも特に気にしないかもしれない。と勝手に予想し黙々と手を動かした。そんな俺の隣にセオはちょこんと座って眺めている。
「……ライリーと仲良くなったんですね」
「いや普通だろ。まぁ初対面みたいな反応はしなくなったけどな」
「俺よりも先にライリーだったじゃないですか。貴方と森に入った日、ライリーずっと貴方のことすげーすげー言ってたんですよ。あんだけ最初敵対心剥き出しにしていたのに。前に彼に好きだと言われたんですけど、今ライリーの好きな人ってリクトさんじゃないのかって思うんです」
「いやそりゃねぇだろ。あいつにも好みってもんがあるだろうし」
「……リクトさん相手の好みを変えてしまう魅力があるから」
「お前、目は大丈夫か?」
度々思うことだが、セオの中の俺はどうなっている。どうも美化しすぎているような気がしてならない。何度も一度目を見てもらえと言ったが「正常です」ときっぱりと首を横に振られただけだった。
喋りながらもある程度解体をし終わり、血を水で洗い流す。やっぱり獣臭さとか染み付いたなと軽く鼻先を動かしつつ、あとは持ち帰りやすいようにと肉を細かく切り分ける。
「リクトさんとお父さんのおかげで、俺たち美味しいお肉食べれるんですよね。村の人たちとても感謝してました」
「ま、そのための狩人だしな」
「リクトさん」
ダガーに付いた脂を拭き取り顔を上げる。すぐ目の前には綺麗な顔があった。反射的に身を引いたため軽く体勢を崩してしまったが向こうはお構いなしに距離を縮め、止める間もなくキスをしてきた。
あれから何度か身体を重ねた。本当にセオは学習能力が高い。一度教えればすぐに覚える。何度も何度もこいつに中を突かれて普通にイけるようになってしまった。だがもうそろそろ俺が上になってもいいんじゃねぇかっていう不満は抱えている。
軽く当てるだけのキス。それが二度、三度続き、今度は構うことなく舌を捩じ込まれた。ただ俺もやられっぱなしじゃない。応えるように迎え入れ今度はこっちから舌を絡める。水音とセオの鼻から抜ける息遣いが耳に届く。
学習能力は高いが、キスだけは相変わらず下手なままだ。あきらかに腰が抜けてきた様子に小さく笑い、軽く肩を押しのけた。
「だから森ですんなって言っただろ。魔獣が出てきたらどうする」
「さっき倒しましたし、周りに気配はありません」
「ったく、騎士として随分と逞しくなったもんだな」
「ふふっ、ありがとうございます」
少し紅潮した顔でふにゃりと笑う。改めて見ると本当にツラがいいなと思いつつ、可愛いとつい思ってしまったのはそのツラじゃなく表情のほうだった。
「リクトさん?」
「いや、お前が別に嫉妬深かろうがなんだろうが、中身が好みだなって改めて思っただけだ」
「……えっ⁈ あ、あの、顔じゃなくて?」
「別に顔はどうでもいいわ。気にしてねぇし」
「……そう言われたの、初めてです。いつもみんな、顔から褒めてくれるんです」
だろうな、と納得する。村にいた時もいつも顔を真っ先に褒められていた。確かに美形ではあるものの、俺にとってはそうだなと思う程度だった。
ただ前に俺が思っていることを直接セオに言ってあげてとアルフィーに言われたことを思い出し、そのまま口にしただけだった。それだけなのにセオは心からの感情を隠そうともしない。満面の笑みを浮かべて、ただただ嬉しそうにしている。
「嬉しいです、リクトさん。本当に、貴方はいつも俺が欲しい言葉をくれる」
「そう言うのもお前だけだな。俺はどっちかっていうと口下手だぞ」
「そんなことないです。大切なことはちゃんと言ってくれるので、なのでこの嫉妬心もどうにかします」
「そうか。まぁ頑張れよ」
「はい。ちなみに今すごくリクトさんを抱きたいです」
「よくこの空気を台無しにできたな」
なんで今このタイミングでそう思うのか。セオのことはある程度わかるようになってきたものの、たまにこういう突飛な発言は理解できない。何をどうしてそう思ったのか。
「リクトさんが俺のことを知ってくれているのはわかります。でも一つだけ、貴方はまだまだ俺のことを知らない」
にこにこと笑いながらも今にでも俺を押し倒そうとしてくる腕に抵抗する。正直力勝負はまだ俺のほうが上だし、これからも俺が上だ。
「俺がどれだけリクトさんのことを好きなのか、まだわかってませんよ?」
いや確かにそれはわかっていないかもしれない。そこはまだまだ理解できない。こいつ本当に俺のことが好きなんだな、その程度だ。だからどの程度で嫉妬するのかもわかってはいない。
だからといっていつ魔獣が出てくるかわからないこの森で抱かれるつもりはサラサラないし、セオのことをまだわかっていないと当人は思っているが熟知しているところもある。
俺を押し倒そうとしてくる身体を押し退ける、ことはせずに敢えて首に手を回して引き寄せた。キスはしない、まだお預けだ。その代わり耳元に口を寄せ、セオが好きだと言っている声を発した。
一言喋るとセオは飛び跳ねるように仰け反った。真っ赤になっている顔はついさっき俺を抱きたいと言っていた奴と同一人物には見えない。まだまだ初心だな、と笑みを隠すことなくクツクツと喉を鳴らした。
「焦るなよ。この身体はお前のもんだろ」
「っ……そう、ですね。ありがとうございます。ちなみに俺の身体もリクトさんのものですっ」
真っ赤な顔のままに土下座で頭を下げたセオの後頭部から「抱き潰す」という単語が聞こえてきたような気がしたが。まぁ、俺も狩人として体力があるしそいつはまだ無理な話だなと鼻で笑い飛ばした。
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