ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子

文字の大きさ
38 / 45

不測の事態、発生しました

しおりを挟む
翌日は早朝からトバナイチョウを仕留めに向かいます。ちなみに朝食はコッコのつくね、トマトスープ、山芋のスライスとタマネギの炒め物、温野菜。お昼はハンバーガーにチップス、蒸かしたジャガイモとトウモロコシ、オニオンスープです。



「どう?ランス」

レオナルド様が索敵しているランスロット様に尋ねました。

「巣まではあと5分くらいか。3体は巣の外にいる。中には5、いや7だな」

「うん。完璧。巣の中には子供のトバナイチョウがいるみたいだ。できれば、外のだけで課題分取れるといいんだけど」

「だな。子供いると警戒心も攻撃力も上がるんだよなぁ」

「巣立ち直前みたいだし、卵を抱えてるよりはマシだろ?」

「そうだな。よし!殺るか!ロッテは巣の中のトバナイチョウが出てこないようにして。その後は、ミリーのサポートを頼む」

「分かりました」

「レオはこっちに向かってきてるゴールドベアの群れを頼む。20体だから一瞬だろ?」

「了解」

「俺とミリーは外にいるトバナイチョウの首を飛ばすぞ」

「分かりましたわ」

「GO!」

私は、巣の入り口に結界を張り、トバナイチョウを閉じ込めました。そして、ミリーの元に移動し、首を跳ねやすくするためにトバナイチョウを追い込みます。ミリーは危なげなくトバナイチョウを仕留めました。私はすぐさまそれを解体し、その肉と羽毛を回収します。課題分になれば余計な殺生は必要ありません。トバナイチョウはそれほど好戦的な魔獣ではないからです。森の魔力の濃い場所に巣を作り、魔法攻撃に耐性があるため、討伐し辛いとされているだけです。

「ロッテ。どんな感じ?」

ゴールドベアを解体しているレオナルド様がトバナイチョウの獲れ高を尋ねてきました。

「わたくしは肉が1.5Kgと羽毛が200gくらいかしら?」

「俺のところに肉が2Kgと羽毛が150gはあるぞ」

「わたくしのところで肉が2Kgと羽毛が200gはありますわ」

「よし!課題終了!レオ、ゴールドベアはどうした?」

「毛皮と魔石を取って、肉はマジックバッグだよ」

「じゃ、戻ろうぜ」

課題を達成した私たちは寄り道することなく明日の早朝から学園に帰るという選択をしました。これが、間違いだったのかもしれません。帰る道すがらにもこの先調薬で必要になる薬草や魔道具作りに役立ちそうな素材を集めていきます。魔獣もちらほらと出てきますが、ランスロット様とミリーナ様が嬉々として狩っていますからお任せです。のんびりと戻ってきた割には、今朝出発した野営地に日が沈むより大分早く着いてしまいました。明日のことも考えて今日は早めに就寝です。





翌日は陽が昇るとすぐに出発し、表層域にはお茶の時間くらいには辿り着きました。

「さて、ここからは別の意味で気を抜けないよ」

「隠密で行動しますか?」

「いや、それはふたりの負担が大きいからな。森を抜けるまでは索敵で避けていく。あいつらは今頃どの辺りだろうな?近くに反応はないが・・・・」

ランスロット様はそう言うと、顔を別の方へと向けました。

「よう!レオにランス。もう戻ってきたのか?」

どうやら、ドミニク様たちのパーティーに気付いていたようです。

「ミリーもロッテも無事で良かったですわ。もう帰りますの?」

「ああ。見つかる前にな」

「お前たちも大変だな」

エドガー様たちから同情の眼差しを頂いてしまいました。レオナルド様はドミニク様とキャロライン様から何か情報を得たようです。

「レオ、何か分かりまし・・・・」

グオオオオオオオオオオ!!!

突然、魔獣の咆哮が森に響き渡しました。そして、ブワン!!!ブワン!!!ブワン!!!と立っていられないほどの風が巻き起こります。

「全員、待避!!!」

お兄様の声に、呆気にとられていた私たちは正気を取り戻し、すぐさまその場から離れようとしましたが、風の勢いがありすぎて立っているのがやっとです。そうして耐えていると、咆哮の主が姿を現しました。

「ブローバード・・・・」

ブローバードとは、鳥型の魔獣の中で頂点に近くに位置する最も危険な魔獣のひとつです。この森の奥深く深層域よりもさらに深いところにいるとされていますが、今まで見た者はいなかったはずです。

「なんでこんなところに・・・・?」

ブローバードは、目敏く私たちを見つけたようです。明らかにこちらに向かってきました。全員の顔色が青から白に変わっていきます。誰もブローバードから目を離すことはしません。あれと戦えそうなのは、私とレオナルド様、お兄様、魔法師がひとりと第6騎士隊の騎士3人。ランスロット様とミリーナ様は戦いたいと言いそうです。護衛のお姉様たちにはドミニク様たちの護衛を担ってもらうことになりそうです。

「これと戦えるやつは?」

第6騎士隊のひとりが冷静に尋ねてきました。思っていた通りレオナルド様とお兄様、魔法師の方、第6部隊のふたりとランスロット様とミリーナ様が名乗り出ました。もちろん私もです。

「よし。他のやつらは戦闘が始まる前に速やかに撤退。アレク!このふたりどのくらい使える?」

お兄様に私とレオナルド様の戦闘能力を確認しています。その人は、なんと第6部隊の隊長さんでした。ランスロット様とミリーナ様の戦闘力は把握しているようです。

「ロッテとレオは第6部隊と同じ扱いでいい」

「妥当な評価だ。よし、作戦を伝える!」

こうして私たちは、野外実習なのにブローバードを討伐することになったのです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

治療係ですが、公爵令息様がものすごく懐いて困る~私、男装しているだけで、女性です!~

百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!? 男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!? ※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。

異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない

紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。 完結済み。全19話。 毎日00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ? 

【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。 そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。 婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。 ・・・だったら、婚約解消すれば良くない? それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。 結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。 「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」 これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。 そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。 ※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。 ※本編完結しました。 ※後日談を更新中です。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。 ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。 そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。 「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。 冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。 皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。 小説家になろう、カクヨムでも連載中です。

処理中です...