魔界を追放された俺が人間と異種族パーティを組んで復讐したら世界の禁忌に触れちゃう話〜魔族と人間、二つの種族を繋ぐ真実〜

真星 紗夜(毎日投稿)

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04.共闘!異種族パーティ。

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「そろそろ暗くなってきたな。よし!作戦開始だ!
 ミズナ、昨日の黒い布借りるぞ。」

「分かったのよ!
 けどそれはただの毛布だから、帰ってきたら専用のマントを仕立ててあげるのよ!」

「本当か⁉︎ミズナが作ってくれるマント、楽しみだ。」

 俺は毛布を羽織った。
 フワリといい匂いが香った。
 これ、ミズナが普段使ってる毛布だったのか。

 って!また変な妄想したらバレちまうっ!

 心を落ち着けて俺は作戦の説明に入る。

「まず、ユータンはテイクアウトを頼む。三人前だ。
 ヒルクは天窓が見える席で普通に食事を楽しんでくれ。
 ミズナはゼニーと手紙をレジに置く役割だ。」

「「了解!」」
 
「決め手に店の照明を落とすから、ミズナはなるべく暗めの服装に着替えてくれ。
 以上、細かい指令は現場で伝える。」

「じゃあアタシ、黒いコートに着替えてくるのよ!」

 ミズナは自室へ急ぐと、すぐに着替えて戻ってきた。
 ...やはり早業だ。
 にしても、黒いコートに身を包むミズナも可愛い。

「にしても、黒いコートに身を包むミズナも可愛い。」

「って!おいっ!ヒルク!
 俺の心の中を読み上げるなよっ!」

「悪い悪い!ちょっと面白くてな!ムハハハ!」

 緊張が一気にほぐれた。
 ヒルクのこういうノリは嫌いじゃない。

「よし!出発だ!」

「「おー!」」

・・・・・・・・・・・・・・・

 俺はレストランの屋上に登り、天窓から中を見る。
 予想に反してガラガラで、厨房もウェイトレスも暇そうだ。
 
 野外ブレーカーを確認すると、偵察の時は空いていたのに今は閉じている。ガッチリ鍵まで。

 仕方ない。作戦は変更だ。
 

 まずはヒルクに入店させ、指定の席に座らせた。

(ヒルク、スープを頼むんだ。
 キャロットは柔らかく煮込むよう言ってくれ。
 その後、水を一気飲みだ。)

 ヒルクは案外マジメに注文をしてくれている。
 ...が、余計な注文も付け加えた。

「...それとお姉さんのスマイル一つ。特盛で♡」
 
 やり切った感を出しつつ、天窓へOKサインを出すヒルク。ニコニコだ。
 おいおい、遊びじゃないんだぞ...。ったく。

 
 次にユータンをレジに並ばせる。

(ユータン、キャロット硬めのスープを二人前テイクアウトだ。二人前だぞ。
 その後は窓側のウェイトレスの注意を引いてくれ。)

 ユータンは了解の合図をしなかったが、指示通り動いてくれた。
 絶対にボロを出したくない性格のようだな。
 

(最後にミズナも入店だ。
 キャロット抜きのスープをテイクアウトしてくれ。
 もう一人のウェイトレスがヒルクの水を注ぎに行く時に、コインをレジ側に落とすんだ。
 その隙にバッチリ決めてくれ!)

 天窓に向かってウインクするミズナ。
 おちゃめなところが可愛い。
 
 予定通りとはいかなかったが、なんとか成功した。
 
 レストランの裏でみんなと合流し、ミズナの家に帰った。
 
・・・・・・・・・・・・・・・

 テイクアウトしたスープをヒルク以外の三人でいただく。
 
「アタシせっかく黒いコート着て行ったのに暗くならなかったのよ~!」

「すまないミズナ。事情が変わって照明を落とせなくなったんだ。」

「けどやっぱりコウは凄いのよ!
 これならゴブリンとも臨機応変に戦えそうなのよ!」

「そうさねぇ!明日からのゴブリン狩りが楽しみになってきたねぇ!」

 スープを食べながら盛り上がる三人を尻目にヒルクが寂しそうに言う。

「俺もみんなと一緒に食べたかったぜ...。」

「それはすまなかったが、ヒルクだけ柔らか~いキャロットを食べたんだぞ。」

 それを聞くと、ミズナが自分のスプーンでキャロットを二つ分けてくれた。
 キャロット抜きスープは俺のだった。

「硬いキャロットも意外と美味しいのよ!」

 こ、これは間接キ...ス...。
 いかん!また変な事を考えそうになったが、素直にミズナの優しさを受け取った。

「ウチ、久しぶりにキャロットスープ食べたさねぇ!
 やっぱりウマかったねぇ!」

「ふ~!美味しかった!アタシお腹いっぱいなのよ!
 それじゃ、コウのマント仕立ててくるね!」

 
 みんな食べ終わったようだな。
 食い逃げした時も思ったが、人間界の食べ物は本当に美味しい。

「「ごちそうさまでしたっ!」」

 片付けを終えると、俺はユータンとヒルクにこれまでの戦闘経験を聞いた。
 今回把握したみんなの性格に加えて力量も知っておかねば、対ゴブリンの戦術を立てる事は難しいからだ。

「なぁ、二人は力自慢って話をしてたが、実戦の経験はあるのか?」

「実戦はないけど、ウチら双子は魔族とゴブリンに対抗するために設立された養成学校で、トップの成績だったのさ!」

「そうなんだぜ!最終試験はタッグ戦だったんだが、俺らは歴代で初の無敗優勝をしたんだぜ!」

「そんな腕前なら二人には正規兵のスカウトが来るだろ?」

「スカウトはもちろん来たさね!
 だけど、その時期にミズナが家出するって話になってね。
 しかも、ゴブリン研究を一人でやるなんて、放っておけなかったのさ。」

「あと、俺が聞いた話だとよ、実際のところ軍はゴブリンを追い返すくらいの戦闘しかしないんだぜ...。
 だから俺らは母ちゃんの仇討ちのためにも、軍には入らない決断をしたんだ...。」

「そういう事だったのか...。」

 それから俺は双子の得意戦術や欠点など、聞けることはなんでも聞いた。

 ひとまず聞き出したところで、双子が帰る準備を始めた。
 
「相棒!今日はありがとうな!楽しい共闘だったぜ!なぁ姉貴。」

「ああ!コウの能力はゴブリン狩りでも大活躍だろうねぇ!
 じゃ、また明日。楽しみにしてるさね!」

 双子はなんだかんだ仲良く帰っていく。

 ミズナがマントを仕立てる音を聞きながら、俺はベッドで明日の作戦を考えていると、いつの間にか寝落ちしてしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・

 コンコンッ!

 翌朝、玄関のノックで俺は目が覚める。
 きっとあの双子だな。

 寝起きの俺はリビングへと向かおうとするが、
 聞いたことのない声が聞こえて、慌てて引き返す。

「おはよう御座います。
 国王から新たな情報が出されましたので、お知らせに参りました。
 詳しくはこちらの紙をご覧ください。失礼します。」

 きっと、昨日双子が言っていた軍の兵士だろう。
 何か民へ向けた情報を伝えに来たのだ。

「ご苦労様で~す!」

 ミズナが紙を受け取り、目を通し始めた。
 俺は気になってミズナに声をかけた。

「おはよ。その紙、何が書いてあるんだ?」

 ミズナは真剣な表情で読んでいて、俺には気づかない様子だ。
 
 すると、玄関が勢いよく開いた。
 俺は驚いて二階に戻ったが、入ってきたのはユータンだった。

「ミズナ!今朝の見たかい⁉︎」
 
「今読んだところなのよ...!」

「国王の命で、今日からゴブリンの討伐が禁止って、どういうことなんだい⁉︎」

「分からないのよ...。なんでこんなタイミングで...。」

 ミズナとユータンが真剣な表情で話している。
 俺はその中に混ざれそうになかったので、見守る事にする。
 
「もっと分からないのは、ゴブリンなんて誰も倒そうとしてないはずなのに、何でこんな命令が出るのかなのよ。」

「それもそうさね...。」
 
「おそらくゴブリンが殺されたらマズい事情が国王にはあるのよ。」

「それに、一番下の見たかい? 
 人間界に魔族が一体潜伏してるって!
 しかも懸賞金百億ゼニー!」

 階段から会話を盗み聞きしてしまった。
 
 確かミズナは研究費が足りないって言ってたし、
 俺、国王に差し出されるんじゃないか⁉︎

 魔界でパーティーメンバーに裏切られた気持ちがフラッシュバックした。
 俺はこの家から逃げる事を決断した。
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