転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ

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新しい街

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「なんだったんだ今の」

気がつくとライドが俺のそばにいた。どうやら冒険者登録がすんだようだ。

「あれはCランクで構成されてる白銀の獅子って名前のチームだよ。実力はあるんだけど気性が荒くてね。ちょっとうちでも手を焼いてるんだ」

俺たちの声が聞こえたのかキースさんが説明をしてくれる。チームなんてあったのか。それも今度教えてもらおう。

「一緒にいた小さな女の子は?」

俺よりも小さい彼女が冒険者ってことはないだろう。それに鎖もしていたし。
俺の言葉にキースさんはどこが答えにくそうだ。

「あれは奴隷だよ。先月ぐらいから連れ回していて買ったんだとクイナさんに説明してたから」

クイナさんとは先程の受付さんだな。切れ長の目の綺麗な女の人だ。
それより奴隷か。本当にいるんだな。でも俺よりも小さい子だったよな。なにかあったんだろうか。

「この街では奴隷の売買は禁止されてるけど連れ込むのは所有者の自由だからね。あんな小さい子を連れてるのは珍しいけど」
「やっぱり珍しいんですね」
「奴隷は犯罪を犯したり、借金されてる人が主だからね。たまに違法で奴隷にされる人もいるけど」

なんだか奴隷は闇が深そうだ。俺が関わることはないだろう。それに俺が関わったところで何も出来ないしな。あの女の子のことは気になるけど忘れるのが1番だ。

「それよりソラくんとライドくんは依頼受けるの?」
「今日はやることがあるのでやめておきます」
「ソラが行かないなら俺もやめとく。明日ここに集合でいいか?」
「うん。そうしよう。じゃあキースさんもまた明日」
「待ってるよ」

キースさんとライドと別れると市場に向かった。神様たちに渡す物を調達しにきたのだ。グーフ神は甘いものと…他はお酒とご飯だったかな?

市場で合わせて金貨1枚程の食料とお酒を買うとアイテムボックスに収納する。甘いものは地球の物が好きだったから創造のスキルで作ることにしよう。

俺は宿に戻りご飯の時間まで休むことをマーサさんに伝えると自室にこもった。

「今回は何を作ろうかな。んー…シュークリームでいいか」

頭の中でシュークリームの作り方などを探す。イメージとしてはパソコンだ。よくある〇〇〇〇先生を使って調べている感じだ。

頭の中で調べたシュークリムの原材料や作り方を思い浮かべながらシュークリームを作る。

「これぐらいでいいかな」

20個ほどシュークリームを作るとアイテムボックスから神様に貰った布を取り出す。
広げた布の上に買ったものを置いておく。

次の瞬間置いたものが消えてしまった。これで神様の所に送れたんだろうか?
まぁ消えたし大丈夫なんだろう。俺は布を畳むとアイテムボックスの中に仕舞った。

窓から外を見るとまだ空はオレンジがかっておりまだ食事まで時間が開きそうだ。この世界にも時計はあるがそこそこ高級品であり、一般家庭に置いてあることは少ない。時計を作れる職人が少なく希少なんだそうだ。
俺の創造のスキルで作れるのだが高級品を持っていることで変に絡まれても嫌だし、これまでも困ったことは無いから作ってこなかった。

「またなにか魔法でも作ろうかな」

最近の暇潰しだ。以前はスキルのレベルのレベル上げのために色々と鑑定したり創造でものを作ったりした。しかしレベルが最大になってからは誰彼構わず鑑定をするのをやめた。創造は必要に応じて使うけど前みたいになんでもというわけではなくなった。

そんなことで以前みたいに時間を潰すことの出来なくなった俺が考えたのが創造魔法だ。マジックバスやお湯を出したりする生活魔法や、睡眠や麻痺など狩りに使える魔法などを作ってる。もしかして闇魔法にあるのかもしれないが、村では勉強も練習もすることが出来なかったので分からない。

「ここに図書館があれば行ってみるのもいいな」

いい暇つぶしになりそうだし。風と聖魔法以外もそろそろと本格的に練習したい。あとで地図に図書館がないか確認しよう。あとキースさんにも聞いてみよう。

それよりも今は創造魔法だ。創造のスキルが最大になってはいるけど簡単に魔法は作れない。
もともとある魔法を組み合わせるだけならそんなに難しくはないけど、まったく新しい魔法を作ろうとするとどんな魔法にするのか、効果は、範囲は、呪文はなど詳しく考えないと駄目なのだ。
生活魔法はもともとある魔法の応用だからそこまで難しくなくスキルレベルが低くても作れたけど、隠蔽魔法は難しかった。中々創造することができなくて、魔法が出来るまで1ヶ月程かかった。できた時は本当に嬉しかったなぁ…。

「ってなに感傷に浸ってんだ」

今は魔法の事だ。何を作ろうか。明日は2人で依頼を受けるし依頼に使えるやつがいいよな。この間ライドを助けた時に思ったことは温度かな。今は過ごしやすい季節だからいいけど、雪が降る季節だったら野営は厳しくなる。そんな時に気温を調節できる魔法があれば嬉しい。

「エアコンみたいな魔法にすればいいかな」

暖かい風と冷たい風を出せばいいよな。風魔法を使うのと、火と水魔法を混ぜたら出来そうだな。

集中して魔法を考えているといつの間にか食事の時間となっており、サリアちゃんが呼びにきていたのに気付かず怒られてしまった。

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