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閑話休題 -|霹靂《へきれき》のナユタ討伐祝い休暇-
閑話休題 -89話-[ナユタの民の新天地]
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アルシェを連れて王城へ生還報告にやって来た。
謁見の間でアルシェを先頭に跪くのは俺・メリー・マリエル・リッカ・タルティーフォ。
その背後に此度の協力者としてセプテマ氏とエゥグーリアも控えていた。
「そうか…。皆無事に戻ったことを嬉しく思う。
ひとまず目標であった霹靂のナユタの討伐の報は各国に私自ら連絡を入れておこう。
そして剣聖セプテマ、拳聖エゥグーリアの事態解決への協力に深く感謝する」
「滅相もありません」
「感謝は手前を派遣したアーグエングリン王へお伝えください」
詳しい情報はギルドとメリーが協力して作製した資料を先に渡しているので、聞かれる事を中心に報告を進める。
謁見は無事に終わり、先に協力者たちはギュンター王の命令で退室していった。
代わりに室外で待機していた子供達が入室して来る。アクアに至ってはナデージュ王妃の元へと一直線だ。
「さぁアルシェ。私達に近くで無事な姿を見せておくれ」
「アクアちゃんもよく無事に戻りましたね」
『ばぁば、じぃじ!ただいま~♪』
椅子から立ち上がった王様がアルシェを抱き締め身長が伸びたとか話している横でアクアは王妃の豊満なバストにご満悦だ。
ナデージュ王妃は水精王シヴァ様の分御霊でありながら、精霊としての格を限界まで削ってギュンター王と結婚した稀有な方だ。水属性の人間と言って差し支えないだろう。
そんな王様と王妃様がアルシェとアクア、ついでに他属性の子供達の無事を確かめるという言い分で満足いくまで撫で回した後に俺とアルシェを残して他を退室させた。俺達だけに王様方から報告があるって事か?
「実は…アルシェ、そして宗八に報告があってな…。ははは」
「うふふ。あまり勿体ぶるものじゃありませんよ、貴方」
なんだこの幸せラブラブムードは!?
アルシェとアイコンタクトを取るもこちらも王様たちの意図を理解出来ていない様だ。
アルシェも年頃の女の子なのだから親のラブラブっぷりを見せつけられてややゲンナリしている。早く解放してあげて。
「実はな。お前たちに弟妹が出来たのだ」
「うふふ。生まれてみないと男の子か女の子かわからないけれどね」
「それはおめでとうございます!わぁ!私の弟か妹が!」
「ご懐妊おめでとうございます、ナデージュ様」
ギュンター様。俺の弟じゃないですよ?
アルシェは真っ先にナデージュ王妃の膝元へ移動するとゆっくりと母のお腹に指を添わせて命の鼓動を感じている。
なんとか幸せな報告にツッコミを入れずにおめでとうが言えた俺を褒めてやりたい。
赤子の性別判断ってエコー以外だとどうやってたんだろ?とか考えていたら、ナデージュ様が俺においでおいでと手招きしておいでだ。
王様。家族以外の男が妊娠中の王妃に近づくのは……あぁ。良いんですか……。
「宗八も触ってみる?」
「流石にそれはご勘弁を。アルシェは人間でしたけど、妖精が産まれる可能性もあるのですか?」
「いいえ。アルシェの様に髪色まで影響を帯びる可能性はありますけど妖精は産まれません」
家族計画は完璧という事ですね。
「宗八の無事も私達に確かめさせてください」
「私は正面からハグするけどな!」
本当に違和感が無くなってきた気がする。
ギュンター王が立ち上がって俺を男気のある肉体で掻き抱き、続いてナデージュ王妃に誘導された位置で王妃に頭を撫でられる。
父の貌に母の貌。やめてください!挟まれると息子の貌になっちゃうでしょうがあああっ!
* * * * *
アスペラルダの謁見を終えた次はエゥグーリアとの別れだ。
「この度は貴国の客将を救援者として送って下さりありがとうございました。
破滅対策同盟を代表してアスペラルダが王女、アルカンシェ=シヴァ=アスペラルダが改めて感謝を申し上げます」
「貴殿らの力に成れたのであれば朕も拳聖の我儘を許可した甲斐があったな。
それで? 破滅…とやらの討伐は成せたのであろうな?」
「はい。時間は掛かりましたが破滅の将。霹靂のナユタの討伐は拳聖の助力で成功致しました」
「うむ。では、これにて拳聖エゥグーリアの救援を解除する。
また希望があれば朕を通して伝えよ。エゥグーリアの意思確認などを取って国の状況次第で再び助力も出来よう」
俺達はアーグエングリン王都でアーグエングリン王と謁見を行っている。
なんとなく他の王族に比べれば一枚か二枚落ちる印象だからなぁ。内心で何が朕だと笑ってしまう。
「剣聖セプテマ=テリナードよ。其方は土精と契約していると聞いているぞ。
このまま拳聖と共に客将に迎える用意はあるが、どうだろうか?」
「申し訳ありませぬ。儂は剣聖の称号を返上して一人の剣士に戻るつもりです故」
「そ、そうか…。まぁどこかの国に所属するのでなければいつでも受け入れる用意を残しておくとしよう」
「………」
なんて返せばいいんだよ。セプテマ氏も困ってダンマリじゃねぇか!
こういう時こそ王の隣で補佐をしている人々の出番ですよ!
俺達の願いは無事に届きスタタタと文官風の方が王様に耳打ちをして諫めている。
「ご、ごほん。言い改めよう。
気が変わればいつでも受け入れるつもりだが前以って意思を伝えてくれれば席は用意しよう」
「ありがとう存じます」
「うむ!これにて謁見は終了とする」
「では、またの機会に王都へお邪魔する際に再びまみえる事を楽しみにしております」
言い直されて逃げ道を用意してもらえたおかげで会話の終わりが見えた。
あちらも今回の謁見理由がエゥグーリアの件と剣聖の顔合わせと理解しているからこれで終われたのだ。
アルシェが次に繋げる言葉を残してさっさと王城を後にさせてもらった。
「今度こそアーグエングリンへ来てくれ」
「優先順位の高い事件が起こらなければ休暇明けに伺いますよ。また会いましょう。エゥグーリア」
行く行く詐欺は良くないからな。
今度こそと拳と拳を当てて約束を交わしエゥグーリアとは王城入り口で別れる事となった。
本当は今後の為にもファグス将軍と話したいこともあったし重鎮の方との顔繫ぎもしておきたかったけど、あの王様の様子からしてそんな時間の確保は難しいだろうと判断してさっさとお暇する事を決めた。
「儂はこのまま剣聖の返上の為に別行動を取ろうと思う。
準備が出来次第[揺蕩う唄]で水無月殿に連絡を入れよう」
王城から城下町に出た所で今度はセプテマ氏が別れを切り出して来た。
剣聖の称号システムを知らないからどこぞに送ってほしいと言われると思っていたのにまさか此処とは。
「わかりました。アーグエングリン国内だとあまりゲートの設置は出来ていないので王都が一番合流には良いと思います」
「セプテマ様。この度は運良く出会え、ご協力いただけた事に感謝致します」
「いやいや、こちらこそ助けてもらった身の上です。お互い様、というには些か荷が勝ち過ぎていますからな…。
これからも水無月様、アルカンシェ様に声掛けいただければいくらでも力を貸しましょうぞ。
それと。次に再開する時は一介の剣士ですので敬語は不要ですので」
『精霊使い、アルカンシェ。世話になりました。私もセプテマ同様にいつでも共に参りますので力が必要な時は遠慮なく』
アルシェの感謝の言葉を受け入れつつセプテマ氏、契約土精ファレーノの両名は今後も力を貸してくれると改めて口にしてくれた。
剣士として地力で言えば断然セプテマ氏の方が上だし、土精のファレーノも今回の事件で弱体化したとはいえまだまだノイ達よりも上位位階なのだ。いくらでも力を借りたいし訓練相手にもなってほしい。
セプテマ氏の準備が終わるまでそこまで日数は必要ないだろうから連絡があるまではいつもの休暇初動に入りますかね。
「じゃあアルシェはアスペラルダに戻って休暇の準備を進めておいてくれ」
「わかりました。ラフィート王によろしくお伝えくださいね」
謁見の間でアルシェを先頭に跪くのは俺・メリー・マリエル・リッカ・タルティーフォ。
その背後に此度の協力者としてセプテマ氏とエゥグーリアも控えていた。
「そうか…。皆無事に戻ったことを嬉しく思う。
ひとまず目標であった霹靂のナユタの討伐の報は各国に私自ら連絡を入れておこう。
そして剣聖セプテマ、拳聖エゥグーリアの事態解決への協力に深く感謝する」
「滅相もありません」
「感謝は手前を派遣したアーグエングリン王へお伝えください」
詳しい情報はギルドとメリーが協力して作製した資料を先に渡しているので、聞かれる事を中心に報告を進める。
謁見は無事に終わり、先に協力者たちはギュンター王の命令で退室していった。
代わりに室外で待機していた子供達が入室して来る。アクアに至ってはナデージュ王妃の元へと一直線だ。
「さぁアルシェ。私達に近くで無事な姿を見せておくれ」
「アクアちゃんもよく無事に戻りましたね」
『ばぁば、じぃじ!ただいま~♪』
椅子から立ち上がった王様がアルシェを抱き締め身長が伸びたとか話している横でアクアは王妃の豊満なバストにご満悦だ。
ナデージュ王妃は水精王シヴァ様の分御霊でありながら、精霊としての格を限界まで削ってギュンター王と結婚した稀有な方だ。水属性の人間と言って差し支えないだろう。
そんな王様と王妃様がアルシェとアクア、ついでに他属性の子供達の無事を確かめるという言い分で満足いくまで撫で回した後に俺とアルシェを残して他を退室させた。俺達だけに王様方から報告があるって事か?
「実は…アルシェ、そして宗八に報告があってな…。ははは」
「うふふ。あまり勿体ぶるものじゃありませんよ、貴方」
なんだこの幸せラブラブムードは!?
アルシェとアイコンタクトを取るもこちらも王様たちの意図を理解出来ていない様だ。
アルシェも年頃の女の子なのだから親のラブラブっぷりを見せつけられてややゲンナリしている。早く解放してあげて。
「実はな。お前たちに弟妹が出来たのだ」
「うふふ。生まれてみないと男の子か女の子かわからないけれどね」
「それはおめでとうございます!わぁ!私の弟か妹が!」
「ご懐妊おめでとうございます、ナデージュ様」
ギュンター様。俺の弟じゃないですよ?
アルシェは真っ先にナデージュ王妃の膝元へ移動するとゆっくりと母のお腹に指を添わせて命の鼓動を感じている。
なんとか幸せな報告にツッコミを入れずにおめでとうが言えた俺を褒めてやりたい。
赤子の性別判断ってエコー以外だとどうやってたんだろ?とか考えていたら、ナデージュ様が俺においでおいでと手招きしておいでだ。
王様。家族以外の男が妊娠中の王妃に近づくのは……あぁ。良いんですか……。
「宗八も触ってみる?」
「流石にそれはご勘弁を。アルシェは人間でしたけど、妖精が産まれる可能性もあるのですか?」
「いいえ。アルシェの様に髪色まで影響を帯びる可能性はありますけど妖精は産まれません」
家族計画は完璧という事ですね。
「宗八の無事も私達に確かめさせてください」
「私は正面からハグするけどな!」
本当に違和感が無くなってきた気がする。
ギュンター王が立ち上がって俺を男気のある肉体で掻き抱き、続いてナデージュ王妃に誘導された位置で王妃に頭を撫でられる。
父の貌に母の貌。やめてください!挟まれると息子の貌になっちゃうでしょうがあああっ!
* * * * *
アスペラルダの謁見を終えた次はエゥグーリアとの別れだ。
「この度は貴国の客将を救援者として送って下さりありがとうございました。
破滅対策同盟を代表してアスペラルダが王女、アルカンシェ=シヴァ=アスペラルダが改めて感謝を申し上げます」
「貴殿らの力に成れたのであれば朕も拳聖の我儘を許可した甲斐があったな。
それで? 破滅…とやらの討伐は成せたのであろうな?」
「はい。時間は掛かりましたが破滅の将。霹靂のナユタの討伐は拳聖の助力で成功致しました」
「うむ。では、これにて拳聖エゥグーリアの救援を解除する。
また希望があれば朕を通して伝えよ。エゥグーリアの意思確認などを取って国の状況次第で再び助力も出来よう」
俺達はアーグエングリン王都でアーグエングリン王と謁見を行っている。
なんとなく他の王族に比べれば一枚か二枚落ちる印象だからなぁ。内心で何が朕だと笑ってしまう。
「剣聖セプテマ=テリナードよ。其方は土精と契約していると聞いているぞ。
このまま拳聖と共に客将に迎える用意はあるが、どうだろうか?」
「申し訳ありませぬ。儂は剣聖の称号を返上して一人の剣士に戻るつもりです故」
「そ、そうか…。まぁどこかの国に所属するのでなければいつでも受け入れる用意を残しておくとしよう」
「………」
なんて返せばいいんだよ。セプテマ氏も困ってダンマリじゃねぇか!
こういう時こそ王の隣で補佐をしている人々の出番ですよ!
俺達の願いは無事に届きスタタタと文官風の方が王様に耳打ちをして諫めている。
「ご、ごほん。言い改めよう。
気が変わればいつでも受け入れるつもりだが前以って意思を伝えてくれれば席は用意しよう」
「ありがとう存じます」
「うむ!これにて謁見は終了とする」
「では、またの機会に王都へお邪魔する際に再びまみえる事を楽しみにしております」
言い直されて逃げ道を用意してもらえたおかげで会話の終わりが見えた。
あちらも今回の謁見理由がエゥグーリアの件と剣聖の顔合わせと理解しているからこれで終われたのだ。
アルシェが次に繋げる言葉を残してさっさと王城を後にさせてもらった。
「今度こそアーグエングリンへ来てくれ」
「優先順位の高い事件が起こらなければ休暇明けに伺いますよ。また会いましょう。エゥグーリア」
行く行く詐欺は良くないからな。
今度こそと拳と拳を当てて約束を交わしエゥグーリアとは王城入り口で別れる事となった。
本当は今後の為にもファグス将軍と話したいこともあったし重鎮の方との顔繫ぎもしておきたかったけど、あの王様の様子からしてそんな時間の確保は難しいだろうと判断してさっさとお暇する事を決めた。
「儂はこのまま剣聖の返上の為に別行動を取ろうと思う。
準備が出来次第[揺蕩う唄]で水無月殿に連絡を入れよう」
王城から城下町に出た所で今度はセプテマ氏が別れを切り出して来た。
剣聖の称号システムを知らないからどこぞに送ってほしいと言われると思っていたのにまさか此処とは。
「わかりました。アーグエングリン国内だとあまりゲートの設置は出来ていないので王都が一番合流には良いと思います」
「セプテマ様。この度は運良く出会え、ご協力いただけた事に感謝致します」
「いやいや、こちらこそ助けてもらった身の上です。お互い様、というには些か荷が勝ち過ぎていますからな…。
これからも水無月様、アルカンシェ様に声掛けいただければいくらでも力を貸しましょうぞ。
それと。次に再開する時は一介の剣士ですので敬語は不要ですので」
『精霊使い、アルカンシェ。世話になりました。私もセプテマ同様にいつでも共に参りますので力が必要な時は遠慮なく』
アルシェの感謝の言葉を受け入れつつセプテマ氏、契約土精ファレーノの両名は今後も力を貸してくれると改めて口にしてくれた。
剣士として地力で言えば断然セプテマ氏の方が上だし、土精のファレーノも今回の事件で弱体化したとはいえまだまだノイ達よりも上位位階なのだ。いくらでも力を借りたいし訓練相手にもなってほしい。
セプテマ氏の準備が終わるまでそこまで日数は必要ないだろうから連絡があるまではいつもの休暇初動に入りますかね。
「じゃあアルシェはアスペラルダに戻って休暇の準備を進めておいてくれ」
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