終焉の晩餐会:追放される悪役令息は、狂欲の執事と飢えた庭師を飼い慣らす

河野彰

文字の大きさ
9 / 13

第十章:蹂躙の共有――三位一体の晩餐会

しおりを挟む
 二人の怪物が激突しようとしたその時、椅子に縛り付けられたリュシアンが、うつろな瞳で笑った。

「ああ、フェラム。ルタム。二人とも、私を食べてくれるんだ? 私を、バラバラにして君たちの手で一つにしてくれるの……?」

 その壊れきった言葉が、二人の獣の間に奇妙な沈黙をもたらした。フェラムは冷酷な笑みを浮かべ、手に持った剃刀をリュシアンの喉元へ優しく添える。

「なるほど。独占するのも一興ですが、ルタム。貴様の言う熟成も、少しは理にかなっているようだ。私がこころを壊し、お前が肉を刻む。この小鳥を、一生飛び立てないよう、二人で羽を毟り尽くすのはどうだ?」

「名案です。フェラム様が押さえつけてくれるなら、僕はもっと深く、リュリュを味わえる」

 一瞬前までの殺意は、リュシアンという極上の素材を分け合うための共謀へと変貌した。
 フェラムはリュシアンを正面から抱きしめ、首を絞め上げながらその唇を塞ぐ。それと同時に、ルタムがリュシアンの背後へ回り、泥に汚れた剛直を、肉を割くような勢いでその深奥へと突き立てた。

「いぎぃ! あ、あああああ゛あぁっ!!!」

 前からはフェラムの冷たい支配、後ろからはルタムの熱い捕食。二つの暴力的な質量に内側から引き裂かれ、リュシアンの身体は絶頂と激痛の狭間で痙攣する。

「泣きなさい、リュシー。私があなたの呼吸を管理し、この男があなたの肉を蹂躙する。あなたはもう、私たちという監獄から逃れることはできない」

「あはは、すごいよ、リュリュ! 中がぐちゃぐちゃだ! もっと、もっと僕たちの色に染まって!」

 鉄の棒で打たれるようなフェラムのピストンと、内臓を掻き回すルタムの捕食。交互に二頭の獣に貪り食われる。リュシアンは白目を剥き、よだれと涙を流しながら、二人の獣に同時に注ぎ込まれる熱い白濁に、脳が焼き切れるような快楽を覚えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

帰宅

pAp1Ko
BL
遊んでばかりいた養子の長男と実子の双子の次男たち。 双子を庇い、拐われた長男のその後のおはなし。 書きたいところだけ書いた。作者が読みたいだけです。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜

紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。 ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。 そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?

王太子殿下は悪役令息のいいなり

一寸光陰
BL
「王太子殿下は公爵令息に誑かされている」 そんな噂が立ち出したのはいつからだろう。 しかし、当の王太子は噂など気にせず公爵令息を溺愛していて…!? スパダリ王太子とまったり令息が周囲の勘違いを自然と解いていきながら、甘々な日々を送る話です。 ハッピーエンドが大好きな私が気ままに書きます。最後まで応援していただけると嬉しいです。 書き終わっているので完結保証です。

遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。

月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」 幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。 「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」 何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。 「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」 そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。 僕、殿下に嫌われちゃったの? 実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

処理中です...