24 / 25
第二十四話 そうだ、私が君の運命の相手だ
しおりを挟む
「アーレント様が、私の運命の相手?」
驚くのも仕方がないわ。
なにせアーレント様はこの国の王太子。
コーヒーのシミで黒髪になったアーレント様の新聞の上にティアラがそっと手を置いた。
「これは・・・・・・」
アーレント様の鼻から下を覆うティアラの手が震えている。
ティアラにしか分からない過去の何かがそうさせたんだろうと思う。
「この方だわ。間違いない、この方が私の探していた人よ。あの時のライト様は、本当はアーレント様だったのね」
潤む瞳を両手を当てて涙が出ないように何とか抑えているティアラを後ろから何かがフワッと包み込んだ。
「うん そうだよ。やっと気付いた?」
ティアラの後ろに居たのは、金の柔らかい髪をティアラの後ろ頭に擦り寄せているアーレント様だった。
本当にこの方は神出鬼没ね。
こんな食堂にサッと現れるなんて。
慌てて二人を隠そうと立ち上がるとアーレント様が「大丈夫。そのままで」と手で私を征した。
「約束を果たしに来た。ティアラ、君を迎えに来たよ」
その言葉を聞いてティアラその姿が見えなくても、それが誰だか分かった様で目を閉じて首を縦に振った。
ティアラが振り返ると、そこには金色の髪に青い目のアーレント様がいて二人は暫くの間見つめ合っている。
「この傷を、覚えてる?」
アーレント様は自らの首元を寛げて右肩をティアラに見せる。
そこには縦に長い傷跡が残されていた。
ティアラはその傷をなぞるように優しく触れる。
「私と一緒になってくれないか?」
アーレント様がティアラに優しく囁く。
ティアラは無言で目を閉じたあとゆっくりと口を開いた。
「お断りします」
「・・・・・・え?」
アーレント様は断られるとは思っていなかったらしく相当ショックを受けていた。
「ちょっとティアラ!何で断るのよっ。運命の人が見つかったっていうのに」
「運命だったら、一緒になるのは今じゃなくてもいいはず。私今は恋よりも友情が大事なのっ。アーレント様が運命の人なら、私のことを待てますよね?」
ティアラはそう言って私とオルガの手を取った。
「プッ。やーい、アーレント。振られてやんの」
オルガは今の状況が面白くて仕方がない様で大笑いをしている。
「オルガ、発明品がなければお前は今頃あの世行きだ」
アーレントはわなわな震えながらオルガに言った。
私達が話していると、一人の生徒が近づいてきた。
「お、王太子殿下。今回の電撃訪問は歓迎舞踏会のダンスのお相手を探しに来ていると聞きましたが、もしやデフェル子爵令嬢と踊られるのでしょうか?」
「ん?さて、どうだろうね。ねえ、デフェル子爵令嬢様」
少し自虐的にフッと笑いながらアーレント様が言う。
「もしもそういう運命なら踊るのでは?」
ティアラが意味深にそう言うとアーレント様はパァッと顔を輝かせて言った。
「そうだ、私が君の運命の相手だ。だから必ず君は私と踊ることになるだろう」
どこからそんな自信が湧いてくるのかしらアーレント様って。
金髪青目のアーレント様と赤毛碧眼のティアラは二人並ぶと何だかお似合いだった。
驚くのも仕方がないわ。
なにせアーレント様はこの国の王太子。
コーヒーのシミで黒髪になったアーレント様の新聞の上にティアラがそっと手を置いた。
「これは・・・・・・」
アーレント様の鼻から下を覆うティアラの手が震えている。
ティアラにしか分からない過去の何かがそうさせたんだろうと思う。
「この方だわ。間違いない、この方が私の探していた人よ。あの時のライト様は、本当はアーレント様だったのね」
潤む瞳を両手を当てて涙が出ないように何とか抑えているティアラを後ろから何かがフワッと包み込んだ。
「うん そうだよ。やっと気付いた?」
ティアラの後ろに居たのは、金の柔らかい髪をティアラの後ろ頭に擦り寄せているアーレント様だった。
本当にこの方は神出鬼没ね。
こんな食堂にサッと現れるなんて。
慌てて二人を隠そうと立ち上がるとアーレント様が「大丈夫。そのままで」と手で私を征した。
「約束を果たしに来た。ティアラ、君を迎えに来たよ」
その言葉を聞いてティアラその姿が見えなくても、それが誰だか分かった様で目を閉じて首を縦に振った。
ティアラが振り返ると、そこには金色の髪に青い目のアーレント様がいて二人は暫くの間見つめ合っている。
「この傷を、覚えてる?」
アーレント様は自らの首元を寛げて右肩をティアラに見せる。
そこには縦に長い傷跡が残されていた。
ティアラはその傷をなぞるように優しく触れる。
「私と一緒になってくれないか?」
アーレント様がティアラに優しく囁く。
ティアラは無言で目を閉じたあとゆっくりと口を開いた。
「お断りします」
「・・・・・・え?」
アーレント様は断られるとは思っていなかったらしく相当ショックを受けていた。
「ちょっとティアラ!何で断るのよっ。運命の人が見つかったっていうのに」
「運命だったら、一緒になるのは今じゃなくてもいいはず。私今は恋よりも友情が大事なのっ。アーレント様が運命の人なら、私のことを待てますよね?」
ティアラはそう言って私とオルガの手を取った。
「プッ。やーい、アーレント。振られてやんの」
オルガは今の状況が面白くて仕方がない様で大笑いをしている。
「オルガ、発明品がなければお前は今頃あの世行きだ」
アーレントはわなわな震えながらオルガに言った。
私達が話していると、一人の生徒が近づいてきた。
「お、王太子殿下。今回の電撃訪問は歓迎舞踏会のダンスのお相手を探しに来ていると聞きましたが、もしやデフェル子爵令嬢と踊られるのでしょうか?」
「ん?さて、どうだろうね。ねえ、デフェル子爵令嬢様」
少し自虐的にフッと笑いながらアーレント様が言う。
「もしもそういう運命なら踊るのでは?」
ティアラが意味深にそう言うとアーレント様はパァッと顔を輝かせて言った。
「そうだ、私が君の運命の相手だ。だから必ず君は私と踊ることになるだろう」
どこからそんな自信が湧いてくるのかしらアーレント様って。
金髪青目のアーレント様と赤毛碧眼のティアラは二人並ぶと何だかお似合いだった。
62
あなたにおすすめの小説
素直になるのが遅すぎた
gacchi(がっち)
恋愛
王女はいらだっていた。幼馴染の公爵令息シャルルに。婚約者の子爵令嬢ローズマリーを侮辱し続けておきながら、実は大好きだとぬかす大馬鹿に。いい加減にしないと後悔するわよ、そう何度言っただろう。その忠告を聞かなかったことで、シャルルは後悔し続けることになる。
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
その結婚は、白紙にしましょう
香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。
彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。
念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。
浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」
身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。
けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。
「分かりました。その提案を、受け入れ──」
全然受け入れられませんけど!?
形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。
武骨で不器用な王国騎士団長。
二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。
妹の嘘を信じて婚約破棄するのなら、私は家から出ていきます
天宮有
恋愛
平民のシャイナは妹ザロアのために働き、ザロアは家族から溺愛されていた。
ザロアの学費をシャイナが稼ぎ、その時に伯爵令息のランドから告白される。
それから数ヶ月が経ち、ザロアの嘘を信じたランドからシャイナは婚約破棄を言い渡されてしまう。
ランドはザロアと結婚するようで、そのショックによりシャイナは前世の記憶を思い出す。
今まで家族に利用されていたシャイナは、家から出ていくことを決意した。
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
他の人を好きになったあなたを、私は愛することができません
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私シーラの婚約者レヴォク第二王子が、伯爵令嬢ソフィーを好きになった。
第三王子ゼロアから聞いていたけど、私はレヴォクを信じてしまった。
その結果レヴォクに協力した国王に冤罪をかけられて、私は婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。
追放された私は他国に行き、数日後ゼロアと再会する。
ゼロアは私を追放した国王を嫌い、国を捨てたようだ。
私はゼロアと新しい生活を送って――元婚約者レヴォクは、後悔することとなる。
婚約者が私にだけ冷たい理由を、実は私は知っている
潮海璃月
恋愛
一見クールな公爵令息ユリアンは、婚約者のシャルロッテにも大変クールで素っ気ない。しかし最初からそうだったわけではなく、貴族学院に入学してある親しい友人ができて以来、シャルロッテへの態度が豹変した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる