〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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第四章 恋愛、とやらをされたらしくて

両想い(1/3)

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 ミラと和解してから早くも三ヶ月が経った。

そして、今日、アーシャがいない間に珍しくミラからお願いごとをされて俺もミレイも驚く。

何故なら、そのお願いごとがアーシャに告白するから二人きりにさせてくれとのことだったからだ。

当然、俺もミレイも断る訳がない。

アーシャには何か適当に理由を付けて先に帰らせてもらおう。

そして放課後。

アーシャには用事があるからと理由を付けて先に教室から出る。

ミレイも似たようなことを言って教室を出てきたらしい。

俺とミレイは二人にバレないようにこっそりと物陰に隠れてその行く末を見守る。


「そ、それじゃあ、私も先に帰りますね?」


「待って。アリシア」


「え?」


アーシャはミラと二人きりになるのが嫌なのか困った様子で先に帰ろうとしていたがミラがアーシャの腕を掴んで止めた。

当然、アーシャは驚いたようにミラを見る。


「ミライヤくん……?」


「アリシア。君に話があるんだ。すごく、大事な話」


「わ、私……」


アーシャは慌てながら辺りをキョロキョロする。

ミラはアーシャの目をジッと見て口を開く。


「……お願いだから聞いてほしい」


「わ、分かり、ました」


「ありがとう。アリシア」


アーシャがミラを見つめる。

ミラは一度深呼吸をしてから口を開いた。


「僕は、アリシアが好きだ。友達とかそう言う意味の好きじゃなくて……一人の女の子として僕はアリシアが好きなんだ。だから、アリシアが少しでも僕のことを好きだと想ってくれているなら僕と付き合ってほしい」


ミラの告白を最後まで聞いてアーシャは戸惑ってるようだった。

アーシャは俯き黙り込んでいる。

しばらく沈黙が続きやっとアーシャが口を開く。


「あ、あの……気持ちはすごく、本当にすごく嬉しいのですが……私、気になっている人が……」


「うん。知ってる。シンヤでしょ?」


「えっ!?」


驚くアーシャを他所にミラは続けた。


「偶然だけどアリシアがシンヤに告白してるのを聞いちゃって……聞かなくてもアリシアが誰を好きかくらい分かってたけど。それでも諦めきれなかったから」


「っ……そんな、言い方、ずるいですっ!私の答えが分かっていて告白しているんですよね!?」


「うん。そうだね。フラれる覚悟は出来てるしそれでも諦められないからせめてもの足掻きで男として意識させたかった。別にシンヤを諦めろなんて言わないよ。好きなだけ好きでいれば良い」


「ミライヤくん……」


二人の話を聞いているとだんだん複雑な心境になってくる。



これ、俺のせいでこじれてんだよな……?



そんなことを思っているとミラが今まで一度も見たことのない最高の笑顔で口を開く。


「でも、いつか必ずアリシアを僕に振り向かせてみせるから覚悟してて?」


「っ!?」


その笑顔にか言葉にか分からないがアーシャは顔を赤く染めた。

直後にミラはアーシャの手を取ると手の甲にキスをする。

アーシャの顔はさっきとは比べ物にならないくらい真っ赤だ。


「み、ミライヤくんっ!!」


「ん?誓いって言うか宣戦布告の証だよ。脈がゼロじゃないことも分かったしね」


「ふ、不意打ちは卑怯ですよっ!」


「大丈夫。その内、不意打ち以外でもときめかせてみせるから」


「そ、そう言うことをサラッと言わないで下さい!!」


「分かった。じゃあ、アリシア以外の前では言わないようにする」


「そ、そう言う意味じゃ……っ!」


「どういう意味でも関係ないよ。僕がそうするって決めたんだから」


「~~ッ!ず、ずるいですっ!卑怯ですっ!絶対ミライヤくんには振り向きませんっ!私、もう帰ります!」


そう言ってアーシャはそっぽを向いて向いて歩き出す。


「アリシア」


ミラが呼び止めるとアーシャは足を止めた。

そのまま横目で見る感じで振り返ると口を開く。


「……何ですか?」


「話、聞いてくれてありがとう。それと、ミライヤ、じゃなくてミラって呼んでくれると嬉しい」


「……ミラくん、ですか?」


アーシャがそう呼ぶとミラは本当に嬉しそうな顔で頷いて口を開いた。


「うん。ありがとう、アリシア。僕、アリシアがそう呼んでくれただけですごく幸せを感じるよ」


アーシャはバッと前を向くとスタスタと歩き出す。

その顔は茹でダコみたいに真っ赤になっていた。


「そうですか!良かったですね!それでは私はお先に失礼します!さようなら!」


「うん。また明日。アリシア」


俺とミレイはアーシャにバレないようにサッと身を隠す。

アーシャが見えなくなったのを確認してから顔を出すとさっきとは違う意味で最高の笑顔のミラが俺たちの前に仁王立ちしていた。


「……さて。一部始終見せてあげたんだ。どうなるか、なんて覚悟はとっくに出来てるよね?」


「み、ミラ!誤解よ!わ、私は二人がくっつくのを見届けようと……っ!」


「お、俺はミラの勇姿を見届けようとだな……っ!」


「理由なんてどうでもいいよ。どんな理由にしろ悪趣味、以外の答えは出せないから」


ミラの笑顔が消え俺とミレイは一気に青ざめる。

その直後、俺とミレイの悲鳴が廊下に響き渡ったのは言うまでもない。


「全く……今日はこれくらいで許してあげるよ。ミレイは」


「ミレイは!?」


「わーい!ありがとう!ミラ!もう二度としないから!」


「そうして。ミレイは先に帰ってて。シンヤはもう少し僕と話そうか」


その笑顔が恐ろしかったので俺は頷くことしか出来なかった。


「……はい。喜んでー」


「それじゃあ、またね!シンヤくん!」


そう言って素直に帰るミレイを見送ってからミラはドカッと自分の席に座る。


「シンヤはここ」


そう言われ、指差された場所は床だった。
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