69 / 450
閑話休題 -アスペラルダ国境道~関所~フォレストトーレ国境道-
閑話休題 -15話-[ハイラード共同牧場~マリーブパリアⅠ]
しおりを挟む
「クーっ!!」
『お父さまーっ!』
私たちは予定通りに、
その日から2パーティに分かれて行動します。
「クーーっ!」
『お父さまーーっ!』
私を含めてお兄さんとマリエルはそのまま次の町を目指して移動し、
メリーとクーちゃんは、オベリスク調査の為と闇倉庫の効果範囲確認の為に、
先日討伐したハイイヌの生息域である山向こうへと一時向かう事となります。
「クーーーっ!」
『お父さまーーーっ!』
前日には2人にお話をして納得してもらい、
クーちゃんは昨夜お兄さんと2人きりで過ごしていました。
今までずっと一緒にいて、
城でのメイドの修行中でも会おうと思えばいつでも会える状況でした。
でも、今回は初めてしばらく自由に会えなくなるという事で、
私とアクアちゃんも昨夜はお互いに我慢をしてお兄さんに近寄りませんでした。
「クーーーーっ!!」
『お父さまーーーーっ!!』
そして、今日。
朝から少し静かなクーちゃんと、
そのクーちゃんの様子を心配そうに伺うお兄さん。
私たちも2人をこのまま離してしまって大丈夫かと気が気ではありませんでした。
「クーーーーーっ!!」
『お父さまーーーーーっ!!』
いざ、牧場を出発しようと道まで出ると、
牧場の方々や子供達が仕事を中断してお見送りに来てくださいました。
お互いが感謝の言葉と健闘の言葉を交換して、
お兄さんとクーちゃんに懐いていたメイフェルちゃんともお別れを告げ、
言葉はなくともメイフェルちゃんは笑顔で手を振って私たちを送ってくれました。
「クーーーーーーっ!!!」
『お父さまーーーーーーっ!!!』
問題はここからで、
牧場関係者の方々がお仕事に戻られてから、
私とマリエルは軽い言葉で2人に気をつけてほしいと伝えました。
お兄さんとクーちゃんはしばらく抱き合っており、
私たちも会う時間が少なくなることも考えて、2人が離れるのを待ちました。
1分・・・3分・・・5分・・・の時点でどうしようかと、
同じく2人を待つメリーとマリエル、それからアクアちゃんに目配せをして、
もう少し待つ事にしましたが、
10分を過ぎた頃には、これはお兄さんもクーちゃんも、
私たちの介入がなければ踏ん切りが付かないと判断して、
私とマリエルがお兄さんの両腕を掴んで引きずって進み、
クーちゃんはメリーに抱きかかえられて離れていきました。
その後はずっとこの掛け合いが続いています。
「隊長・・・いいかげんに大人になりましょうよ・・・」
「マリエル・・・大人だからこそなんじゃないかしら」
「うちはこんな過度な愛情を感じる別れじゃありませんでしたよ?」
「マリエルはもう大きいですからね。
お兄さん達が守ってくれるということで許可を出した手前、
あまり行動に出しづらかったんじゃない?」
「クーちゃんは小さいから親として離れるのは心配ってことですか?」
「そういうことね。
とはいえ、少し過剰な気もするけど」
「ですよね~」
* * * * *
「さて、マリーブパリアに向けて出発するか・・・」
「格好つけているところ悪いのですが、
すでに出発は済ませて100m以上進んでいます」
「師匠、ずっとクーちゃんとメリーさんの進んだ方向を見て呆けてましたからね」
はて?いつの間に牧場を出ていたのだろうか?
それとなんだろうか・・・。
こう、今さきほどまで胸の中に収まっていた大事な何かが、
遠くへ行ってしまったようなこの感傷は・・・。
「はい。アクアちゃんを抱いて平常心を整えてください」
『ますた~、だいじょうぶ?』
「あぁ、大丈夫だよ。
アクアを抱きしめたら落ち着いてきたよ、ありがとう」
「そろそろ自分で滑ってくださいよ。
私と姫様でここまで引きずって進んだんですよ?」
「あ、そうなのか。
なんかお尻が痛いと思ったらそういうことか」
ヒリヒリと何かに打ち付けたような痛みのあるお尻をさすりつつ、
胸の中に収まるアクアへ頬ずりしたくなりすりすりする。
アクアも嬉しそうではあるが、
どこか寂しげで浮かない表情をしているのは、
妹分のクーが離れてしまっている事が原因だろう。
「食事をした後と寝る前にクーに会えるんだから、
あまり心配しすぎてクーに今のアクアの顔を見られたら、
逆に心配を掛ける事になるぞ」
『あい。ますたーもね』
「そうだな、気をつけるよ」
むにむにとお互いのほっぺを触り合う。
「メリーさんも影を通れば会えるんですよね?」
「そうだけど、どちらかがあちらに残らないといけないから、
お風呂以外の時間は控えると思うわ」
そんなこんなで牧場を後にして、
俺達とメリー達の移動は開始された。
おおよそ1週間と少しで目的地には到着出来ると予想しており、
そこで発見次第影を通って合流する事になっている。
最終的な距離としては2週間ほどの距離が開く為、
その時点で影倉庫が利用出来れば、
2町間分に相当する距離を限定的な瞬間移動が可能となるのだ。
クーの事も心配ではあるが、今回は師匠のメリーに任せて、
俺は俺で幼い少女達の護衛を頑張らないとな。
『お父さまーっ!』
私たちは予定通りに、
その日から2パーティに分かれて行動します。
「クーーっ!」
『お父さまーーっ!』
私を含めてお兄さんとマリエルはそのまま次の町を目指して移動し、
メリーとクーちゃんは、オベリスク調査の為と闇倉庫の効果範囲確認の為に、
先日討伐したハイイヌの生息域である山向こうへと一時向かう事となります。
「クーーーっ!」
『お父さまーーーっ!』
前日には2人にお話をして納得してもらい、
クーちゃんは昨夜お兄さんと2人きりで過ごしていました。
今までずっと一緒にいて、
城でのメイドの修行中でも会おうと思えばいつでも会える状況でした。
でも、今回は初めてしばらく自由に会えなくなるという事で、
私とアクアちゃんも昨夜はお互いに我慢をしてお兄さんに近寄りませんでした。
「クーーーーっ!!」
『お父さまーーーーっ!!』
そして、今日。
朝から少し静かなクーちゃんと、
そのクーちゃんの様子を心配そうに伺うお兄さん。
私たちも2人をこのまま離してしまって大丈夫かと気が気ではありませんでした。
「クーーーーーっ!!」
『お父さまーーーーーっ!!』
いざ、牧場を出発しようと道まで出ると、
牧場の方々や子供達が仕事を中断してお見送りに来てくださいました。
お互いが感謝の言葉と健闘の言葉を交換して、
お兄さんとクーちゃんに懐いていたメイフェルちゃんともお別れを告げ、
言葉はなくともメイフェルちゃんは笑顔で手を振って私たちを送ってくれました。
「クーーーーーーっ!!!」
『お父さまーーーーーーっ!!!』
問題はここからで、
牧場関係者の方々がお仕事に戻られてから、
私とマリエルは軽い言葉で2人に気をつけてほしいと伝えました。
お兄さんとクーちゃんはしばらく抱き合っており、
私たちも会う時間が少なくなることも考えて、2人が離れるのを待ちました。
1分・・・3分・・・5分・・・の時点でどうしようかと、
同じく2人を待つメリーとマリエル、それからアクアちゃんに目配せをして、
もう少し待つ事にしましたが、
10分を過ぎた頃には、これはお兄さんもクーちゃんも、
私たちの介入がなければ踏ん切りが付かないと判断して、
私とマリエルがお兄さんの両腕を掴んで引きずって進み、
クーちゃんはメリーに抱きかかえられて離れていきました。
その後はずっとこの掛け合いが続いています。
「隊長・・・いいかげんに大人になりましょうよ・・・」
「マリエル・・・大人だからこそなんじゃないかしら」
「うちはこんな過度な愛情を感じる別れじゃありませんでしたよ?」
「マリエルはもう大きいですからね。
お兄さん達が守ってくれるということで許可を出した手前、
あまり行動に出しづらかったんじゃない?」
「クーちゃんは小さいから親として離れるのは心配ってことですか?」
「そういうことね。
とはいえ、少し過剰な気もするけど」
「ですよね~」
* * * * *
「さて、マリーブパリアに向けて出発するか・・・」
「格好つけているところ悪いのですが、
すでに出発は済ませて100m以上進んでいます」
「師匠、ずっとクーちゃんとメリーさんの進んだ方向を見て呆けてましたからね」
はて?いつの間に牧場を出ていたのだろうか?
それとなんだろうか・・・。
こう、今さきほどまで胸の中に収まっていた大事な何かが、
遠くへ行ってしまったようなこの感傷は・・・。
「はい。アクアちゃんを抱いて平常心を整えてください」
『ますた~、だいじょうぶ?』
「あぁ、大丈夫だよ。
アクアを抱きしめたら落ち着いてきたよ、ありがとう」
「そろそろ自分で滑ってくださいよ。
私と姫様でここまで引きずって進んだんですよ?」
「あ、そうなのか。
なんかお尻が痛いと思ったらそういうことか」
ヒリヒリと何かに打ち付けたような痛みのあるお尻をさすりつつ、
胸の中に収まるアクアへ頬ずりしたくなりすりすりする。
アクアも嬉しそうではあるが、
どこか寂しげで浮かない表情をしているのは、
妹分のクーが離れてしまっている事が原因だろう。
「食事をした後と寝る前にクーに会えるんだから、
あまり心配しすぎてクーに今のアクアの顔を見られたら、
逆に心配を掛ける事になるぞ」
『あい。ますたーもね』
「そうだな、気をつけるよ」
むにむにとお互いのほっぺを触り合う。
「メリーさんも影を通れば会えるんですよね?」
「そうだけど、どちらかがあちらに残らないといけないから、
お風呂以外の時間は控えると思うわ」
そんなこんなで牧場を後にして、
俺達とメリー達の移動は開始された。
おおよそ1週間と少しで目的地には到着出来ると予想しており、
そこで発見次第影を通って合流する事になっている。
最終的な距離としては2週間ほどの距離が開く為、
その時点で影倉庫が利用出来れば、
2町間分に相当する距離を限定的な瞬間移動が可能となるのだ。
クーの事も心配ではあるが、今回は師匠のメリーに任せて、
俺は俺で幼い少女達の護衛を頑張らないとな。
11
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上悠は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏も、寿命から静かに息を引き取ろうとする。
「助けたいなら異世界に来てくれない」と少し残念な神様と出会う。
転移先では半ば強引に、死にかけていた犬を助けたことで、能力を失いそのひっそりとスローライフを送ることになってしまうが
迷い込んだ、訪問者次々とやってきて異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる