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Ⅱ 幽閉
10. 二度目の交わり(2)
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魔王はレイの放ったものを手ですくいとり、自身の猛りに擦り込むように塗り付けながら、視界にあるレイの全てを、貪るように見つめた。
目は物憂げに伏せられ、長い睫毛が涙を含んで光っている。
乱れた息に唇が震え、激しい接吻の名残が、唾液に濡れた口元を紅く彩る。
汗をにじませ上気した肌は、魔王の手に吸い付くように、しっとりと火照っている。
その全てが愛おしくて堪らず、魔王は自身の肌をレイにぴったりと密着させると、腕の中にくるむように抱きしめた。
「んっ……」
情熱的な抱擁に、レイは頭の芯が痺れてゆくのを感じ、目を閉じて身を任せた。
抵抗が止み、静かになったその体を、魔王は舌と唇、そして指先で、丹念に愛撫し始めた。レイの体のあちこちを、舌で弄り、指先で征服してゆく。
「はっ……んあっ……ん、ん、あぁ……」
レイの吐息まじりの甘い喘ぎ声が、魔王の口元から発せられる淫靡な水音と共に、室内に響く。
やがて魔王は、傍らに用意していた潤滑剤の容器を引き寄せると、とろりとした粘性の液体を指に絡ませた。
そうして再び勃ち上がりはじめたレイのものを口に含みながら、濡れた指で後孔の周りを優しく揉み解す。
「あっ……! やっ、やめろ!」
その場所に触れられた途端、再び戦慄に襲われ、レイは怯えて身を捩った。
「いやだっ! 魔王、やめろ! うっ、ううっ、くっ……ああっ!」
魔王の舌がぴたりと寄り添いながら、温かい口内でレイをしごく。
唾液と先走りの露が混じりあい、じゅぷじゅぷと淫靡な音が、耳を犯す。
指でしごかれるよりもずっと強い快感を与えられ、レイはひたすら喘ぐ他なかった。
「はぁっ……はぁっ、くっ、ぅんんん……! んああっ! あああ!」
後ろを弄っていた指が、ゆっくりと中に押し入ってくる。
痛みはまるでなく、むしろ気持ちが良かったが、この後予想される展開に、レイは震えおののいた。
「いやだっ……! いやだ! 魔王っ! いやだ! やめてくれっ!」
最後の言葉は不覚にも涙声になった。しかし羞恥心よりも恐怖の度合いの方がずっと大きく、もし泣いて魔王を止められるなら、レイはためらわずそうしただろう。
怯えきったその様子に胸を痛め、魔王はレイの昂ぶりをそっと解放すると、優しく語りかけた。
「レイ……あの夜は……本当にすまなかった。今夜は決して、おまえに苦痛を与えないと誓う。だからどうか……力を抜いて、私に体を委ねてくれ。むごいことはしない。絶対に、だ……」
「うっ……う……嘘だ……! 信じないぞっ……もう、あんたの言うことなんか……!」
その言葉に、魔王の顔が歪む。強烈な痛みに耐えているかのような苦しげな表情と、波のように襲い掛かってきた魔王の悲嘆が、レイの胸をズキリと直撃した。途端にレイは自らの発言を後悔し、そして後悔したことに狼狽した。
(何でだよっ……! 俺が……俺が、ひどい目に合わされてるのに……これじゃあ反対に、俺が魔王を苛めてるみたいじゃないか!)
レイの混乱をよそに、魔王は苦しげな表情のまま、震える息を吐き出した。
「そうだな……。私は我を忘れ、おまえにむごい仕打ちをした。あのとき……」
――もしサライヤが助けに来なければ、こうして再び肌を重ねることも叶わず、冷たい骸を抱くことになっていただろう……。
そう思いながら悔恨にくれ、言葉を詰まらせた魔王に、レイはためらいがちに声をかけた。
「俺にひどいことをしたという自覚が、あるなら、……もう、俺を、解放……してくれ……」
後ろにねじ込まれた指が気になって、発声さえ妨げる。
魔王がぼんやりしている間に、レイは逃げ出せないかと身を捩った。その刹那、魔王の指を呑み込んだ箇所から、甘い痺れが全身に駆け抜け、レイはビクリと体を硬直させた。
(何っ……!? 何だ、今の!?)
その反応の意味するところを敏感に察知した魔王は、おもむろに指の動きを再開させた。
「レイ……痛くはないだろう? ……ここはどうだ?」
ゆるく折り曲げられた指が、ある一点を刺激した途端、レイは体を仰け反らせて声を振り絞った。
「はっ……! あっ、くぅっ、ぅああああっ!」
逆らうことのできない快感に、声を抑えることも叶わず、すがる場所を求めてシーツを握り締める。しかし精一杯の力を込めても、術で縛られた体は足掻くことさえ、容易に許してくれない。
「ああああっ! ……やっ、……ぅああっ、いやっ……だぁ!」
快楽ににじみ落ちた涙を隠そうと、レイは片腕を上げて目を覆った。
強烈な快感に支配され、抗うこともできず、ただひたすらむせび泣きながら、レイはそんな自分に狼狽していた。
(どうして……あんな所に指を入れられて……俺は……)
その戸惑いに気付いたように、魔王がレイの猛りを舌でねっとりと弄りながら、囁いた。
「レイ……気持ち良いだろう? ……素直になれ」
レイの反応を確かめながら、魔王は挿入する指を一本から二本に増やす。
そして敏感な粘膜を傷付けないよう気を付けながら、休むことなく抜き差しを繰り返した。
「うあっ! ……はっ、あああっ、んん、ああ!」
何度も継ぎ足された潤滑剤が、ちゅぷちゅぷと卑猥な音を醸し出し、レイの尻から溢れ落ちてシーツを濡らしてゆく。
「いやっ……いやだっ……魔王っ! あっ、ああっ、ん……くぅっ……! ひっ……んああああ!」
「いい声だ……レイ。もっと聞かせてくれ……」
魔王は荒い息で苦しげに眉根を寄せた。
(くっ……! もう限界か……)
魔王の股の間で怒張した猛りは、レイの痴態に煽られ、天を突く勢いで反り返っている。
目は物憂げに伏せられ、長い睫毛が涙を含んで光っている。
乱れた息に唇が震え、激しい接吻の名残が、唾液に濡れた口元を紅く彩る。
汗をにじませ上気した肌は、魔王の手に吸い付くように、しっとりと火照っている。
その全てが愛おしくて堪らず、魔王は自身の肌をレイにぴったりと密着させると、腕の中にくるむように抱きしめた。
「んっ……」
情熱的な抱擁に、レイは頭の芯が痺れてゆくのを感じ、目を閉じて身を任せた。
抵抗が止み、静かになったその体を、魔王は舌と唇、そして指先で、丹念に愛撫し始めた。レイの体のあちこちを、舌で弄り、指先で征服してゆく。
「はっ……んあっ……ん、ん、あぁ……」
レイの吐息まじりの甘い喘ぎ声が、魔王の口元から発せられる淫靡な水音と共に、室内に響く。
やがて魔王は、傍らに用意していた潤滑剤の容器を引き寄せると、とろりとした粘性の液体を指に絡ませた。
そうして再び勃ち上がりはじめたレイのものを口に含みながら、濡れた指で後孔の周りを優しく揉み解す。
「あっ……! やっ、やめろ!」
その場所に触れられた途端、再び戦慄に襲われ、レイは怯えて身を捩った。
「いやだっ! 魔王、やめろ! うっ、ううっ、くっ……ああっ!」
魔王の舌がぴたりと寄り添いながら、温かい口内でレイをしごく。
唾液と先走りの露が混じりあい、じゅぷじゅぷと淫靡な音が、耳を犯す。
指でしごかれるよりもずっと強い快感を与えられ、レイはひたすら喘ぐ他なかった。
「はぁっ……はぁっ、くっ、ぅんんん……! んああっ! あああ!」
後ろを弄っていた指が、ゆっくりと中に押し入ってくる。
痛みはまるでなく、むしろ気持ちが良かったが、この後予想される展開に、レイは震えおののいた。
「いやだっ……! いやだ! 魔王っ! いやだ! やめてくれっ!」
最後の言葉は不覚にも涙声になった。しかし羞恥心よりも恐怖の度合いの方がずっと大きく、もし泣いて魔王を止められるなら、レイはためらわずそうしただろう。
怯えきったその様子に胸を痛め、魔王はレイの昂ぶりをそっと解放すると、優しく語りかけた。
「レイ……あの夜は……本当にすまなかった。今夜は決して、おまえに苦痛を与えないと誓う。だからどうか……力を抜いて、私に体を委ねてくれ。むごいことはしない。絶対に、だ……」
「うっ……う……嘘だ……! 信じないぞっ……もう、あんたの言うことなんか……!」
その言葉に、魔王の顔が歪む。強烈な痛みに耐えているかのような苦しげな表情と、波のように襲い掛かってきた魔王の悲嘆が、レイの胸をズキリと直撃した。途端にレイは自らの発言を後悔し、そして後悔したことに狼狽した。
(何でだよっ……! 俺が……俺が、ひどい目に合わされてるのに……これじゃあ反対に、俺が魔王を苛めてるみたいじゃないか!)
レイの混乱をよそに、魔王は苦しげな表情のまま、震える息を吐き出した。
「そうだな……。私は我を忘れ、おまえにむごい仕打ちをした。あのとき……」
――もしサライヤが助けに来なければ、こうして再び肌を重ねることも叶わず、冷たい骸を抱くことになっていただろう……。
そう思いながら悔恨にくれ、言葉を詰まらせた魔王に、レイはためらいがちに声をかけた。
「俺にひどいことをしたという自覚が、あるなら、……もう、俺を、解放……してくれ……」
後ろにねじ込まれた指が気になって、発声さえ妨げる。
魔王がぼんやりしている間に、レイは逃げ出せないかと身を捩った。その刹那、魔王の指を呑み込んだ箇所から、甘い痺れが全身に駆け抜け、レイはビクリと体を硬直させた。
(何っ……!? 何だ、今の!?)
その反応の意味するところを敏感に察知した魔王は、おもむろに指の動きを再開させた。
「レイ……痛くはないだろう? ……ここはどうだ?」
ゆるく折り曲げられた指が、ある一点を刺激した途端、レイは体を仰け反らせて声を振り絞った。
「はっ……! あっ、くぅっ、ぅああああっ!」
逆らうことのできない快感に、声を抑えることも叶わず、すがる場所を求めてシーツを握り締める。しかし精一杯の力を込めても、術で縛られた体は足掻くことさえ、容易に許してくれない。
「ああああっ! ……やっ、……ぅああっ、いやっ……だぁ!」
快楽ににじみ落ちた涙を隠そうと、レイは片腕を上げて目を覆った。
強烈な快感に支配され、抗うこともできず、ただひたすらむせび泣きながら、レイはそんな自分に狼狽していた。
(どうして……あんな所に指を入れられて……俺は……)
その戸惑いに気付いたように、魔王がレイの猛りを舌でねっとりと弄りながら、囁いた。
「レイ……気持ち良いだろう? ……素直になれ」
レイの反応を確かめながら、魔王は挿入する指を一本から二本に増やす。
そして敏感な粘膜を傷付けないよう気を付けながら、休むことなく抜き差しを繰り返した。
「うあっ! ……はっ、あああっ、んん、ああ!」
何度も継ぎ足された潤滑剤が、ちゅぷちゅぷと卑猥な音を醸し出し、レイの尻から溢れ落ちてシーツを濡らしてゆく。
「いやっ……いやだっ……魔王っ! あっ、ああっ、ん……くぅっ……! ひっ……んああああ!」
「いい声だ……レイ。もっと聞かせてくれ……」
魔王は荒い息で苦しげに眉根を寄せた。
(くっ……! もう限界か……)
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