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1年生がやって来た
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2週間のお試し期間を経て、今年のカリキュラムが決まりました。私とレオナルド様は当初の予定通りです。その間、セアベルテナータ殿下と遭遇しては、通じない会話を繰り返し辟易としてきた頃、新たな厄介事がやって来る日になりました。
今日は1年生の入寮日。とうとうレオナルド様の従妹がやって来るのです。朝から続々と馬車が行き交い、一年生の寮は活気づいています。そんな中、レオナルド様の顔色は優れません。
「レオ。大丈夫ですよ。今日は入寮日ですし、外に出なければ会うことはないですよ?それに仮婚約者でなければ、男子棟には入れません。女子棟だって訪ねる相手の許可なく寮官も通すことありません」
「うん。分かってるんだよ?どうもあの時のことは、相当なトラウマになってるみたいだ。ロッテが側にいるからなんとか耐えられる」
レオナルド様は、朝から私の部屋でずっと私を膝に乗せて精神の安定を図っています。余程耐えがたい思いをしたのでしょう。こんなレオナルド様を密かに可愛いと思う私も大概ですね。
でも、明日から大丈夫でしょうか?
そして、翌日。朝も早くからレオナルド様が私の部屋にやって来ました。昨日から言われていたため慌てることはありませんが、寮官もビックリな時間です。まだ、食堂すら空いていません。今回は転移ではなく、正式な手続き、と言っても寮官に仮婚約者である証を見せ、呼び出された私がレオナルド様を部屋に招くため迎えに行っただけですが。
レオナルド様が予想していた通り、従妹の方は、寮が開くと同時にレオナルド様を訪ねていらっしゃいました。レオナルド様が私の部屋にいることを寮官は知っていますから、こちらに連絡があったわけですが、丁重にお断りいたしました。これが仮婚約者の強みでもあるわけです。つまり、仮婚約者と一緒にいる場合はそちらを優先させるべし!です。ですが、流石に今後も一切会わないということはできません。今も一時間おきに寮官に連絡をさせるくらいですから、そろそろ限界です。
「レオ。わたくしも一緒に行きますから、一度会っておきませんか?何時までもこのままというわけにはいきませんよ?」
「そうだよね。分かってるんだよ?」
「でしたら、結界を張っていきましょうか?そうすれば、ミランダ様はレオに触れることはできません」
「・・・・ロッテが張ってくれる?」
レオナルド様が分かりやすく甘えてきました。
「フフ。そのくらい構いませんよ」
「仕方ないから行くよ」
「ミリーとランスにも声をかけてみましょう?」
「うん」
甘えん坊のレオナルド様は、普段なかなか見られない分、なんだかこう、母性を擽られるというか。無意識に、私を膝に乗せて肩口に顔を埋めているレオナルド様の頭をふんわりと包んで「チュッ」としていました。
「フフ。ロッテからしてもらえるなんて凄いご褒美だ。私からもお返ししないとね?」
「ふえ」
肩口から少しだけ顔をこちらに向けたレオナルド様の初めて見る表情に意識がくらくらと飛びそうになりましたが、なんとか耐えました。これが色気というものでしょうか?「女神様みたいなロッテが悪い」と意味不明のことを言われながら、顔中に「チュッ」「チュッ」とされ、それだけではあきたらず、首やうなじ、耳にも執拗にペロペロとされて、抵抗も虚しく恥ずかしさのあまり、結局くたりと意識を飛ばしてしまいました。
「ごめん。やり過ぎた」
30分ほどで回復した私へのレオナルド様の第一声は謝罪でした。確かにやり過ぎです。いつの間にあんな色気を出すようになったのでしょうか?私、あんな色気、出せる気がしません。なんだか負けた気分です。
「接吻禁止にします!」
「それは、無理。一緒の部屋になるまでにもう少し慣れてもらわないとね?」
「へ?!・・・・部屋、別々にしておきませんか?」
「ん?ロッテ、何か言ったかな?」
目が、レオナルド様の目が、一瞬のうちに据わって、笑っているのにそこには有無を言わさぬ意思が宿っています。私を抱き締める力も強くなっています。拘束に近い強さです。どうやら私、地雷を踏んだ模様。
「な、何も、言っており、おりません。レオ、レオはな、何か聞こえたのですか?」
「いや、空耳だったみたいだ」
私に笑顔を向けてきますが、目の奥は・・・・。怖いです。
「ふ、ふえ」
泣きそうです。
「ああ。ロッテ、怖がらないで。私の側にいてくれるなら、閉じ込めたりなんてしないよ?」
レオナルド様、ヤンデレの素質があったのですね。知りませんでした。あ、あ、ああ!今は特に精神的に不安定でした。不用意な私の発言でレオナルド様の開けてはいけない扉を開けてしまうところでした。しっかりと閉めておかなければ、私の将来に関わります。レオナルド様の首に腕を回し、ぎゅっと抱きつきました。
よしよしと宥めるようにあやされ、半泣きの状態から漸く身体の力も抜けて頭をレオナルド様の肩に預けることができました。相当緊張していたようです。そして、お互いに落ち着いたタイミングで寮官から「何とかしてくれ!」と懇願されたのでした。
「ミランダ様のところに向かいましょう?」
「ハァ。そうだね」
私とレオナルド様は、隣のミリーナ様を訪ね、途中で呼びに来てくれるように頼みました。ちょうど、ランスロット様も一緒にいて、「おいおい・・・・」とちょっと呆れられましたが、談話室でお茶をする約束を取り付けました。
そして、1階へ降りると・・・・。
「レオ兄さ~まぁ♪」
レオナルド様がエントランスに姿を現した途端に、甘えた声を発しながら両手を広げて駆け寄ってくるひとりの女生徒がいます。その勢いのままレオナルド様に抱きつこうとして・・・・。
ビタン!
「グゲ」
私の張った結界に激突しまし、淑女とは言えない呻き声を漏らしました。
「痛ぁい。もう!何ですの、これは!レオ兄様とわたくしの仲を邪魔するつもりですわね!」
腰に片手をあて仁王立ちで、びしっ!と私の張った結界に指を向けてきました。フリフリの、そうゴスロリ系のワンピースを着て髪を耳の上でふたつ縛りにした残念な感じの美少女?に見える女の子が鼻とおでこを赤くして立っています。レオナルド様は、というと、私をぎゅっと抱き込んで青い顔を私の肩に埋めていました。ミランダ様との魔力相性にあてられたと言うよりはトラウマを刺激されたのでしょう。
「レオ。大丈夫ですか?」
「何とか?・・・・いや、無理かも?結界の中をロッテの魔力で満たせる?」
今にも倒れそうなレオナルド様のためにゆっくりと魔力を外に放出して結界の中を満たしました。それにしても、結界を越えてレオナルド様に影響を与えてしまうなんて恐るべし!最低相性!恐るべし!トラウマ!
「んもー!無視しないでくださいまし!そちらの方もわたくしのレオ兄様に抱きつくなんてどういうおつもりですの!」
レオナルド様が大きく一呼吸したのを確認して、顔色を見ると、先程より幾分良くなっています。とりあえず、ミランダ様のことは無視です。
「ああ。悪いねミランダ嬢。私に何か用でもあったかな?」
「まあ。何をおっしゃっているのですか?わたくしは仮婚約者のレオ兄様に入学のご挨拶に参ったのですわ」
「ん?私の仮婚約者はここにいるシャルロット嬢だよ。君とは親戚関係にあるだけだ。私たちも暇ではないから君の妄想に付き合っている時間はないんだよ?君も私などに構っていないで、この学園でしっかりと学ぶことをお薦めするよ」
「レオ兄様ったら、何の冗談ですの?そんな地味な女、レオ兄様には相応しくありませんわ。わたくしでしたらレオ兄様に恥などかかせませんのに」
既に恥さらしでは?
いえいえ、いけません。このようなこと考えては失礼でしたね。
「君にシャルロット嬢の魅力は分からないさ。挨拶は済んだでしょう?私たちは失礼するよ」
「待って!レオ兄様。相談し」
「レオ!そろそろいいか?」
絶妙なタイミングで談話室のある4階からランスロット様の声が降ってきました。
「ランスか。ああ。もう挨拶は終わったよ。今そっちにいく。ロッテ、行こうか?」
「はい」
踵を返した私たちはランスロット様とミリーナ様の待つ談話室へと向かいました。目の端に私に敵意むき出しの残念な少女がひとり。周りから呆れた視線を向けられていることにも気づかず、真っ赤な顔をして怒りを露にしています。そして、ドスドスと音が聞こえそうな歩き方で去っていきましたが、100年の恋も冷めそうな憤怒の顔って、女の子としてどうなんでしょう?
彼女がセアベルテナータ殿下の最高相性ならどれ程良かったか。全力で応援してあげるのに!
今日は1年生の入寮日。とうとうレオナルド様の従妹がやって来るのです。朝から続々と馬車が行き交い、一年生の寮は活気づいています。そんな中、レオナルド様の顔色は優れません。
「レオ。大丈夫ですよ。今日は入寮日ですし、外に出なければ会うことはないですよ?それに仮婚約者でなければ、男子棟には入れません。女子棟だって訪ねる相手の許可なく寮官も通すことありません」
「うん。分かってるんだよ?どうもあの時のことは、相当なトラウマになってるみたいだ。ロッテが側にいるからなんとか耐えられる」
レオナルド様は、朝から私の部屋でずっと私を膝に乗せて精神の安定を図っています。余程耐えがたい思いをしたのでしょう。こんなレオナルド様を密かに可愛いと思う私も大概ですね。
でも、明日から大丈夫でしょうか?
そして、翌日。朝も早くからレオナルド様が私の部屋にやって来ました。昨日から言われていたため慌てることはありませんが、寮官もビックリな時間です。まだ、食堂すら空いていません。今回は転移ではなく、正式な手続き、と言っても寮官に仮婚約者である証を見せ、呼び出された私がレオナルド様を部屋に招くため迎えに行っただけですが。
レオナルド様が予想していた通り、従妹の方は、寮が開くと同時にレオナルド様を訪ねていらっしゃいました。レオナルド様が私の部屋にいることを寮官は知っていますから、こちらに連絡があったわけですが、丁重にお断りいたしました。これが仮婚約者の強みでもあるわけです。つまり、仮婚約者と一緒にいる場合はそちらを優先させるべし!です。ですが、流石に今後も一切会わないということはできません。今も一時間おきに寮官に連絡をさせるくらいですから、そろそろ限界です。
「レオ。わたくしも一緒に行きますから、一度会っておきませんか?何時までもこのままというわけにはいきませんよ?」
「そうだよね。分かってるんだよ?」
「でしたら、結界を張っていきましょうか?そうすれば、ミランダ様はレオに触れることはできません」
「・・・・ロッテが張ってくれる?」
レオナルド様が分かりやすく甘えてきました。
「フフ。そのくらい構いませんよ」
「仕方ないから行くよ」
「ミリーとランスにも声をかけてみましょう?」
「うん」
甘えん坊のレオナルド様は、普段なかなか見られない分、なんだかこう、母性を擽られるというか。無意識に、私を膝に乗せて肩口に顔を埋めているレオナルド様の頭をふんわりと包んで「チュッ」としていました。
「フフ。ロッテからしてもらえるなんて凄いご褒美だ。私からもお返ししないとね?」
「ふえ」
肩口から少しだけ顔をこちらに向けたレオナルド様の初めて見る表情に意識がくらくらと飛びそうになりましたが、なんとか耐えました。これが色気というものでしょうか?「女神様みたいなロッテが悪い」と意味不明のことを言われながら、顔中に「チュッ」「チュッ」とされ、それだけではあきたらず、首やうなじ、耳にも執拗にペロペロとされて、抵抗も虚しく恥ずかしさのあまり、結局くたりと意識を飛ばしてしまいました。
「ごめん。やり過ぎた」
30分ほどで回復した私へのレオナルド様の第一声は謝罪でした。確かにやり過ぎです。いつの間にあんな色気を出すようになったのでしょうか?私、あんな色気、出せる気がしません。なんだか負けた気分です。
「接吻禁止にします!」
「それは、無理。一緒の部屋になるまでにもう少し慣れてもらわないとね?」
「へ?!・・・・部屋、別々にしておきませんか?」
「ん?ロッテ、何か言ったかな?」
目が、レオナルド様の目が、一瞬のうちに据わって、笑っているのにそこには有無を言わさぬ意思が宿っています。私を抱き締める力も強くなっています。拘束に近い強さです。どうやら私、地雷を踏んだ模様。
「な、何も、言っており、おりません。レオ、レオはな、何か聞こえたのですか?」
「いや、空耳だったみたいだ」
私に笑顔を向けてきますが、目の奥は・・・・。怖いです。
「ふ、ふえ」
泣きそうです。
「ああ。ロッテ、怖がらないで。私の側にいてくれるなら、閉じ込めたりなんてしないよ?」
レオナルド様、ヤンデレの素質があったのですね。知りませんでした。あ、あ、ああ!今は特に精神的に不安定でした。不用意な私の発言でレオナルド様の開けてはいけない扉を開けてしまうところでした。しっかりと閉めておかなければ、私の将来に関わります。レオナルド様の首に腕を回し、ぎゅっと抱きつきました。
よしよしと宥めるようにあやされ、半泣きの状態から漸く身体の力も抜けて頭をレオナルド様の肩に預けることができました。相当緊張していたようです。そして、お互いに落ち着いたタイミングで寮官から「何とかしてくれ!」と懇願されたのでした。
「ミランダ様のところに向かいましょう?」
「ハァ。そうだね」
私とレオナルド様は、隣のミリーナ様を訪ね、途中で呼びに来てくれるように頼みました。ちょうど、ランスロット様も一緒にいて、「おいおい・・・・」とちょっと呆れられましたが、談話室でお茶をする約束を取り付けました。
そして、1階へ降りると・・・・。
「レオ兄さ~まぁ♪」
レオナルド様がエントランスに姿を現した途端に、甘えた声を発しながら両手を広げて駆け寄ってくるひとりの女生徒がいます。その勢いのままレオナルド様に抱きつこうとして・・・・。
ビタン!
「グゲ」
私の張った結界に激突しまし、淑女とは言えない呻き声を漏らしました。
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「レオ。大丈夫ですか?」
「何とか?・・・・いや、無理かも?結界の中をロッテの魔力で満たせる?」
今にも倒れそうなレオナルド様のためにゆっくりと魔力を外に放出して結界の中を満たしました。それにしても、結界を越えてレオナルド様に影響を与えてしまうなんて恐るべし!最低相性!恐るべし!トラウマ!
「んもー!無視しないでくださいまし!そちらの方もわたくしのレオ兄様に抱きつくなんてどういうおつもりですの!」
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「レオ兄様ったら、何の冗談ですの?そんな地味な女、レオ兄様には相応しくありませんわ。わたくしでしたらレオ兄様に恥などかかせませんのに」
既に恥さらしでは?
いえいえ、いけません。このようなこと考えては失礼でしたね。
「君にシャルロット嬢の魅力は分からないさ。挨拶は済んだでしょう?私たちは失礼するよ」
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「レオ!そろそろいいか?」
絶妙なタイミングで談話室のある4階からランスロット様の声が降ってきました。
「ランスか。ああ。もう挨拶は終わったよ。今そっちにいく。ロッテ、行こうか?」
「はい」
踵を返した私たちはランスロット様とミリーナ様の待つ談話室へと向かいました。目の端に私に敵意むき出しの残念な少女がひとり。周りから呆れた視線を向けられていることにも気づかず、真っ赤な顔をして怒りを露にしています。そして、ドスドスと音が聞こえそうな歩き方で去っていきましたが、100年の恋も冷めそうな憤怒の顔って、女の子としてどうなんでしょう?
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