虹の月 貝殻の雲

たいよう一花

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Ⅲ 誓約

19. 狂気の再来(3)

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魔王の狂気が辺りに重く立ちこめ、風の強い秋の日のように枯葉が次々と落ち、地面に降り積もってゆく。
昨夜魔王と過ごした、仄かな月明かりに照らされた美しい春の庭は、もうどこにもなかった。

狂気に身を委ねた男は、乱暴にレイの脚を持ち上げると、太腿の裏側を押さえ付け、股座またぐらに顔をうずめた。そして先ほど痛めつけた睾丸から手を離すと、今度はそれを口に含んだ。

「……くっ……!」

レイは息を詰めて、予測できない魔王の動きに震えおののいた。少しでも身動きすれば魔王の口中で噛み千切られるのでは、という恐怖から、体が硬直する。

魔王は唇で揉みこむようにレイの睾丸をやんわりと包み、舌を這わせて弄った。それと同時に縮み上がったレイの男根を、唾液を絡ませた指の腹で、根元から力を入れずに軽くなぞる。やがてその指が先端の敏感な部分を、クニュクニュと優しくこね回し始めると、恐怖を感じているレイの意識とは無関係に、体が反応を返す。

「はぁっ……はぁっ……んんっ……」

絶えまなく与えられる刺激が、体中の性感帯を目覚めさせ、レイを快楽へと導いてゆく。
――こんな状態でも、魔王に触れられれば反応してしまう自分の体が、恨めしい。
レイはギュッと目を閉じると、カチカチと鳴り合わさる歯に辟易へきえきして、奥歯を噛みしめた。

レイの抵抗が止んだことに満足したのか、魔王の狂気は若干衰え、乱暴な振る舞いも次第に穏やかになりつつあった。
魔王はしつこく弄っていた睾丸を解放すると、唇をレイの双丘の谷間にずらし、きゅっと閉じ合わさっている部分に舌をあてがい舐めまわした。

「やっ……くぅっ! ふっ……ああぁっ!」

仰け反ったレイの後頭部に押され、土がザリザリと音を立てる。
レイは爪に砂がめり込むのも構わずに、地面を掻いた。
魔王の熱い息が勢いよく吐き出され尻に当たるたび、レイの体が小刻みに震える。
魔王に開発され、すっかり敏感になったその部分は、執拗な愛撫に反応し、ひくひくと痙攣していた。体はもっと確かなものを与えられるのを待ち、貪欲に更なる快感を求めている。それに応じるように、次の瞬間、魔王の舌が、ぐにゅりと中へ侵入してきた。

「んくっ……! ぅあっ! あああっ!!」

反射的に逃げようとするレイの腰を両腕で押さえ付け、魔王は長い舌をずるずると、レイの後孔へ押し込んだ。

「やぁっ……! やっ、はぁっ、ふっ……くっ!」

魔王は唇をぴったりとレイの秘門に吸いつかせ、舌で肉を押し分けるように、うねうねと奥へ侵入した。そして目的の箇所に辿り着くと、そこを舌の先端でやんわりと圧迫した。
ビクッとレイの体が弓なりに跳ね上がり、股間の欲望が勢いよく起き上がる。

「うああっ!! ……はぅっ! ……くっ、ううっ!」

レイは目を剥き、息を乱しながらピクピクと淫らに悶えた。口の端から唾液が糸を引き、耳元へと伝い下りてゆく。
その反応を楽しみながら、魔王はなおもしつこく舌技を尽くし、レイの体を思うままに陵辱した。

「ひぅっ! ……ぁ……はっ……くっ!」

腰が砕けそうな快感に翻弄され、レイは喉を引きつらせ喘いだ。
魔王の舌がグニュグニュと内側の粘膜を摩擦し、柔らかい舌先が感じる箇所をこね回す。
レイの反り返った欲望の根元から熱いほとばしりが上ってゆくのを感じたとき、それを看破したように魔王が舌を引き抜いた。

「……っ! ぁ……く……」

いきなり刺激が中断され、体中が不満を訴える。

腿の裏側を強い力で押さえつけていた魔王の手が離れ、下肢が自由になると、レイは首をやや起こして魔王を視界に捉えた。

魔王は上着を脱ぎ捨て、更にその下に着ていたシャツを乱暴に左右に開き、逞しい胸を露出させた。反動でボタンが飛び散り、布地の裂ける音が響く。
その性急な態度と共に、魔王の目の中に未だ狂気が宿っていることに不安を覚え、レイは無意識に魔王から距離を取ろうとした。

しかしその動きを察知した魔王は、再びレイの上に跨り、逃亡を阻止する。そのまま膝立ちになり、レイの腰部を左右から締め付け、魔王はもどかしげに下衣を膝辺りまでずり下ろした。

布の下で抑圧されていた欲望があらわになり、外気に晒される。
半透明の天板をとおして、ぼんやりとした月明かりが内庭を照らし、魔王の局部を浮かび上がらせた。
二振りの巨根は天を突く勢いで反り返り、先端からだくだくと液汁を垂らし、濡れそぼっている。
その凶暴な猛りが、いつもより更に膨らんでいるように見え、レイは戦慄に肌を粟立たせた。

魔王はレイの背中に腕を回し抱き起こすと、自身の膝の上にレイを向き合う形で座らせた。レイが怯えて声を上げるのも構わず、両脚を大きく左右に開かせ、尻を持ち上げて強制的に受け入れる姿勢を取らせる。

レイは恐慌をきたし、魔王の肩に両手を突っ張りながら叫んだ。

「いやだっ!……いやだ、魔王! やめてくれ……こんな姿勢……無理だ! 頼む……やめてくれ……魔王……魔王!」

潤滑剤の助けもなしに、魔王の唾液と先走りのみで、レイの後ろに猛り狂う欲望があてがわれる。
ジュク、と濡れた先端が強く押し当てられ、レイはか細い悲鳴を上げてすすり泣いた。

「いやだっ! 魔王! 頼むから、やめてくれ! 魔王、やっ……ひっ……! うくっ……ううっ……やめてくれ……」

必死の懇願にも耳を貸さず、魔王はレイの腰を両脇から押さえ付けると、そのまま力を込めて引き下ろした。

「ひっ……! ぅぐっ……!」
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