固有スキルが【空欄】の不遇ソーサラー、死後に発覚した最強スキル【転生】で生まれ変わった分だけ強くなる

名無し

文字の大きさ
18 / 31

第十八階 不遇ソーサラー、パンにありつく

しおりを挟む

「きゃあぁぁっ!」

 なんだ? 五度目の転生はエリナの悲鳴で迎えられた。

「きっ……来なさい! クアゼル!」
「お、おい、生まれ変わったばっかりなんだから……」
「いいから!」

 エリナに腕を引っ張られて女子トイレに向かっていく。なんなんだよ。

「――あ……」

 鏡の向こうには怒った表情のエリナと、包帯グルグルのミイラ――俺――がいた。そうか。マミーの包帯つけてたんだったな。復元されるはずだったあいつの服はこれで上書きされちゃったわけだ。確かにレア装備ではあるが大した価格で売れないのはよくわかる。ダンジョン内ならともかく襲われることはないと思うが顰蹙はたっぷり買いそうだ。

「ふう……」

 急いで全身の包帯を外すと、俺のつけた刻印は当然だが消えていた。あれ結構気に入ってたのに。てか恥ずかしいな。なんもはいてないわけだし、服はどうしようか。

「ほら、これはきなさいよ!」
「え」

 エリナがマジックフォンの装備欄からパンツやらスカートやら出してきたので遠慮なくはかせてもらったが余計に恥ずかしかった。

「これ、エリナのか」
「そうに決まってるでしょ!」

 どうもスースーするな。スカートには慣れそうにない。

「クアゼル、似合うわよ!」

 エリナ、なんか嬉しそうだな。俺としては三馬鹿の1人になってるわけだから割と胸糞なんだが。

「もう夕食の時間なんだけど、どうする?」
「正直腹減ってて死にそうだが……この際だ。一気に終わらせる」
「もうっ……そんなこともあろうかと、はい!」

 エリナのやつ、今度はアイテム欄からパンを二つ出してきた。

「ありがとう、エリナ」
「ど……どういたしましてよ! ふん!」

 このパンって見覚えあるな。俺が働いてたところのじゃないか、多分。外はサクサクで中にたっぷりチョコクリームが入っている。思い出は苦々しいがこのパンは美味しいんだよなあ。見てるだけで涎が出そうだ。俺をカビパン扱いした元同僚のレビーノ元気かな。あれから全然会わないけど、あいつもダンジョンにいるはずなんだよ。ついでに殺してやりたい。

名前:エルミス
年齢:19
性別:女
ジョブ:アーチャー
レベル:46
ギルド:『九尾の狐』

LEP406/406
MEP651/651

ATK66
DEF16
MATK103
MDEF71
キャパシティ9

固有スキル

【転生】【先行入力】【効果2倍】
【レア運上昇】【先制攻撃】【必中】

パッシブスキル

オウルアイ7
イーグルアイ7

アクティブスキル

瞑想7
アローサークル3
メテオアロー7
アローレイン6
アンクルトラップ5
スリーピングトラップ2
大鷲の眼光1

 これまた厄介なスキルを入れてきている。アーチャーの上位スキルの大鷲の眼光は使うと一定時間、弓の攻撃力が爆発的に増すんだ。それでメテオアローの威力があんなにあったんだな。相当上げにくいらしいが初期レベルで助かった。

 それと、足を拘束するアンクルトラップ使われてたらやばかったな。まあこっちが攻撃の意志を持ってる時点で【先制攻撃】できるし勝ちは決まってるんだが。

 喉に引っ掛かったパンを水で一気に流し込む。きついが休んでられない。仇はあと一匹だけだが、異常を悟られる前に一気に始末したい。というわけで早速ギルド会話でやつに話しかける。もう本物の『九尾の狐』はジュナ……お前だけだ。

「ジュナ、いる?」
『エルミスさん? 一体どうしたというのです。マスターもいませんし、ローザさんに至ってはギルドを抜けてしまわれていますし……』

 ジュナのやつ、さすがに警戒し始めているな。ここで失敗は許されない。機転を利かせなければならない。自然な感じを装わなければならない。

「それがね、ローザと喧嘩しちゃって。そしたらもうギルド抜けるって言って……ダンジョンに潜っていったから追いかけたんだけど、見付からなくて……」

 通り魔にやられた、という線も頭に浮かんだが、それだと何故ギルドを抜けたのかがわからない。喧嘩したことでローザがギルドを抜けたというほうが自然だし警戒心もそこまで持たないだろう。

『あらあら。よっぽどローザさんを怒らせるようなことを言ったのでしょうね。例えば、あのクアゼルみたいな無能とかどうとか。私なら耐えられませんけれど』

 こいつ、まだ言うか。本当の無能は誰なのか思い知らせてやる。

「そう遠くは行ってないと思う。ソロだし。ね、一緒に探してほしいんだけど」
『はい。今行きますね』

 ジュナ、お前の処刑方法もちゃんと用意してある。ゴミクズらしく最高にもがき苦しみながら惨めに死んでもらう。

名前:エルミス
年齢:19
性別:女
ジョブ:ソーサラー
レベル:46
ギルド:『九尾の狐』

LEP503/503
MEP857/857

ATK20
DEF20
MATK170
MDEF132
キャパシティ9

固有スキル

【転生】【先行入力】【効果2倍】
【レア運上昇】【先制攻撃】【必中】

パッシブスキル

ムービングキャスト7

アクティブスキル

マジックエナジーロッド7
エレメンタルプロテクター2
サモンイグニス1
インビジブルボックス5
ベナムウェーブ6
マジックエナジーストライク7
フレイムウォール4
エレメンタルブレス2

 火の精霊を呼び出すスキル、サモンイグニスを発現させるべくスキルレベル3にしたフレイムホルダーを外し、フレイムウォールを入れた。サモンシルフィードはサモンイグニスと交代させた形だ。火の精霊を出していると火の魔法の威力が強くなるからな。よし、これで残虐ショーの準備は整った。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

処理中です...