道楽草

十三岡繁

文字の大きさ
285 / 341

生物と非生物

しおりを挟む
 考えても分かるわけがないのに、どうしても定期的に疑問に思ってしまうことがある。今回はNASAが発見したという、火星の生命の痕跡がトリガーとなった。

 生物と非生物の境界はどこにあるのか? 代謝をして増殖ができるものを生物とするならば、人間の体組織から抽出された細胞を培養した場合、それは生物と呼べるのだろうか? 言い方を変えれば生きていると言えるのだろうか?

 多分そのうちに、体細胞一つから体全体を復元することも可能になると思う。その時に。その個体は意識や自我というものを持ち得るんだろうか? 全ての意識や自我が脳由来であるとするならば、そうなるかもしれないが、何か違うような気もする。これを言えばマッドサイエンティストと同じだが、その実験がもし可能となったとき、の結果が生命の根本を知る手掛かりになりそうな気がする。

 話を最初に戻そう。昔のまだ生物の存在しなかった地球に、なにかしらの化学変化が起こって生物の元が誕生したという。当時の環境を再現して、化学変化によってアミノ酸までは作れたようだが、そこから先には進まない。科学の理論というのは、再現性が何より重視されるのではなかったのか? だとすればその生命誕生の理論は現在のところ、非科学的という事だ。

 現代文明では、それなりに科学が発達しているとは思うが、人工ウィルスは作れても、いまだに人間は単細胞生物の一つを作ることも出来ない。せいぜいできてコンピューター内でシミュレーションするぐらいだ。成程、バーチャルの世界であれば人間は既に、生命を誕生させることができるのだ。宇宙の構造がもしマトリョーシカの様に入れ子構造で、フラクタルなのであれば、この事実は非常に興味深いような気がする。イーロンマスク氏などは、この世界はシミュレーションであると強く信じているようだが、それを可能としている何かしらの存在があるとすれば、彼らには生命を誕生させる事も可能なのだろう。

 最近数学的なアプローチで、偶然地球に生命が発生するかを、確率的に考察したチームがいたらしい。結論はほぼ不可能というものであった。ゼロでは無いが天文学的に低い確率だという事だ。それと同じことが火星で起きたていたとなると、確率は更に限りなくゼロに近づいてしまう。もしNASAの発表が真実という事になれば、生命の源は宇宙由来であるという、パンスペルミア説の方が直感的には正しいような気がしてくる。この広大な宇宙の中であれば、天文学的に低い確率であっても、生命はどこかで誕生し、その後広がっていけるかもしれない。

 この発想の面白いところは、もし将来地球外生命体と接触することがあったとして、その構造は地球上の生物とも、共通性がありそうだというところだ。元が同じなのだから、分化した先に共通性があるのは生物全般に言えるところだ。
 いつか生物の進化系統図も、銀河系全体に広がるかもしれない。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...