悪役令嬢となって復讐をっ!

杏仁豆腐

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16 束の間の休日 後編

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王太子とのデートの場所はわたくしが小さい頃に一度だけ行ったことがある公園でした。
此処は昔母が生前一度だけわたくしを連れて遊びに来たことろで御座います。
幼いわたくしは大きな花園を見て『綺麗』と大はしゃぎをしていたことを王太子にお話しました。


「ここは本当に花が綺麗な場所だな」
「はい。幼い頃に母に連れて来てくださいましたが、あの時はもっと大きく見えました」
「はは、幼き頃に来たのならそういう感想を持つだろう」
「はい。今見るとこんなに小さな花園だったのですね」


わたくしの心の中であの時の楽しかった思い出が思い出されました。
母は嬉しそうに微笑みながらわたくしを見ておりました。
母との思い出はこれだけ…その後はずっと母は床に臥せておりました。
結局病は直ることなくそのまま息を引き取ったので御座います。


「それにしても素敵な御花達ですわ」
「本当に、そうだな」


隣で笑顔でわたくしを見つめる王太子をわたくしも笑顔で見つめました。
使用人のアリアは馬車の傍で立ってわたくしたちの様子を遠くから見ておりました。
流石に一緒に花園には行けないと断られてしまったのです。


「アリアも来ればよろしかったのに……」


わたくしはぼそっとそう言いました。
すると王太子が、連れて来よう、と言い馬車に向かったのです。
一人取り残されたわたくしは花々を見つめながらぼーっとしておりました。
するとわたくしの事を呼ぶ声が聞こえました。
わたくしは声がする方に目をやるとそこに立っていたのはわたくしの幼き頃のお友達だったのです。


「お久しぶりです。ミリアさん。あ、今は『ミリア様』でしたっけ。御免なさい。つい昔の事を思い出しちゃいました」
「お久しぶりです、マリア様。わたくしの事は昔のように『ミリア』とお呼びください」


本当に久々の再開でした。
マリア=アーノルド、わたくしより2つ年上のお姉様です。
昔は本当に仲良く遊んでもらいました。
彼女はアーノルド伯爵家のお嬢様。
わたくしの父アーバイン公爵の下で働いておりました。
そのご縁があって幼い時に良くして下さったお姉様で御座います。


「本当に大きくなりましたわ。ミリアさん。ああ、そうそう、私結婚することになりましたの。来年式を挙げることになりました」
「まぁっ! おめでとうございます! どなたとご結婚されるのでしょう。宜しければ教えてください」
「貴女もよく知っている、クリス=サザーランド様です。ロッタ様のお兄様ですわ」


まぁ、なんてことでしょう……。
あのロッタ様のお兄様とマリアお姉さまが結婚だなんてっ!! 
驚いた私は空いた口が塞がりませんでした。
またわたくしの周りにロッタ様の影がちらついていたのであります。


「おお、ミリア。アリアを…、其方はマリアではないかっ」
「これは、王太子様。ご機嫌麗しゅう。ミリアさんとお出かけですあか?」


アリアが私の傍に来てマリア様の事を訊ねてきました。
わたくしは幼少の頃のお姉様だったことと、あのロッタ様のお兄様とご結婚されたことを話したのです。

「ミリア様、私が必ずお守り致します。ご安心ください」
「アリア……有難う」

アリアはこくりと頷き笑顔で私に答えました。



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