妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

文字の大きさ
206 / 309
障害編

5話【Conference at Y Univ.】内科医 神沢 隼人 31歳:再会(藍原編)③

しおりを挟む
 慌てて片手で自分の口を塞ぐ。ダメ、こんなところで、これ以上は、絶対ダメ。なのに先輩は休むことなくあたしの胸をいじり続けて。

「ああ、香織ちゃん……昔と変わらない、甘い匂いだね……。キモチいい、ってことでしょ? やっぱり君は、こういうアブノーマルな状況に興奮するんだ?」

 いいながら、ぺろりとあたしの首筋を舐める。そこからぞわぞわとした快感が広がって、あたしはもう声を押さえるのに必死だ。

「んんっ、や、ダメ、やめ、先輩っ、んんん……ッ」

 耳を舐められ、乳首をいじられるたびに、ビクビクと体が勝手に痙攣して、耳元の先輩の息遣いが荒くなってくるのがわかる。

「香織ちゃん、可愛いよ。感じてる君は、ものすごく可愛い。……あのときも、そういえばよかったんだね……」

 先輩のもう一方の手がスカートの下から忍び込んできた。何とかこれ以上は死守しようと足を交差させてぎゅっと閉じたけど、先輩の手はあたしの下腹部からするすると下りてきて、隠しきれない小さな突起を、下着の上から探り当てた。

「んんんっ!」

 びりっと走った一筋の電流に足元が緩んだ瞬間、先輩の手はするりと入り込んで割れ目をなぞる。

「ああ、やっぱり……もう、濡れてるね、香織ちゃん。僕に、こんなに感じてくれてるだね」
「あっ、ダメっ、ね、先輩、本当にもう、ダメなの……っ、あっ、あああ……っ!」

 先輩の手を押しのけようとするけどびくともしない。先輩の指先は、しっとりと湿った下着を行ったり来たりして、そして時折あたしの膨らんだ突起を刺激する。ブラの下に潜った手はずっとあたしの胸を揉み続けて、首筋に頭をうずめた先輩は、絶えずあたしの耳元から甘いセリフを送り込んでくる。快楽の波に流されそうになりながらも、これは絶対ダメだって、わずかに残ったあたしの理性が激しく警告している。そう、こんなところで流されちゃダメ、一回ちゃんと立ち止まって、ちゃんと考えて……こんなの絶対、後悔する――

 バタン。

 遠くのほうで扉の開く音がして、ざわざわとたくさんの人が出てきた。発表が全部、終わったんだ。
 一瞬手を止めた先輩の隙をついて、何とか体を突き放す。

「あ……っ、香織ちゃんっ」

 あたしはささっと洋服を整えて、足元に転がった鞄を掴んだ。ふらふらとした足取りで、先輩と距離をとる。

「あっ、あたしはもうっ、ふ、吹っ切ったんで……! 今はっ、か、彼氏もできたんでっ、放っておいてくださいっ!」

 いった。ちゃんといえたわ! そう、まだ独り身だと思われてるからこんなことをされるんだ。先輩はまだ未練があるかもしれないけど、あたしは新條くんのおかげで、それを断ち切ることができそうなんだから。こんなところで、新條くんを裏切れない。あたしが次に進む相手は、先輩じゃなくて、新條くんなんだから。
 止める先輩を振り切って、あたしは廊下に出た。ここまでくれば、もう大丈夫。

「……藍原先生!」

 きょろきょろとあたりを見回していると、梨沙ちゃんのほうが先にあたしを見つけてくれた。

「もう先生、トイレ長すぎ。……あれ、何かあったんですか?」

 しまったわ、急なことで、まだ気持ちが落ち着いてない。顔も赤いだろうし、息も不自然に上がってる。梨沙ちゃんに、怪しまれてるわ!

「あ、だ、大丈夫よ、ちょっとアクシデントがあっただけで……」
「……先生、さっきの人と、何かありました?」
「ええ!?」

 梨沙ちゃん、直球でど真ん中来るわね!? どうしてわかるの!?

「さっきの人、やっぱり先生に話しかけたそうにあそこから見てますよ」
「え……」

 ちらりと振り返ると、神沢先輩はさっきの物陰からじっとあたしを見ていた。すぐに、目を逸らす。

「ああ、大丈夫! ちょっとトイレのあと、む、昔話に花が咲いちゃって、そ、それだけだから! それより梨沙ちゃん、今日は疲れたでしょ。もう帰りましょう、明日も早いし」

 あたしは梨沙ちゃんと駅に向かって歩き出した。携帯の電話番号は、あれから変えた。お互いに住んでる場所も知らないし、今は彼氏がいることもちゃんと伝えた。これで、終わりになるはず。不安になることなんて、何もないわ。
しおりを挟む
感想 154

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...