25 / 25
第二十五話 みんなでこれからも幸せに
しおりを挟む歓迎舞踏会当日。
もうすぐライト様がエスコートに来る時間だというのに問題が発生した。
ライト殿下の瞳の色に合わせて青いドレスを新調したのだけど、なんとティアラとドレスの色がまるかぶりだった。
「ご、ごめんなさい」とティアラが謝るけれど、決してティアラのせいではない。
というのもこのドレスを勝手に送ってきたのはアーレント様。
しかも「あなたはこのドレスを必ず着なければならない。着なければケビンを平騎士に降格する」という手紙が添えられていたとティアラが言うからたちが悪い。
オルガは春らしい薄い若葉色ドレスを着込み「ドレスの色が被っちゃだめなの?」と興味なしな反応。
舞踏会にドレスの換えを用意しておいてよかった。
「いいわ。私は黒地に差し色で青が入ったドレスにするわね」
時計を見ればライト様との待ち合わせの時間はもうすぐ。
「さあ、行きましょう」
私とオルガとティアラは舞踏会場に向かった。
ランディはライト様の変わりにティアラの護衛で私達の少し後ろを歩く。
開場前に大きな人の塊ができていた。
その塊の中心には2人の男性がいた。
ライト様とアーレント様だった。
私はライト様に、ティアラはアーレント様にエスコートを受ける。
その際アーレント様がランディに言った。
「もうティアラ護衛はいらない。今日はそうだな・・・。オルガのパートナーにでもなってやってくれ」
「え?でも脅迫状が・・・・・・」
ランディが脅迫状の話をしようとしたら「あ!」とアーレント様が言ってクスクス笑う。
「ああ、あれは私が作ったものだから大丈夫だ」
ええっ!?
何か今、物凄い爆弾発言しましたよね、アーレント様。
「ちょっと、王太子殿下、今の話ってどういう事ですか?」
ティアラも驚いてアーレント様に聞き返した。
「アカデミーに行けばたくさんの男達の目にティアラが写ってしまう。それが嫌でティアラがアカデミーに行くことを阻止するために送ったけど、意味なかったね」
にこにこしているがやっていることは犯罪まがい。
そのことにアーレント様は気付いていない。
まあ、おかげでこれから護衛はいらなくなるからいいのだけど、送り主がアーレント様って事が驚きでしかない。
「兄上。何やってくれたんですかっ。おかげでアリシアとすれ違って大変だったんですよ」
ライト様がアーレント様に文句を言う。
「ま、兄上のおかげでアリシアと近づけたからいいんですけどね」とポツリ。
アーレント様からオルガのパートナーにと言われたランディがスッとオルガに近づき手を差し出した。
「ダレス伯爵令嬢。お手をどうぞ」
ランディはオルガの気持ちに何も気づいてない様ね。これはオルガはこれからが大変ね。
ふう、と気を取り直してライト様を見る。
「行こうか」
「はい」
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目があってから一ヶ月。嫌われてなんかいなくて、婚約者様は私の事が大好きだった。
いろんな勘違いや人違いやすれ違いがあったけど、まだまだ人生はこれから。
よし、これからたくさん幸せを作っていくぞ。
「ライト様。これからもよろしくお願いしますね」
私の言葉にライト様は笑顔になる。
繋がれた手から温かい温度を感じながら私達は歓迎舞踏会の会場に入って行った。
END
130
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました
音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。
____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。
だから私は決めている。
この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。
彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。
……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。
素直になるのが遅すぎた
gacchi(がっち)
恋愛
王女はいらだっていた。幼馴染の公爵令息シャルルに。婚約者の子爵令嬢ローズマリーを侮辱し続けておきながら、実は大好きだとぬかす大馬鹿に。いい加減にしないと後悔するわよ、そう何度言っただろう。その忠告を聞かなかったことで、シャルルは後悔し続けることになる。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
妹の嘘を信じて婚約破棄するのなら、私は家から出ていきます
天宮有
恋愛
平民のシャイナは妹ザロアのために働き、ザロアは家族から溺愛されていた。
ザロアの学費をシャイナが稼ぎ、その時に伯爵令息のランドから告白される。
それから数ヶ月が経ち、ザロアの嘘を信じたランドからシャイナは婚約破棄を言い渡されてしまう。
ランドはザロアと結婚するようで、そのショックによりシャイナは前世の記憶を思い出す。
今まで家族に利用されていたシャイナは、家から出ていくことを決意した。
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
他の人を好きになったあなたを、私は愛することができません
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私シーラの婚約者レヴォク第二王子が、伯爵令嬢ソフィーを好きになった。
第三王子ゼロアから聞いていたけど、私はレヴォクを信じてしまった。
その結果レヴォクに協力した国王に冤罪をかけられて、私は婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。
追放された私は他国に行き、数日後ゼロアと再会する。
ゼロアは私を追放した国王を嫌い、国を捨てたようだ。
私はゼロアと新しい生活を送って――元婚約者レヴォクは、後悔することとなる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ヒロインの名前レティシアに変わりました?
すいませんでした。
御指摘の通り間違いです。
主人公の名前間違えるって終わってますよね、ハハハ。
相変わらずの駄文ですがよろしければお付き合いください。
いやいやいや王様何言ってんですかー
副団長とその娘で共謀もしくは娘単体の
第二王子の妃の座狙いの狂言かもしれ
ないじゃないですかー😅
そうでなくとも娘狙いが本当だったら、
あなたの息子が刺されて死んじゃったり
する可能性あるでしょーが😅
国王陛下はあまり良く考えないタイプの人。
いい意味でおおらかな方です。
あまり良く考えないと言えば・・・・・・ライトはお父さんに似ているんですね。
退会済ユーザのコメントです
感想ありがとうございます。
アリシアと一緒にいたいのにこのまま行けば確実に誤解されちゃいますよね。
もっとよく考えなくちゃですよね。