妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

文字の大きさ
14 / 309
妄想編

14話【case 4】 新條 浩平 20歳 :下血(新條編)

しおりを挟む
 名前を呼ばれたから中に入って、ぎくっとする。てっきり男の先生だと思ってたら、若くて可愛い女医さんが座っていた。

「新條さんですね? 今日はどうしました?」

 ニコニコ笑いながら、俺を見つめてくる。うわあ、まいったなあ、男のほうがよかったなあ……。

「あの、昨日から、出血が……」
「出血? って、どこから?」
「あの……お、お尻です……」

 まいったなあ、きれいな女医さんに、お尻から出血とか、まじいいにくいじゃん。

「お尻? ……つまり、排便のときとかに、ってことかしら?」
「あ、はい、そうです」

 もじもじとうつむいていると、女医さんが何もいわずに、俺の顔をじーっと凝視してきた。え、な、なに、何か変なこといったかな? こんな若いのにケツから血が出るとか、おかしいのかな、やっぱり……。

「……あなた、こないだ救急外来に来た子ね」

 突然女医さんがそういった。それからカルテを確認して、うんうんとうなずいている。

「やっぱり。新條浩平くん。5日前に、急性アルコール中毒で救急外来に来たでしょ。あのあと、大丈夫でした?」

 うそ、あのときと同じ先生?

「あ、はい、おかげさまで、すみません……」

 とりあえず謝っておく。正直にいうと、あのときの記憶はほとんどない。居酒屋で気持ち悪くなって、次に気がついたら、同期の大橋のアパートで朝になってた。大橋のやつが、女医が可愛かっただの、役得だの、チンコちいせえだの、なんかいろいろいってたなあ……ってくらいで。まずいなあ、俺、何か迷惑かけたかなあ。

「もう記憶とぶほど飲んじゃだめですよ」

 先生がニコニコしてそういった。……うわあ、確かに可愛い。こんな優しい先生が、手当してくれたんだなあ……そりゃあ大橋も、うらやましがるよなあ……。

「……で。排便時の出血、ね……。色は? 真っ赤。量は……便器が真っ赤になるくらい、と。なるほど。新條さん、普段便秘がちです?」
「え、あ、はい……」
「お酒は? 普段からよく飲むの?」
「あ、いや、飲まないほうなんすけど、ここ数日、大学の勧誘とかで飲む機会は増えてますね……」
「……なるほど。新條さんね、たぶんそれ、痔ね」
「じ……?」

 じ? ジ? ……『痔』!? うわ、俺、痔なの? うっわー、恥ずかしー……。そんなんで俺、てんぱって病院来ちゃったのかよ。しかも女医さん。

「でも、初めての出血よね? ……うーん、まあ若いから、大腸カメラまではしなくていいと思うけど、痔かどうか確認しなくちゃいけないから、診察しましょうね」

 そういって先生が診察台を指し示す。……え、診察って……どこの? ま、まさかとは思うけどさ……。

「壁のほうを向いて体を横向きにして、ズボンとパンツは脱いでくださいね」

 いとも普通のことのように先生がいう。けど。……いやいやいや、ちょっと待って。それってさ、俺のケツを診るってことだよね!? いや、確かにケツの穴から出血してるっていったけどさ、ちょっと、こんなに若くて可愛い女の人に、ケツの穴見られるのって、いくら医者でも、さすがにしんどい。いやだいやだ、絶対いやだ……!!
 俺の必死の形相に気づいたらしい女医さんが、困ったように笑う。

「……ちょっと診察させてくれれば、痔かどうかすぐにわかりますから。……それとも、大腸カメラ、する? お尻から管を入れて、腸を引き伸ばしながら奥まで見るの。……そっちのほうが、きついと思うけど……」

 うわ、それは勘弁。まだケツの穴だけのほうがマシだわ。

「……すぐ、終わらせますから」

 女医さんの天使のような笑顔にそそのかされて、俺は覚悟を決める。トランクスを脱いで、横になった。視界の隅で、先生が手袋をはめ……何やらチューブから透明のゼリーみたいなやつを出して、手袋ごしに指に塗ってる。……潤滑剤的なやつ? うわー、エロいなー。これから文字通り、アナルプレイが始まるのかよ……。いや、女の子にアナルプレイならしてみたいけどさ、俺がされるほうっていうのは、ちょっと……。

「はい、それじゃ、力を抜いて……口で、楽に息をしててくださいね……」

 先生の手が、俺の尻を押さえる。それから……すごくやさしく、ゆっくり、丁寧な手つきで……ヌルヌルの人差し指を、俺の肛門のあたりに這わせる……。うひゃー、入り口でじらすとか、マジどんな羞恥プレイだよ、これ本当に診察なのかよ……。ケツの穴がヒクヒクするのを我慢するので必死だよ。と、思ってたら。

「はい、力抜いてね……入りますよ……」

 先生がそう囁いて、次の瞬間、俺のケツの穴に、先生の細い人差し指が、ぬぷっと……。う、うわ、何この感覚!?

「そう、上手ですよ。そのまま、力抜いていてね……痛くしないから……」

 い、痛くはない。痛くはないけど、何だろうこの感覚、異物が挿入されて、下っ腹が圧迫されるような……何か、不思議な感覚。……ひゃあっ、先生の手が、俺のケツの中でぐるぐるとうごめき始めた! うわっ、や、やめて、何か、すごく変な感じ……!

「ダメダメ、力入れないで。大丈夫だから、もっとリラックスして。そう、ふうーって息を吐いてー……」

 いわれたとおり、力を抜く。そしたらまた先生の指が、俺の穴の壁をなぞるように、動き始めて……あ、なんだこれ、く、クセになりそうな……感覚……。そのとき、先生の指先が動いて、俺はチンコの根本あたりが急に刺激された感じがして思わずビクッとなる。なんだ今の……! あやうく声が出るとこだった。ひょっとして……今のが、前立腺マッサージってやつか……!?

 異様に興奮してるのを気づかれないかドキドキし始めたとき、先生の指が俺のケツから抜かれた。……あれ、なんか、ほっとしたような、ちょっと物足りないような……。

「やっぱり、内痔核ですね。ありましたよ」

 え、あったって、ケツに指突っ込んだら、痔かどうかわかるんだ?

「まだ小さいし、初めてみたいだから、しばらくはお薬で様子見ましょう。軟膏出しておくから、自分でお尻の中に注入してください。あと、とにかく便秘を解消すること。これも、お通じを軟らかくするお薬を出しておきますからね。お酒や辛い物もダメですよ、気をつけて」

 先生はそういって、笑顔で診察を終えた。帰り際に、名札を見る。……藍原香織先生、か。いい先生だったな、覚えておこう。
しおりを挟む
感想 154

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...