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7② ーアロイスー
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「ひえっ!」
つい悲鳴を上げてフィオナはバックステップを踏んだ。生垣の後ろにいるはずのアロイスはクラウディオを避けたのか、既に逃げた後で木の影に隠れていた。
「申し訳ありません。アロイスを追っておりますので」
フィオナは一瞬で気持ちを整えて、知らぬ顔で澄ましながら謝るとクラウディオの前を退く。そそと進んでアロイスのいる木の影に入ると、アロイスと一緒に隠れた。
アロイスは既に涙目でこちらに顔を向けた。クラウディオは身長も高くアロイスからすれば見下ろされるため、恐怖しかないのだろう。しかも顔が人形のように綺麗で無表情なので、なおさら恐ろしいのだ。
「よしよし。ちょっと、あっちの方へ行きましょうかー」
泣く寸前のアロイスを抱っこして、フィオナはクラウディオから遠去かる。
クラウディオは何をしに庭園に来たのだろうか。他に人は連れてきていなかったので、ただ散歩をしていただけなのだろうか。それにしても心臓に悪い。
(あとですごい言いがかりつけられそう。抱きついてきてどうのこうの、ぶーぶー)
「にゃんこ」
頭の中でののしっていると、抱っこしていたアロイスが呟いた。どこからか入り込んだ猫が、シャーッ、と鳴いて尻尾を立てて威嚇してきた。
「どこのにゃんこかしら? 公爵邸で飼ってるわけないわよね」
「にゃあんこ~」
「アロイス、近付くと猫もびっくりしちゃうから、ここから見てようね」
アロイスがフィオナの腕の中で暴れた。触らせてあげたいが、猫は警戒している。むやみやたら触らせて引っ掻かれたり噛まれたりしたら大変だ。
座り込んで遠くから見せてあげたが、アロイスを離さないようにした。
「あら、子猫もいっしょ?」
どうやらお母さん猫のようだ。後ろに三匹ほど子猫がにゃーにゃー鳴いて親猫についてきている。
「お母さんが子猫を守ってるんだね。触らないように見てようね」
「おあーさま、にゃんこ?」
「そうね。お母様にゃんこだね」
お母さんの言葉に反応したか、アロイスは少しだけ動きを止めた。フィオナといる時は母親を寂しがっていたわけではなかったのだが、母親を思い出しただろうか。
「屋敷に連れて行ったらどうですか」
「うあっ!」
避けたはずのクラウディオがいつの間にか後ろにいた。驚きに大声を上げてしまったではないか。
クラウディオは一瞬眉を上げたが、すぐに無表情になる。
セレスティーヌの顔を見るのは嫌だったのではないのか。話し掛けてくるとは思わなかった。まさか泣き叫ぶアロイスにめげずに食事の誘いをしにきたのだろうか。
「その猫が気になるならば、部屋に連れましょう。誰か、その猫を」
「いいえ。見せるだけで十分です。引っ掛かれて病気にでもなったら困りますから。アロイスに病気があるかもしれないし、親御さんがいないのにこちらの判断で動物は触らせられません」
もしかしたら動物に触れて病気になるかもしれないし、こちらの医師の程度も分からない。危険な真似はしたくないと、フィオナはクラウディオの提案をきっぱりと断った。
「病気ですか……? しかし、触りたがっていますが」
「なんでも与えれば良いというものではないでしょう。今は見守ってあげることにしているんですから、余計なことを言わないでください」
「余計なこと……?」
なぜそこで困惑顔になるのだろうか。セレスティーヌが言い返したことに驚いているのか、クラウディオは意外なものでも見るようにフィオナを見つめた。
つい悲鳴を上げてフィオナはバックステップを踏んだ。生垣の後ろにいるはずのアロイスはクラウディオを避けたのか、既に逃げた後で木の影に隠れていた。
「申し訳ありません。アロイスを追っておりますので」
フィオナは一瞬で気持ちを整えて、知らぬ顔で澄ましながら謝るとクラウディオの前を退く。そそと進んでアロイスのいる木の影に入ると、アロイスと一緒に隠れた。
アロイスは既に涙目でこちらに顔を向けた。クラウディオは身長も高くアロイスからすれば見下ろされるため、恐怖しかないのだろう。しかも顔が人形のように綺麗で無表情なので、なおさら恐ろしいのだ。
「よしよし。ちょっと、あっちの方へ行きましょうかー」
泣く寸前のアロイスを抱っこして、フィオナはクラウディオから遠去かる。
クラウディオは何をしに庭園に来たのだろうか。他に人は連れてきていなかったので、ただ散歩をしていただけなのだろうか。それにしても心臓に悪い。
(あとですごい言いがかりつけられそう。抱きついてきてどうのこうの、ぶーぶー)
「にゃんこ」
頭の中でののしっていると、抱っこしていたアロイスが呟いた。どこからか入り込んだ猫が、シャーッ、と鳴いて尻尾を立てて威嚇してきた。
「どこのにゃんこかしら? 公爵邸で飼ってるわけないわよね」
「にゃあんこ~」
「アロイス、近付くと猫もびっくりしちゃうから、ここから見てようね」
アロイスがフィオナの腕の中で暴れた。触らせてあげたいが、猫は警戒している。むやみやたら触らせて引っ掻かれたり噛まれたりしたら大変だ。
座り込んで遠くから見せてあげたが、アロイスを離さないようにした。
「あら、子猫もいっしょ?」
どうやらお母さん猫のようだ。後ろに三匹ほど子猫がにゃーにゃー鳴いて親猫についてきている。
「お母さんが子猫を守ってるんだね。触らないように見てようね」
「おあーさま、にゃんこ?」
「そうね。お母様にゃんこだね」
お母さんの言葉に反応したか、アロイスは少しだけ動きを止めた。フィオナといる時は母親を寂しがっていたわけではなかったのだが、母親を思い出しただろうか。
「屋敷に連れて行ったらどうですか」
「うあっ!」
避けたはずのクラウディオがいつの間にか後ろにいた。驚きに大声を上げてしまったではないか。
クラウディオは一瞬眉を上げたが、すぐに無表情になる。
セレスティーヌの顔を見るのは嫌だったのではないのか。話し掛けてくるとは思わなかった。まさか泣き叫ぶアロイスにめげずに食事の誘いをしにきたのだろうか。
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もしかしたら動物に触れて病気になるかもしれないし、こちらの医師の程度も分からない。危険な真似はしたくないと、フィオナはクラウディオの提案をきっぱりと断った。
「病気ですか……? しかし、触りたがっていますが」
「なんでも与えれば良いというものではないでしょう。今は見守ってあげることにしているんですから、余計なことを言わないでください」
「余計なこと……?」
なぜそこで困惑顔になるのだろうか。セレスティーヌが言い返したことに驚いているのか、クラウディオは意外なものでも見るようにフィオナを見つめた。
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