35 / 92
第三章 出会い、とやらをされたらしくて
救助(1/3)
しおりを挟む
目を開けると体が重くズキズキと全身が痛んだ。
起き上がろうとするも起き上がれなくて痛みを我慢しながらゆっくり視線を体に移動するとアーシャが俺の上で倒れていた。
慌てて手を伸ばすとピクッと動いたので安心する。
アーシャが起きないようにそっと隣に寝かし体を起こす。
俺、生きてるのか……?
自分の体をペタペタと触ってみる。
たまに痛みが走るが大きな怪我はないみたいだった。
上を見上げると少し遠いがミラたちが見える。
手を振ってみたら向こうも気付いたみたいでランタンがゆっくり降りてきた。
それを受け取ると紙がはさんであったので抜き取り中を開く。
紙には『アクアボールと唱えろ』と書かれていたので唱えた。
すると、頭の中にミラとミレイの声が響いてくる。
俺は慌てて別の呪文を唱えた。
「リ・スポンド!」
すると、水の玉にはミラとミレイが映し出された。
『良かった……繋がった……』
「お、おう……」
『ねぇ!シンヤくん!アーシャは無事!?』
「あ、あぁ。まだ目は覚めてないけど無事だ」
『そっか……良かった……』
「あ、あのさ……」
俺が恐る恐る口を開くと二人は首を傾げる。
「水の玉で水晶玉の代わりになるならこれでカナたちに連絡取れたんじゃ……」
俺がそう言うとミレイはハッと今気付いたかのような顔をしてミラはフイッと顔を背けた。
あぁ、ミラも今気付いたんだな……
そう思った俺を他所にミレイはミラをポカポカと叩き始める。
『ミラのバカバカ!なんであのとき思い付かなかったの!』
『ちょっ……痛い!その件は僕だけのせいじゃないよね?ミレイもアリシアも思い付かなかったじゃん!』
「……とりあえず」
俺が口を開くと二人はピタッと止まって耳を傾けてくれたので話を続ける。
「アーシャが目を覚ましたらアーシャの風属性魔法で上まで上がれるか試してみる。もし駄目だったときのためにカナたちには俺が連絡しとく。ミラたちはそこから動くなよ。崖にも近付くな。土が脆くて崩れやすいしな」
『あぁ、それなら氷属性魔法で固めておいたからもう崩れ落ちはしないよ。滑り落ちはするかもだけど』
「落ちるのかよ!!落ちないって言えよ!つーか、どっちも危ないからな!」
『……元気そうなのは何よりだけど……一応、回復魔法で回復しといた方が良いよ?シンヤ』
「忠告どうもありがとな!!また別の水の玉出すからしばらくこのままで大丈夫か?」
『僕たちは問題ないけど。シンヤの魔力が尽きないか心配になるね』
「え?あぁ……そう言えば結構使ってるな……」
『さっき、落ちていった時も使ったでしょ?エンチャント』
「え?」
『え?』
え?
使った記憶がないんだが。
そのことを素直にミラに伝えてみる。
「……俺、使った記憶がねぇんだけど」
『は?だって、うわああ!ときゃああ!の悲鳴の後にシンヤの声でエンチャントガードぉぉぉぉぉおっ!って聞こえたよ?って言うか、こう言うのもアレだけど……使ってなければ生きてる訳ないじゃん』
「……それもそうか」
体がズキズキ痛いだけで済んだのはいつの間にか唱えてた、と言うより叫んでた?エンチャントのお陰か。
「ちなみに自分の残りの魔力ってどうすれば分かるんだ?」
『どうすればって……』
ミラはため息を吐きながらも教えてくれた。
『目を閉じて利き手を胸に当てて感じ取るだけ』
「感じ取る?」
『そう。なんかこう……感じるんだよ』
『ふわふわ~!って感じ!ね?』
『……まぁ、そんな感じかな』
「ふーん……」
なんかいまいちよく分かんねぇけど言われた通りにやってみる。
すると何となく体中がぽうっと温かくなるような気がした。
その瞬間、頭に浮かんだのは赤い炎が二つ。
そのことをミラに伝える。
『赤い炎が二つ……かなり魔力を消耗してるね。もうシンヤは魔法を使わない方が良い。回復もアリシアにしてもらうんだ』
「いやいやいや!基準!基準を教えてくれよ!何となく赤はやばいって言うのは分かるけど!」
『え?基準?魔力がたくさんあるときは青。普通のときは黄。ほとんどないときが赤。数は残りのポイントってところかな。魔法の強さにもよるけど大体は攻撃魔法四、五発でサポート系の魔法なら一〇回くらい使うと一つ減る感じかな』
「……俺、そんなに使ったか?」
『さっきも言ったけど強さによるんだって。たぶん、落ちたときのエンチャントが消費激しいと思うよ』
「ふーん……それで、俺の魔力は赤い炎二個分な訳だが自分で回復しない方がいいのは?」
『シンヤのことだからアリシアを庇って落ちただろ?だから、アリシアより酷い怪我をしてる可能性が高い。エンチャントで強化したとは言え無傷ではない訳だし骨折してる場合もある。そんな怪我の状態で回復魔法を使ったら魔力切れを起こす可能性が高い。魔力切れを起こしたらどうなるかくらい知ってるよね?流石に』
「……そりゃあまぁ、流石にな?」
『そう言う訳だから。あ。ミレイがカナエールさんと連絡取れたみたいだ。ちょっと事情説明してくる』
「あぁ、頼んだ」
そう言うと水の玉からミラが消えた。
起き上がろうとするも起き上がれなくて痛みを我慢しながらゆっくり視線を体に移動するとアーシャが俺の上で倒れていた。
慌てて手を伸ばすとピクッと動いたので安心する。
アーシャが起きないようにそっと隣に寝かし体を起こす。
俺、生きてるのか……?
自分の体をペタペタと触ってみる。
たまに痛みが走るが大きな怪我はないみたいだった。
上を見上げると少し遠いがミラたちが見える。
手を振ってみたら向こうも気付いたみたいでランタンがゆっくり降りてきた。
それを受け取ると紙がはさんであったので抜き取り中を開く。
紙には『アクアボールと唱えろ』と書かれていたので唱えた。
すると、頭の中にミラとミレイの声が響いてくる。
俺は慌てて別の呪文を唱えた。
「リ・スポンド!」
すると、水の玉にはミラとミレイが映し出された。
『良かった……繋がった……』
「お、おう……」
『ねぇ!シンヤくん!アーシャは無事!?』
「あ、あぁ。まだ目は覚めてないけど無事だ」
『そっか……良かった……』
「あ、あのさ……」
俺が恐る恐る口を開くと二人は首を傾げる。
「水の玉で水晶玉の代わりになるならこれでカナたちに連絡取れたんじゃ……」
俺がそう言うとミレイはハッと今気付いたかのような顔をしてミラはフイッと顔を背けた。
あぁ、ミラも今気付いたんだな……
そう思った俺を他所にミレイはミラをポカポカと叩き始める。
『ミラのバカバカ!なんであのとき思い付かなかったの!』
『ちょっ……痛い!その件は僕だけのせいじゃないよね?ミレイもアリシアも思い付かなかったじゃん!』
「……とりあえず」
俺が口を開くと二人はピタッと止まって耳を傾けてくれたので話を続ける。
「アーシャが目を覚ましたらアーシャの風属性魔法で上まで上がれるか試してみる。もし駄目だったときのためにカナたちには俺が連絡しとく。ミラたちはそこから動くなよ。崖にも近付くな。土が脆くて崩れやすいしな」
『あぁ、それなら氷属性魔法で固めておいたからもう崩れ落ちはしないよ。滑り落ちはするかもだけど』
「落ちるのかよ!!落ちないって言えよ!つーか、どっちも危ないからな!」
『……元気そうなのは何よりだけど……一応、回復魔法で回復しといた方が良いよ?シンヤ』
「忠告どうもありがとな!!また別の水の玉出すからしばらくこのままで大丈夫か?」
『僕たちは問題ないけど。シンヤの魔力が尽きないか心配になるね』
「え?あぁ……そう言えば結構使ってるな……」
『さっき、落ちていった時も使ったでしょ?エンチャント』
「え?」
『え?』
え?
使った記憶がないんだが。
そのことを素直にミラに伝えてみる。
「……俺、使った記憶がねぇんだけど」
『は?だって、うわああ!ときゃああ!の悲鳴の後にシンヤの声でエンチャントガードぉぉぉぉぉおっ!って聞こえたよ?って言うか、こう言うのもアレだけど……使ってなければ生きてる訳ないじゃん』
「……それもそうか」
体がズキズキ痛いだけで済んだのはいつの間にか唱えてた、と言うより叫んでた?エンチャントのお陰か。
「ちなみに自分の残りの魔力ってどうすれば分かるんだ?」
『どうすればって……』
ミラはため息を吐きながらも教えてくれた。
『目を閉じて利き手を胸に当てて感じ取るだけ』
「感じ取る?」
『そう。なんかこう……感じるんだよ』
『ふわふわ~!って感じ!ね?』
『……まぁ、そんな感じかな』
「ふーん……」
なんかいまいちよく分かんねぇけど言われた通りにやってみる。
すると何となく体中がぽうっと温かくなるような気がした。
その瞬間、頭に浮かんだのは赤い炎が二つ。
そのことをミラに伝える。
『赤い炎が二つ……かなり魔力を消耗してるね。もうシンヤは魔法を使わない方が良い。回復もアリシアにしてもらうんだ』
「いやいやいや!基準!基準を教えてくれよ!何となく赤はやばいって言うのは分かるけど!」
『え?基準?魔力がたくさんあるときは青。普通のときは黄。ほとんどないときが赤。数は残りのポイントってところかな。魔法の強さにもよるけど大体は攻撃魔法四、五発でサポート系の魔法なら一〇回くらい使うと一つ減る感じかな』
「……俺、そんなに使ったか?」
『さっきも言ったけど強さによるんだって。たぶん、落ちたときのエンチャントが消費激しいと思うよ』
「ふーん……それで、俺の魔力は赤い炎二個分な訳だが自分で回復しない方がいいのは?」
『シンヤのことだからアリシアを庇って落ちただろ?だから、アリシアより酷い怪我をしてる可能性が高い。エンチャントで強化したとは言え無傷ではない訳だし骨折してる場合もある。そんな怪我の状態で回復魔法を使ったら魔力切れを起こす可能性が高い。魔力切れを起こしたらどうなるかくらい知ってるよね?流石に』
「……そりゃあまぁ、流石にな?」
『そう言う訳だから。あ。ミレイがカナエールさんと連絡取れたみたいだ。ちょっと事情説明してくる』
「あぁ、頼んだ」
そう言うと水の玉からミラが消えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる