虹の月 貝殻の雲

たいよう一花

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Ⅱ 幽閉

11. 二度目の交わり(3)

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魔王はビクビクと震えている自身の二振りの欲望に、片手で潤滑剤を塗り込み始めた。
今回用意したそれは、前回の代物とは違い、強い媚薬成分が含まれている。
挿入の際の苦痛を完全に取り除き、快感を何倍にも増大させるこの淫薬は、既に効果を上げ、レイの体を極限まで高めている。
強い催淫効果を持つこの薬を、魔王は5日間を限度として取り入れることを決めた。それ以上使えば、副作用の危険が生じるからである。

魔族は性的な欲求が強く、魔界にはこの手の媚薬は山ほどの種類があった。
6日目からは別の、効果は落ちるが比較的安全な薬を使い、レイの体が慣れてくるに従い、更に安全で緩い薬に切り替えるつもりで、魔王は何段階もの媚薬を用意していた。

本来、運命の絆で結ばれた者同志の性行為は、媚薬の効果に頼らずとも、強い快感をもたらす。
しかし初夜の場で、魔王は取り返しのつかない失態をおかした。
初めて男を受け入れる体を、乱暴にこじ開け、思うままに貪ったその暴力は、レイをひどく萎縮させ、その体に恐怖を植え付けてしまった。
その感触を取り除き、体を繋げる快感へと導くためには、しばらく薬の力に頼る他なかった。

(その間に、レイが私の大きさに慣れてくれれば良いが……)

初夜の失態に加え、魔王の並外れた巨大な男根も、障害の一つだった。

(せめてもう一回りでも小振りであれば、レイの負担も和らぐものを……)

かつては密かに自慢に思っていたその逸物が、今は恨めしい。

魔王はそう思いながら、レイの体からそっと指を引き抜くと、腰にうずめていた顔を上げ、ゆっくりとレイの上に覆いかぶさった。
隆々とした筋肉に覆われた、逞しい魔王の体の下で、レイは切なげに息を弾ませ、若者らしい引き締まった裸体を晒していた。

レイは人間の中では、身長はやや標準を上回り、よく鍛錬された体つきをしているが、並外れて体格の良い魔王にしてみれば、その体はずいぶんと華奢に見えた。それが魔王の庇護欲をそそり、一層強く込み上げてくる愛おしさに、魔王は胸を押し潰されるような痛みを感じた。

(二度と――失いたくない)

あの惨劇を二度と繰り返さないために、魔王はサライヤの手を借りて、暴走を防ぐ暗示を、心の奥深くに仕込ませた。
比類なき力を持つ魔王に、その暗示がどれほどの効果を発揮するかは不明だが、何も対策を立てずにレイに触れることなど、できなかった。

(レイ……早く気付いてくれ。おまえの半身の存在に。その瞳で私を見つめ、その唇で私に愛を囁いてくれ……)

その祈るような想いが届いたのか、レイがふと、両目を覆っていた腕をどけて、涙にけぶる瞳で魔王を見つめた。

「レイ……」

震える声で優しく名前を呼ばれ、レイの体がぴくんと反応する。

「はっ……ぁ……(魔……王…)」

声にはならなかったが、レイの唇は確かに、目の前の男を呼ぶ形を取った。
それに気付いた魔王は、歓喜に打ち震え、堪らずレイを掻き抱いた。

「ああ……レイ、レイ……愛してる……私のレイ……」

ぴったりと肌を重ね、その温もりを確かめる。
背中からうなじへ、腰から尻へと、魔王の大きな手が、レイの体をさすりながら移動する。
互いの性器が触れ合い、二人の体に挟まれて、ビクビクと脈動する。

レイはぼんやりと、その熱を感じていた。
さっきまであれほど怯えていたのに、今はただ、疼いてたまらない体を持て余し、わけの分からない衝動に、泣き出してしまいそうだった。
体が、何かを求めて喘いでいる。
切なさに似たこの欲求を満たすためには、この男にすべてを委ねる他ないのだ。
そう思ったレイは、魔王の体温に包まれ、優しく体をさすられるうちに、この男の求めに応じるのが、ごく自然なことのような気がしてきた。

(もう……何も、考えたくない……)

次第に強くなる体の疼きに支配され、レイの頭から思考力が奪われてゆく。レイは全身から力を抜き、魔王の次の行動を待っていた。
その思いを感じ取りながら、魔王はレイのうなじを優しく揉み、指に黒い髪を絡ませた後、ゆっくりと上体を起こした。
そしてレイの膝を折り曲げ、晒された双丘の谷間に、自身の猛りを押し付ける。
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