〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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第四章 恋愛、とやらをされたらしくて

両想い(2/3)

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ミラから長ったらしい説教を正座で小一時間かけて受けやっと帰宅。

俺を迎えに来たセレンは俺たちの様子を見た瞬間、迷わずごゆっくりと言って先に帰った。

自分のベッドにダイブして俺は頭を抱える。

何故なら俺はミラからの説教中にとんでもないことを口走ったからだ。

早く解放されたい一心で半ばやけくそに出た言葉。


「俺もミレイに告白すればいいんだろ!?それでおあいこ、解決だ!!」


ミラは唖然とした顔をしてしばらくしたらお腹を抱えて大爆笑。


「あははっ!何それ?別に今の珍解答でなかったことにしても良いんだけど。面白かったから。それでもミレイに告白する気?」


「おう!男に二言はねぇ!明日、ミレイに告白する!」


今、思い出しただけでもあの時の自分を殴りたい。



折角、ミラが告白しなくても許してくれそうな流れだったのに……

つーか、待てよ?

ミラが止めてくれたってことは俺には見込みがないってことか?

ミレイにフラれると?

そう言うことか!?

そう言うことなのか!?



そんなことを考えて悶々していたら朝になっていた。

目の下にクマを作りながら登校。

みんなには色々心配されたが大丈夫だと言って自分の席に着く。

すると、ミラが俺にそっと耳打ちをしてきた。


「シンヤ、まさか、本気だったの?」


その質問に俺もそっと返す。


「おう。お陰で一睡もしてねぇよ」


ミラは肩を大袈裟に落としやれやれと言う感じで片手を振って前を向く。



まぁ、頑張って。

と言う合図だろう。



つーか!

今!

まさか本気って!!

何!?

俺、告白しなくてもいいの!?

いや、でも、結局は自分で決めたことだし……

男に二言はねぇって言った手前、告白しない訳には……



何てうだうだ考えていたら昼休みになっていた。

ミラに小突かれて現実に引き戻される。


「シンヤ。もう昼休みだけど」


「お、おう。もうそんな時間か……あれ?ミレイとアーシャは?」


「今日は二人で食べるとか言って中庭に行ったよ」


「そ、そうか」


そこでミラからは深いため息が零れる。


「……あのさぁ、シンヤ」


「な、何だ?」


「僕に止める権利はないけどもし仮にシンヤが告白してミレイと付き合うことになったらアリシアは悲しむよね。でも、フラれたとしたらシンヤはアリシアと付き合う可能性が出てくる訳で」


「え?い、いや!俺がアーシャと付き合うことはない!親友の好きな奴と付き合うとかねぇか……」



親友の好きな奴と付き合うとかねぇから



と俺は最後まで言い終わる前にガシッと頭を鷲掴まれた。


「うん。シンヤならそう言うと思ったけどそう言うの腹立つから止めろ」


「いだっ!いだだだだだっ!ミラ!痛い!悪かったって!もう言わないから!頭、割れる!!」


俺の必死の懇願が伝わったのか頭が解放される。

ミラはため息を吐きながら口を開く。


「……まぁ、シンヤにもアリシアだけは渡したくはないけど。それがアリシアの幸せを奪うことなら二人が付き合ったとしてもおめでとうくらい言うよ。しばらくは落ち込むだろうけどね」


「ミラ……」


「まぁ、別にシンヤがミレイに告白しようがしまいが僕にはシンヤを応援することしか出来ないからシンヤの好きにすれば?」


「じ、じゃあ……」


俺の決心と共に昼休みが終わる鐘の音がする。

そして、そのまま何事もなく放課後になった。

教室には俺とミレイの二人だけだ。

ミラは早々に先に帰り、アーシャも用事があるとかで先に帰った。

俺はすぐにミレイも帰ると思っていたからこの状況は予想外過ぎて困っている。

お互いに何も喋らないから気まずさだけが増していく。

何か喋らないと、と思えば思うほど話題は見つからず沈黙が続いた。

するとミレイが口を開く。


「ねぇ、シンヤくんは好きな子とかいるの?」


「はっ!?えっ!?な、何でそんなこと聞くんだよ?」


「えー?ちょっと気になったから……ほら!ミラはアーシャが好きでしょ?私、恋ってよく分からないから教えてほしいなーって……」


「な、なら、ミラに聞けばいいんじゃね?」


「ミラには聞きにくいの!」


「じ、じゃあ、アーシャとか……」


「もちろん聞いたよ!聞いたけど……」


「けど?」


俺がそう返すとミレイの顔がだんだん赤くなってくる。



な、何だ?

この反応?

俺、何か変なこと言ったか?



恐る恐る口を開いた。


「み、ミレイ?」


俺の声にハッと我に返ったように顔を上げるミレイ。


「な、何でもないの!わ、私にはちょっと分からなかっただけで!だ、だからシンヤくんにも聞こうと……」


目が泳いでいた。

何でもなくないし嘘を吐いていることが俺にも分かる。

それが何となく腹が立って口を開く。


「ふーん……でもさ、ミレイは人の心とか読めるんじゃねぇの?」


「え?」


「前にミラが言ってたぞ?人の心が読めるって」


「そ、それは……っ!出来る人と出来ない人がいるの!私は出来ない方!そんなことが出来たら、とっくにアーシャの気持ちにもミラの気持ちにも気付いてたよ!」


それもそうか、と納得する。

俺は少し笑って話を続けた。


「じゃあ、逆に聞くけど、ミレイは恋ってどんなものだと思ってるんだ?」


「え?それが分からないから聞いてるのに!」


「違くて……アーシャから話を聞く前までは恋ってどんなだと思ってたんだって話だよ」


「そ、それは……その……」


俺はミレイの答えを黙って待つ。


「わ、笑わないでね……?き、綺麗な赤いバラがたくさん包んである花束を抱えた人が迎えに来ると思ってたの……」



それはまぁ……なんてロマンチストな……



まさかここまではないだろうと思いながら口を開いた。


「……白馬に乗って?」


「! な、何で分かったの!?」


その答えを聞いた瞬間、俺は思いっきりミレイから顔を背けた。


「えっ!?ちょっ!?シンヤくん!?」


俺は肩を揺らしながら必死に笑いを堪える。

想像したら面白かった。

俺がやったら大爆笑物だろう。

ミラなら似合うかも知れねぇけど。

アレだな、ただしイケメンに限るって奴だ。


「あ、あぁ。悪い。つい……」


「ついって何!?やっぱり、笑ってたの!?」


「い、いや……ミラなら似合いそうだけど俺がやったら大爆笑だなって思ったら笑いが込み上げてきてさ。悪気はねぇから」


「えーっ!シンヤくんがやっても似合うよ!私が保証するから!」


「いやいや、俺、カッコ良くねぇし。そう言うのは王子様系なミラだから似合うんだって」


「シンヤくんもミラに負けず劣らずカッコイイから!」


「……なら、俺と付き合ってくれるか?」


「え?」


口に出してハッとした。



何を口走ってるんだ?

しかも、セコイ。

どさくさに紛れ過ぎだ。



段々顔が赤くなっているのが分かる。
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