特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重

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閑話休題 -次に向けての準備期間-

閑話休題 -49話-[黒い欠片と黒い何かと黒い誰か①]

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「おおよその位置を教えてもらえれば案内人の精霊がなんとかしてくれるけど、
 一応先に精霊使いの情報を掴んでおきたいなぁ……。
 さっき言ってた様子を見に行った若者かもしくは報復に行った人に詳しい話を伺えれば助かるんだけど…どう?」
「それなら彼がそのメンバーだ。今更だがトーヴィルという」
「よろしく。自警団のリーダーをしているトーヴィルだ。
 ソニューザとは幼馴染で歳も同じだからそいつの友人になったなら俺にも気を使わなくていい」

 護衛の彼はソニューザやここまで案内してくれたおっさんに比べても筋肉質でひと回り大きかったが、
 それでも同い年なら個人差と筋肉差なのか…。
 ずっと口数も少なく護衛に専念していた時は無表情だったのに、
 今や好青年の表情で握手を求めてくるのでとりあえず握り返した。

「ありがとう、トーヴィル。
 俺の事も宗八そうはちと呼んでくれ。
 で、さっそくで悪いけどウチの精霊との違いを確認したいから見てもらってもいいか?」
「??? まぁ、その程度なら問題はない。村の外で待機しているんだったな」
「いや、精霊使いは契約精霊を呼び出すことが出来るんだ。
 ここに呼び出すから確認してくれ」
「ほぉ~、そう言われると俺たちは大して精霊使いのことを知らないんだよな。
 精霊なんて見る機会もなかったしまともな精霊に会えるのは楽しみだ」

 外に出て行こうと重心が動いたのを感じ取って慌てて声がけして止めた。
 説明をしつつ念話で子供たちにこれから呼ぶ出す旨を伝え下準備も終わらせる。

召喚サモン!ベルトロープ、フラムキエ、ノイティミル」

 召喚座標を定める為に手を翳して詠唱を行うと、瞬時に3人が並んで出現する。
 ウォルベズには悪いけどそのまま待機をノイから伝えてもらっている。

『第二長女ノイティミル、マスターの呼び掛けに応え護らせていただくです』
『長男フラムキエ、敵を切り捨てる炎の刃!あるじに呼ばれ颯爽登場!(<ゝω・)綺羅星!☆』
『五女ベルトロープ、家族を守る第二の盾!ぬし様に呼ばれて颯爽登場!(<ゝω・)綺羅星!☆』

 そういえば召喚サモンした時の決め台詞を考えているとかニルとクーが言ってたな。
 それにしてもノイはともかく、末っ子’sの後半はどうなんだ。
 主人公sideと敵sideのセリフが混ざってんぞ。ポーズも揃ってて可愛いんだけどさ。

 決め台詞をキメた末っ子どもはササーっと俺の元に駆け寄ってきて肩に落ち着き、
 ノイは普通に俺の元に歩いて寄って来た末に抱き上げろと両手を上げてアピールするのでご希望に沿って抱き上げて差し上げる。

「どう? この三人が今回連れて来てる精霊なんだけど」
「なんだろうな。精霊ってもっと神秘的なイメージが強かったけど、
 宗八の契約精霊を見ると普通の子供に見えてくるな」
「明らかに形状が違うな」

 形状とか言うな。
 確かに精霊は魔力せいしん生命体だから姿は動物だったり人型だったりと多種多様な姿をしている。
 人と関わる意思や機会がある精霊は自然と人型になるが、
 俺の所は最初から人型以外の考えはなかったなぁ。

「ウチは普通?の精霊使いとは違って、浮遊精霊ふゆうせいれいから契約しているから幼いんだよ。
 本来はもっと成長した精霊と契約するのが一般的?らしい。
 で、見た精霊はどんな姿だった?」

 疑問符が多いのはそもそも精霊使いが少なく情報がないからだよ。
 血眼にならないと見つからんのよ。
 なっても見つからなかったけどよ。

「確かに男の横に常にいる精霊は女性体で、おそらくは土精だと思う。
 他の精霊たちは…こう……球体をしていたし色も黒っぽかった。
 もしかしたら闇精だったのかもしれない。ただ嫌な寒気の走る感覚があった」
「球体にしては大きいな。浮遊精霊ふゆうせいれいならこんくらいだけど、
 その大きさなら2回くらい加階してるかも」

 トーヴィルが両手で伝えてくれた大きさはバレーボールくらいだった。
 そうなると10年前から契約してないとそこまでの加階は出来ないはずだ。
 だけど、聞いた限りだと流れ着いた時点で契約していたのは土精のみで、
 一人暮らしを始めてから何かの研究を始めて増えて行った……。
 その研究が何かしら影響して加階が早まっているってことか?

「タル、大地の力とやらはどの程度なんだ?」
「ん? 今の状態でも人の住むところと比べて段違いで良い状態だよ。
 ただ、島全体で感じると確かに力が激減している所があって、
 そこを中心に範囲が広がっているみたい」
「竜が居るところに影響は?」
「出てると思うぞ。というか、狙いは竜じゃないかって思うんだよ。
 力の減少が一直線に岩山に近づいているみたい」

 おいおいおい、精霊使い!誰よマジで!
 魔神族以外で厄介を起こすんじゃないよ、マジで!
 竜に悪影響が及んだらその尻ぬぐいを誰がするのかわかってんのか!?俺よ!?

「フリューネ、竜の状態とか感じ取れる?」
『え~!? 別に仲間ってわけでもないから流石にわからないよぉ。
 でも、特に暴れた痕跡も島にないし大丈夫なんじゃない?』

 そういや、青竜の島はフリューネが暴れ回ったせいで氷の壁がそこら中に張られていて邪魔だったな。
 でも、あれは氷垢ひょうくのステルシャトーが正面から襲撃を行い抵抗したからの結果で、
 今回の精霊使いのじわじわと寄っていく感じだと長寿の連中じゃ悠長だから数年寝ている間に手遅れって事も有り得る……。

 普段デカくて強いからって暴れた実績だけで評価される竜はこれだから困るな。
 フリューネもだけど[竜玉りゅうぎょく]を継承した王様だけでもしっかりしていてほしいもんだ。

『何かしつれいな事考えてる?』
「考えてる。――うっ!」

 仲間に嘘は付かない。素敵な関係だね。
 信頼のお返しに尻尾で軽く叩かれたけど痛くはなかった。

「とりあえず、うちの子達とトーヴィルが見た精霊は完全に違うっぽいな。
 竜への影響も考えると早急にそっちも調べないと……。
 ソニューザ、混血のドワーフと交流ってあるのか?」
「年に1度だけこっちから食料と鉱石を持って行く機会がある。
 1年が経ちましたよって伝えて生存確認するのが目的なんだ」

 何それ。食料も持って行くってどういうこと?

「なんで貢いでんの?」
「貢いでるわけじゃないけど伝統だからな。
 俺たちドワーフは鉱石が主食で野菜で足りない栄養を取るんだけど、
 混血の連中は竜と同じで魔力が主食で少々の鉱石と野菜を食べれば十分なんだ」
「ふぅ~ん。鉱石が食料ってどういうこと? ずっと食べてたら流石に枯渇すんじゃない?
 っていうか、俺の知ってるずんぐりドワーフは普通に飯食って酒飲んでるけど」
「外のドワーフは知らないけど、エルダードワーフは鉱石を育てられるんだ。
 まぁ、その…なんだ。排泄物を撒けば還元されて新しい鉱石が育つんだ」

 ここでも!う〇こ!〇んこ万能かよこの世界!
 竜のうん〇は魔石なんだぜ!知ってるかよソニューザッ!うんこなんだぜ!
 鉱石の畑が作れるとかエルダードワーフ凄いな!懇意の鍛冶師と提携してくれねぇかな。

「俺たちだけじゃないぞ」
「——っ!まさか……」
「山のエルフ、ドワーフがそうなら…。
 森のエルフ、テレリ族は森を。海のエルフ、ヴァンヤール族は珊瑚サンゴを育てている」
「うんこ凄ぇ…」
「うんこ言うな。
 名誉のために言っとくが、自然と共に生きる原初の妖精族はあくまで自然に還元しているんだ」

 あ、いけねぇ。〇ん〇の有用性に意識を一気に持っていかれたけど、
 ソニューザ達にも手伝ってもらうべきだな。
 現時点ではまだアルシェ達を導入するのは過剰戦力だし、
 現地協力者を募るのはいつもの事だから今回も一旦ドワーフ達を巻き込もう。

「俺も動くけど状況の進度次第ではドワーフ達にも協力してほしいんだけど、動いてもらえる?」
「「——もちろん」」
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