149 / 450
第10章 -青龍の住む島、龍の巣編Ⅰ-
†第10章† -08話-[決戦準備]
しおりを挟む
「メグイヌオール、協力して欲しいことがある」
『我も内部構造に詳しくは無いぞ』
「ひとまず斥候はオベリスク破壊もあるし俺たちの仕事だからそれはいい。
問題は魔力の消耗が大きすぎるって方だ」
龍の巣内部へ突入する準備を進める俺たちの懸念は、
魔神族の存在と多重オベリスクによる急速な魔力減少だ。
いままでもエリアが重なる場所はあったが、
それは極一部の話であったのに対し、
今回の3重オベリスクは内部のどこまでが影響しているのかわからない。
警戒しているであろうフロスト・ドラゴンの状態も正直不安要素のひとつだ。
もしも暴れてオベリスクの破壊を邪魔しようものならば、
軽く戦闘することを想定するだけの時間も惜しい。
それくらいに3重のオベリスクは厳しく、
さらに言えば妖精族のマリエルへの負担が大きすぎる。
『魔力? ドラゴンである以上は個の貯蔵量は人に比べれば確かに多いだろう。
しかし、現在も回復させてもらっては居ても中に入れぬ我に何が出来よう?』
「その回復なんだけど、
俺たち人間や精霊に取っては魔石から排出している高濃度魔力ってのは、
正直回復に向いていないんだ。
多分魔力回復に使えるのは龍くらいなんじゃないかと思う」
アクア達が日常的に魔力を回復させる方法は、
そこら辺を大気と共に漂う自然魔力と呼ばれる誰にも染まっていない魔力だ。
人間が魔法を使う、使われた魔力は解放されて地面に溶け込む。
それが星の内部を巡って濾過されて、やがては自然魔力として各地のスポットから噴出して世界に還元される。
しかし、現在メグイヌオールが口に含んでいる魔石から排出されている魔力は、
そういった自然魔力に比べると効率が悪い。
まず誰かの魔力に染まっている時点で魔法生物にとっては汚染されているに等しく、
濃度も普段摂取しているものに対して濃すぎて美味しくは無いと。
人間で言えばカルピスの原液を飲まされているみたいで進んで飲みたいものでは無いらしい。
ただ、契約のある人物からの魔力であれば自然魔力よりも効率は良いので、
普段は自然魔力の摂取に俺からの魔力摂取。
アクアに至ってはアルシェからも魔力摂取をしているし、
食事からも魔力摂取している。
こう考えるとアクアは相当なグルメだな・・・。
『精霊も上位の者であれば効率が落ちることはないはずだが・・・、
確かに其方らの精霊は幼な過ぎるか』
それは初耳だけど、今は後回し。
「だから、メグイヌオールが高濃度魔力で回復した魔力を、
俺たちの魔法で変換して俺たちの回復に使われてもらえないか?」
「あ、その手がありましたね。
確かにそれならばマナポーションなどの服用を抑えることが出来ますし、
戦闘面にも強い味方になりますね」
『アルゥ~、どういうこと~?』
『お姉さま。
お父さまは吸収魔法の[魔力吸収]をメグイヌオール様に設置し、
お父さまやマリエルさんに吸収した魔力を分配する[魔力接続]で減らされる魔力を回復しようと考えておられます』
『お~!それいいね~!』
俺の説明で察したアルシェがクーを見つめたあとに納得の声を上げ、
クー自身も気づいていたのかアクアへの説明を自分で行う。
シンクロしていれば互いの魔力は統合されるから主となる俺とマリエル、
あとはクーの言った魔法を維持する為にメリーにも設置すればあとの事を考えずに魔力量のゴリ押しでオベリスクの破壊を行える。
素早く最速で行えばマリエルと精霊への負担は軽く出来るはずだ。
魔力吸収の本来の用途は、
禍津核モンスターを外殻の破壊なしに止める為であったり、
敵対魔法を弱めたりといった物だったけれど、
今回の件に関しては完全にイレギュラーな対応だけど理にかなっている運用だ。
そしてこの魔法の良いところは、
属性魔法などを吸収したとしてもMP回復という仮定に飛ばしてくれるので、
回復効率が全く衰えないというところである。
問題点をあげるならば、
一旦クーを経由して皆に分配される魔法コンボなので、
クーの魔力容量を超える吸収が出来ないし、
メリーが加わったとしても彼女の魔力容量は少ないのであまり容量に変化がないってことくらいかな。
『そちらは今回は心配不要かと。
中での活動にお父さまとマリエルさんのペアが消耗する分と、
クーの維持魔力は相当に厚くしなければいけません。
であれば、クーとメリーさんの容量はほぼ残らない状態が続くと思われます』
「それだと精神的に辛いはずじゃないの?」
「いいえ、確かにMPの枯渇状態は辛いものですが、
お二人がオベリスクを破壊しないことには先に進めませんし、
何より・・・支援を主とする私たち従者にとっては、
主の力になれる良い機会でございます。
ですので、マリエル様。
ご心配には感謝いたしますが、これが私たちの仕事でございます」
「マリエル。二人を心配するのだったら、
貴女の仕事を急いで行えばいいだけの話よ。わかるわね」
「っ!はい、姫様!」
さて、勝手に盛り上がってしまっているが交渉はまだ終わっていない。
メグイヌオールが協力してくれなければそもそもが成功しないのだ。
「メグイヌオール」
俺の話を聞いた後に始まった仲間の掛け合いを黙って見つめていた彼に、
俺は名前だけを呼び問いかける。
どうするのかと。
極論協力が無くても作戦に変更は無いしオベリスクの破壊は成功させる。
単純にその後を考えて協力を申し込んだに過ぎないし、
彼も彼で魔力はまだまだ全回復にはほど遠いかもしれないので無理強いは出来ない。
『・・・協力はさせてもらおう。
現状は我々にとっても無視しがたい状況である。
だが吸収量はどのくらいになる?』
「一回試してもいいのなら試そうか?」
『あぁ、試して欲しい』
『《魔力接続!》』
メグイヌオールの言葉を受けてクーとメリーに目配せをすると、
クーは直ぐさま行動に移して魔法の詠唱を開始した。
クーの魔法が発動し、
俺とマリエル、メリーの影から閻手が飛び出し腰の辺りにタッチをすると、
その場所には魔法陣が浮かんでいる。
この魔法陣が分配される魔力の受信をしてくれるのだ。
「失礼致します、メグイヌオール様」
『問題ない、やってくれ』
『《魔力吸収!》』
続けてメリーとクーはメグイヌオールの正面に移動し、
一言断ってから魔法を発動した。
こちらも同じようにメリーの影から閻手が飛び出し、
メグイヌオールの胸元にタッチしてすぐに影の中へと還っていった。
メグイヌオールの胸には俺たちの腰に付く魔法陣とは別の魔法陣が浮かび上がっている。
「マリエル、一旦中に10秒入るぞ。
中で一発オベリスク破壊に使う魔法を使ってみろ。
クー、俺たちの魔力を一定に保つようにしてくれ」
「わかりました」
『かしこまりました』
俺はそう指示を出しながら内部に続く入り口へと進み、
マリエルも返事をしながら俺の後に続く。
『これ・・・喪失感すごいです』
「3重は俺も初めてだし、
何より龍の膨大な魔力でオベリスク自体も効果が上がってるんだろう。
マリエル、体調はどうだ?」
「正直に言えばかなりダルさを感じます」
「ステータスを見てみろ」
「《ステータス》。うわ・・・軒並み2割減ってところですかね」
今まで意図的にマリエルとオベリスクが接触する機会を潰してきていたから気がつかなかったが、
やっぱり妖精族がオベリスク範囲内に入るとデメリットが発生するみたいだな。
「それと報告なんですけど、
精霊石がちょっと熱くなってて・・・あ、少し光ってる?」
ネシンフラ島を出るにあたり、
日常的なカエル化を防ぐアイテムとしてボジャ様から渡されていた精霊石の欠片で造られたネックレス。
マリエルが熱を感じて胸元から紐を引っ張り取り上げると、
彼女の言う通りに微かに光を発しているように見えた。
「ついでで確認なんだけど、
精霊石も外してみてくれるか?」
「了解でーす。
おいしょっt・・っ!?え?」
『マリエルっ!?』
俺の言うことに従いそれを外させた瞬間にマリエルの全身から力が抜けた。
フラリと膝が折れそのまま地面に倒れ込みそうになったところで慌てて体を掴んで支えて座らせる。
「マリエル、何が起きてどんな状態かわかるか?」
「ダルさ5倍ってくらいすぐにでも寝転びたいです・・・。
体の重さもそうなんですけど、精神的にも下向きというか・・・やる気が出ないです」
心なしかニルの様子もおかしいことから、
シンクロ状態であるマリエルに引っ張られて影響を受けているようだ。
『マスター、先に精霊石を付けてあげた方が良さそうです』
「だな。マリエル、腕上げられないなら付けてやるから渡せ」
「姫様に見られたく・・・ないんですが」
「説明すりゃアルシェは文句を言わんよ。
さっさと渡せ馬鹿垂れ」
変な気遣いも今はいらない。
もう予定の10秒も超えているし、
さっさと魔法使用時の必要魔力量も計りたいんだよ。
マリエルの手の中から精霊石のネックレスを奪い取ってすぐにマリエルの首に腕を回す。
ネックレスと言ってもチェーン式ではなく紐タイプなので、
素早く結んで腕を離すと一気に悪くなった顔色も幾分か上方修正されたように見える。
「立てるか、マリエル?」
「精霊石の有る無しでずいぶん違いますね。
立てるし魔法も撃てます」
「ニル、サポート厚めで少し支えてやれ」
『かしこまりーですわー!マリエル無理しない程度に空撃ちしますわよー!』
* * * * *
結局内部に入って魔力の減少と魔法使用のテストに1分近くを費やして、
少々弱ったマリエルを支えながら戻るとメリーとクーが急いでマリエルの診断を始めた。
「精霊石を外させていましたが?」
「マリエルの精霊石はボジャ様から頂いた貴重品だ。
島にある精霊石の塊から自然と欠けた物だと聞いていたからな、
もし妖精族が精霊石無しでオベリスク範囲内で活動するとどうなるのか知りたかった」
「外から見ていて肝が冷えました。
マリエルは私にとっても大事な友人なのですから、
あまり無茶をさせないで下さい」
「今後は気をつけるよ。
とりあえず妖精族は鍛えているマリエルでもこれってことは、
精霊石無しでは戦力として計算出来ないな」
マリエルの見せた妖精族の強さは量産出来るのであれば、
どこの国でも戦力としては喉から手が出るほど欲しい人材だろう。
しかし、鍛えていないネシンフラ島のカエル妖精達は、
オベリスクの範囲に入った者から不調を訴えていた。
そして今回のこれでは量産はおろか無駄死にを増やすだけになる。
精霊石はどんな使い方が出来るのか分からない為、
多く手に入るならば俺も欲しい貴重素材だ。
妖精族の村などには、
少なくとも彼らが自分たちの特性をコントロールして生活をしやすくする為の精霊石があるのかも知れない。
それを譲ってくれと言えるほど俺も図々しくはないし、
現状は切羽詰まっていないとも言える。
「体に問題はなさそうです、ご主人様」
『ただ、ステータスの方にデバフが掛かってしまっています』
「範囲に入っていないのにデバフ?」
先ほど見せてもらったステータスには俺も目を通したが、
そこには少し落ち込んだステータスが表示されていた。
しかしそれは範囲内だったからではなかったのか?
「マリエル、大丈夫?」
「ご心配をおかけしました、姫様。
メリーさんが言った通り体の方は大丈夫です」
「マリエル、ステータスを見せてくれ」
「はい。《ステータス》」
再び先ほど内部にて表示されていたマリエルのステータスが中空に浮かび上がる。
マリエルのステータスを読み込んでいくが、
クーの言っていた様に1割ほど下がっていた。
「なんだろうな、このデバフ」
「あの・・隊長。いいですか?」
「どうした」
「さっき倒れる前にステータスを見たんですけど、
4割くらい下がってたんです。
でも、精霊石を付けてもらった後はダルさも軽くなって、
ステータスもデバフがあるとはいえ1割減じゃないですか。
もしかしたら精霊石が中和してるのかなって・・・」
精霊石の中和か・・・。
あり得ないとは否定できないな。
考え込む視界に誰かの脚が新たに出現した為視線を上げると、
水精ポシェントが前に進み出てきていた。
『俺も意見を言ってもかまわないか?』
「仲間なのですから、ポシェントも何か気づきがあれば教えて下さい」
『実は精霊石のアクセサリーは俺も持っている。
というか、精霊はお守りとして持つ事が昔からの習慣となっていて、
多く確保した場合も里に戻ってまだ持っていない精霊に渡しているんだ』
ポシェントはしゃがみ込んで足首に付いている脚輪を示しながら説明をしてくれる。
その脚輪の中心には確かに小さくも七色に輝く石が填め込まれていた。
『今までは特にお守りとしての効果を実感していなかったし、
慣習として受け入れて身につけていたが、
その妖精族をみて納得したうえで俺なりに考えた憶測なんだが・・・。
オベリスク効果の中和・・・というよりは、
魔法生物の特性を抑制しているのだと思う』
「魔法生物の特性・・・って事は、
マリエルの様な妖精族だと半分流れる精霊の力ってことですか?」
『そうだ。
そして、お守りとしての効果が結果的に装着者への負荷を抑えるものだった事から、
効果範囲内で精霊石を身につけていればこのデバフとやらはなかったのだと推理する』
ポシェントの説明を要約すると、
1.精霊石は装着者の魔法生物の特性を抑制する効果がある
2.オベリスクの効果は魔法生物という部分を攻撃している
3.特性を抑える事でオベリスクへの抵抗力を得る事が出来る
マリエルは1本なら問題なく活動をしていた。
2本の範囲内に足を踏み入れたことがないのでわからないが、
3本の今回で一気に動けなくなるほどの負荷を受けた。
しかし精霊石を再度首に掛けたらまた持ち直した様子から、
妖精族の精霊部分を抑えたお陰であればほぼポシェントの推測は正しいのだろう。
長期間の影響の事しか頭に入れていなかったけれど、
オベリスクが今後重なり合うなんて状況はいくらでも遭遇しそうなものだ。
であれば、精霊石の重要性は天井知らずとなる。
子孫が産めなくなる・存在が消滅する・死にやすくなるなんて先を見据えてばかりで目先の事を見落としていたのか、俺は・・・。
「・・・精霊は精霊石さえ付けていれば活動出来そうか?」
内心の激情に一旦蓋をして、ポシェントへ重たい瞼を向ける。
俺の口調の変化にアルシェが目聡く気がついて顔を向けたが気にしない。
『宗八の精霊達は自分を構成する魔力に欠損を作らないように、
魔力を意図的に厚く放出して無駄遣いする必要があるのだろうが、
精霊石があれば妖精族と同じように守りは発動するはずだと思う。
試す時間はもらえるのか?』
「・・・1分以内に戻ってくれ」
『了解した、行ってくる』
ポシェントが俺たちの間を抜けていき、
巣の内部へと脚を踏み入れて進む後ろ姿を見送った俺たちは、
先の話の続きをする為に待たせてしまったメグイヌオールへと視線を向けた。
「待たせた。
時間も少し経ってしまったが魔力の方はどうだった?」
『中に入った時点では然程問題はなかった。
どちらかといえば排出される魔力での回復量の方が多いくらいであったが、
妖精族が精霊石を外したタイミングで回復量を超えた』
「魔力減少もやっぱり緩和されていたのか・・・」
『まぁ、それも微々たる程度だ。
道程で回復した魔力の貯蔵はまだまだある故それも問題ない。
最後に魔法の発動時だが、
通常の消費から考えれば相当に消費するのだろうな・・・、
驚きはしたが魔力が尽きることは無さそうだ』
「じゃあ、大丈夫なんだな?」
『あぁ、問題ない。大丈夫だ』
とりあえず、オベリスクの破壊を完了するまでの間は、
メグイヌオールの魔力を吸い上げて使えば、
俺たちの魔力負担がなくなりブルー・ドラゴンとの接触にも不安要素が一つ消えた形に納まった。
* * * * *
「試してみてどうだった?」
『正直に言って、オベリスクは危なすぎると感じた。
今まで宗八と妖精族が事前に壊す意味をそれほど重く考えていなかったが、
これは危ないし存在してはならない物だ』
「そこまでは俺たちと同じ共通認識だな。
中で何を試してどんな結果だったのか教えてくれ」
ポシェントは約束通りに1分ほど内部で動いたのちに戻ってきた。
戻った顔色が悪かったことから、
おそらく彼も精霊石を外してみたのだと思う。
『まず、精霊石ありきであれば俺ならそこまで負担を感じなかった。
1日でも活動は可能だろう。
しかし、魔法の発動にも多くの魔力を使う必要があり、
尚且つ対した効果に繋がらないのでは精霊が戦力になるのは難しいな』
「ポシェントは戦士なので問題ないのでは?」
『確かに俺は魔法も使うがこの槍で戦うことが出来る。
だが、それだけだ。
戦えるだけで戦力としては数えるに値しない可能性が高い』
アルシェの問いかけに顔を向けて答えるポシェント。
オベリスクに対してでなければ良い線はいけるはずだ。
オベリスクを破壊する行為は魔法生物には不可能だとボジャ様で検証済みだしな。
妖精族や俺たちであれば人間が混ざっていることで破壊が可能なのだ。
『悪い事を先に伝えたが、良い発見もあったぞ。
細波のランスの効果は中でも使う事が出来た』
「あの影響下でも使用が出来た?」
「元々アーティファクトと呼ばれる遺物は、
別の世界からこの世界に流れ着く漂流物です。
魔法ギルドでも研究を進めてはいますが、
わからないことだらけで複製などの作業は一切出来ていないと聞きます。
世界の常識と違う理にあるなら・・・」
「アーティファクトの収集と効果の確認が今後の活動には必要かもしれない・・か」
それに関しては以前からも装備の強化という観点からではあったが着目はしていた為、
聖女クレアには神聖教国で調べておけと伝えているし、
勇者メリオも同じく伝承などを調べているはずだ。
もっと言えば魔法ギルドに蓄えられているであろう遺物に関しては、
闇精カティナ経由でなんとか話を着けられないかとも考えてはいた。
「戻ったら神聖教国に行ってみるか・・・。
とりあえず有用な話は得られたけど戦力を増やすことは出来ないっぽいし、
これ以上は試す時間もない」
行くぞと言っておきながら既に巣の入り口で10分足留めしてしまっていた。
ま、まぁ・・、
オベリスク3重の環境で憂い無く活動出来る魔力の供給も準備出来たし・・・、
精霊の戦力だったりアーティファクトの可能性だったりと収穫はあったけど、
いまこの場でこれ以上戦況を良くするのには繋げられそうにない。
『最後にもうひとつ、お前達とってはかなり意味のある情報だと思うぞ。
アクアーリィ達の核についてなのだが・・・』
「核?普通の精霊との違いがあったってことか?
詳しくは後で聞かせて欲しいから今は軽く伝えてくれ」
再出発の声を発する前に、
ポシェントが最後とばかりに新情報を申告する。
他のことならいざ知らず、
娘達の核が関連していることとなれば他人事ではいられない。
しかし、ポシェントも焦る様子を見せていない、
あくまで冷静な申告なので今の戦況に関係はないのかもしれない。
『妖精族と同じく俺も精霊石を外してみたが、
俺の方は倒れたりする事はなかった。
その代わりに不可視の重圧で戦闘への参加難しく、
ステータスの低下も同じく見られた』
まぁ、妖精族の半分は人間だから、
もう半分の精霊に引き摺られる形で体調不良という表面化をするのだろう。
うちのはダルイとは言っていたけど、
ポシェントと同じで倒れたりすることはない。
『魔力の消失現象は考えていたよりも相当に早かった。
ただし・・・これは俺くらいまで位階が成長しているから倒れないだけで、
アクアーリィや他の精霊が耐えられる環境じゃあない。
その娘たちと俺との違いは核の保有以外にない』
「じゃあ・・・本来オベリスクへの対抗順は人間→妖精→精霊だったのが、
隊長の核技術で妖精と同等、もしくはそれ以上に抵抗力を持ったと?」
「核は必要に駆られて形にした技術だ。
流石にその頃にオベリスクの存在を認識していないから、
完全に想定外の副産物だな。
だいたい、なんで抵抗力に繋がるのかわからん」
「オベリスク環境下で精霊が自己存在を護る為に、
自身を形成する魔力を普段使用する魔力で覆って活動しているはず・・・」
アルシェの考察の続きは全員の視線の集まる抱きかかえられたアクアと、
側でメリーの肩口に乗っかるクーへと注がれた。
『お姉さま、状況的に公開すべき時期が来たようです』
『そうだね、クー。
んとね~、このアクア達の核はね~、
アクア達と融合しちゃってるの~』
『融合?存在が一緒になる・・・重なり合っているという事です?
ボクの中の核はそんな・・・ちゃんとボクと核と別々にあるです』
『クーもお姉さまも始めこそノイ姉さまと同じで存在は別にありましたが、
次の加階に進む為の経験値が溜まった頃から核に変化が生まれ、
クー達の加階に耐えられる核に核自身が成長するんです』
その話はずいぶんと前に・・・、
アクアの専用核を精製した際にアルカトラズ様から伺った。
精霊自身の成長が必要なのは純粋精霊も同じではあるが、
核精霊に関しては成長が早い分核にも経験値を溜めて条件を満たさなければならない・・・と。
「こら、アクア。
お前が核を見せたがらなかったのはこれに関係があるのか?」
『うぅ・・・、融合は半分しているような感じだからぁ~、
何って言うか・・・見せるのは恥ずかしいんだもん~っ!』
『クーは定期検診の知識を侍従長から教わり始めていた頃ですし、
これも念のため同じようなものかと考えていましたから見せていました』
『それにますたーに報告しようにもさぁ~・・・、
クーと相談してもお互いよくわからなかったからさぁ~・・・、
アクアは見せたくなかったし内緒にしようって決めたのぉ~・・アタッ』
事情を知るクーに促されて、
アクアはもじもじとしながら懺悔のように自分たちと核の相互関係について説明をし始めた。
最後にひとまずの体罰としてデコピンをアクアに打ち込んでおく。
アクアにしてみれば裸を見せるようなものだったのかもしれないけど、
普段風呂場ではすっぽんぽんのくせに何を一丁前に・・・。
『あと、ついでに教えておくが、
精霊石は魔法生物の特性を抑える関係でオベリスクから護られる代わりに、
魔法生物としての戦闘力も多少抑えられてしまう』
「あ・・、だからか・・・」
「もしかして、マリエルの悩みの種ですか?」
「イメージに残る瘴気モンスターを潰した感覚・・・。
あれに到る一歩が足りないんです。
隊長もぶっ飛ばせないし・・・」
「おい」
『まぁそれは置いておいて、
精霊石に似た効果を持ちながら力が落ちているようには見えないというのが、
俺が伝えたかった情報なんだけど・・・』
精霊石がオベリスクの効果を弱らせるのは、
魔法生物の特性を抑えてくれるからで、
その関係上本来の力も出せなくなってしまう。
しかし、うちの核を用いた精霊は、
オベリスクの効果も弱らせるし精霊の力も落ちてはいない。
なんだそのチートなアイテムはっ!
精霊石ってのがこの世界の希少でチートな鉱石ではなかったのかっ!
『でもこの核はニルたち精霊にしか使えないですわよ-?』
『妖精は加階をしませんし、
龍も体が劇的に変わるような急成長は致しませんから、
核が使えるのは精霊限定かと思われます』
「精製するにも傷の無い核の確保や、
闇魔法の[イレイズ]や主と精霊の絆など色々な要素がないと造れません。
専用核ならではの特殊効果なのでしょう。
時間がないので実際の調査は後日に回さずを得ませんけれど」
『アルカンシェの言う通りそう簡単に用意も出来ないうえに、
専用核というからにはアクアーリィ達にしか扱えない代物なのだろう?
だからお前達にしか扱えないなら蛇足的な情報かと思って最後にした』
核の回収方法は俺のオリジナルであるが、
物があるんだから考えれば誰でも思いつく方法だから、
これは俺が許可を出せばアインスさん経由で世界中のギルドで情報公開をすることは可能だ。
しかし、ニルやクーが口にした精霊限定や、
アルシェが言ったように闇魔法[イレイズ]で中心部を破壊は必須だし、
精霊使いと精霊で魔力を混ぜ込み注ぐ必要もある。
そもそも精霊使い以外に用途がない技術だからな・・・。
有用で耳にしておいて損は無い情報ではあったけれど、
蛇足と言えば蛇足だわな。
「まぁそれをどう有効利用出来るかはまたの機会に考えるさ。
情報提供には感謝する、ポシェント」
『これからもオベリスクが有る限りは戦力になれないし、
精霊石を外したことで妖精族と同じく俺もステータスが落ちているからな。
このくらいは持ち帰るさ』
あぁ・・・そうね。ポシェントもそうなるよね・・・。
同じデバフならいいんだけど、
妖精は50%が魔法生物であるのに対し、
精霊は100%魔法生物だからもっと重いデバフである可能性もあるわけだが・・・。
「まだ戦闘が続くことも未来の範疇なんだけど、
ちゃんと戦力として機能出来そうか?一応これでも当てにしてるんだが?」
『問題ない。これでも戦闘位階のポセイドンの一人だ。
オベリスクの範囲外か破壊を進めてくれさえすれば、
精霊石を外して落ちた力を相殺させることは出来る』
「じゃあ、私もそれでなんとかなりそうですね!」
特性の抑制を解いたところでどのくらい戦闘力が増すのかは、
ステータスのように目に見えるわけでは無い。
ここでそうだなとマリエルの言葉をそのまま肯定することは俺には出来ないけれど、
魔神族が居れば実験をすることも出来ないまま実戦で試すことになりそうだ。
そこでふと思い出す。
半精半人の妖精であるマリエルがこれならば、
精格を人まで落としているシヴァ様の娘とはいえアルシェもオベリスク内は危ない。
だから足を踏み入れさせないように配慮してきたが、
やっぱりテンプレ通りにアルシェの中に眠る精霊の力を解放する方法などはあるのだろうか?
「お兄さん?どうしましたか?」
「いや、何でも無い。
もう報告やらは全員何もないな!
アクアとクーは帰ったら説教が待ってるから楽しみにしとけよっ!」
『ひえ~!』
『お姉さま・・・お恨みします・・』
アルシェを自然と見つめてしまったことで気づかれてしまったが、
特に何かアイデアがあるわけでもないし誤魔化しておく。
ここで当ての無いアルシェ強化イベントを期待するよりも、
準備をしているアイテムを使った方が即席戦力アップは確実だしな。
時間は・・・15分ってところか?
無駄にしたわけじゃないからまぁいいか。
メグイヌオールが生きているならフロスト・ドラゴンもブルー・ドラゴンも生きてるだろ。
アクアとクーの情けない返事を聞きながら、
再び龍の巣の入り口を重たい瞼で捕らえて今度こそ出発の一歩を歩み出した。
『我も内部構造に詳しくは無いぞ』
「ひとまず斥候はオベリスク破壊もあるし俺たちの仕事だからそれはいい。
問題は魔力の消耗が大きすぎるって方だ」
龍の巣内部へ突入する準備を進める俺たちの懸念は、
魔神族の存在と多重オベリスクによる急速な魔力減少だ。
いままでもエリアが重なる場所はあったが、
それは極一部の話であったのに対し、
今回の3重オベリスクは内部のどこまでが影響しているのかわからない。
警戒しているであろうフロスト・ドラゴンの状態も正直不安要素のひとつだ。
もしも暴れてオベリスクの破壊を邪魔しようものならば、
軽く戦闘することを想定するだけの時間も惜しい。
それくらいに3重のオベリスクは厳しく、
さらに言えば妖精族のマリエルへの負担が大きすぎる。
『魔力? ドラゴンである以上は個の貯蔵量は人に比べれば確かに多いだろう。
しかし、現在も回復させてもらっては居ても中に入れぬ我に何が出来よう?』
「その回復なんだけど、
俺たち人間や精霊に取っては魔石から排出している高濃度魔力ってのは、
正直回復に向いていないんだ。
多分魔力回復に使えるのは龍くらいなんじゃないかと思う」
アクア達が日常的に魔力を回復させる方法は、
そこら辺を大気と共に漂う自然魔力と呼ばれる誰にも染まっていない魔力だ。
人間が魔法を使う、使われた魔力は解放されて地面に溶け込む。
それが星の内部を巡って濾過されて、やがては自然魔力として各地のスポットから噴出して世界に還元される。
しかし、現在メグイヌオールが口に含んでいる魔石から排出されている魔力は、
そういった自然魔力に比べると効率が悪い。
まず誰かの魔力に染まっている時点で魔法生物にとっては汚染されているに等しく、
濃度も普段摂取しているものに対して濃すぎて美味しくは無いと。
人間で言えばカルピスの原液を飲まされているみたいで進んで飲みたいものでは無いらしい。
ただ、契約のある人物からの魔力であれば自然魔力よりも効率は良いので、
普段は自然魔力の摂取に俺からの魔力摂取。
アクアに至ってはアルシェからも魔力摂取をしているし、
食事からも魔力摂取している。
こう考えるとアクアは相当なグルメだな・・・。
『精霊も上位の者であれば効率が落ちることはないはずだが・・・、
確かに其方らの精霊は幼な過ぎるか』
それは初耳だけど、今は後回し。
「だから、メグイヌオールが高濃度魔力で回復した魔力を、
俺たちの魔法で変換して俺たちの回復に使われてもらえないか?」
「あ、その手がありましたね。
確かにそれならばマナポーションなどの服用を抑えることが出来ますし、
戦闘面にも強い味方になりますね」
『アルゥ~、どういうこと~?』
『お姉さま。
お父さまは吸収魔法の[魔力吸収]をメグイヌオール様に設置し、
お父さまやマリエルさんに吸収した魔力を分配する[魔力接続]で減らされる魔力を回復しようと考えておられます』
『お~!それいいね~!』
俺の説明で察したアルシェがクーを見つめたあとに納得の声を上げ、
クー自身も気づいていたのかアクアへの説明を自分で行う。
シンクロしていれば互いの魔力は統合されるから主となる俺とマリエル、
あとはクーの言った魔法を維持する為にメリーにも設置すればあとの事を考えずに魔力量のゴリ押しでオベリスクの破壊を行える。
素早く最速で行えばマリエルと精霊への負担は軽く出来るはずだ。
魔力吸収の本来の用途は、
禍津核モンスターを外殻の破壊なしに止める為であったり、
敵対魔法を弱めたりといった物だったけれど、
今回の件に関しては完全にイレギュラーな対応だけど理にかなっている運用だ。
そしてこの魔法の良いところは、
属性魔法などを吸収したとしてもMP回復という仮定に飛ばしてくれるので、
回復効率が全く衰えないというところである。
問題点をあげるならば、
一旦クーを経由して皆に分配される魔法コンボなので、
クーの魔力容量を超える吸収が出来ないし、
メリーが加わったとしても彼女の魔力容量は少ないのであまり容量に変化がないってことくらいかな。
『そちらは今回は心配不要かと。
中での活動にお父さまとマリエルさんのペアが消耗する分と、
クーの維持魔力は相当に厚くしなければいけません。
であれば、クーとメリーさんの容量はほぼ残らない状態が続くと思われます』
「それだと精神的に辛いはずじゃないの?」
「いいえ、確かにMPの枯渇状態は辛いものですが、
お二人がオベリスクを破壊しないことには先に進めませんし、
何より・・・支援を主とする私たち従者にとっては、
主の力になれる良い機会でございます。
ですので、マリエル様。
ご心配には感謝いたしますが、これが私たちの仕事でございます」
「マリエル。二人を心配するのだったら、
貴女の仕事を急いで行えばいいだけの話よ。わかるわね」
「っ!はい、姫様!」
さて、勝手に盛り上がってしまっているが交渉はまだ終わっていない。
メグイヌオールが協力してくれなければそもそもが成功しないのだ。
「メグイヌオール」
俺の話を聞いた後に始まった仲間の掛け合いを黙って見つめていた彼に、
俺は名前だけを呼び問いかける。
どうするのかと。
極論協力が無くても作戦に変更は無いしオベリスクの破壊は成功させる。
単純にその後を考えて協力を申し込んだに過ぎないし、
彼も彼で魔力はまだまだ全回復にはほど遠いかもしれないので無理強いは出来ない。
『・・・協力はさせてもらおう。
現状は我々にとっても無視しがたい状況である。
だが吸収量はどのくらいになる?』
「一回試してもいいのなら試そうか?」
『あぁ、試して欲しい』
『《魔力接続!》』
メグイヌオールの言葉を受けてクーとメリーに目配せをすると、
クーは直ぐさま行動に移して魔法の詠唱を開始した。
クーの魔法が発動し、
俺とマリエル、メリーの影から閻手が飛び出し腰の辺りにタッチをすると、
その場所には魔法陣が浮かんでいる。
この魔法陣が分配される魔力の受信をしてくれるのだ。
「失礼致します、メグイヌオール様」
『問題ない、やってくれ』
『《魔力吸収!》』
続けてメリーとクーはメグイヌオールの正面に移動し、
一言断ってから魔法を発動した。
こちらも同じようにメリーの影から閻手が飛び出し、
メグイヌオールの胸元にタッチしてすぐに影の中へと還っていった。
メグイヌオールの胸には俺たちの腰に付く魔法陣とは別の魔法陣が浮かび上がっている。
「マリエル、一旦中に10秒入るぞ。
中で一発オベリスク破壊に使う魔法を使ってみろ。
クー、俺たちの魔力を一定に保つようにしてくれ」
「わかりました」
『かしこまりました』
俺はそう指示を出しながら内部に続く入り口へと進み、
マリエルも返事をしながら俺の後に続く。
『これ・・・喪失感すごいです』
「3重は俺も初めてだし、
何より龍の膨大な魔力でオベリスク自体も効果が上がってるんだろう。
マリエル、体調はどうだ?」
「正直に言えばかなりダルさを感じます」
「ステータスを見てみろ」
「《ステータス》。うわ・・・軒並み2割減ってところですかね」
今まで意図的にマリエルとオベリスクが接触する機会を潰してきていたから気がつかなかったが、
やっぱり妖精族がオベリスク範囲内に入るとデメリットが発生するみたいだな。
「それと報告なんですけど、
精霊石がちょっと熱くなってて・・・あ、少し光ってる?」
ネシンフラ島を出るにあたり、
日常的なカエル化を防ぐアイテムとしてボジャ様から渡されていた精霊石の欠片で造られたネックレス。
マリエルが熱を感じて胸元から紐を引っ張り取り上げると、
彼女の言う通りに微かに光を発しているように見えた。
「ついでで確認なんだけど、
精霊石も外してみてくれるか?」
「了解でーす。
おいしょっt・・っ!?え?」
『マリエルっ!?』
俺の言うことに従いそれを外させた瞬間にマリエルの全身から力が抜けた。
フラリと膝が折れそのまま地面に倒れ込みそうになったところで慌てて体を掴んで支えて座らせる。
「マリエル、何が起きてどんな状態かわかるか?」
「ダルさ5倍ってくらいすぐにでも寝転びたいです・・・。
体の重さもそうなんですけど、精神的にも下向きというか・・・やる気が出ないです」
心なしかニルの様子もおかしいことから、
シンクロ状態であるマリエルに引っ張られて影響を受けているようだ。
『マスター、先に精霊石を付けてあげた方が良さそうです』
「だな。マリエル、腕上げられないなら付けてやるから渡せ」
「姫様に見られたく・・・ないんですが」
「説明すりゃアルシェは文句を言わんよ。
さっさと渡せ馬鹿垂れ」
変な気遣いも今はいらない。
もう予定の10秒も超えているし、
さっさと魔法使用時の必要魔力量も計りたいんだよ。
マリエルの手の中から精霊石のネックレスを奪い取ってすぐにマリエルの首に腕を回す。
ネックレスと言ってもチェーン式ではなく紐タイプなので、
素早く結んで腕を離すと一気に悪くなった顔色も幾分か上方修正されたように見える。
「立てるか、マリエル?」
「精霊石の有る無しでずいぶん違いますね。
立てるし魔法も撃てます」
「ニル、サポート厚めで少し支えてやれ」
『かしこまりーですわー!マリエル無理しない程度に空撃ちしますわよー!』
* * * * *
結局内部に入って魔力の減少と魔法使用のテストに1分近くを費やして、
少々弱ったマリエルを支えながら戻るとメリーとクーが急いでマリエルの診断を始めた。
「精霊石を外させていましたが?」
「マリエルの精霊石はボジャ様から頂いた貴重品だ。
島にある精霊石の塊から自然と欠けた物だと聞いていたからな、
もし妖精族が精霊石無しでオベリスク範囲内で活動するとどうなるのか知りたかった」
「外から見ていて肝が冷えました。
マリエルは私にとっても大事な友人なのですから、
あまり無茶をさせないで下さい」
「今後は気をつけるよ。
とりあえず妖精族は鍛えているマリエルでもこれってことは、
精霊石無しでは戦力として計算出来ないな」
マリエルの見せた妖精族の強さは量産出来るのであれば、
どこの国でも戦力としては喉から手が出るほど欲しい人材だろう。
しかし、鍛えていないネシンフラ島のカエル妖精達は、
オベリスクの範囲に入った者から不調を訴えていた。
そして今回のこれでは量産はおろか無駄死にを増やすだけになる。
精霊石はどんな使い方が出来るのか分からない為、
多く手に入るならば俺も欲しい貴重素材だ。
妖精族の村などには、
少なくとも彼らが自分たちの特性をコントロールして生活をしやすくする為の精霊石があるのかも知れない。
それを譲ってくれと言えるほど俺も図々しくはないし、
現状は切羽詰まっていないとも言える。
「体に問題はなさそうです、ご主人様」
『ただ、ステータスの方にデバフが掛かってしまっています』
「範囲に入っていないのにデバフ?」
先ほど見せてもらったステータスには俺も目を通したが、
そこには少し落ち込んだステータスが表示されていた。
しかしそれは範囲内だったからではなかったのか?
「マリエル、大丈夫?」
「ご心配をおかけしました、姫様。
メリーさんが言った通り体の方は大丈夫です」
「マリエル、ステータスを見せてくれ」
「はい。《ステータス》」
再び先ほど内部にて表示されていたマリエルのステータスが中空に浮かび上がる。
マリエルのステータスを読み込んでいくが、
クーの言っていた様に1割ほど下がっていた。
「なんだろうな、このデバフ」
「あの・・隊長。いいですか?」
「どうした」
「さっき倒れる前にステータスを見たんですけど、
4割くらい下がってたんです。
でも、精霊石を付けてもらった後はダルさも軽くなって、
ステータスもデバフがあるとはいえ1割減じゃないですか。
もしかしたら精霊石が中和してるのかなって・・・」
精霊石の中和か・・・。
あり得ないとは否定できないな。
考え込む視界に誰かの脚が新たに出現した為視線を上げると、
水精ポシェントが前に進み出てきていた。
『俺も意見を言ってもかまわないか?』
「仲間なのですから、ポシェントも何か気づきがあれば教えて下さい」
『実は精霊石のアクセサリーは俺も持っている。
というか、精霊はお守りとして持つ事が昔からの習慣となっていて、
多く確保した場合も里に戻ってまだ持っていない精霊に渡しているんだ』
ポシェントはしゃがみ込んで足首に付いている脚輪を示しながら説明をしてくれる。
その脚輪の中心には確かに小さくも七色に輝く石が填め込まれていた。
『今までは特にお守りとしての効果を実感していなかったし、
慣習として受け入れて身につけていたが、
その妖精族をみて納得したうえで俺なりに考えた憶測なんだが・・・。
オベリスク効果の中和・・・というよりは、
魔法生物の特性を抑制しているのだと思う』
「魔法生物の特性・・・って事は、
マリエルの様な妖精族だと半分流れる精霊の力ってことですか?」
『そうだ。
そして、お守りとしての効果が結果的に装着者への負荷を抑えるものだった事から、
効果範囲内で精霊石を身につけていればこのデバフとやらはなかったのだと推理する』
ポシェントの説明を要約すると、
1.精霊石は装着者の魔法生物の特性を抑制する効果がある
2.オベリスクの効果は魔法生物という部分を攻撃している
3.特性を抑える事でオベリスクへの抵抗力を得る事が出来る
マリエルは1本なら問題なく活動をしていた。
2本の範囲内に足を踏み入れたことがないのでわからないが、
3本の今回で一気に動けなくなるほどの負荷を受けた。
しかし精霊石を再度首に掛けたらまた持ち直した様子から、
妖精族の精霊部分を抑えたお陰であればほぼポシェントの推測は正しいのだろう。
長期間の影響の事しか頭に入れていなかったけれど、
オベリスクが今後重なり合うなんて状況はいくらでも遭遇しそうなものだ。
であれば、精霊石の重要性は天井知らずとなる。
子孫が産めなくなる・存在が消滅する・死にやすくなるなんて先を見据えてばかりで目先の事を見落としていたのか、俺は・・・。
「・・・精霊は精霊石さえ付けていれば活動出来そうか?」
内心の激情に一旦蓋をして、ポシェントへ重たい瞼を向ける。
俺の口調の変化にアルシェが目聡く気がついて顔を向けたが気にしない。
『宗八の精霊達は自分を構成する魔力に欠損を作らないように、
魔力を意図的に厚く放出して無駄遣いする必要があるのだろうが、
精霊石があれば妖精族と同じように守りは発動するはずだと思う。
試す時間はもらえるのか?』
「・・・1分以内に戻ってくれ」
『了解した、行ってくる』
ポシェントが俺たちの間を抜けていき、
巣の内部へと脚を踏み入れて進む後ろ姿を見送った俺たちは、
先の話の続きをする為に待たせてしまったメグイヌオールへと視線を向けた。
「待たせた。
時間も少し経ってしまったが魔力の方はどうだった?」
『中に入った時点では然程問題はなかった。
どちらかといえば排出される魔力での回復量の方が多いくらいであったが、
妖精族が精霊石を外したタイミングで回復量を超えた』
「魔力減少もやっぱり緩和されていたのか・・・」
『まぁ、それも微々たる程度だ。
道程で回復した魔力の貯蔵はまだまだある故それも問題ない。
最後に魔法の発動時だが、
通常の消費から考えれば相当に消費するのだろうな・・・、
驚きはしたが魔力が尽きることは無さそうだ』
「じゃあ、大丈夫なんだな?」
『あぁ、問題ない。大丈夫だ』
とりあえず、オベリスクの破壊を完了するまでの間は、
メグイヌオールの魔力を吸い上げて使えば、
俺たちの魔力負担がなくなりブルー・ドラゴンとの接触にも不安要素が一つ消えた形に納まった。
* * * * *
「試してみてどうだった?」
『正直に言って、オベリスクは危なすぎると感じた。
今まで宗八と妖精族が事前に壊す意味をそれほど重く考えていなかったが、
これは危ないし存在してはならない物だ』
「そこまでは俺たちと同じ共通認識だな。
中で何を試してどんな結果だったのか教えてくれ」
ポシェントは約束通りに1分ほど内部で動いたのちに戻ってきた。
戻った顔色が悪かったことから、
おそらく彼も精霊石を外してみたのだと思う。
『まず、精霊石ありきであれば俺ならそこまで負担を感じなかった。
1日でも活動は可能だろう。
しかし、魔法の発動にも多くの魔力を使う必要があり、
尚且つ対した効果に繋がらないのでは精霊が戦力になるのは難しいな』
「ポシェントは戦士なので問題ないのでは?」
『確かに俺は魔法も使うがこの槍で戦うことが出来る。
だが、それだけだ。
戦えるだけで戦力としては数えるに値しない可能性が高い』
アルシェの問いかけに顔を向けて答えるポシェント。
オベリスクに対してでなければ良い線はいけるはずだ。
オベリスクを破壊する行為は魔法生物には不可能だとボジャ様で検証済みだしな。
妖精族や俺たちであれば人間が混ざっていることで破壊が可能なのだ。
『悪い事を先に伝えたが、良い発見もあったぞ。
細波のランスの効果は中でも使う事が出来た』
「あの影響下でも使用が出来た?」
「元々アーティファクトと呼ばれる遺物は、
別の世界からこの世界に流れ着く漂流物です。
魔法ギルドでも研究を進めてはいますが、
わからないことだらけで複製などの作業は一切出来ていないと聞きます。
世界の常識と違う理にあるなら・・・」
「アーティファクトの収集と効果の確認が今後の活動には必要かもしれない・・か」
それに関しては以前からも装備の強化という観点からではあったが着目はしていた為、
聖女クレアには神聖教国で調べておけと伝えているし、
勇者メリオも同じく伝承などを調べているはずだ。
もっと言えば魔法ギルドに蓄えられているであろう遺物に関しては、
闇精カティナ経由でなんとか話を着けられないかとも考えてはいた。
「戻ったら神聖教国に行ってみるか・・・。
とりあえず有用な話は得られたけど戦力を増やすことは出来ないっぽいし、
これ以上は試す時間もない」
行くぞと言っておきながら既に巣の入り口で10分足留めしてしまっていた。
ま、まぁ・・、
オベリスク3重の環境で憂い無く活動出来る魔力の供給も準備出来たし・・・、
精霊の戦力だったりアーティファクトの可能性だったりと収穫はあったけど、
いまこの場でこれ以上戦況を良くするのには繋げられそうにない。
『最後にもうひとつ、お前達とってはかなり意味のある情報だと思うぞ。
アクアーリィ達の核についてなのだが・・・』
「核?普通の精霊との違いがあったってことか?
詳しくは後で聞かせて欲しいから今は軽く伝えてくれ」
再出発の声を発する前に、
ポシェントが最後とばかりに新情報を申告する。
他のことならいざ知らず、
娘達の核が関連していることとなれば他人事ではいられない。
しかし、ポシェントも焦る様子を見せていない、
あくまで冷静な申告なので今の戦況に関係はないのかもしれない。
『妖精族と同じく俺も精霊石を外してみたが、
俺の方は倒れたりする事はなかった。
その代わりに不可視の重圧で戦闘への参加難しく、
ステータスの低下も同じく見られた』
まぁ、妖精族の半分は人間だから、
もう半分の精霊に引き摺られる形で体調不良という表面化をするのだろう。
うちのはダルイとは言っていたけど、
ポシェントと同じで倒れたりすることはない。
『魔力の消失現象は考えていたよりも相当に早かった。
ただし・・・これは俺くらいまで位階が成長しているから倒れないだけで、
アクアーリィや他の精霊が耐えられる環境じゃあない。
その娘たちと俺との違いは核の保有以外にない』
「じゃあ・・・本来オベリスクへの対抗順は人間→妖精→精霊だったのが、
隊長の核技術で妖精と同等、もしくはそれ以上に抵抗力を持ったと?」
「核は必要に駆られて形にした技術だ。
流石にその頃にオベリスクの存在を認識していないから、
完全に想定外の副産物だな。
だいたい、なんで抵抗力に繋がるのかわからん」
「オベリスク環境下で精霊が自己存在を護る為に、
自身を形成する魔力を普段使用する魔力で覆って活動しているはず・・・」
アルシェの考察の続きは全員の視線の集まる抱きかかえられたアクアと、
側でメリーの肩口に乗っかるクーへと注がれた。
『お姉さま、状況的に公開すべき時期が来たようです』
『そうだね、クー。
んとね~、このアクア達の核はね~、
アクア達と融合しちゃってるの~』
『融合?存在が一緒になる・・・重なり合っているという事です?
ボクの中の核はそんな・・・ちゃんとボクと核と別々にあるです』
『クーもお姉さまも始めこそノイ姉さまと同じで存在は別にありましたが、
次の加階に進む為の経験値が溜まった頃から核に変化が生まれ、
クー達の加階に耐えられる核に核自身が成長するんです』
その話はずいぶんと前に・・・、
アクアの専用核を精製した際にアルカトラズ様から伺った。
精霊自身の成長が必要なのは純粋精霊も同じではあるが、
核精霊に関しては成長が早い分核にも経験値を溜めて条件を満たさなければならない・・・と。
「こら、アクア。
お前が核を見せたがらなかったのはこれに関係があるのか?」
『うぅ・・・、融合は半分しているような感じだからぁ~、
何って言うか・・・見せるのは恥ずかしいんだもん~っ!』
『クーは定期検診の知識を侍従長から教わり始めていた頃ですし、
これも念のため同じようなものかと考えていましたから見せていました』
『それにますたーに報告しようにもさぁ~・・・、
クーと相談してもお互いよくわからなかったからさぁ~・・・、
アクアは見せたくなかったし内緒にしようって決めたのぉ~・・アタッ』
事情を知るクーに促されて、
アクアはもじもじとしながら懺悔のように自分たちと核の相互関係について説明をし始めた。
最後にひとまずの体罰としてデコピンをアクアに打ち込んでおく。
アクアにしてみれば裸を見せるようなものだったのかもしれないけど、
普段風呂場ではすっぽんぽんのくせに何を一丁前に・・・。
『あと、ついでに教えておくが、
精霊石は魔法生物の特性を抑える関係でオベリスクから護られる代わりに、
魔法生物としての戦闘力も多少抑えられてしまう』
「あ・・、だからか・・・」
「もしかして、マリエルの悩みの種ですか?」
「イメージに残る瘴気モンスターを潰した感覚・・・。
あれに到る一歩が足りないんです。
隊長もぶっ飛ばせないし・・・」
「おい」
『まぁそれは置いておいて、
精霊石に似た効果を持ちながら力が落ちているようには見えないというのが、
俺が伝えたかった情報なんだけど・・・』
精霊石がオベリスクの効果を弱らせるのは、
魔法生物の特性を抑えてくれるからで、
その関係上本来の力も出せなくなってしまう。
しかし、うちの核を用いた精霊は、
オベリスクの効果も弱らせるし精霊の力も落ちてはいない。
なんだそのチートなアイテムはっ!
精霊石ってのがこの世界の希少でチートな鉱石ではなかったのかっ!
『でもこの核はニルたち精霊にしか使えないですわよ-?』
『妖精は加階をしませんし、
龍も体が劇的に変わるような急成長は致しませんから、
核が使えるのは精霊限定かと思われます』
「精製するにも傷の無い核の確保や、
闇魔法の[イレイズ]や主と精霊の絆など色々な要素がないと造れません。
専用核ならではの特殊効果なのでしょう。
時間がないので実際の調査は後日に回さずを得ませんけれど」
『アルカンシェの言う通りそう簡単に用意も出来ないうえに、
専用核というからにはアクアーリィ達にしか扱えない代物なのだろう?
だからお前達にしか扱えないなら蛇足的な情報かと思って最後にした』
核の回収方法は俺のオリジナルであるが、
物があるんだから考えれば誰でも思いつく方法だから、
これは俺が許可を出せばアインスさん経由で世界中のギルドで情報公開をすることは可能だ。
しかし、ニルやクーが口にした精霊限定や、
アルシェが言ったように闇魔法[イレイズ]で中心部を破壊は必須だし、
精霊使いと精霊で魔力を混ぜ込み注ぐ必要もある。
そもそも精霊使い以外に用途がない技術だからな・・・。
有用で耳にしておいて損は無い情報ではあったけれど、
蛇足と言えば蛇足だわな。
「まぁそれをどう有効利用出来るかはまたの機会に考えるさ。
情報提供には感謝する、ポシェント」
『これからもオベリスクが有る限りは戦力になれないし、
精霊石を外したことで妖精族と同じく俺もステータスが落ちているからな。
このくらいは持ち帰るさ』
あぁ・・・そうね。ポシェントもそうなるよね・・・。
同じデバフならいいんだけど、
妖精は50%が魔法生物であるのに対し、
精霊は100%魔法生物だからもっと重いデバフである可能性もあるわけだが・・・。
「まだ戦闘が続くことも未来の範疇なんだけど、
ちゃんと戦力として機能出来そうか?一応これでも当てにしてるんだが?」
『問題ない。これでも戦闘位階のポセイドンの一人だ。
オベリスクの範囲外か破壊を進めてくれさえすれば、
精霊石を外して落ちた力を相殺させることは出来る』
「じゃあ、私もそれでなんとかなりそうですね!」
特性の抑制を解いたところでどのくらい戦闘力が増すのかは、
ステータスのように目に見えるわけでは無い。
ここでそうだなとマリエルの言葉をそのまま肯定することは俺には出来ないけれど、
魔神族が居れば実験をすることも出来ないまま実戦で試すことになりそうだ。
そこでふと思い出す。
半精半人の妖精であるマリエルがこれならば、
精格を人まで落としているシヴァ様の娘とはいえアルシェもオベリスク内は危ない。
だから足を踏み入れさせないように配慮してきたが、
やっぱりテンプレ通りにアルシェの中に眠る精霊の力を解放する方法などはあるのだろうか?
「お兄さん?どうしましたか?」
「いや、何でも無い。
もう報告やらは全員何もないな!
アクアとクーは帰ったら説教が待ってるから楽しみにしとけよっ!」
『ひえ~!』
『お姉さま・・・お恨みします・・』
アルシェを自然と見つめてしまったことで気づかれてしまったが、
特に何かアイデアがあるわけでもないし誤魔化しておく。
ここで当ての無いアルシェ強化イベントを期待するよりも、
準備をしているアイテムを使った方が即席戦力アップは確実だしな。
時間は・・・15分ってところか?
無駄にしたわけじゃないからまぁいいか。
メグイヌオールが生きているならフロスト・ドラゴンもブルー・ドラゴンも生きてるだろ。
アクアとクーの情けない返事を聞きながら、
再び龍の巣の入り口を重たい瞼で捕らえて今度こそ出発の一歩を歩み出した。
11
あなたにおすすめの小説
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上悠は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏も、寿命から静かに息を引き取ろうとする。
「助けたいなら異世界に来てくれない」と少し残念な神様と出会う。
転移先では半ば強引に、死にかけていた犬を助けたことで、能力を失いそのひっそりとスローライフを送ることになってしまうが
迷い込んだ、訪問者次々とやってきて異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる