魔界を追放された俺が人間と異種族パーティを組んで復讐したら世界の禁忌に触れちゃう話〜魔族と人間、二つの種族を繋ぐ真実〜

真星 紗夜(毎日投稿)

文字の大きさ
11 / 26

11.新たなメンバーは母さん⁉︎

しおりを挟む

 無慈悲にも国王の宮殿を追い出された俺たち。
 いや、本当は無慈悲とは正反対の感情から国王は俺たちを突き放したのだろう。
 偉大なる国王の真の姿は、きっと不器用な父親なのだ。

「母さん、俺たち今からミズナの家に戻ってからゴブリン捕獲、いや討伐に行くんだけど、本当についてきてくれるのか?」

「あの場では国王にそう言ったけど、みんながダメって言うなら、お母さんは個人で動くつもりですよ。
 それに、コウもお母さんと一緒じゃ恥ずかしいでしょ?ふふ。」

「バカ!そんな歳じゃねぇって!」

「アタシたちはコウのお母さんにも、是非とも協力して欲しいって思っているのよ!
 ね!ヒルク!ユータン!」

「そうだぜ!パーティに魔族が二人もいればゴブリンなんか相手じゃないぜ!」

「逆にウチらが足引っ張んないように頑張らなきゃだねぇ!
 しかも、これからは自分らの手でゴブリンの息の根を止められるんだ。
 ますます気合いが入ってきたさね!」

「頼もしくてユニークな仲間を持ったわね。コウ。
 じゃあ改めまして、私はコウの母のサヤカよ。あまり気を遣わないで接してくれると嬉しいわ~。
 それと、いつもウチの息子と仲良くしてくれてありがとうね~!」

「あ!アタシたちも自己紹介しなきゃなのよ!
 アタシはゴブリンの研究をしてるミズナ!
 けど、戦闘ではあんまり役に立たないのよ...。」

「ウチはユータン!
 戦闘では愛用のソードでの近距離戦が得意さね!」

「俺はヒルク!パーティ最強の盾だ!
 お美しいサヤカ様を守るためなら、どんな攻撃だって受け止めてやるぜ!」

「あらあら、お美しいなんて!
 私もうオバさんよ~?ふふ。」

 ユータンがヒルクの頭にチョップする。

「ちょっとバカ弟、アンタもしかしてサヤカさんの事、誘惑しようとしてるわけぇ?」

 おいおい、ヒルクが俺の新しい父親なんて展開は勘弁してくれよ...。

「弟...?もしかしてユータンちゃんとヒルク君は姉弟なのかしら?」
 
「あぁ、言い忘れたけど、ウチらこう見えて双子なんさ!」

「あらあらそうだったの!最初見た時からそっくりだなぁって見てたわよ。ふふ。」
 
「ウチをこんなアホ弟と一緒にしないでくださいよ...。
 そういえば、サヤカさんは魔力を使えるのかい?」

「もちろん使えるけど、その聞き方、もしかしてコウは使えないの?」

「ああ。俺は他の魔族やゴブリンみたいに熱波を放出する事はできない...。
 だが、何故か逆に冷気なら放出できるようになったんだ。」

「そうだったの...。ごめんねコウ、きっとそれは私のミスよ。
 私は研究者だったけどドジだから、きっとコウの注射をする時に、本当は動脈に注射するところを、間違えて静脈にしてしまったかもしれない。
 それじゃきっと、能力の発現も遅かったんじゃない?
 千年間、それが気になって眠りが浅かったわ...。」

「オイィぃぃ!!研究者×ドジっ子って一番アカンやろっ!!
 ってか、眠りが浅いとかそういう次元の話じゃねぇだろォォォ!!」

 俺の母さんは明るくて強くて、たまに冗談を言う人みたいだ。
 まるでどこかのリケジョちゃんみたいだな。
 と言うか、リケジョはみんなこうなのか?

「なんだかコウが楽しそうで、アタシ嬉しいのよ!」

 ミズナもニコニコしている。

 新しいパーティメンバー(母親)が加わって、今まで以上に活気が溢れていた。
 お互いの事をたくさん話し合った。
 まるでクラスに転校生が来た時みたいな、そんな感じだ。

 ...テンコーセー?なんだっけそれ。

 俺たちはミズナの家へ向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・

「ふぅ。やっと着いたのよ~!」

「ここがミズナちゃんのお家?立派じゃない!
 コウと二人で住んでるのよね?」

「はい!そうですよ~!
 コウと一緒に寝たこともあるのよっ!」

 それを聞くと、母さんがイヤらしい目つきで俺を見てくる。
 
「...ふぅん?コウも大人になったねぇ?」

「う、うるせぇ!別に何もしちゃいねぇって!」

「でね!せっかくこれから一緒に戦う仲間になったんだから、今日からコウのお母さんにもここに住んで欲しいのよっ!」

「あら、いいの?ミズナちゃん。
 私、二人のお邪魔にならないかしら?」

 と、言葉では言いつつも、お邪魔したそうな風だ。

 俺としてもミズナとの二人っきりの生活が終わってしまうのは寂しいので、なんとか母さんを追い出そうとする。

「母さんは国王に頼めば、立派な豪邸を用意してもらえるんじゃないか?」

「そ、そんな事できないわよっ!私だって国王の前ではめちゃくちゃ緊張してたんだからっ!」

「まあ、確かに母さん、今思えば国王の前では別人のようにお淑やかだったよな。
 あれ、緊張してたのか。」

 母さんは青い耳が真っ赤になっていた。

 ミズナはどうしても母さんに住んで欲しいのか、提案を続ける。

「それに、実はアタシの家、もう一つお部屋余ってるのよ~。
 だからその部屋を有効活用してもらおうと思ったのよ!
 ほらっ!...って、あれ??」

 と言い、ミズナは部屋の扉を開けようとするが、なかなか開かない。

 見かねた俺は、ミズナを手伝う。

「この扉、建て付けが悪いのか?よしミズナ、ちょっと貸してみろ。
 ...ふんっ!」

 俺が扉に体重をかけると、バタンッと勢いよく扉が開いた。
 すると、埃まみれのガラクタ部屋が姿を現した。

「エヘヘっ。お家買ってから一度も使ってないからこの有様なのよ...。
 前に住んでた人が使ってたままみたい...。」

 リビングにいたヒルクが扉の音を聞いて駆けつける。

「だっ、大丈夫ですかっ!サヤカ様っ!
 今の音は何ですかっ!」

「ありがとうヒルク君。大丈夫よ。
 ミズナちゃんに私のお部屋を用意してもらったんだけど、なかなか開かなくて、コウが力技でこじ開けたのよ。」

 なるほどと言わんばかりに、ガラクタ部屋の中を見るヒルク。

「こりゃぁ...、俺が掃除するしかありませんね。
 よっし!今からこの部屋の大掃除だ!
 俺はサヤカ様のために、ミズナはこの家の主として全力で片付けに取り掛かるぞ!」

「まっかせるのよっ!
 じゃあ、コウはお母さんと一緒にいつものレストランでお昼ご飯のテイクアウトをお願いするのよ!」

「俺と母さんの魔族二人で大丈夫かな...?
 また前みたいに追いかけられたりしたら面倒だぞ。」

「パパ...、いや国王の宣言で街の人たちの魔族への誤解は解けてるから、安心して外に出れると思うのよ!
 やっぱり気分転換に堂々と街を歩けると気持ちいいのよ!」

 それを聞いたユータンが任せろと言わんばかりの表情で話し始める。

「いざという時のために、ウチがついて行くさね!
 コウは初めてのんびり散策できるだろうし、サヤカさんも安心して街の雰囲気を感じて欲しいし。」

「ありがとうユータンちゃん。」
 
「助かるぜ、ユータン。
 じゃあ、レストランに行く前に少し散歩でもするか!」

 俺は椅子に掛けてあったマントを羽織った。
 外へ出る準備を終えると、ミズナが言う。

「コウ、もうそのマントはいらないと思うのよ。」

「いや、これは俺の宝物だ。一生使い続けるよ。
 まあ、フードまでは深く被らなくてもいいかもだけど、背中を包み込んでくれるだけで安心するんだ。」

 そう言って俺は母さんとユータンと街へ出た。

 ミズナは嬉しそうな顔をしている。

 ヒルクはどこから手をつけようかと頭を悩ませているようだった。

・・・・・・・・・・・・・・・

 俺は初めてマントのフードを被らずに人間界を歩く。
 母さんと二人で並び、それをユータンが尾行するようなスタイルだ。

 街へ出るための街道を歩きながら、俺は母さんに疑問をぶつけた。
 全てが衝撃的過ぎて、あの場では話せなかったからな。

「なぁ母さん、俺って昔はどんな人だったんだ?」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜

音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった! スキルスキル〜何かな何かな〜 ネットスーパー……? これチートでしょ!? 当たりだよね!? なになに…… 注文できるのは、食材と調味料だけ? 完成品は? カップ麺は? え、私料理できないんだけど。 ──詰みじゃん。 と思ったら、追放された料理人に拾われました。 素材しか買えない転移JK 追放された料理人 完成品ゼロ 便利アイテムなし あるのは、調味料。 焼くだけなのに泣く。 塩で革命。 ソースで敗北。 そしてなぜかペンギンもいる。 今日も異世界で、 調味料無双しちゃいます!

勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます

水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。 勇者、聖女、剣聖―― 華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。 【戦術構築サポートAI】 【アンドロイド工廠】 【兵器保管庫】 【兵站生成モジュール】 【拠点構築システム】 【個体強化カスタマイズ】 王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。 だが―― この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。 最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。 識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。 「今日からお前はレイナだ」 これは、勇者ではない男が、 メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。 屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、 趣味全開で異世界を生きていく。 魔王とはいずれ戦うことになるだろう。 だが今は―― まずは冒険者登録からだ。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3) 「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...