外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~

名無し

文字の大きさ
59 / 93

59話 鳥

しおりを挟む

『『フシュウウゥゥゥッ!』』

「くぅっ……!?」

 鳥の足がついた二匹の目玉が、少しタイミングをずらして連続で飛び掛かってきたわけなんだけど、その跳躍力たるや凄まじくて眼球が間近に迫ったところでギリギリ回避できたくらいだった。

 当たったら【難攻不落】があっても痛そうだったし、それに加えて念のために【武闘家】スキルも使っておいて本当によかった……。

【殺意の波動】も一応試したけど、レベル差がありすぎるせいか全然麻痺してくれなかった。

 それにしてもあの異常な跳躍力……僕のテクニック《跳躍・大》よりもずっと瞬発力がありそうだった。ってことは、やつらは例の【混合】っていうスキルでお互いの《跳躍・大》を強化したんじゃないかな。今が分裂した状態ってことは元々一つだったってことだし。

 それ自体特殊すぎて僕には真似できないことだけど、《跳躍・大》と《裁縫・大》を組み合わせたら一体どうなるのか試してみたいし、将来性を考えても絶対に欲しいスキルだと感じる。こうなったらなんとか獲得を目指すべきだね――

『『――フシュウウゥッ!』』

「うっ……!」

 そう思って注意深くやつらの足元を見てたわけなんだけど、魔法陣が出てきて回るのが速すぎるのか目視できず、また例の《跳躍・特大》による連続攻撃を食らう格好になり、二匹目はかわしきれずにルーズダガーで受け流すことになった。これはもう、テクニックというよりスキルの範疇内だ……。

 というか、その際にわかったけど眼球が異常に硬い。怪力の腕輪をもってしても僅かに刃の先が入る程度だった。しかも、頭部にズキッと痛みを覚えたからこれが特殊防御の反射なんだろう。【難攻不落】で防御力が上がってるはずなんだけど、反射には効果がないみたいだ。

『『フシュアアァアッ!』』

「ぐぐっ……!?」

 それならばと魔法系のスキル【ストーンアロー】と【ウィンドブレイド】を試したら、前者は風属性に対して地属性ってことで属性的に合うのか物理よりは効いてる感じだけど、その分ダメージが痛くてかなりの負担を強いられると感じた。

『『フシュウウウウウゥッ!』』

「ぬはっ……!?」

 痛みとか色々削除してたらその隙を突かれる格好になってしまった。一匹目の体当たりをルーズダガーで受け流そうと思ったらバランスが崩れて、もう一匹の体当たりを避けられない状況だ。

 いくら【難攻不落】があるといっても、あの瞬発力からの体当たりが直撃するとどう考えてもまずい上、怒涛の連続攻撃を食らう可能性もある。どうせダメージを食らうならを使ったほうが――

「――ぐ、ぐぐっ……」

 向かってくる眼球に【瞬殺】スキルを使って殺したとき、自分の心臓をわしづかみにされた上に意識がちぎられるような感覚があった。

 これが半死状態ってやつか……。僕はあらゆる負担を削除するとともに、もう一匹に対して疲労だの酩酊状態だの疲労だの負の要素を全部復元させて、その間になんとか体勢を立て直した……って、あれ?

 一体だけになったスプリットガーディアンは身動き一つしなくなったかと思うと、間髪入れず分裂し始めた。さすが、レベル100を超えるだけあって厄介すぎるモンスターだ。というか、【混合】スキルがどうしても欲しいのでまだ死なれるわけにはいかないんだけどね……。

 ただ、あいつの異常なスピードのスキル詠唱速度を考えると、削除するのはかなり厳しいように思う。それこそ、視力にかなり特化してないと……って、待てよ? 亜人とかなら人間より視力がいいんじゃないかな。特に鳥とかいいって聞いたことあるけど、鳥類なんて触れるどころか間近で見た経験すらないし……。

『『――フシュウウウウゥウッッ!』』

「くっ……!」

 分裂し終わったやつらが立て続けに【混合】による爆発力のある跳躍力で体当たりしてきて、僕は今回もかわすのが精一杯だった。この連続攻撃はもう目が慣れるとかいうレベルの速さじゃないし、このままだと倒せるかどうかすら厳しい……。

「……あ……」

 待てよ? このモンスターって、鳥の足がついてるんだよな。ってことは、動物の中でも鳥類なんじゃ……? しかも風属性というおまけつき。早速【亜人化】スキルを使って鳥の亜人と化してみる。お、体がどんどん軽くなっていくような――

『『――フシュウゥウッッ!』』

「はっ……!」

 眼球たちが飛び掛かってきたわけなんだけど、いずれも体が軽いせいか余裕でかわすことができたし、それ以上になんか随分ゆっくりに見えたような。これが鳥の視力なのか……。

 これならあれも見えるかもしれないってことで、やつらの足元をじっくり眺めてみると、まもなく魔法陣が現れるのがわかったのでその回転が止まった瞬間削除してやった。

『『フシュウウゥゥッ……?』』

 あいつら、立て続けに飛び掛かってきたと思ったらいずれも幅が広いだけの跳躍力で、鳥の視力もあって間抜けだとすら感じるほど緩慢なものだった。さあ、あとは復元した【混合】スキルを試しつつ倒してやるだけだ。

「――お、おおぉっ!」

 早速《跳躍・大》+《裁縫・大》に【混合】を使ってみると、やつらに向かって跳躍しつつ宙を縫うような滑らかな動きで敵を翻弄することができるようになった。体が軽いのもあるんだろうけど、今までは直線的にしか跳べなかっただけに、これは癖になるような感覚があって病みつきになりそうだった。

「それそれっ……!」

『『フシュウウゥッ!?』』

 さらに気付いたことがあって、追いかけてきた二匹がくっついた状態になってるところで、《裁縫・大》+《跳躍・大》といった具合に今度は裁縫のほうを優先する形でこの組み合わせに【混合】を使うと、お互いが見えない糸かなんかで縫い合わされたかのようにしばらく離れなくなるのがわかった。これはかなりの追い風になりそうだ。

 あとは反射ダメージをいかに抑えるかだけど、これも一気に解決できる名案が浮かんだので早速実行してみることに。

「はあああぁぁっ!」

 僕はやつらを縫合したばかりのタイミングで、眼球Aとそれに付随する格好の眼球Bを持ち上げるようにして、《跳躍・大》で岩肌にぶつけてやる。

『『フシュアアァッ!?』』

 これによって、壁に衝突した眼球Bは眼球Aによってダメージを受けたことになるから、当然反射ダメージは僕じゃなく眼球Aのほうに行くってわけだ。縫合が途切れないように重ね掛けしつつ次はこれを反対方向にぶつけてやるだけで、均一にダメージを与え続けることができる。これなら発生した痛みとかいちいち削除せずに楽に倒せるはず。

『『……』』

 スプリットガーディアンたちが悲鳴すら上げなくなり、明らかに弱ってきたタイミングで、僕は満を持して地属性の魔法系スキル【ストーンアロー】を使いとどめを刺してやった。あまり痛みを感じなかったのは、体力がそれだけ弱ってて少ないダメージでも倒せたからなのかもね。

 さて……邪魔者はいなくなったし、あとは髑髏を削除して不老草を探すだけだ……。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~

黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」 女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。 この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。 『勇者道化師ベルキッド、追放される』 『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。

【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる

ともボン
ファンタジー
「ケンシン、てめえは今日限りでクビだ! このパーティーから出て行け!」  ある日、サポーターのケンシンは勇者のキースにそう言われて勇者パーティーをクビになってしまう。  そんなケンシンをクビにした理由は魔力が0の魔抜けだったことと、パーティーに何の恩恵も与えない意味不明なスキル持ちだったこと。  そしてケンシンが戦闘をしない空手家で無能だったからという理由だった。  ケンシンは理不尽だと思いながらも、勇者パーティーになってから人格が変わってしまったメンバーのことを哀れに思い、余計な言い訳をせずに大人しく追放された。  しかし、勇者であるキースたちは知らなかった。  自分たちがSランクの冒険者となり、国王から勇者パーティーとして認定された裏には、人知れずメンバーたちのために尽力していたケンシンの努力があったことに。  それだけではなく、実は縁の下の力持ち的存在だったケンシンを強引に追放したことで、キースたち勇者パーティーはこれまで味わったことのない屈辱と挫折、そして没落どころか究極の破滅にいたる。  一方のケンシンは勇者パーティーから追放されたことで自由の身になり、国の歴史を変えるほどの戦いで真の実力を発揮することにより英雄として成り上がっていく。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

追放王子の気ままなクラフト旅

九頭七尾
ファンタジー
前世の記憶を持って生まれたロデス王国の第五王子、セリウス。赤子時代から魔法にのめり込んだ彼は、前世の知識を活かしながら便利な魔道具を次々と作り出していた。しかしそんな彼の存在を脅威に感じた兄の謀略で、僅か十歳のときに王宮から追放されてしまう。「むしろありがたい。世界中をのんびり旅しよう」お陰で自由の身になったセリウスは、様々な魔道具をクラフトしながら気ままな旅を満喫するのだった。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

追放された最弱ハンター、最強を目指して本気出す〜実は【伝説の魔獣王】と魔法で【融合】してるので無双はじめたら、元仲間が落ちぶれていきました〜

里海慧
ファンタジー
「カイト、お前さぁ、もういらないわ」  魔力がほぼない最低ランクの最弱ハンターと罵られ、パーティーから追放されてしまったカイト。  実は、唯一使えた魔法で伝説の魔獣王リュカオンと融合していた。カイトの実力はSSSランクだったが、魔獣王と融合してると言っても信じてもらえなくて、サポートに徹していたのだ。  追放の際のあまりにもひどい仕打ちに吹っ切れたカイトは、これからは誰にも何も奪われないように、最強のハンターになると決意する。  魔獣を討伐しまくり、様々な人たちから認められていくカイト。  途中で追放されたり、裏切られたり、そんな同じ境遇の者が仲間になって、ハンターライフをより満喫していた。  一方、カイトを追放したミリオンたちは、Sランクパーティーの座からあっという間に転げ落ちていき、最後には盛大に自滅してゆくのだった。 ※ヒロインの登場は遅めです。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

処理中です...