〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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第三章 出会い、とやらをされたらしくて

事件(2/2)

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勢いよく燃え盛っていた木々は道を開くどころか焦げ目すらついていなかったからだ。


「……失敗、みたいだな」


「……そうみたいだね」


「……そうみたいですね」


「……そうだね」


みんな口々に意気消沈したような声を上げる。



助けが来ない。

飛べない。

燃やせない。

正直、もう八方塞がりだ。

せめて目印でもあれば進む方向も分かるのに。



そう思っていたら突然、ミレイが泣き出した。


「ふぇぇぇぇえぇんっ!!」


「「「!?」」」


俺たちは当然驚愕する。


「と、突然どうしたんですか?ミレイ?どこか痛いんですか?大丈夫?」


「ご、ごめんなさいっ……!わ、私が肝試ししようだなんて言い出さなければ……こんなことにならなかったのにっ!ごめっ、ごめんなさいっ!本当にっ」


ミレイは泣きながら何度も何度も謝ってきた。

俺はそんなミレイの頭をポンポンと優しく撫でる。


「気にするなよ、ミレイ。誰もミレイのせいだなんて思ってないし。な?」


そう言ってアーシャとミラを見ると二人とも頷いてくれた。

それでもミレイは自分に責任を感じているのか泣き止まない。

すると、ミラはミレイの前に立ち口を開いた。


「ほら、いつまで泣いてるの?早くみんなでゴールを探そう。ここで泣いて立ち止まっていてもゴールには着かないよ?」


「み、ミラ……」


ミレイはゴシゴシと目を擦ると口を開く。


「そうだよね……ミラ、水属性魔法で結界を作っといて。シンヤくんとアーシャは動かないでね」


「み、ミレイ?何をするつもりですか?」


アーシャがそうミレイに尋ねるとミレイはにっこり笑って答えた。


「ちょっと一発大きいの出すから」


その言葉を聞いてミラが肩をすくめ呪文を唱える。


「エンチャントウォーター、ターレンスフレイム……」


俺とアーシャが止める間もなくミラが最後の呪文を言ったと同時にミレイも呪文を唱えた。


「ウォータータワー!」


「フレイムバースト!」


ミレイが唱えた呪文は火属性魔法の最大級魔法だ。

何もかも焼き尽くすほどの魔法のはずだが……


「……焦げはしたけど……燃やせなかったかぁ……」


いつの間にかミラの魔法も解けててみんなで辺りを見回してみたが道はやっぱり開けなかった。

みんなで落ち込みかけた瞬間、アーシャが声を上げる。


「皆さん!見て下さい!ここの辺りだけ焦げ目すらついていません!この先になら何かあるはずです!」


アーシャの言葉を聞きみんなで振り返り指が指してる方を見た。

確かにそこだけ焦げ目もない。

よく見ると目印のようなものが書かれてた。


「……今はとりあえずこの目印を頼りに進もう」


ミラの言葉に全員が頷く。

しばらく進むと何もない広場のようなところに出た。


「ここは……」


「広場、としか言いようがないな……」


「もしかしてここがゴール地点だったのではないですか?」


「だとしたら、少しくらい痕跡が残ってても良いと思うけど……」


再びみんなでうーん……と考える。

するとどこからともなく声がした。


「こっちだよ、こっちへおいで。迷える子ら」


その声に一斉に顔を上げるが誰も声の主を見つけられなかった。

俺は大声で叫んだ。


「お前は誰だ!どこにいる!姿を現せ!」


返事の代わりにクスクスと言う笑い声が聞こえてくる。

するとアーシャがこっちです!と走り出した。

慌てて三人でアーシャを追いかける。


「待って!アーシャ!一人じゃ危ないよ!」


ミレイの声も届いていないのかアーシャはどんどん先に進んでしまう。

草木をかき分けやっとアーシャの姿を捉えた瞬間、さっき聞いた声が聞こえた。


「あっちはならん!小娘を止めるのじゃ!」


俺は一瞬振り返るがそこには誰もいなかった。

疑問に思いながらも前を向き直すとアーシャが崖に向かって走っているのことに気付く。


「アーシャ!待て!その先には崖が!!」


俺がそう叫ぶと声が届いたのかアーシャが立ち止まる。

間一髪だった。

俺たちはホッとしながらアーシャの傍に駆け寄ろうとした瞬間。

風が吹きアーシャの体が浮いた。


「アーシャ!!」


「アリシア!!」


ミラもミレイも手を伸ばすが届かなかった。


「くそっ!」


俺がそう言った瞬間、何かに押されて驚きながらも慌ててアーシャの手を掴んだ。


「し、シンヤくん……!」


「いいか!アーシャ!しっかり俺の手首まで掴んでろよ!」


アーシャはコクコクと頷きぎゅっと痛いくらい俺の手首を掴んだ。



よし。

これで引っ張れば大丈夫だ。



ミラもミレイも本当に安心したように傍に寄ってきた。

俺は二人にニッと笑いかけ力を入れた瞬間。

力を入れた土が脆かったらしく前のめりになりながら崩れ落ちる。


「シンヤ!」


ミラが慌てて手を伸ばすも俺の足を掠めただけだった。


「うわぁぁぁぁぁあっ!!」


「きゃあああああっ!!」


「アーシャ!!シンヤくん!!」


「シンヤ!!アリシア!!」


俺は慌ててアーシャを自分の方へ抱き寄せてアーシャを守るようにそのまま崖下へと落ちて行った――――
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