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恋愛編
3話【daily work】大橋 潤也 21歳:お見舞い(大橋編)
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新條のお見舞いに行ったら、先客がいた。背が小さい女医と、背の高い男の医者。横顔を見ると……
「あ、藍原先生?」
うひゃ、やっぱりそうだ。2回しか会ってないけど、しかも2回目は酔っ払っててろくに顔も見てなかったけど、そうだ。で、隣のこの、男ですら嫉妬してしまいそうなほどのイケメンは誰だ? 藍原先生の部下かな? ん? ネームプレートにあるのは……岡林、幸太郎……。岡林? 岡林って、確か……楓さんの……。
そうとう酔っ払ってたけど、楓さんに関することなら全部覚えてる! そうか、こいつだったのか、楓さんを泣かせたやつは! こいつのせいで、楓さんが傷ついて! そのせいで楓さん、やけ酒して、酒の勢いで俺のチンコをいじりだして、そのままヤッちまって……そうか、そのおかげで俺は楓さんとヤレたわけか。じゃあこいつは、俺の恩人になるのか? なんかムナクソ悪いぞ、こいつが楓さんを振ったのは事実なわけで、しかもそれが、こんな非の打ち所がないほどのイケメンで、背も高くて、しかも医者だろ? クソモテるんだろうな、マジむかつく。しかも何、この爽やかそうな雰囲気。余裕ブチかましてんじゃねえよ、どうせ努力しなくても勝手に女が寄ってくるんだろ、選び放題でいいよなあ。どうせ楓さんのことだって、寄ってくるめんどくせぇ女のひとりだと思ってたんだろ。ふざけんなよ、楓さんみたいな可愛い女の人はな、おまえみたいなスカした野郎にはもったいねえんだよ――
「……大橋。おい、大橋」
「んだよ、うるせーな」
「おまえ、顔怖いよ」
「あ?」
「もう先生出ていったよ」
「あ? ……ああ、感じわりぃよな」
「感じ悪いの、おまえだよ。何ガン飛ばしてんだよ」
くそ、なんで新條にまで。
「授業ノート持ってきてやってんだぞ、説教すんなよ」
「悪い」
「ったく、おまえ、つくづくだせぇよな。またチンコにチューブ入れられたの?」
「入れられてねーよ! 今度は胸。胸に入れられたの」
ああ、ホントだ。なんか、すげぇ太い管が入ってるぞ。まじ痛そう。
「おまえから電話があったときは、マジでびびったわ。死にかけたなんて大げさだと思ってたけど、藍原先生が救急車呼んだんだって? おまえもう、藍原先生には頭あがんねえな。先生が自分の病院に運べっていったらしいじゃん」
「そうなの?」
「おお、看護師がいってたぜ。藍原先生が居合わせて、すぐここの救命に運ばれたから助かったんだって。病院たらい回しにされてたら、死んでたらしいよ、おまえ」
「そうなのか……」
「……そうか、看護師といえば」
楓さん、看護師だったよな。で、藍原先生と仲良しなんだよな。ってことはさ、楓さん、ここのナースってことだよな?
「……おまえ、楓さんがどこの病棟か知ってる?」
「知るわけねーじゃん。……おまえ、もしかして」
「ちょっとさ、連絡先ゲットしに、探してこようかな」
「やめろよおまえ、迷惑だろ? おまえと違って、楓さんはなかったことにしたいと思うぜ? それどころか、おまえの顔だって覚えてないかも」
「だからさ、俺から行くわけじゃん。いやー新條、おまえ、ここに入院してくれてありがとよ。グッジョブ!」
「でも、どの病棟かわからないだろ。個人情報だから、聞いても誰も教えてくれないと思うぜ」
「藍原先生は、内科だろ? だったら、内科の病棟にいるだろ。ちょっと行ってくるわ。お大事にな。……あ、そうそう」
いけねえ、忘れるところだった。
「おまえんちに着替え取りに入ったら、なんか、梨が大量に落ちてたぞ?」
「梨?」
「おう。傷みそうだったから、ちょっと持ってきた。お見舞いってことで、受け取ってよ」
「お見舞いって……そもそも俺んちにあったもんだろ」
「そうだけど。文句いうなよ」
「……ありがとう」
「じゃな!」
さてさて、新條は思ったより元気だったからほっといて、俺は内科病棟を探す。個人情報は教えてくれなくても、病棟ならみんな親切に教えてくれる。
4階中央病棟に着くと、俺はドキドキしながらナースステーションを観察した。楓さんは、いないみたい。
「ご面会ですか?」
ナースのひとりが声をかけてきた。やべえ、言い訳用意するの忘れてた!
「あっ、いえ、えっと、看護師の佐々木さん、いますか?」
この際聞いてしまえ!
「佐々木ですか? いますけど、今はたぶん検温で病棟を回ってますね。呼びましょうか? お名前は?」
「えっ、あっ、いえ、大丈夫です……」
うわ、俺の意気地なし……。呼び出してもらって、連絡先聞いて、お近づきになろうと思ってたのに、ビビッちまった。こんなチャンス二度とないかもしれないのに……。
仕方ない、新條がいる間に毎日お見舞いに来て、楓さんと偶然会うチャンスをうかがうか……。
「あ、藍原先生?」
うひゃ、やっぱりそうだ。2回しか会ってないけど、しかも2回目は酔っ払っててろくに顔も見てなかったけど、そうだ。で、隣のこの、男ですら嫉妬してしまいそうなほどのイケメンは誰だ? 藍原先生の部下かな? ん? ネームプレートにあるのは……岡林、幸太郎……。岡林? 岡林って、確か……楓さんの……。
そうとう酔っ払ってたけど、楓さんに関することなら全部覚えてる! そうか、こいつだったのか、楓さんを泣かせたやつは! こいつのせいで、楓さんが傷ついて! そのせいで楓さん、やけ酒して、酒の勢いで俺のチンコをいじりだして、そのままヤッちまって……そうか、そのおかげで俺は楓さんとヤレたわけか。じゃあこいつは、俺の恩人になるのか? なんかムナクソ悪いぞ、こいつが楓さんを振ったのは事実なわけで、しかもそれが、こんな非の打ち所がないほどのイケメンで、背も高くて、しかも医者だろ? クソモテるんだろうな、マジむかつく。しかも何、この爽やかそうな雰囲気。余裕ブチかましてんじゃねえよ、どうせ努力しなくても勝手に女が寄ってくるんだろ、選び放題でいいよなあ。どうせ楓さんのことだって、寄ってくるめんどくせぇ女のひとりだと思ってたんだろ。ふざけんなよ、楓さんみたいな可愛い女の人はな、おまえみたいなスカした野郎にはもったいねえんだよ――
「……大橋。おい、大橋」
「んだよ、うるせーな」
「おまえ、顔怖いよ」
「あ?」
「もう先生出ていったよ」
「あ? ……ああ、感じわりぃよな」
「感じ悪いの、おまえだよ。何ガン飛ばしてんだよ」
くそ、なんで新條にまで。
「授業ノート持ってきてやってんだぞ、説教すんなよ」
「悪い」
「ったく、おまえ、つくづくだせぇよな。またチンコにチューブ入れられたの?」
「入れられてねーよ! 今度は胸。胸に入れられたの」
ああ、ホントだ。なんか、すげぇ太い管が入ってるぞ。まじ痛そう。
「おまえから電話があったときは、マジでびびったわ。死にかけたなんて大げさだと思ってたけど、藍原先生が救急車呼んだんだって? おまえもう、藍原先生には頭あがんねえな。先生が自分の病院に運べっていったらしいじゃん」
「そうなの?」
「おお、看護師がいってたぜ。藍原先生が居合わせて、すぐここの救命に運ばれたから助かったんだって。病院たらい回しにされてたら、死んでたらしいよ、おまえ」
「そうなのか……」
「……そうか、看護師といえば」
楓さん、看護師だったよな。で、藍原先生と仲良しなんだよな。ってことはさ、楓さん、ここのナースってことだよな?
「……おまえ、楓さんがどこの病棟か知ってる?」
「知るわけねーじゃん。……おまえ、もしかして」
「ちょっとさ、連絡先ゲットしに、探してこようかな」
「やめろよおまえ、迷惑だろ? おまえと違って、楓さんはなかったことにしたいと思うぜ? それどころか、おまえの顔だって覚えてないかも」
「だからさ、俺から行くわけじゃん。いやー新條、おまえ、ここに入院してくれてありがとよ。グッジョブ!」
「でも、どの病棟かわからないだろ。個人情報だから、聞いても誰も教えてくれないと思うぜ」
「藍原先生は、内科だろ? だったら、内科の病棟にいるだろ。ちょっと行ってくるわ。お大事にな。……あ、そうそう」
いけねえ、忘れるところだった。
「おまえんちに着替え取りに入ったら、なんか、梨が大量に落ちてたぞ?」
「梨?」
「おう。傷みそうだったから、ちょっと持ってきた。お見舞いってことで、受け取ってよ」
「お見舞いって……そもそも俺んちにあったもんだろ」
「そうだけど。文句いうなよ」
「……ありがとう」
「じゃな!」
さてさて、新條は思ったより元気だったからほっといて、俺は内科病棟を探す。個人情報は教えてくれなくても、病棟ならみんな親切に教えてくれる。
4階中央病棟に着くと、俺はドキドキしながらナースステーションを観察した。楓さんは、いないみたい。
「ご面会ですか?」
ナースのひとりが声をかけてきた。やべえ、言い訳用意するの忘れてた!
「あっ、いえ、えっと、看護師の佐々木さん、いますか?」
この際聞いてしまえ!
「佐々木ですか? いますけど、今はたぶん検温で病棟を回ってますね。呼びましょうか? お名前は?」
「えっ、あっ、いえ、大丈夫です……」
うわ、俺の意気地なし……。呼び出してもらって、連絡先聞いて、お近づきになろうと思ってたのに、ビビッちまった。こんなチャンス二度とないかもしれないのに……。
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