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買い物①
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運転席に座る瀬羽は俺たちが乗ったことを確認すると口を開いた。
「大虎様、どちらへ行かれますか?」
「MERCIって店分かる?そこ行きたいんだけど」
「かしこまりました」
「ちょ、ちょっと結城くん!?私、行くなんて一言も言ってないんだけど!しかも、MERCIって有名ブランドじゃない!高いでしょ!?私、そこの服買ったことないわよ!?」
「でも、よく雑誌で見てるでしょ?」
「な、何で知って……っ!」
「持ってる雑誌全部にMERCIの服、載ってるじゃん?通販サイトから有名になったブランドだよね。で、一年くらい前に一号店がオープン。言ってくれたら一緒に行ったのに」
「……い、言える訳ないでしょう!私らしくないし」
「調べたら店舗に行くとオーダーメイドも請け負ってくれるらしいよ。流石に即日渡しにはならないけどね。ちゃんと予算に合わせて作ってくれるんだって」
「い、要らないわよ!?」
「まぁ、メンズ服も取り扱ってるし俺も気になったから見に行くだけだし行こ?」
「……見るだけよ?見るだけだからね?」
「はいはい」
「大虎様、到着いたしました」
「ありがとう。瀬羽はここで待機してて」
「はい、かしこまりました」
そう言って莉恵さんと車から降りる。
店に入るとボーイッシュな格好をしたブロンドの長い髪で黒い瞳の女の人がいた。
その人が店員らしく話しかけてくる。
「いらっしゃいませ。ようこそ、MERCIへ。何をお探しですか?」
「えっと、彼女に似合う洋服を探しに」
「かしこまりました。何かお好みはございますか?」
「だって。何かある?」
「な、ないわよ!私に似合うわけないもの……」
「そんなことはありません!お客様にお似合いになる服は絶対にありますよ!」
「お、オーダーメイドじゃなくてもあるって言うの?」
「えぇ、もちろんです。お子様からご高齢の方まで、どの年代の方にも着ていただけるような服を取り扱わせていただいておりますので」
「へぇ……すごいな」
「ありがとうございます。お客様は美人でスタイルもよろしいのでどの服も似合うと思いますよ」
「そ、そうかしら……」
莉恵さんが信じられないといった態度を取っていると店員さんの雰囲気が変わった。
店員さんが口を開こうとした瞬間、別の誰かの声がする。
「休憩交代だよって……お客様対応してたのか」
声をした方を見ると店員さんとそっくりな顔で髪の短い男の人が立っていた。
服は似ているけどこっちの人の方が更に男っぽい感じの服を着ている。
「いらっしゃいませ。こちらの対応で何かお気づきの点はございませんでしたか?」
「ちょっと!どういう意味よ!」
「お客様の前だよ?対応代わるから休憩行ってきな」
女の店員さんはため息を吐きながら俺たちに失礼しますと言って休憩に行った。
「すみません、ご無礼なことなど言っていませんでしたか?」
「いえ、大丈夫です。むしろ、こちらの方が申し訳ないです」
俺がそういうと莉恵さんは肩をビクッとさせる。
「あぁ、大丈夫ですよ。いくらでもお話を聞かせていただきますので遠慮なさらず何でも聞いてくださいね」
「ありがとうございます。ほら、莉恵さん、早く選ぼう?」
「だ、だから!私に何か似合うはずないって言っているでしょう?」
「まーた、そんなこと言って。さっきの店員さんもそんなことないって言ってたでしょ」
「で、でも……」
「……なるほど。お客様はご自分に自信がないんですね」
「なっ!?」
「あぁ、失礼しました。悪い意味ではありませんが気分を害されたなら謝ります。すみません。ですが、ちゃんとお客様にも似合う服を提供させていただきますよ。例えば……そうですね……今着られている服のようなものならこちらの服をお薦めいたします。あとは……お客様が好きそうな服で似合うものを選ぶならこちらとこちらをお薦めいたしますよ」
そう言って店員さんが出した服はカーキ色のチュニックシャツとベージュのフレアワンピース、紺のシフォンワンピースにストールセットになってるものだった。
「こちらのチュニックシャツならお客様が今履かれているようなレギンスやズボンにも似合います。フレアワンピースは上品かつ可愛らしくも見せられますよ。ベージュを選んだのはお客様にはこの色がお似合いになると思ったからです。こちらのシフォンワンピースは結婚式などのオシャレ服としてはお客様にピッタリだと思いますよ。ストールなのでマフラー代わりや肩掛けにもなりますし。靴も合うものをご用意いたしますがご試着されますか?」
「莉恵さん、どうする?」
「……試着だけなら」
「ありがとうございます。では、こちらにどうぞ」
店員さんは試着室に俺たちを案内する。
試着室に入った莉恵さんに簡単に説明するとカーテンを閉めて靴を取りにその場を離れた。
「大虎様、どちらへ行かれますか?」
「MERCIって店分かる?そこ行きたいんだけど」
「かしこまりました」
「ちょ、ちょっと結城くん!?私、行くなんて一言も言ってないんだけど!しかも、MERCIって有名ブランドじゃない!高いでしょ!?私、そこの服買ったことないわよ!?」
「でも、よく雑誌で見てるでしょ?」
「な、何で知って……っ!」
「持ってる雑誌全部にMERCIの服、載ってるじゃん?通販サイトから有名になったブランドだよね。で、一年くらい前に一号店がオープン。言ってくれたら一緒に行ったのに」
「……い、言える訳ないでしょう!私らしくないし」
「調べたら店舗に行くとオーダーメイドも請け負ってくれるらしいよ。流石に即日渡しにはならないけどね。ちゃんと予算に合わせて作ってくれるんだって」
「い、要らないわよ!?」
「まぁ、メンズ服も取り扱ってるし俺も気になったから見に行くだけだし行こ?」
「……見るだけよ?見るだけだからね?」
「はいはい」
「大虎様、到着いたしました」
「ありがとう。瀬羽はここで待機してて」
「はい、かしこまりました」
そう言って莉恵さんと車から降りる。
店に入るとボーイッシュな格好をしたブロンドの長い髪で黒い瞳の女の人がいた。
その人が店員らしく話しかけてくる。
「いらっしゃいませ。ようこそ、MERCIへ。何をお探しですか?」
「えっと、彼女に似合う洋服を探しに」
「かしこまりました。何かお好みはございますか?」
「だって。何かある?」
「な、ないわよ!私に似合うわけないもの……」
「そんなことはありません!お客様にお似合いになる服は絶対にありますよ!」
「お、オーダーメイドじゃなくてもあるって言うの?」
「えぇ、もちろんです。お子様からご高齢の方まで、どの年代の方にも着ていただけるような服を取り扱わせていただいておりますので」
「へぇ……すごいな」
「ありがとうございます。お客様は美人でスタイルもよろしいのでどの服も似合うと思いますよ」
「そ、そうかしら……」
莉恵さんが信じられないといった態度を取っていると店員さんの雰囲気が変わった。
店員さんが口を開こうとした瞬間、別の誰かの声がする。
「休憩交代だよって……お客様対応してたのか」
声をした方を見ると店員さんとそっくりな顔で髪の短い男の人が立っていた。
服は似ているけどこっちの人の方が更に男っぽい感じの服を着ている。
「いらっしゃいませ。こちらの対応で何かお気づきの点はございませんでしたか?」
「ちょっと!どういう意味よ!」
「お客様の前だよ?対応代わるから休憩行ってきな」
女の店員さんはため息を吐きながら俺たちに失礼しますと言って休憩に行った。
「すみません、ご無礼なことなど言っていませんでしたか?」
「いえ、大丈夫です。むしろ、こちらの方が申し訳ないです」
俺がそういうと莉恵さんは肩をビクッとさせる。
「あぁ、大丈夫ですよ。いくらでもお話を聞かせていただきますので遠慮なさらず何でも聞いてくださいね」
「ありがとうございます。ほら、莉恵さん、早く選ぼう?」
「だ、だから!私に何か似合うはずないって言っているでしょう?」
「まーた、そんなこと言って。さっきの店員さんもそんなことないって言ってたでしょ」
「で、でも……」
「……なるほど。お客様はご自分に自信がないんですね」
「なっ!?」
「あぁ、失礼しました。悪い意味ではありませんが気分を害されたなら謝ります。すみません。ですが、ちゃんとお客様にも似合う服を提供させていただきますよ。例えば……そうですね……今着られている服のようなものならこちらの服をお薦めいたします。あとは……お客様が好きそうな服で似合うものを選ぶならこちらとこちらをお薦めいたしますよ」
そう言って店員さんが出した服はカーキ色のチュニックシャツとベージュのフレアワンピース、紺のシフォンワンピースにストールセットになってるものだった。
「こちらのチュニックシャツならお客様が今履かれているようなレギンスやズボンにも似合います。フレアワンピースは上品かつ可愛らしくも見せられますよ。ベージュを選んだのはお客様にはこの色がお似合いになると思ったからです。こちらのシフォンワンピースは結婚式などのオシャレ服としてはお客様にピッタリだと思いますよ。ストールなのでマフラー代わりや肩掛けにもなりますし。靴も合うものをご用意いたしますがご試着されますか?」
「莉恵さん、どうする?」
「……試着だけなら」
「ありがとうございます。では、こちらにどうぞ」
店員さんは試着室に俺たちを案内する。
試着室に入った莉恵さんに簡単に説明するとカーテンを閉めて靴を取りにその場を離れた。
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