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9章:帰りたい場所
4話:護衛
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空は茜から濃紺へと変わっていく。ランバートは私服に着替えてウルーラ通りを歩いていた。そして明かりの漏れる一つの店の裏口を叩いた。
「はい」
のぞき戸から青い瞳が覗く。それに、ランバートはやんわりと笑みを浮かべた。
「ランバートさん!」
ルカはすぐに扉を開けてランバートを招いてくれた。ダイニングキッチンにはまだ夕食の準備がされていない。そのかわり、日中の香水瓶が置かれていた。
「本当に、中身確かめたんですか?」
「え? あぁ、うん。中身は体に害のあるものじゃなかったよ」
そう言って素直に安堵したような顔をするルカに、「粗悪品?」とランバートが問うと、困った顔で笑った。十分な肯定だろう。
「言いがかりでも嘘でも、この際いいんだ。これが本当に体に障りのある物だったら、それこそ大変だから」
「少しお人好しですね、ルカさんは」
「よく言われるよ」
なんて言って、それでも本当に心から安堵している、そんな様子にランバートは笑う。
とても心根の優しい人なんだ。自分の事よりも、名も知らない誰かを案じる事ができるくらいに。そして真っ直ぐで、素直な人なんだ。
こんな人を汚い手で貶めようなんて、やはり許しておくことも、黙っておくこともランバートにはできなかった。
「ルカさん、これから俺と出かけませんか?」
「え?」
青い目がまん丸になる。ランバートは苦笑して、恥ずかしそうに笑った。
「夕飯、まだですよね? 実はこれから人に会いに行くんですけど、ちょっと顔を合わせづらい理由があって。誰かがついてきてくれると助かるんだけど」
「顔を合わせづらい理由?」
首を傾げながらも、ルカは笑って上着を手に取った。そして戸締まりを確認して、隣に並んで「行こう」と言ってくれた。
東地区はまだまだ賑やかだ。メイン通りを歩いているランバートは、何か差し入れをと考えて見回す。屋台も出るこの辺は持ち帰りの物も多い。それらを仕入れてジンの店に行くつもりなのだ。
「あっ、あそこのお店復活してる」
ルカが声をあげる方を見ると、肉屋の明かりがついている。ランバートも知っている肉屋だ。
「あそこ、一週間くらい店を閉めてたんだ。心配してたんだけど」
「この辺にもくるんだ?」
「うん、表の通りは買い物に。美味しいし安いし。あの店のターキー、美味しいんだよ」
「知ってるよ」
なるほど、かなりアクティブな人のようだ。苦笑し、ランバートはそっちへと向かう。そして店の前に立ち、中の五十代後半という男に声をかけた。
「ビル爺さん、久しぶり」
「誰がじじいだ! って、リフか!」
反射的に声を上げた男はランバートを認識すると目をまん丸にし、わざわざ店から表に出て背を叩いた。
「お前、大変だったんだってな! もう大丈夫なのか!」
「大丈夫だよ。ビルこそ、店閉めてたんだって?」
問うと、ビルは苦い笑みを浮かべて足を差した。
「屋根の修理しててな、梯子踏み外してこのザマだ。俺も年かねぇ」
「年だろ。娘婿に任せりゃ良かっただろ」
「年寄り扱いすんな! って、意気込んでたんだがな。面目ない」
そう言いながら頭をかくビルの足には、まだ固定具がある。それでも口も気力も十分な様子だ。
「ターキーくださいな」
ランバートの影からひょっこりと顔を出したルカが、明るい声で言う。それに目をとめたビルがニッカと笑った。
「おう、ルカ坊やじゃないか」
「足、大丈夫ですか?」
「おう、大丈夫だ。ターキーな、いくつだ?」
「二十くれ」
ルカにかわってランバートが言うと、ビルは「二十だと!」と言って奥へと入っていく。そして数分して、二十本のターキーを袋に詰めて持ってきた。
「なんだお前、ターキー祭りでもしようってのか?」
「俺と彼だけで食べるんじゃない。ジンの店に持ってくんだよ」
「あぁ、なるほどな。ちゃんと詫びと礼、言ってこいよ」
「分かってるよ」
ランバートがビルを「じじい」と言うのと同じように、ビルはランバートを「クソガキ」と思っている。でもそれは悪意ではなく、素直じゃない二人の照れ隠しのようなものだった。
ターキーを持って、ついでにもう少し買ってジンの酒場へとゆくと、明かりは付いているのに店主の姿はなかった。その代わり店番の少年が一人、ちょこんとカウンターに座っていた。
「レオ?」
「リフ!」
オレンジ色の髪に明るく大きな同色の瞳を輝かせたそばかすの少年が、嬉しそうにスツールから飛び降りて駆けてきて、ランバートの腰に突進する。それを受け止めたランバートは、そのまま少年の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「元気してたか?」
「元気だよ。リフこそ大丈夫なのかよ」
「平気だ。ジンはどうした?」
「買い物。俺は姉さん達のお使い終わったから、ジンのとこに顔出したんだ」
嬉しそうな少年が目を輝かせて言う。ランバートは素直に、少年の言葉に頷いていた。
そうしていると背後の扉が開いて、見慣れたスキンヘッドが驚いた顔をしてランバートを見る。それに、ランバートは苦笑した。
「ジン、久しぶり」
なんて声をかけようか。とんでもなく心配を掛けてしまったから、何を言っていいか分からない。「有り難う」じゃ足りないか。「ごめん」も少し違う。だからといってあれこれ並べ立てると言い訳っぽい。
だがそんなの簡単だった。突進するように近づいてきたジンの逞しすぎる腕が締め上げるようにランバートを抱きしめるのに驚いていると、感情のままの大きな声が怒鳴るように耳元でした。
「馬鹿野郎! 心配かけさせやがって!」
「ごめん」
「謝って済む話か!」
「ごめんって。……有り難う、助けてくれて」
素直に背に手を回して、軽く叩く。本当に心配をかけてしまった。本当に、有り難い友人だ。こんなに手を煩わせてしまったのに、それでもこんなに案じて叱ってくれるのだから。
腕が離れて、ぐしゃぐしゃと頭を撫で繰り回されても文句を言わない。いつもは他者を睨み殺すような迫力の目が、心なしか下がって見えた。
「ところで、お前何しに来たんだ? それにそっちの客人は誰だ?」
ジンの視線がルカに向く。ルカは微笑ましいものでも見るような目で一連のやりとりを見ていて、今更ながら恥ずかしさがこみ上げる。そして、手に持っているターキーの袋を上に掲げた。
「何しにって、仲直りしにきたんだよね、ランバートさん」
「あぁ、うん。それも一つかな」
「僕はルカって言います」
「え? あぁ、おう」
満面の笑みを浮かべるルカに、ジンが面食らったようにたじろぐ。なるほど、ルカもウルバス同様その笑顔一つで大抵の人間の毒を抜くんだと、ランバートは満面の笑みを見て思った。
「ビル爺さんのところのターキーと、屋台からあれこれ。食うだろ?」
「おう、悪いな。他の奴らもボチボチくる。まずは座れ」
そう言って差し入れの物を両手に持ってカウンターの中に入ったジンが、ターキーを皿に盛り、他の物も出していく。それに酒を出して、レオにもジュースを出した。そうする内に常連が集まって、わいわいと料理とランバートを囲んで騒ぎになる。なんかのパーティーのような様相に、ランバートはくすぐったく笑った。
「へぇ、ルカはファウスト様の弟か」
ルカはすっかりガラの悪い傭兵集団に溶け込んでいる。そしてルカ自身彼らに気圧されることなく平気な顔をして笑う。やっぱりこの人は強い。なにがって、精神的に。
「兄を知っているんですか?」
「少し前に知り合ったばかりだが、面倒見のいい人なんだろうな。なんせリフの世話が出来るんだから」
「どういう意味だよ」
ジロッと睨むと、ジンはあからさまに視線を逸らした。その様子に、ルカは苦笑する。
「面倒見がいいっていうか、過保護?」
コテンと首を傾げて言うと、周囲がドッと笑う。そして口々に「だろうな」「分かる」と言い始める。ランバートとしてはそこに「苦労性」と付け加えたかった。
「だが、あんまりあの人に心配かけるなよ。死んだようなお前をずっと温めてたのはあの人だ。よほどお前よりも痛そうな顔をしてたからな」
それを聞かされるとランバートは申し訳なくなる。
ジンが船でランバートを運び出してくれたのは知っている。カロンの道を進む間ずっと、ファウストは自分の上着でランバートの体を包んで大事に抱いていたらしい。これ以上体温が下がるのは危険だから、温めてくれていたのだと。
情のあるあの人がどんなに辛い思いをしたか、それを思うとやはり申し訳なく、そして苦しくも感じるのだ。
「ランバートさん、そんなに気にしないで。ランバートさんだって考えあっての事なんだから。それに兄さんが過剰に反応することだってある。何より過ぎたことで、もう終わってるでしょ? 気にして縮こまったりしなくても大丈夫だし、兄さんには勝手に心配させとけばいいんだよ」
「やっぱりルカさんは強いな」
思わず苦笑したランバートに、ルカは輝くような笑みで「まかせて」と言った。
「さーて、リフ。お前これだけが目的じゃないだろ」
じろりと睨むようなジンの視線に、ランバートはギクリと肩を震わせる。そして苦笑し、「ばれた?」と恐る恐る言ってみた。
「俺に詫び入れにくるなら一人で来ただろうよ。この人を連れてきたってことは、なんかまたあるな」
「流石ジン、付き合い長い。実は少し厄介なのがこの人に目をつけててさ。それで一人、手の空きそうな奴に頼みがあったんだ」
正直に白状すると今度はルカが目を丸くしてしまう。しかも何かを言う前から遠慮する素振りだ。
「僕の事はそんなに気にしないでよ。本当に大丈夫だから」
「大丈夫じゃない様子だから言ってるんだよ。あんなごつい男に殴られたら、それこそ怪我する。それがルカさんなら当人の問題でいいけれど、万が一客が怪我をしたらルカさん気にするし、責任感じるだろ?」
「それは、そうだけど」
ごにょごにょとして気にしている様子のルカは、なかなか反論もできない感じだ。多分客に被害が行くことを考えてしまっているのだろう。下手をすると店を閉じると言い出しそうな雰囲気まである。
「人を出すのはいいが、何させる?」
「この人の店で小間使いと、なんかあった時に俺とジンの所に走ってもらう。俺が間に合えばいいんだけど、言い切れないしな」
「あの、本当にそんなに気を使って貰わなくても」
「はーい! それなら俺がやりたい!」
元気よく手を上げたのはレオだった。彼はちょこんと前に出て、ルカに手を差し伸べる。
「掃除や店番、買い物なんかはお手の物。足も速いから直ぐに助けを呼べるよ。報酬は三食と寝床でどうかな?」
「え? あの、でも」
「レオ、お前姉さん達の小間使いはどうするんだ?」
「実はさ、今日で一旦契約切れるんだ。だからこうしてジンの所にきて、いい仕事ないか探してたところ。一週間空けないと次の契約はできないし」
困った顔でレオは言う。それにルカは首を傾げ、気遣わしい顔をした。
「お家で休む期間じゃないの?」
「お家があればね。俺は孤児だし、仕事してるから面倒見てくれた教会からは出ちゃって家がないんだ。普段はジンの所でお世話になったり、つなぎの仕事探すんだけど」
肩をすくめて戯けたように言うレオに、ルカはとても気遣わしい顔をする。この人も情のある人だから、こんな話を聞くと放ってはおけなくなるんだろう。こんな所も兄弟だ。
「ルカさん、よかったらレオを連れていってください。力のいる仕事じゃなければ大抵の事はできます。それにこれで俺も安心しますし、ファウスト様にも報告しますから」
「兄さんにも?」
「えぇ。今日の事がファウスト様に報告されれば、多分心配するでしょう。俺からファウスト様に人をつけた事を説明して宥めます」
「納得すると思う?」
「させますよ」
ニッコリと笑い、次にレオに視線を移す。そしてポンと肩に手を置いた。
「頼むな、レオ。俺は西砦にいるから、何かあったらそこに来てくれ。俺も仕事が終わったら時々顔をだす」
「うん、任せて。でもこれって、リフの依頼? それとも、ルカさんの依頼?」
「僕の依頼にして。店の事やお使いをお願いするのに、請求がランバートさんなんて可笑しいもの」
そう言うと、ルカはレオに手を差し伸べる。その手をレオも取って、無事に契約が成立した。
「それにしても、西地区で面倒を起こすなんてバカもいたもんだ」
一人が言って、それに「うんうん」と他も同意する。
東地区ではこんなことも珍しくはないが、西地区では珍しい。荒っぽい事を嫌う貴族の町に争い事を持ち込むなんて。
だがそこは意外な所から声がかかった。
「僕知ってるよ、そいつらの事」
「レオが?」
少年が得意満面の顔をして胸を張る。ランバートとルカは顔を見合わせ、レオに視線を向けた。
「ほら、俺は花街の小間使いしてただろ? 姉さん達の荷物持ちとかで西地区は行くんだ。そこで噂とか聞くんだけど、あいつら地方でも同じような横暴な事してて評判悪かったんだって。地上げっていうの? わざと悪い噂を流して店を潰して、その店をそのまま乗っ取るみたいなことしてたって」
「やっぱり、内務に動いて貰うのが一番いいな」
どう考えても悪質だ。おそらく直ぐに埃がでる。案外決着は早いかもしれない。
「他は何か知らないのか?」
「うーん、とね。確かそいつらの大ボスっていうの? あれこれ指示出したりしてるのって、元は王都の貴族だったんだって。問題起こして王都にいられなくなったらしい」
「最初からクズ貴族か」
吐き捨てるようにジンが言い、ランバートも頷く。最近は少なくなったが未だにこんなのがいるものだ。なんだかやりきれない。
「名前分かるか?」
「ブルーノ・シーブルズって言ってた」
レオが名を口にした途端、場の空気が明らかに下がった。いっそ身震いするような気温の急降下は、ただ一人の殺気から。ランバートは一人目を吊り上げ、黙って怒りを殺気に変えている。
「逃げたネズミが戻ってきたのか」
低く低く呟いた声に、ジンは震えレオは怯え、そしてルカは目を見張る。その中でもランバートは殺気を抑えられないのか、皆を恐怖に陥れている。
ルカがそっと動いた。動いた途端に殺されそうな雰囲気の中、それでも動いてランバートの頬を両手で挟み込んだのだ。
「!」
「ダメだよ、ランバートさん。そんな怖い顔しないで、笑顔が素敵なんだから」
ランバートの頬を両手で挟み込み、上を向けさせたルカがニッコリと微笑む。呆気にとられたランバートは、途端に毒気が抜けた。そうすると場の空気も明るさを取り戻し、皆も安堵の息をついた。
「ごめん」
「あぁ、いや。ここにいる奴らはみんな、お前の気持ちも怒りも痛いくらい分かってる。だけど、うかつな事するなよ。お前は今騎士団にいるんだ。それに、上に任せりゃ処理してくれそうな話なんだ。下手な事して今の居場所をなくしたら、それこそお前の不幸だぞ」
念を押すようなジンの言葉に、ランバートは苦笑して頷いた。
帰り道、今日からお世話になりたいというレオを連れて、ランバートはルカを店まで送った。その帰り道、ルカはとても気にした様子でランバートに問いかけた。
「ランバートさん、言いづらい事だったら言わなくていいから、教えて」
「えぇ、どうぞ」
「さっき出てきたブルーノって人とは、どんな因縁なの?」
とても心配そうな顔のルカを見ると、言葉に少し詰まる。けれど再び悲しみや怒りが嵐のように巻き起こりそうで、ランバートは努めて冷静でいようと笑みを浮かべた。
「俺の友人を殺したグループにいた奴です」
「殺した!」
思わぬ言葉にルカの声も大きくなる。だが気づいて口を手で覆い、その後はなんて言えばいいのかと表情を曇らせた。
「あの、それが本当なら」
「確かな証拠がないので、立件できないんです。当時東地区はスラム、暴行死なんて日常的でした。俺の友人もその一人です。そしてブルーノは当時、そうした事を繰り返していた貴族の若者グループに入っていたんです」
思い出すだけで終わらない憎しみが心を焼く。底のない悲しみが押し寄せる。
友人はいい奴だった。ランバートをスラムで認めてくれた人物で、彼がいなければジン達と上手くやれていなかった。ランバートはそんな友人を心から信頼し、心から友だと信じた。
そんな人を殺された。この事実はランバートの中でずっと消えず色褪せないまま燻っている。
「ランバートさん、この件を兄さんに報告していいから、ランバートさんは降りて」
「え?」
隣のルカがギュッと手を握る。とても心配そうな顔で見上げるから、色々と驚いてしまった。
「ランバートさんは今、騎士団にいるでしょ? でもその人の事も許せないでしょ? 問題が起こって、もしもランバートさんがその人を殺すような事があったら、騎士団にいられなくなる。違う?」
「……」
違わない。ランバートは言葉を無くしてしまう。
よほどの正当防衛じゃなければ、相手を殺す事は許されない。テロや戦争は別として、私刑は明らかに違法だ。軍法にかけられ、退団や刑務所なんて事になる可能性が高い。
ルカはとても心配そうだ。それこそファウストがあれこれ過保護にすることよりも、ランバートの身を案じてくれている。
くしゃりと笑って、ランバートは首を横に振った。
「平気。流石に俺も考えるから」
「でも」
「今回の事はきっと内務が動いて調査して、違法を認めてくれる。そうなればどっちにしても奴らは加害者として取り調べられる。犯罪者としての罰を受けるんだ。俺はそれでいい。今を捨てて過去を取るなんてこと、きっと死んだ友人も望まないから」
いつも笑顔で明るくて、ランバートを心配してくれる奴だった。口うるさく母親のような事を言う奴だった。そんな奴が、ランバートの不幸を望みはしない。今更復讐なんて事をしたらそれこそ、「馬鹿野郎!」と怒るに違いない。
そう思えば怒りが静まる。憎しみを押し殺せる。ランバートは困ったように笑い、頷いた。
「当然、ファウスト様にも相談する。一人で解決しようとしないって、約束したし」
「うん、絶対だよ」
ルカが心配そうに小指を出す。それに笑ってランバートも小指を絡め、約束をした。
「はい」
のぞき戸から青い瞳が覗く。それに、ランバートはやんわりと笑みを浮かべた。
「ランバートさん!」
ルカはすぐに扉を開けてランバートを招いてくれた。ダイニングキッチンにはまだ夕食の準備がされていない。そのかわり、日中の香水瓶が置かれていた。
「本当に、中身確かめたんですか?」
「え? あぁ、うん。中身は体に害のあるものじゃなかったよ」
そう言って素直に安堵したような顔をするルカに、「粗悪品?」とランバートが問うと、困った顔で笑った。十分な肯定だろう。
「言いがかりでも嘘でも、この際いいんだ。これが本当に体に障りのある物だったら、それこそ大変だから」
「少しお人好しですね、ルカさんは」
「よく言われるよ」
なんて言って、それでも本当に心から安堵している、そんな様子にランバートは笑う。
とても心根の優しい人なんだ。自分の事よりも、名も知らない誰かを案じる事ができるくらいに。そして真っ直ぐで、素直な人なんだ。
こんな人を汚い手で貶めようなんて、やはり許しておくことも、黙っておくこともランバートにはできなかった。
「ルカさん、これから俺と出かけませんか?」
「え?」
青い目がまん丸になる。ランバートは苦笑して、恥ずかしそうに笑った。
「夕飯、まだですよね? 実はこれから人に会いに行くんですけど、ちょっと顔を合わせづらい理由があって。誰かがついてきてくれると助かるんだけど」
「顔を合わせづらい理由?」
首を傾げながらも、ルカは笑って上着を手に取った。そして戸締まりを確認して、隣に並んで「行こう」と言ってくれた。
東地区はまだまだ賑やかだ。メイン通りを歩いているランバートは、何か差し入れをと考えて見回す。屋台も出るこの辺は持ち帰りの物も多い。それらを仕入れてジンの店に行くつもりなのだ。
「あっ、あそこのお店復活してる」
ルカが声をあげる方を見ると、肉屋の明かりがついている。ランバートも知っている肉屋だ。
「あそこ、一週間くらい店を閉めてたんだ。心配してたんだけど」
「この辺にもくるんだ?」
「うん、表の通りは買い物に。美味しいし安いし。あの店のターキー、美味しいんだよ」
「知ってるよ」
なるほど、かなりアクティブな人のようだ。苦笑し、ランバートはそっちへと向かう。そして店の前に立ち、中の五十代後半という男に声をかけた。
「ビル爺さん、久しぶり」
「誰がじじいだ! って、リフか!」
反射的に声を上げた男はランバートを認識すると目をまん丸にし、わざわざ店から表に出て背を叩いた。
「お前、大変だったんだってな! もう大丈夫なのか!」
「大丈夫だよ。ビルこそ、店閉めてたんだって?」
問うと、ビルは苦い笑みを浮かべて足を差した。
「屋根の修理しててな、梯子踏み外してこのザマだ。俺も年かねぇ」
「年だろ。娘婿に任せりゃ良かっただろ」
「年寄り扱いすんな! って、意気込んでたんだがな。面目ない」
そう言いながら頭をかくビルの足には、まだ固定具がある。それでも口も気力も十分な様子だ。
「ターキーくださいな」
ランバートの影からひょっこりと顔を出したルカが、明るい声で言う。それに目をとめたビルがニッカと笑った。
「おう、ルカ坊やじゃないか」
「足、大丈夫ですか?」
「おう、大丈夫だ。ターキーな、いくつだ?」
「二十くれ」
ルカにかわってランバートが言うと、ビルは「二十だと!」と言って奥へと入っていく。そして数分して、二十本のターキーを袋に詰めて持ってきた。
「なんだお前、ターキー祭りでもしようってのか?」
「俺と彼だけで食べるんじゃない。ジンの店に持ってくんだよ」
「あぁ、なるほどな。ちゃんと詫びと礼、言ってこいよ」
「分かってるよ」
ランバートがビルを「じじい」と言うのと同じように、ビルはランバートを「クソガキ」と思っている。でもそれは悪意ではなく、素直じゃない二人の照れ隠しのようなものだった。
ターキーを持って、ついでにもう少し買ってジンの酒場へとゆくと、明かりは付いているのに店主の姿はなかった。その代わり店番の少年が一人、ちょこんとカウンターに座っていた。
「レオ?」
「リフ!」
オレンジ色の髪に明るく大きな同色の瞳を輝かせたそばかすの少年が、嬉しそうにスツールから飛び降りて駆けてきて、ランバートの腰に突進する。それを受け止めたランバートは、そのまま少年の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「元気してたか?」
「元気だよ。リフこそ大丈夫なのかよ」
「平気だ。ジンはどうした?」
「買い物。俺は姉さん達のお使い終わったから、ジンのとこに顔出したんだ」
嬉しそうな少年が目を輝かせて言う。ランバートは素直に、少年の言葉に頷いていた。
そうしていると背後の扉が開いて、見慣れたスキンヘッドが驚いた顔をしてランバートを見る。それに、ランバートは苦笑した。
「ジン、久しぶり」
なんて声をかけようか。とんでもなく心配を掛けてしまったから、何を言っていいか分からない。「有り難う」じゃ足りないか。「ごめん」も少し違う。だからといってあれこれ並べ立てると言い訳っぽい。
だがそんなの簡単だった。突進するように近づいてきたジンの逞しすぎる腕が締め上げるようにランバートを抱きしめるのに驚いていると、感情のままの大きな声が怒鳴るように耳元でした。
「馬鹿野郎! 心配かけさせやがって!」
「ごめん」
「謝って済む話か!」
「ごめんって。……有り難う、助けてくれて」
素直に背に手を回して、軽く叩く。本当に心配をかけてしまった。本当に、有り難い友人だ。こんなに手を煩わせてしまったのに、それでもこんなに案じて叱ってくれるのだから。
腕が離れて、ぐしゃぐしゃと頭を撫で繰り回されても文句を言わない。いつもは他者を睨み殺すような迫力の目が、心なしか下がって見えた。
「ところで、お前何しに来たんだ? それにそっちの客人は誰だ?」
ジンの視線がルカに向く。ルカは微笑ましいものでも見るような目で一連のやりとりを見ていて、今更ながら恥ずかしさがこみ上げる。そして、手に持っているターキーの袋を上に掲げた。
「何しにって、仲直りしにきたんだよね、ランバートさん」
「あぁ、うん。それも一つかな」
「僕はルカって言います」
「え? あぁ、おう」
満面の笑みを浮かべるルカに、ジンが面食らったようにたじろぐ。なるほど、ルカもウルバス同様その笑顔一つで大抵の人間の毒を抜くんだと、ランバートは満面の笑みを見て思った。
「ビル爺さんのところのターキーと、屋台からあれこれ。食うだろ?」
「おう、悪いな。他の奴らもボチボチくる。まずは座れ」
そう言って差し入れの物を両手に持ってカウンターの中に入ったジンが、ターキーを皿に盛り、他の物も出していく。それに酒を出して、レオにもジュースを出した。そうする内に常連が集まって、わいわいと料理とランバートを囲んで騒ぎになる。なんかのパーティーのような様相に、ランバートはくすぐったく笑った。
「へぇ、ルカはファウスト様の弟か」
ルカはすっかりガラの悪い傭兵集団に溶け込んでいる。そしてルカ自身彼らに気圧されることなく平気な顔をして笑う。やっぱりこの人は強い。なにがって、精神的に。
「兄を知っているんですか?」
「少し前に知り合ったばかりだが、面倒見のいい人なんだろうな。なんせリフの世話が出来るんだから」
「どういう意味だよ」
ジロッと睨むと、ジンはあからさまに視線を逸らした。その様子に、ルカは苦笑する。
「面倒見がいいっていうか、過保護?」
コテンと首を傾げて言うと、周囲がドッと笑う。そして口々に「だろうな」「分かる」と言い始める。ランバートとしてはそこに「苦労性」と付け加えたかった。
「だが、あんまりあの人に心配かけるなよ。死んだようなお前をずっと温めてたのはあの人だ。よほどお前よりも痛そうな顔をしてたからな」
それを聞かされるとランバートは申し訳なくなる。
ジンが船でランバートを運び出してくれたのは知っている。カロンの道を進む間ずっと、ファウストは自分の上着でランバートの体を包んで大事に抱いていたらしい。これ以上体温が下がるのは危険だから、温めてくれていたのだと。
情のあるあの人がどんなに辛い思いをしたか、それを思うとやはり申し訳なく、そして苦しくも感じるのだ。
「ランバートさん、そんなに気にしないで。ランバートさんだって考えあっての事なんだから。それに兄さんが過剰に反応することだってある。何より過ぎたことで、もう終わってるでしょ? 気にして縮こまったりしなくても大丈夫だし、兄さんには勝手に心配させとけばいいんだよ」
「やっぱりルカさんは強いな」
思わず苦笑したランバートに、ルカは輝くような笑みで「まかせて」と言った。
「さーて、リフ。お前これだけが目的じゃないだろ」
じろりと睨むようなジンの視線に、ランバートはギクリと肩を震わせる。そして苦笑し、「ばれた?」と恐る恐る言ってみた。
「俺に詫び入れにくるなら一人で来ただろうよ。この人を連れてきたってことは、なんかまたあるな」
「流石ジン、付き合い長い。実は少し厄介なのがこの人に目をつけててさ。それで一人、手の空きそうな奴に頼みがあったんだ」
正直に白状すると今度はルカが目を丸くしてしまう。しかも何かを言う前から遠慮する素振りだ。
「僕の事はそんなに気にしないでよ。本当に大丈夫だから」
「大丈夫じゃない様子だから言ってるんだよ。あんなごつい男に殴られたら、それこそ怪我する。それがルカさんなら当人の問題でいいけれど、万が一客が怪我をしたらルカさん気にするし、責任感じるだろ?」
「それは、そうだけど」
ごにょごにょとして気にしている様子のルカは、なかなか反論もできない感じだ。多分客に被害が行くことを考えてしまっているのだろう。下手をすると店を閉じると言い出しそうな雰囲気まである。
「人を出すのはいいが、何させる?」
「この人の店で小間使いと、なんかあった時に俺とジンの所に走ってもらう。俺が間に合えばいいんだけど、言い切れないしな」
「あの、本当にそんなに気を使って貰わなくても」
「はーい! それなら俺がやりたい!」
元気よく手を上げたのはレオだった。彼はちょこんと前に出て、ルカに手を差し伸べる。
「掃除や店番、買い物なんかはお手の物。足も速いから直ぐに助けを呼べるよ。報酬は三食と寝床でどうかな?」
「え? あの、でも」
「レオ、お前姉さん達の小間使いはどうするんだ?」
「実はさ、今日で一旦契約切れるんだ。だからこうしてジンの所にきて、いい仕事ないか探してたところ。一週間空けないと次の契約はできないし」
困った顔でレオは言う。それにルカは首を傾げ、気遣わしい顔をした。
「お家で休む期間じゃないの?」
「お家があればね。俺は孤児だし、仕事してるから面倒見てくれた教会からは出ちゃって家がないんだ。普段はジンの所でお世話になったり、つなぎの仕事探すんだけど」
肩をすくめて戯けたように言うレオに、ルカはとても気遣わしい顔をする。この人も情のある人だから、こんな話を聞くと放ってはおけなくなるんだろう。こんな所も兄弟だ。
「ルカさん、よかったらレオを連れていってください。力のいる仕事じゃなければ大抵の事はできます。それにこれで俺も安心しますし、ファウスト様にも報告しますから」
「兄さんにも?」
「えぇ。今日の事がファウスト様に報告されれば、多分心配するでしょう。俺からファウスト様に人をつけた事を説明して宥めます」
「納得すると思う?」
「させますよ」
ニッコリと笑い、次にレオに視線を移す。そしてポンと肩に手を置いた。
「頼むな、レオ。俺は西砦にいるから、何かあったらそこに来てくれ。俺も仕事が終わったら時々顔をだす」
「うん、任せて。でもこれって、リフの依頼? それとも、ルカさんの依頼?」
「僕の依頼にして。店の事やお使いをお願いするのに、請求がランバートさんなんて可笑しいもの」
そう言うと、ルカはレオに手を差し伸べる。その手をレオも取って、無事に契約が成立した。
「それにしても、西地区で面倒を起こすなんてバカもいたもんだ」
一人が言って、それに「うんうん」と他も同意する。
東地区ではこんなことも珍しくはないが、西地区では珍しい。荒っぽい事を嫌う貴族の町に争い事を持ち込むなんて。
だがそこは意外な所から声がかかった。
「僕知ってるよ、そいつらの事」
「レオが?」
少年が得意満面の顔をして胸を張る。ランバートとルカは顔を見合わせ、レオに視線を向けた。
「ほら、俺は花街の小間使いしてただろ? 姉さん達の荷物持ちとかで西地区は行くんだ。そこで噂とか聞くんだけど、あいつら地方でも同じような横暴な事してて評判悪かったんだって。地上げっていうの? わざと悪い噂を流して店を潰して、その店をそのまま乗っ取るみたいなことしてたって」
「やっぱり、内務に動いて貰うのが一番いいな」
どう考えても悪質だ。おそらく直ぐに埃がでる。案外決着は早いかもしれない。
「他は何か知らないのか?」
「うーん、とね。確かそいつらの大ボスっていうの? あれこれ指示出したりしてるのって、元は王都の貴族だったんだって。問題起こして王都にいられなくなったらしい」
「最初からクズ貴族か」
吐き捨てるようにジンが言い、ランバートも頷く。最近は少なくなったが未だにこんなのがいるものだ。なんだかやりきれない。
「名前分かるか?」
「ブルーノ・シーブルズって言ってた」
レオが名を口にした途端、場の空気が明らかに下がった。いっそ身震いするような気温の急降下は、ただ一人の殺気から。ランバートは一人目を吊り上げ、黙って怒りを殺気に変えている。
「逃げたネズミが戻ってきたのか」
低く低く呟いた声に、ジンは震えレオは怯え、そしてルカは目を見張る。その中でもランバートは殺気を抑えられないのか、皆を恐怖に陥れている。
ルカがそっと動いた。動いた途端に殺されそうな雰囲気の中、それでも動いてランバートの頬を両手で挟み込んだのだ。
「!」
「ダメだよ、ランバートさん。そんな怖い顔しないで、笑顔が素敵なんだから」
ランバートの頬を両手で挟み込み、上を向けさせたルカがニッコリと微笑む。呆気にとられたランバートは、途端に毒気が抜けた。そうすると場の空気も明るさを取り戻し、皆も安堵の息をついた。
「ごめん」
「あぁ、いや。ここにいる奴らはみんな、お前の気持ちも怒りも痛いくらい分かってる。だけど、うかつな事するなよ。お前は今騎士団にいるんだ。それに、上に任せりゃ処理してくれそうな話なんだ。下手な事して今の居場所をなくしたら、それこそお前の不幸だぞ」
念を押すようなジンの言葉に、ランバートは苦笑して頷いた。
帰り道、今日からお世話になりたいというレオを連れて、ランバートはルカを店まで送った。その帰り道、ルカはとても気にした様子でランバートに問いかけた。
「ランバートさん、言いづらい事だったら言わなくていいから、教えて」
「えぇ、どうぞ」
「さっき出てきたブルーノって人とは、どんな因縁なの?」
とても心配そうな顔のルカを見ると、言葉に少し詰まる。けれど再び悲しみや怒りが嵐のように巻き起こりそうで、ランバートは努めて冷静でいようと笑みを浮かべた。
「俺の友人を殺したグループにいた奴です」
「殺した!」
思わぬ言葉にルカの声も大きくなる。だが気づいて口を手で覆い、その後はなんて言えばいいのかと表情を曇らせた。
「あの、それが本当なら」
「確かな証拠がないので、立件できないんです。当時東地区はスラム、暴行死なんて日常的でした。俺の友人もその一人です。そしてブルーノは当時、そうした事を繰り返していた貴族の若者グループに入っていたんです」
思い出すだけで終わらない憎しみが心を焼く。底のない悲しみが押し寄せる。
友人はいい奴だった。ランバートをスラムで認めてくれた人物で、彼がいなければジン達と上手くやれていなかった。ランバートはそんな友人を心から信頼し、心から友だと信じた。
そんな人を殺された。この事実はランバートの中でずっと消えず色褪せないまま燻っている。
「ランバートさん、この件を兄さんに報告していいから、ランバートさんは降りて」
「え?」
隣のルカがギュッと手を握る。とても心配そうな顔で見上げるから、色々と驚いてしまった。
「ランバートさんは今、騎士団にいるでしょ? でもその人の事も許せないでしょ? 問題が起こって、もしもランバートさんがその人を殺すような事があったら、騎士団にいられなくなる。違う?」
「……」
違わない。ランバートは言葉を無くしてしまう。
よほどの正当防衛じゃなければ、相手を殺す事は許されない。テロや戦争は別として、私刑は明らかに違法だ。軍法にかけられ、退団や刑務所なんて事になる可能性が高い。
ルカはとても心配そうだ。それこそファウストがあれこれ過保護にすることよりも、ランバートの身を案じてくれている。
くしゃりと笑って、ランバートは首を横に振った。
「平気。流石に俺も考えるから」
「でも」
「今回の事はきっと内務が動いて調査して、違法を認めてくれる。そうなればどっちにしても奴らは加害者として取り調べられる。犯罪者としての罰を受けるんだ。俺はそれでいい。今を捨てて過去を取るなんてこと、きっと死んだ友人も望まないから」
いつも笑顔で明るくて、ランバートを心配してくれる奴だった。口うるさく母親のような事を言う奴だった。そんな奴が、ランバートの不幸を望みはしない。今更復讐なんて事をしたらそれこそ、「馬鹿野郎!」と怒るに違いない。
そう思えば怒りが静まる。憎しみを押し殺せる。ランバートは困ったように笑い、頷いた。
「当然、ファウスト様にも相談する。一人で解決しようとしないって、約束したし」
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ルカが心配そうに小指を出す。それに笑ってランバートも小指を絡め、約束をした。
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