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第13章 -1st_Wナユタの世界-
†第13章† -03話-[火精王サラマンダーとの謁見②]
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「あちらに行く前に注意点はあるか?」
『サラマンダー様が御座す里は人里から離れた山脈の奥深くでございますので暑さの対策は行うべきと推奨します』
「ミリエステとリッカは[クールルーム]を使っておこう。アクア」
『あいあい。《クールルーム》えい!えい!』
肩車されたアクアの両手にゴムボールサイズの魔法の玉が詠唱によって出現しそれを器用に二人に向かって投擲すると、体に触れた傍から膨らんで卵状の涼しい空間が二人を包んだ。
「ありがとうございます」
「助かります」
と感謝の言葉を口にする二人の身体は微かに震え、意識せずに自然と両腕も身体を抱え込むような位置に持ち上がった。
そりゃそうか。ゲートを開いていれば言葉通りに助かるだろうけれど夏に入る前とはいえ肌寒さが残る時期に[クールルーム]は寒いわな。
アクアが耐火バフを掛けている間に俺の方も火精にゲートを設置完了させていた。
「じゃあ、頼む」
『はい。戻されて少ししてから繋げてください』
そう言い残すと彼の姿は一瞬にして消え、サラマンダー様の元へ無事に召喚された。
彼に言われた通り二~三分ほど雑談で時間を潰してから[ゲート]を繋げると……。
「うおっ!」
向こう側から流れ出て来た空気が想像以上の熱風であった事に驚き、全員の反応を見回してみるがアルシェは平然としておりアクアの機転でクールルームの調整がすぐさま行われた結果二人も少し耐える表情が浮かんでいたけれどそれもすぐに和らいだ。当然火精であるフラムは問題なく、ミリエステの契約無精フォデールもクールルームの恩恵で涼し気な表情を浮かべていた。
「よし、問題なさそうだし行こうか」
「はい」
俺が踏み出しアルシェが追随しながら返事をした事で他のメンバーも続いてゲートを通ると全員の目の前に前人未到のマグマ世界が広がっていた。出迎えに見送った火精が居たので手で労いながら自分達の居る場所を見回し確認する。
おそらく地上のどこかから繋がる洞窟なのだろうが、俺たちが居るこの通路は明らかに手が加えられているとわかる。
何故なら車が通れる程度の道幅の両脇をマグマの小川が流れながら足元を照らし続けていて、時折ポコォと危機意識に訴えかける耳馴染みの無い音を発して泡が弾けているのだ。
「おおぅ……ファンタジー……」
「お兄さん、この赤い川はなんですか?」
「そっか、アスペラルダは火山がないもんな。これはマグマ、もしくは溶岩と呼ばれる流動岩石だ。
鉱物が超高熱で溶かされた液体だから冷えればちゃんと岩になる。落ちたら無精の鎧があっても助からないから絶対全員通路の真ん中を歩けよ」
「ははは、はい!」
「水無月さんは物知りですね」
アルシェの質問に答えつつ皆の顔をちゃんと見ながら注意を行うと長女と長男は俺にしがみ付き、アルシェも俺の服を軽く握って怖がっている。それに引き換え俺やアルシェと言った上位者に頼ることも出来ないリッカはビビりながらもなんとか返事をしてミリエステは流石は勇者PT、キモが座っているのか俺の知識に感心していた。
この場にいつまでも突っ立って居ても仕方がないので火精に声掛けて俺たちはマグマが照らす通路を進み始める。
「実際室温何度なんだろ。マグマがおおよそ千度とすればまともじゃ居られないほど本来は暑いよなぁ」
「火の国と土の国にある砂漠は日中五十度を超えるそうですが……」
「それは水撒いて直射日光と反射熱を対策すれば日中でも外で活動は出来るだろう。けど、すぐ隣にマグマがあるって……想像が付かないな。俺とアルシェも加護があってリッカとミリエステも耐熱バフが掛かっているから無事だけど、何も対策せずにここに来たら空気だけで大火傷を負うんじゃないかな」
「サラマンダー様は私に加護がある事をちゃんと理解して呼び出されたんでしょうか……」
俺自身火事にあったこともないからわからんけど、息も多分出来ないだろう……と考えた直後に一気に頭が冷え切った。
こういう場所って空気も毒が含まれているんじゃないか?異世界とは言ったってそこまで鉱物に差があるわけじゃないんだ。
いや、でもさっきから話しながら息もしているけど特に違和感を覚えるわけでもない……。
「お兄さん?」
「……お前たちは体調に問題は無いか?」
「……特に違和感はありません」
「わわ、私もです!」
「私も体調に変化はないですね」
全員が体調不良を感じていることは無さそうでひとまず安心したが、懸念事項であることは本当だから火精に確認を取っておこう。
「この通路は空気の入れ替えを行えるのか?」
『地方風があります。火精で多少見栄えは整えましたが立地的にガスはある程度流れてしまいます。ただ足元付近は未だ危ないです』
「何か危機的な状況なんですか? お兄さんっ!」
「いや、杞憂だったみたいだ。マグマが身近に無いから忘れていたんだけど、マグマの火口や噴気口は人体に毒性の高い空気が漂っているはずだったから一瞬焦っただけだ。火精の言う通りなら足元の空気を吸わない限り問題はない」
とは言っても危険が左右と足元にあると知って平気な顔が出来る者は居ない。
どれだけ強くても攻撃ではなく自然現象が相手では耐性なんて期待できないわけで……、なおさらアルシェは俺の腕を胸に抱き込み他二人も好意が無いにも拘らず俺に寄って来る。
美女三人に囲まれていても命の危機にも囲まれている状況じゃあ喜べやしないよ。
『そこの膨らんでいる部屋が火精王サラマンダー様の部屋となります』
「じゃあ、通路の丁度真ん中に里を作ったのか…」
火精の案内の元緩やかに下る通路を抜けて目的地の最奥部屋に辿り着くとそこにはいつもの里の光景が広がっていた。
里の最深部は王へ繋がる一本道を残して精霊が凄い数控えていて、反応もそれぞれだ。そんな中でも一番俺たちに興味深げな眼差しを向けてくるのが数段高みに座る一匹のオオトカゲ。にしては、色素は赤く鱗も立派でどちらかと言えばドレイクとも見間違えるほどに強烈なインパクトを与える見た目に驚きつつも前へと進み膝を着く。
『よくぞ参られた精霊使い、そしてシヴァの娘。吾輩の名はサラマンダー。
さぁ顔を上げ、改めて名を名乗ってもらえるだろうか?』
『サラマンダー様が御座す里は人里から離れた山脈の奥深くでございますので暑さの対策は行うべきと推奨します』
「ミリエステとリッカは[クールルーム]を使っておこう。アクア」
『あいあい。《クールルーム》えい!えい!』
肩車されたアクアの両手にゴムボールサイズの魔法の玉が詠唱によって出現しそれを器用に二人に向かって投擲すると、体に触れた傍から膨らんで卵状の涼しい空間が二人を包んだ。
「ありがとうございます」
「助かります」
と感謝の言葉を口にする二人の身体は微かに震え、意識せずに自然と両腕も身体を抱え込むような位置に持ち上がった。
そりゃそうか。ゲートを開いていれば言葉通りに助かるだろうけれど夏に入る前とはいえ肌寒さが残る時期に[クールルーム]は寒いわな。
アクアが耐火バフを掛けている間に俺の方も火精にゲートを設置完了させていた。
「じゃあ、頼む」
『はい。戻されて少ししてから繋げてください』
そう言い残すと彼の姿は一瞬にして消え、サラマンダー様の元へ無事に召喚された。
彼に言われた通り二~三分ほど雑談で時間を潰してから[ゲート]を繋げると……。
「うおっ!」
向こう側から流れ出て来た空気が想像以上の熱風であった事に驚き、全員の反応を見回してみるがアルシェは平然としておりアクアの機転でクールルームの調整がすぐさま行われた結果二人も少し耐える表情が浮かんでいたけれどそれもすぐに和らいだ。当然火精であるフラムは問題なく、ミリエステの契約無精フォデールもクールルームの恩恵で涼し気な表情を浮かべていた。
「よし、問題なさそうだし行こうか」
「はい」
俺が踏み出しアルシェが追随しながら返事をした事で他のメンバーも続いてゲートを通ると全員の目の前に前人未到のマグマ世界が広がっていた。出迎えに見送った火精が居たので手で労いながら自分達の居る場所を見回し確認する。
おそらく地上のどこかから繋がる洞窟なのだろうが、俺たちが居るこの通路は明らかに手が加えられているとわかる。
何故なら車が通れる程度の道幅の両脇をマグマの小川が流れながら足元を照らし続けていて、時折ポコォと危機意識に訴えかける耳馴染みの無い音を発して泡が弾けているのだ。
「おおぅ……ファンタジー……」
「お兄さん、この赤い川はなんですか?」
「そっか、アスペラルダは火山がないもんな。これはマグマ、もしくは溶岩と呼ばれる流動岩石だ。
鉱物が超高熱で溶かされた液体だから冷えればちゃんと岩になる。落ちたら無精の鎧があっても助からないから絶対全員通路の真ん中を歩けよ」
「ははは、はい!」
「水無月さんは物知りですね」
アルシェの質問に答えつつ皆の顔をちゃんと見ながら注意を行うと長女と長男は俺にしがみ付き、アルシェも俺の服を軽く握って怖がっている。それに引き換え俺やアルシェと言った上位者に頼ることも出来ないリッカはビビりながらもなんとか返事をしてミリエステは流石は勇者PT、キモが座っているのか俺の知識に感心していた。
この場にいつまでも突っ立って居ても仕方がないので火精に声掛けて俺たちはマグマが照らす通路を進み始める。
「実際室温何度なんだろ。マグマがおおよそ千度とすればまともじゃ居られないほど本来は暑いよなぁ」
「火の国と土の国にある砂漠は日中五十度を超えるそうですが……」
「それは水撒いて直射日光と反射熱を対策すれば日中でも外で活動は出来るだろう。けど、すぐ隣にマグマがあるって……想像が付かないな。俺とアルシェも加護があってリッカとミリエステも耐熱バフが掛かっているから無事だけど、何も対策せずにここに来たら空気だけで大火傷を負うんじゃないかな」
「サラマンダー様は私に加護がある事をちゃんと理解して呼び出されたんでしょうか……」
俺自身火事にあったこともないからわからんけど、息も多分出来ないだろう……と考えた直後に一気に頭が冷え切った。
こういう場所って空気も毒が含まれているんじゃないか?異世界とは言ったってそこまで鉱物に差があるわけじゃないんだ。
いや、でもさっきから話しながら息もしているけど特に違和感を覚えるわけでもない……。
「お兄さん?」
「……お前たちは体調に問題は無いか?」
「……特に違和感はありません」
「わわ、私もです!」
「私も体調に変化はないですね」
全員が体調不良を感じていることは無さそうでひとまず安心したが、懸念事項であることは本当だから火精に確認を取っておこう。
「この通路は空気の入れ替えを行えるのか?」
『地方風があります。火精で多少見栄えは整えましたが立地的にガスはある程度流れてしまいます。ただ足元付近は未だ危ないです』
「何か危機的な状況なんですか? お兄さんっ!」
「いや、杞憂だったみたいだ。マグマが身近に無いから忘れていたんだけど、マグマの火口や噴気口は人体に毒性の高い空気が漂っているはずだったから一瞬焦っただけだ。火精の言う通りなら足元の空気を吸わない限り問題はない」
とは言っても危険が左右と足元にあると知って平気な顔が出来る者は居ない。
どれだけ強くても攻撃ではなく自然現象が相手では耐性なんて期待できないわけで……、なおさらアルシェは俺の腕を胸に抱き込み他二人も好意が無いにも拘らず俺に寄って来る。
美女三人に囲まれていても命の危機にも囲まれている状況じゃあ喜べやしないよ。
『そこの膨らんでいる部屋が火精王サラマンダー様の部屋となります』
「じゃあ、通路の丁度真ん中に里を作ったのか…」
火精の案内の元緩やかに下る通路を抜けて目的地の最奥部屋に辿り着くとそこにはいつもの里の光景が広がっていた。
里の最深部は王へ繋がる一本道を残して精霊が凄い数控えていて、反応もそれぞれだ。そんな中でも一番俺たちに興味深げな眼差しを向けてくるのが数段高みに座る一匹のオオトカゲ。にしては、色素は赤く鱗も立派でどちらかと言えばドレイクとも見間違えるほどに強烈なインパクトを与える見た目に驚きつつも前へと進み膝を着く。
『よくぞ参られた精霊使い、そしてシヴァの娘。吾輩の名はサラマンダー。
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