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子にゃんこ、王家の秘宝を創る
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真っ青な顔のざ・王子様は、私達がいることにも気づかず、王様に話し始めた。
なんか、パニックしてる?
「父上、申し訳ございません。私が至らぬばかりに・・・・」
悲壮感たっぷりに項垂れる、ざ・王子様。
「何があった?」
「メイマリアが、出奔致しました・・・・」
きつく拳を握り締めて、絞り出すように告げた。
メイマリアって?
出奔ってことは、家出?
「「「「なんでまた?」」」」
男たちの声が揃った。王太子殿下はビクッと肩を震わせて、声のする方に顔を向けた。そして、一瞬、しまったという顔を見せたが、取り繕うように表情を硬くしてすぐに王様に向き直った。
「えーと、その、メイマリア用の王宮の部屋に手紙が・・・・。自分に王妃は荷が重いと・・・・。シャーリー公爵家は関係ない、自分の我が儘で護衛騎士と逃げることを許してくれと・・・・」
あら、婚約者?棄てられたんだ。
うっわ、駆け落ちってやつか!
王様の顔色も総帥の顔色もザムの顔色もおかしい。真っ青だ。アーノだけは、笑いを堪えるように頬がひくひくしてる。私も笑い出しそうなのを強靭な腹筋で我慢してるけど、ひくひくするのは許してほしい。アーノは私をぷらーんからそっと掌に納めた。お互いに顔を見ると吹き出しそうだからだ。
私たちが笑いを堪えながらも思ったことはただひとつ。
大丈夫か?この国・・・・。
「王妃を、王妃を呼べ!!!シャーリー公爵もだ!!!箝口令を敷く!外へ漏らすな!!!」
王様の叫び声に、外で待機をしている侍従が走ったようだ。バタバタと喧騒が伝わってくる。
「ハァ。次から次へと、家同士の契約を何だと思ってるんだ、最近の若い者は。ああ、どうしたもんかなぁ」
憂いを含んだ王様の声に、周りからは溜め息が漏れる。王太子殿下は憔悴した様子を隠しもしない。メイマリア嬢を好きだとかいうよりも、棄てられたことに相当堪えているようだ。まだ、10代も半ばすぎの男の子だ。仕方ないのか?でも、王太子だよ?ぷぷっ。
「なー」
アーノ
こそっと小さな声でアーノを呼ぶ。アーノは視線だけをよこしてきた。
「にゃーにゃ、にゃにゃ。にゃにゃーん」
帰るならさ、置いてってよ。こんなに面白いこと、見逃せないよ。
アーノは呆れ顔で私にデコぴんをしてきた。手加減なしだ!
「びゃっ!ぶみ゛ゃー!」
痛っ!何すんのー!
「王妃様がお見えになりました」
「入れ」
疲れた声で王妃様の入室を促す。豪華な衣装に身を包んだ女性が優雅に入ってきた。30代半ばの子持ちには見えないけど、この人が王妃様ね。
「お呼びと伺いましたが?」
「此度のメイマリアのこと、聞き及んでいるか?」
王妃様は怪訝な顔をしている。
「本日は、王妃教育はお休みのはずですが、何かございましたか?」
まだ、王妃様の耳には入っていないようだ。
「メイマリアが出奔したそうだ。護衛騎士と共にな」
「!!!な、な・・・・メイヴがあんなことをしでかしたばかりだというのに・・・・ああ」
事態を把握した王妃様は、一瞬で青い顔になりふらふらと倒れかけたが、護衛の近衛騎士に支えられて椅子にようよう座られた。気絶してはいないけど、いつ倒れてもおかしくない。それくらい酷い状態だ。
「今、シャーリー公爵を呼び出している」
「陛下。私は深窓の魔女に用がありますので、失礼致します」
アーノは私をぷらーんの状態に戻すと、私のお願いを無視して、部屋から退出した。
「びゃっ!みやーーーん!みー」
置いてけ!これから面白いとこなのに!ザムー。
ザムに助けを求めるも、ザムは呆れ顔で私を見送り、王様は口許をピクピクさせていた。
数少ない楽しみがぁ~・・・・。
私を掌に納め、何処かに向かいながらアーノが話しかけてきた。
「貴女に用があると言ったでしょう?」
「???用があるのは深窓の魔女なんでしょ?」
「・・・・深窓の魔女とは貴女のことですよ?まさか、自分の通り名を知らないんですか?」
アーノは驚いてちょっと目を見開いている。
「・・・・」
知らない・・・・。
深窓の魔女。つまり、引きこもりの魔女と。
「深窓の魔女が知ってるわけないでしょ?」
「ああ、そこは分かるんですね」
妙なところで感心しないでいいよ。
「で、私に用って?」
「魅了の術が禁術の部類に入るのは知ってますね?」
コクン。
知ってる。
「今回は術ではありませんが、見つけてしまった以上封じる必要があります。見つけたのは・・・・」
じっと私を見るアーノに嫌な予感がする。
「フィリア、貴女です」
「意義あり!私は可能性を示唆しただけ。確認したのはアーノでしょ!」
「ええ。ですから、一時的に封印してきました。私は私の役目を果たしています。師匠は、自分の推測を私達に確認させた後、ご自分で処理なさっているでしょう?」
!!!
余計なこと言わなきゃよかった!
「ウグ・・・・。どうすればいいの?」
「今回は異例ですから、対応を師匠と他の魔女も交えて話し合ってきました。その結果、あの様子だと恐らく本人は拒否をするでしょうから、それと分からない封印の装飾品を一生身に付けさせることになりました。対象者の魔力を使って一度着けたら外れない首飾りを作ってください。それが貴女の仕事です。具体的な魅了の効果は師匠が解析中です。明日には判るでしょう」
「誰が渡すの?」
「そんなこと、決まってるじゃないですか。さあ、着きました。作業場所はここ。私の研究室。期限は明日。首飾りのデザインはこんな感じです。頑張って下さい」
それだけ言うとアーノはひとりで何処かへ行ってしまった。アーノは人の記憶を覗けるからこの首飾りのデザインも何か意味があるのだろう。なんと言っても下級貴族ちゃんは記憶持ちだ。私は、研究室と言われた離れの一軒家へと足を踏み入れた。扉は魔力認証付の自動扉。子ネコでも難なく入れる仕様だ。ここは、アーノの家。魔女は存在した瞬間に自分の家を与えられる。私の家は、魔女らしく大鍋で薬草をコトコトしているけど、アーノの家は、正しく研究室だ。魔方陣とか魔術式が散乱し、魔術具が所狭しと置かれている。
あー、薬草が恋しい。大鍋でコトコトしたい。
その中をポテポテと歩いて、お目当ての白龍の鱗と黒龍の鱗がある部屋までやって来た。アーノの家には時々来ては必要なものを分けてもらっていたから、勝手知ったる、だ。魔女は人にとっては貴重な素材をたくさん持っている。龍の鱗もそうだが、私たちは自然に剥がれ落ちるそれを本人から直接もらっているから人のような苦労はない。
それはともかく、お目当ての物を持って私はアーノの家の庭に出た。ここからが、私の力の見せ所だ。
庭に佇む子ネコ一匹。
黒龍と白龍の鱗を土に埋め、微動だにせず、地面を見つめ続けること半日以上。土の中に魔力を張り巡らせ、必要な鉱物を取り出し錬成するのだ。
ここがアーノの庭でなければ、私は不気味がられただろう。誰も来ないから集中できる。
「よし、出来た!」
何もない所からふわっと出現した繊細な首飾り。チョーカーに近いが、その細工は熟練の者にしか施せない複雑な編み込みがされ、散りばめられた色とりどりの宝石と龍の鱗はその繊細さを引き立たせていた。王家の秘宝と言われても遜色のない出来映えだ。
あとは、これをアーノの書斎に置いておけばいいかな?
「出来たようですね」
なんてタイミングのいい奴。
アーノは、ひょいと地面からその首飾りを取り上げると、重厚なケースにしまった。
「ねぇねぇ、あれからどうなったの?」
「さあ?団長が迎えに来てますよ。聞いてみたらどうですか?まだ、作って貰いたいものがありますから、明日迎えに行きます」
マメだな、二人とも。
「じゃあね」
私はアーノに連れられてアーノの家から出た。私を見つけたザムは嬉しそうに近づいてくる。その様子が、尻尾をブンブンと振る犬に見えたのは何故だろう?見た目は山賊なのに・・・・。アーノも同じように感じたのか、クスクスと笑いながら、珍しくそっと私をザムの掌に置いてくれた。今日は魔力も体力もふんだんに使ったからぐったりなのだ。心配そうにザムが私を見ていたが、とにかく休憩したい私はザムの掌で丸まって目を閉じた。
なんか、パニックしてる?
「父上、申し訳ございません。私が至らぬばかりに・・・・」
悲壮感たっぷりに項垂れる、ざ・王子様。
「何があった?」
「メイマリアが、出奔致しました・・・・」
きつく拳を握り締めて、絞り出すように告げた。
メイマリアって?
出奔ってことは、家出?
「「「「なんでまた?」」」」
男たちの声が揃った。王太子殿下はビクッと肩を震わせて、声のする方に顔を向けた。そして、一瞬、しまったという顔を見せたが、取り繕うように表情を硬くしてすぐに王様に向き直った。
「えーと、その、メイマリア用の王宮の部屋に手紙が・・・・。自分に王妃は荷が重いと・・・・。シャーリー公爵家は関係ない、自分の我が儘で護衛騎士と逃げることを許してくれと・・・・」
あら、婚約者?棄てられたんだ。
うっわ、駆け落ちってやつか!
王様の顔色も総帥の顔色もザムの顔色もおかしい。真っ青だ。アーノだけは、笑いを堪えるように頬がひくひくしてる。私も笑い出しそうなのを強靭な腹筋で我慢してるけど、ひくひくするのは許してほしい。アーノは私をぷらーんからそっと掌に納めた。お互いに顔を見ると吹き出しそうだからだ。
私たちが笑いを堪えながらも思ったことはただひとつ。
大丈夫か?この国・・・・。
「王妃を、王妃を呼べ!!!シャーリー公爵もだ!!!箝口令を敷く!外へ漏らすな!!!」
王様の叫び声に、外で待機をしている侍従が走ったようだ。バタバタと喧騒が伝わってくる。
「ハァ。次から次へと、家同士の契約を何だと思ってるんだ、最近の若い者は。ああ、どうしたもんかなぁ」
憂いを含んだ王様の声に、周りからは溜め息が漏れる。王太子殿下は憔悴した様子を隠しもしない。メイマリア嬢を好きだとかいうよりも、棄てられたことに相当堪えているようだ。まだ、10代も半ばすぎの男の子だ。仕方ないのか?でも、王太子だよ?ぷぷっ。
「なー」
アーノ
こそっと小さな声でアーノを呼ぶ。アーノは視線だけをよこしてきた。
「にゃーにゃ、にゃにゃ。にゃにゃーん」
帰るならさ、置いてってよ。こんなに面白いこと、見逃せないよ。
アーノは呆れ顔で私にデコぴんをしてきた。手加減なしだ!
「びゃっ!ぶみ゛ゃー!」
痛っ!何すんのー!
「王妃様がお見えになりました」
「入れ」
疲れた声で王妃様の入室を促す。豪華な衣装に身を包んだ女性が優雅に入ってきた。30代半ばの子持ちには見えないけど、この人が王妃様ね。
「お呼びと伺いましたが?」
「此度のメイマリアのこと、聞き及んでいるか?」
王妃様は怪訝な顔をしている。
「本日は、王妃教育はお休みのはずですが、何かございましたか?」
まだ、王妃様の耳には入っていないようだ。
「メイマリアが出奔したそうだ。護衛騎士と共にな」
「!!!な、な・・・・メイヴがあんなことをしでかしたばかりだというのに・・・・ああ」
事態を把握した王妃様は、一瞬で青い顔になりふらふらと倒れかけたが、護衛の近衛騎士に支えられて椅子にようよう座られた。気絶してはいないけど、いつ倒れてもおかしくない。それくらい酷い状態だ。
「今、シャーリー公爵を呼び出している」
「陛下。私は深窓の魔女に用がありますので、失礼致します」
アーノは私をぷらーんの状態に戻すと、私のお願いを無視して、部屋から退出した。
「びゃっ!みやーーーん!みー」
置いてけ!これから面白いとこなのに!ザムー。
ザムに助けを求めるも、ザムは呆れ顔で私を見送り、王様は口許をピクピクさせていた。
数少ない楽しみがぁ~・・・・。
私を掌に納め、何処かに向かいながらアーノが話しかけてきた。
「貴女に用があると言ったでしょう?」
「???用があるのは深窓の魔女なんでしょ?」
「・・・・深窓の魔女とは貴女のことですよ?まさか、自分の通り名を知らないんですか?」
アーノは驚いてちょっと目を見開いている。
「・・・・」
知らない・・・・。
深窓の魔女。つまり、引きこもりの魔女と。
「深窓の魔女が知ってるわけないでしょ?」
「ああ、そこは分かるんですね」
妙なところで感心しないでいいよ。
「で、私に用って?」
「魅了の術が禁術の部類に入るのは知ってますね?」
コクン。
知ってる。
「今回は術ではありませんが、見つけてしまった以上封じる必要があります。見つけたのは・・・・」
じっと私を見るアーノに嫌な予感がする。
「フィリア、貴女です」
「意義あり!私は可能性を示唆しただけ。確認したのはアーノでしょ!」
「ええ。ですから、一時的に封印してきました。私は私の役目を果たしています。師匠は、自分の推測を私達に確認させた後、ご自分で処理なさっているでしょう?」
!!!
余計なこと言わなきゃよかった!
「ウグ・・・・。どうすればいいの?」
「今回は異例ですから、対応を師匠と他の魔女も交えて話し合ってきました。その結果、あの様子だと恐らく本人は拒否をするでしょうから、それと分からない封印の装飾品を一生身に付けさせることになりました。対象者の魔力を使って一度着けたら外れない首飾りを作ってください。それが貴女の仕事です。具体的な魅了の効果は師匠が解析中です。明日には判るでしょう」
「誰が渡すの?」
「そんなこと、決まってるじゃないですか。さあ、着きました。作業場所はここ。私の研究室。期限は明日。首飾りのデザインはこんな感じです。頑張って下さい」
それだけ言うとアーノはひとりで何処かへ行ってしまった。アーノは人の記憶を覗けるからこの首飾りのデザインも何か意味があるのだろう。なんと言っても下級貴族ちゃんは記憶持ちだ。私は、研究室と言われた離れの一軒家へと足を踏み入れた。扉は魔力認証付の自動扉。子ネコでも難なく入れる仕様だ。ここは、アーノの家。魔女は存在した瞬間に自分の家を与えられる。私の家は、魔女らしく大鍋で薬草をコトコトしているけど、アーノの家は、正しく研究室だ。魔方陣とか魔術式が散乱し、魔術具が所狭しと置かれている。
あー、薬草が恋しい。大鍋でコトコトしたい。
その中をポテポテと歩いて、お目当ての白龍の鱗と黒龍の鱗がある部屋までやって来た。アーノの家には時々来ては必要なものを分けてもらっていたから、勝手知ったる、だ。魔女は人にとっては貴重な素材をたくさん持っている。龍の鱗もそうだが、私たちは自然に剥がれ落ちるそれを本人から直接もらっているから人のような苦労はない。
それはともかく、お目当ての物を持って私はアーノの家の庭に出た。ここからが、私の力の見せ所だ。
庭に佇む子ネコ一匹。
黒龍と白龍の鱗を土に埋め、微動だにせず、地面を見つめ続けること半日以上。土の中に魔力を張り巡らせ、必要な鉱物を取り出し錬成するのだ。
ここがアーノの庭でなければ、私は不気味がられただろう。誰も来ないから集中できる。
「よし、出来た!」
何もない所からふわっと出現した繊細な首飾り。チョーカーに近いが、その細工は熟練の者にしか施せない複雑な編み込みがされ、散りばめられた色とりどりの宝石と龍の鱗はその繊細さを引き立たせていた。王家の秘宝と言われても遜色のない出来映えだ。
あとは、これをアーノの書斎に置いておけばいいかな?
「出来たようですね」
なんてタイミングのいい奴。
アーノは、ひょいと地面からその首飾りを取り上げると、重厚なケースにしまった。
「ねぇねぇ、あれからどうなったの?」
「さあ?団長が迎えに来てますよ。聞いてみたらどうですか?まだ、作って貰いたいものがありますから、明日迎えに行きます」
マメだな、二人とも。
「じゃあね」
私はアーノに連れられてアーノの家から出た。私を見つけたザムは嬉しそうに近づいてくる。その様子が、尻尾をブンブンと振る犬に見えたのは何故だろう?見た目は山賊なのに・・・・。アーノも同じように感じたのか、クスクスと笑いながら、珍しくそっと私をザムの掌に置いてくれた。今日は魔力も体力もふんだんに使ったからぐったりなのだ。心配そうにザムが私を見ていたが、とにかく休憩したい私はザムの掌で丸まって目を閉じた。
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