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24【食事の時間】※R18
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暗闇にいるせいで、どれほどの時間が経ったのか、定かではない。靴音と明かりが迫ってきて、壁掛けに松明の火が灯されると、ゾルターンの姿が浮かび上がった。
食事の時間だ。野菜を煮込んだ汁の匂いがする。
暗闇にいると、音や匂いに敏感になる。肌への感触も。
霞がかった視界から少しずつ明かりに慣れてくると、頭巾の下のゾルターンの顔がはっきりした。手を伸ばして、ルカーシュの身体に触れてくる。払おうとするも枷が邪魔をする。
「無駄なことをしますね」
苦笑混じりに言うと、無理矢理に身体を起こされた。
「さあ、食べてください」
寝台に置かれた木製の皿。
最初の頃は木の匙を使って口元まで持ってきていた。ルカーシュが激しく抵抗して、飲ませられないと気づいたのか、今では顎を掴まれて、強引に流し込もうとする。
「熱くはないはずです。わざわざ冷ましてあげましたからね」
皿を斜めにすると、自分の意思とは関係なく、汁が口に入ってくる。恐ろしいのは口が満杯になった時だ。
「飲み込んで」
耳障りな優しい声で囁くと、ゾルターンはルカーシュの唇を塞いだ。こうやって酸欠になる前に、汁を飲ませるのだ。目尻から涙が流れる。なめくじが唇を這う感触がし、強く押し当てられた。ゾルターンの匂いが鼻を通っていく。
ルカーシュは汁を飲み込んだ。抗えない自分を殴りたくなる。地獄は終わらなかった。
口の中にゾルターンの分厚い舌が入り込んでくる。ルカーシュは目の前の胸板を両拳で叩くが、びくともしない。むしろ、抵抗を奪うように背中に腕を回されて、身体が密着した。胸の前に突き出した両手分しか距離がない。
「はっ、ルカーシュ」
合間に名前を呼ばれて、背中に悪寒が走った。もはや、ゾルターンはルカーシュにとって、かつての仲間ではなく、嫌悪の対象になっていた。肌に触れる指も、腰を抱き寄せる腕も、ルカーシュの顔中に押し当ててくる唇も、すべてが気持ち悪い。
今日に限っては、ルカーシュの腿に硬い雄が擦り付けられた。悲鳴を上げたくなるが、唇はまた強引に塞がれる。目尻から涙が溢れた。何度もとめどなく流れて、ルカーシュの視界を滲ませた。
「可愛い、ルカーシュ。あなたを明るい中で抱きたい。早く私の手の中に墜ちてください」
この地下室から出る時には、ゾルターンに抱かれる。それは想像するにもおぞましく、ただの恐怖でしかなかった。
◆
ゾルターンが来るまで、壁がある方に身体を向けて、とにかく目を閉じる。眠ることはなかったし、いつでもシモンがルカーシュの頭の中を占めていた。見えない分、明かりがない方がいいのではと思うようになっていた。
明かりは希望ではない。ゾルターンの来訪を告げる。靴音が近づいてくるのは、時間制限を表しているかのようだ。
毎回、やってきては、汁を飲ませる。口づけをする。飲み下したのを確かめてから、奥にまで舌を入れる。その流れは変わらない。
それでも少しずつ変わってきていることもある。口づけの時間がどんどん長くなっていることだ。それに、股間を擦り付けられて、寝台に押し倒される。
今日も顔中に唇を押し当てられるが、ルカーシュは反応しなかった。生温い息が耳にかかる。
「我慢がきかなくなりそうだ」
不吉な囁きに鳥肌が立ってくる。
ルカーシュが身体に身につけているのは、薄い生地でできた頼りない衣服である。女性用なのか、袖はなく、腰に巻きつけるかたちの肌着のようだ。ゾルターンが着替えさせる時に「破いてしまいそうです」と言っていたのには震え上がった。そういう気を起こすという可能性が怖かった。
鎖は外されて、蛇のように床に滑り落ちる。
薄手の布の上をゾルターンの手が這っていく。背中や腰となぞっていき、その指は尻を撫でた。身体が強張るのを感じた。悲鳴を上げそうになり、ひくっと喉を閉じる。
尻の割れ目を戯れのように撫でられた。嫌で仕方なく身じろぐが、ゾルターンの身体が体重で押さえつけてくる。何せ、ゾルターンは、おのれの雄をルカーシュの腿に擦り付けている。ここで、ルカーシュが動くと、服ごしでも雄を擦り上げる結果になった。
それに味をしめたのか、ゾルターンはルカーシュの服の裾をたくし上げた。
「い、やだ!」
足をばたつかせて抵抗するが、ゾルターンの手が押さえつけてくる。固く閉じた足の間に、おのれの雄を挟み込むと、腰を揺らしはじめた。
「んっ、ふうっ、ルカーシュ、いいよ」
ルカーシュの太腿を掴みながら、前後に腰を振っている。その度に寝台は軋む。
ルカーシュの心は冷え切って、恐怖で縮こまっているのに気にした様子はない。ひたすら内腿に熱い雄が擦り付けられて、気持ち悪かった。おのれの快楽のために身体を犯し続ける男が、ルカーシュはただひたすらに憎かった。
「ああ! 最高だ! ルカーシュ! ルカーシュっ!」
最後に激しく腰を揺らし、頂点に上ろうとしているのがわかった。限界を迎えたのか、ゾルターンは雄の先端をルカーシュの腹部に向けた。鈴口から勢いよく吐き出すと、白濁液で汚した。
終わりかと思いきや、ゾルターンの雄はまた起き上がっていた。
「今度はうつ伏せで犯そうか」
ルカーシュは身体を投げ出したまま、人形のように横たわっていた。うつ伏せにされようが、白濁液を全身に浴びようが、何の感情も起こさないと決めた。
「そのうち、ここを使いますからね」
むき出しの尻穴に指を埋められた。異物感しかなく、顔を歪めていたとしてもゾルターンは気にしないようだった。ルカーシュの頬や項を舐め回すと、またしても自慰を始めた。
食事の時間だ。野菜を煮込んだ汁の匂いがする。
暗闇にいると、音や匂いに敏感になる。肌への感触も。
霞がかった視界から少しずつ明かりに慣れてくると、頭巾の下のゾルターンの顔がはっきりした。手を伸ばして、ルカーシュの身体に触れてくる。払おうとするも枷が邪魔をする。
「無駄なことをしますね」
苦笑混じりに言うと、無理矢理に身体を起こされた。
「さあ、食べてください」
寝台に置かれた木製の皿。
最初の頃は木の匙を使って口元まで持ってきていた。ルカーシュが激しく抵抗して、飲ませられないと気づいたのか、今では顎を掴まれて、強引に流し込もうとする。
「熱くはないはずです。わざわざ冷ましてあげましたからね」
皿を斜めにすると、自分の意思とは関係なく、汁が口に入ってくる。恐ろしいのは口が満杯になった時だ。
「飲み込んで」
耳障りな優しい声で囁くと、ゾルターンはルカーシュの唇を塞いだ。こうやって酸欠になる前に、汁を飲ませるのだ。目尻から涙が流れる。なめくじが唇を這う感触がし、強く押し当てられた。ゾルターンの匂いが鼻を通っていく。
ルカーシュは汁を飲み込んだ。抗えない自分を殴りたくなる。地獄は終わらなかった。
口の中にゾルターンの分厚い舌が入り込んでくる。ルカーシュは目の前の胸板を両拳で叩くが、びくともしない。むしろ、抵抗を奪うように背中に腕を回されて、身体が密着した。胸の前に突き出した両手分しか距離がない。
「はっ、ルカーシュ」
合間に名前を呼ばれて、背中に悪寒が走った。もはや、ゾルターンはルカーシュにとって、かつての仲間ではなく、嫌悪の対象になっていた。肌に触れる指も、腰を抱き寄せる腕も、ルカーシュの顔中に押し当ててくる唇も、すべてが気持ち悪い。
今日に限っては、ルカーシュの腿に硬い雄が擦り付けられた。悲鳴を上げたくなるが、唇はまた強引に塞がれる。目尻から涙が溢れた。何度もとめどなく流れて、ルカーシュの視界を滲ませた。
「可愛い、ルカーシュ。あなたを明るい中で抱きたい。早く私の手の中に墜ちてください」
この地下室から出る時には、ゾルターンに抱かれる。それは想像するにもおぞましく、ただの恐怖でしかなかった。
◆
ゾルターンが来るまで、壁がある方に身体を向けて、とにかく目を閉じる。眠ることはなかったし、いつでもシモンがルカーシュの頭の中を占めていた。見えない分、明かりがない方がいいのではと思うようになっていた。
明かりは希望ではない。ゾルターンの来訪を告げる。靴音が近づいてくるのは、時間制限を表しているかのようだ。
毎回、やってきては、汁を飲ませる。口づけをする。飲み下したのを確かめてから、奥にまで舌を入れる。その流れは変わらない。
それでも少しずつ変わってきていることもある。口づけの時間がどんどん長くなっていることだ。それに、股間を擦り付けられて、寝台に押し倒される。
今日も顔中に唇を押し当てられるが、ルカーシュは反応しなかった。生温い息が耳にかかる。
「我慢がきかなくなりそうだ」
不吉な囁きに鳥肌が立ってくる。
ルカーシュが身体に身につけているのは、薄い生地でできた頼りない衣服である。女性用なのか、袖はなく、腰に巻きつけるかたちの肌着のようだ。ゾルターンが着替えさせる時に「破いてしまいそうです」と言っていたのには震え上がった。そういう気を起こすという可能性が怖かった。
鎖は外されて、蛇のように床に滑り落ちる。
薄手の布の上をゾルターンの手が這っていく。背中や腰となぞっていき、その指は尻を撫でた。身体が強張るのを感じた。悲鳴を上げそうになり、ひくっと喉を閉じる。
尻の割れ目を戯れのように撫でられた。嫌で仕方なく身じろぐが、ゾルターンの身体が体重で押さえつけてくる。何せ、ゾルターンは、おのれの雄をルカーシュの腿に擦り付けている。ここで、ルカーシュが動くと、服ごしでも雄を擦り上げる結果になった。
それに味をしめたのか、ゾルターンはルカーシュの服の裾をたくし上げた。
「い、やだ!」
足をばたつかせて抵抗するが、ゾルターンの手が押さえつけてくる。固く閉じた足の間に、おのれの雄を挟み込むと、腰を揺らしはじめた。
「んっ、ふうっ、ルカーシュ、いいよ」
ルカーシュの太腿を掴みながら、前後に腰を振っている。その度に寝台は軋む。
ルカーシュの心は冷え切って、恐怖で縮こまっているのに気にした様子はない。ひたすら内腿に熱い雄が擦り付けられて、気持ち悪かった。おのれの快楽のために身体を犯し続ける男が、ルカーシュはただひたすらに憎かった。
「ああ! 最高だ! ルカーシュ! ルカーシュっ!」
最後に激しく腰を揺らし、頂点に上ろうとしているのがわかった。限界を迎えたのか、ゾルターンは雄の先端をルカーシュの腹部に向けた。鈴口から勢いよく吐き出すと、白濁液で汚した。
終わりかと思いきや、ゾルターンの雄はまた起き上がっていた。
「今度はうつ伏せで犯そうか」
ルカーシュは身体を投げ出したまま、人形のように横たわっていた。うつ伏せにされようが、白濁液を全身に浴びようが、何の感情も起こさないと決めた。
「そのうち、ここを使いますからね」
むき出しの尻穴に指を埋められた。異物感しかなく、顔を歪めていたとしてもゾルターンは気にしないようだった。ルカーシュの頬や項を舐め回すと、またしても自慰を始めた。
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