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49話:冒険者登録試験 アゼル
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「……はっ⁉ ご、ごめんなさい! 大丈夫⁉」
「あ、うん……大丈夫」
はっとした様子のフィリアが急いでリアナの容体を確認する。叩きつけられたリアナの方は、魔道具の効果のおかげか、はたまたフィリアがきれいに投げ技をきめたおかげか……ともかく怪我をした様子はない。
地面に転がったまま動かなかったのは、ただ呆けていただけのようだ。どうやら投げ飛ばされたことがよほど衝撃的だったらしい。
「あ……そ、そこまで! 試合終了です!」
職員が思い出したように試合終了の合図を下すと、急いで二人の下へ向かっていく。職員は二人に怪我がないことを確認すると、フィリアから少し離れてリアナと何かを話し始めた。
俺も木剣を持ってフィリアの方へ向かった。
「お疲れ……なんていうか、予想外の結果だった。お前魔術だけじゃなくて、体術の勉強もしていたのか?」
「えっと、勉強してたと言えばそうだけど、あれは子どもの頃に習った護身術が出たんだと思う……なんていうか、びっくりしちゃって反射的に身体が動いたというか……」
投げた本人も困惑しているところを見るに、フィリア自身も狙ってやったわけではないということか。
この二日で彼女の意外な面が、次々と出てくるなあ。
「あはは……まさか組み伏せられるとは思わなかったわ」
話が終わったのかリアナが苦笑しながら近付いて来る。どうやら職員との評価のすり合わせは終わったみたいだな。
「もうほとんど結果は決まっているようなものだけど、合否はアゼルの試験が終わったらまとめて言うわね。お疲れ様、フィリア」
「あ、ありがとうリアナ。じゃあアゼル、頑張ってね」
そう言うとフィリアは杖を拾って職員と共に観戦席へ離れていく。そして訓練場の中央には、俺とリアナだけが残った。
「連戦だが、大丈夫か?」
「怪我もしてないし、疲れてないから大丈夫よ……一緒に戦ったことがある仲だけど、こうして武器を持って対面するのは初めてね」
そう言うとリアナの気配が変化する。
フィリアの時とは異なり、短剣は逆手でしっかりと握られ、姿勢は僅かに前へ傾きいつでも飛びかかれるような状態になっている。見るからに全力を出すつもりでいるな。
そんな彼女の変化に気付いたのか、遠くから見守る職員から戸惑ったような声が聞こえてきた。
「初めに宣言するわ。アゼル、アンタは合格よ。戦う前からわかっているわ」
「へえ、そいつは嬉しいね。じゃあ、試合は免除しても良いんじゃないか?」
軽口を返すと、リアナは愉快そうに笑みを浮かべる。
それとは反対に、リアナの身体と木剣には魔力が流され強化されていく。
「そうはいかないわ。アタシも協会から仕事を受けた以上は真面目に働かなきゃ評価に響くし、試合無しで合格させても協会は納得しないからね。それに……この話を持ち掛けられた時から、アンタとの試合を楽しみにしてたんだから」
だからってそんなにやる気になって……Eランクの魔物のつもり云々はどこへ行ったんだか。
「言っておくけど、アタシは全力でアンタに挑むから。だからアンタも【武具製造】でもなんでも使いなさい。どうしても気が乗らないって言うなら、そうね――アタシから一撃食らうたびに、アンタの評価下げていくって言ったら、本気になってくれる?」
「そいつは困るな。しかし、なんだってそこまで全力の俺と戦いたがる?」
「うーん、興味本位とほんの少しの挑戦精神からかな? フィリアの言葉を借りるなら、今のアタシがAランクを相手にどこまでやれるか試したい、ってところかな?」
「……ははっ、Aランクね」
不敵に笑うリアナに、俺もつられて笑みを零した。
リアナとカイル、エマの三人の冒険者は、俺たちロスウェル村が喰血哭を討伐したことを知っている。リアナは三人の冒険者の中で唯一、僅かな時間ではあるが俺と喰血哭との鍔迫り合いを間近で見ていた奴だ。
俺の実力に関しては、フィリアとロスウェル村の兵士たちと同じくらいには知っているだろう。現に今も、彼女自身俺との実力差が離れていると考えている。
そう認識したうえで、力を試したいと言った。ならばその心意気を買っても良いだろう。
「それにここは、もうロスウェル村じゃないんだ……少しくらい羽目を外すのも悪くはないか」
そう言い俺は木剣を構えて、肉体と外套に魔力を巡らせる。
生涯、村から出ずあの地で骨を埋めるつもりだった。それ故に、俺は皆からの迫害を恐れて固有魔術を秘匿していた。まあ今となっては、俺の心配は杞憂だったみたいだがな。
だが今の俺は、村から出た一介の旅人だ。故郷から出るという選択は俺にとっても厳しい選択だったが、同時に俺から秘匿という制限から解き放った。
どうせ今も、この先も、周りに居るのは会えばそれまでの他人ばかりだ。であれば、意固地になって秘匿する必要もないというものだ。
「両者、準備はよろしいですか? リアナさんくれぐれも、怪我などはさせないように気を付けてください」
職員が腕を上げる。事情を知らない彼女はリアナが見せる本気の様子に不安を覚え、俺を気遣うような注意をする。
そんな職員の言い分に、俺とリアナは思わず吹き出す。職員を馬鹿にするようで申し訳ないが、心配するべきは俺じゃないかもしれんぞ?
「それでは――始め!」
職員の腕が振り下ろされると同時に、リアナが動く。
フィリアの時とは比べ物にならない速度で接近した彼女は、瞬時に俺の懐に潜り込むと右手の短剣を振り抜いた。
見ていた職員が動揺して一瞬静止の声が出かけたようだが、俺は慌てることなく木剣で弾き返し、その拍子で素早く反対から来る短剣を受け止める。
「ふっ!」
次の攻撃が来る前に俺は足払いを仕掛けるが、リアナは素早く跳び退いて距離をとった。
ふむ、フィリアとの試合ではほとんど打ち合っていなかったからわからなかったが、こうして戦ってみるとなかなか厄介な相手だな。
リアナの持つ木製の短剣は、彼女が持っている短剣と同じ刃渡りが三〇センチメートル程の物だ。剣よりも短いため通常よりも相手に接近しなければ刃が届かないが、それ故に剣と比べて小回りが利く。
加えて彼女の場合は二本ある。それによりただでさえ攻撃の間隔が短いというのに、手数も単純計算で倍に増えている。
これは悠長に受けていたらその内攻撃を捌ききれなくなるかもな。
そう考えた俺は、下がったリアナを追いかけ距離を詰める。
「くっ……」
横薙ぎで振るわれた俺の剣をリアナは二つの短剣で受け止めるが、俺は受け止められたことを確認すると無理に押しこむことはせず、身体を素早く回し彼女の反対側の胴へ剣を振るった。
威力は無いが、遠心力も利用した速い一撃。しかしリアナは後退するのではなく、身体を地面の近くまで低く伏せることで躱してみせた。
俺の剣がリアナのポニーテールを掠めて頭上を通過すると、彼女は短剣を交差して立ちあがる力を利用して斬りかかる。
てっきり後ろに下がって躱すかと思ったが、随分と身体が柔らかいものだな。
俺の方は回転切りを披露した直後であったために、すぐに剣を引き寄せてこの攻撃を受け止めるのは難しい。かと言って普通に後退するのでは、突進してくるリアナの攻撃を躱すのは不可能か。
「なら――」
「なっ⁉」
俺は脚に魔力を流し脚力を強化すると、つま先で地面を蹴って大きく跳び退いた。少し無理な体制かつ、つま先の力だけの跳躍であったにもかかわらず、俺の身体はリアナから三メートルも離れあっという間に短剣の間合いから外れることができた。
魔道具の影響で身体への魔力の通りが悪かったが、何とか避けることができたようだ。
「危ない危ない。危うく一発入れられるところだった」
「完全に意表を突いたと思ったのに……っていうか身体強化も使えるんじゃん。それもかなり強いね?」
「知っての通り、武器を使う魔術師だからな。固有魔術使いだから肉体を強化する方法は魔力強化くらいしかなかったってのもあるが、戦士としてこれくらいは基本だろ?」
普段は【血濡魔術】の魔術強化も併用しているのだが、今回は魔力強化だけで十分だろうと判断した。血染布を用いた魔術強化は、力加減が難しいからな。
「それだけ強い身体強化も使えるなら、多少強く打っても大丈夫だよ、ねっ!」
リアナのスピードが一段階上がる。最初と同じ右手の斬り上げだったが、今度は俺の脇を抜けて擦れ違い様に斬りつける動きをする。
一撃目は剣で受け流したが、リアナはそのまま横を走り抜けたあとすぐに身を切り返し、俺の背中を狙って左の短剣を突き出す。
俺は身体を捻って刃を紙一重で躱すが、リアナは追い縋り再び右手の短剣を振るう。
通り抜けるように小さな斬撃を加えていき、常に死角に回り隙を見つけたらまた斬撃を加えるの繰り返し。
一撃一撃は重くは無いが、なにぶん速い。まるで狼の群れを相手しているようだ。
「どうしたの! 防ぐばっかりじゃアタシは倒せないわよ!」
「……なんか趣旨変わってないか?」
いちおう確認だが、これって新人用の試験だよな? 試験者の実力を測るためであって、教官を倒す必要はないはずだったが……こいつすっかり楽しんでやがるな。
このまま五分間しのぎ続けていれば試験自体は合格出来そうだが、それはリアナの望んでいる試合ではないのだろう。
身体強化の力押しでこの攻撃を止めることもできるが、彼女求めているのはそういった普通の手段ではなく、やはり――
「ふう……仕方ないなあ」
今の俺の手元には血染めの剣も鞘もない。血染布は変わらず腰のポーチにあるが、それよりも良い物を俺は身に着けている。
何度目かのリアナの刃を払った後、俺はあえて木剣を下ろし彼女に背中を晒す隙を見せた。
「そこぉ!」
気合の一声と共にリアナは一層鋭い突きを俺の背中に放つ。彼女の握る短剣が訓練用の木剣ではなく本物であったならば、その刃は背中から俺の心臓を完璧に貫いていただろう。
あれだけ俺の周りを動き回ったというのに彼女に疲れた様子はなく、むしろその動きは時間と共に鋭さを増していた。
なるほど、若くしてCランクに上り詰めるだけはある。大したスタミナだ。
「――なっ⁉」
木剣の切っ先が俺の背中に届く前に、カァンという木の軽やかな音が響いた。
リアナが驚きの声を漏らしている間に、俺は攻撃を防いだソレを大きく動かしリアナを遠くへと追い払った。
「おっ、とと……へへ、やっと魔術を使ったわね」
俺はゆったりとした動きで振り向き、リアナに向き直る。その背中からは俺の身の上半身ほどもある刃を持った赤い大鎌が生えており、それがリアナの攻撃を防いだ。
「最初は用意された木剣だけ使うつもりだったんだが、お前にあんな風に言われちゃあな。こいつは俺なりのサービスってところだ。安心しろ、凶悪な見た目かもしれないが刃は潰してある」
俺の言葉を証明するように木剣で背中の大鎌の刃を叩いて見せると、木剣は傷ひとつ付かず軽やかな音を立てて弾かれる。
「その外套、アンタにしては色が少し派手だなあって思っていたけど、それも魔術で作った鎧ってことね」
「そういうことだ――ところで職員さん、試験は後何分だ?」
離れて見ている職員に視線を向けると、彼女は突如背中に生えた大鎌に驚いていて呆けていたが、俺が声をかけたことで慌てて時間を確認する。
俺たちのせいではあるが、いったいこの人は今日で何度驚いたのだろうか?
「は、はい! あと一分です!」
一分か……まあまあ時間あるな。
「どうするリアナ? 俺たちお互いに一撃も食らっていないが、試験的には充分だと思うんだが?」
言外に試験を終わらせないかと提案したが、この言葉は彼女に対する挑発のようなものだ。彼女の言動と性格を考えれば、その答えはわかり切っている。
言葉を受けたリアナは一瞬きょとんとした顔をするも、すぐに俺の意図に気付き挑戦的な笑みを返した。
「冗談でしょ? 時間いっぱいまで、全力でやりなさい!」
そう言うとリアナは短剣を構えて勢いよく走り出す。俺も剣を構えて待ち構えるが、今回もリアナは異なる動き出しを見せた。
「――【振土】!」
「うおっ――」
そのまま接近して来るかと思われたリアナは、俺から三メートル離れた地点で一瞬立ち止まったかと思うと、突如俺に立っていられない程の揺れが襲った。
倒れはしなかったものの大きく体制を崩している間に、リアナは揺れる地面を無視して俺の懐に潜り込んだ。
「こいつはやられたな……」
踏み込みと同時に足を起点に放った地揺れの魔術。完璧に不意を突いてみせたリアナに、俺は思わず舌を巻く。
身体の柔軟さを生かした身のこなしと、身体強化をも用いたスピード、双短剣の手数を駆使した攻撃。これらに隠れてすっかり忘れていたが、彼女の一番の武器は喰血哭にも通用したこの地面を揺らすだけの下級魔術だった。
同じ範囲にいるにもかかわらずリアナは揺れの影響を受けていないようだが、彼女は驚異的な体感で以って転ぶことなく接近した。おそらく揺れる足場でも動けるような訓練を積んだのだろう。
揺れる地面で体勢を崩され続ける中、彼女のスピードに対応するのは困難極まることだ。
「――【血織刃】」
だが魔術ならば問題はない。【鎌首】を動かしてリアナの短剣をすんでのところで受け止めた。
「くっ、また――【振土】!」
上手く攻撃が防げたと一安心したのもつかの間、リアナは短剣を起点に再び【振土】を放った。
鎌が大きく揺れて振動が外套を伝って俺の身体にも響いたが、瘴気の魔力を通した俺の外套は精気の魔力の波を阻害して衝撃を軽減した。しかし――――
「一撃、か」
「評価、下げたわよ?」
今度は俺が挑発される番だった。
ほとんどダメージにはなっていないとは言え、攻撃は確かに俺の肉体に届いた。であればこれは、どう言い訳しようが一撃だ。
挑発的な笑みを浮かべるリアナに、俺も愉快な気持ちが湧き上がる。思い返せば、こうして誰かと戦って楽しいと感じたのは久しぶりだ。今世ではまずなかったし、前世でも先生に鍛えてもらった時か、軍の同僚か部下と模擬戦をした時くらいだ。
「残り四十秒です!」
職員の時間を知らせる声が聞こえる。このまま評価を下げられたままというのも、なんだか癇に障る。ちょっとばかし大人げないが、少し手を増やすとしよう。
「【血織刃】」
「うっ――もういっちょ【振土】!」
短剣を受け止めたままの鎌を強く押し出して、リアナを力尽くで遠ざける。予想よりも強い力にリアナは一瞬戸惑ったが、すぐさま【振土】を放ち地面を揺らした。
だが、そう何度も食らうかよ。
「ちょっ、何それ⁉ そんなこともできるの⁉」
リアナが驚愕で目を見開く。そんな彼女を俺は地面から少し浮いた状態で見ていた。
「【血織刃:絡繰蜘蛛】」
外套の背中から更に大鎌を増やし計六本となった【鎌首】が、蜘蛛の脚のように開いた。その内の二本がしっかりと地面に突き立てられ、俺は宙に浮くことで魔術による激しい揺れの影響を大幅に軽減することに成功する。
揺れる地面に突き立てている以上、流石に僅かばかりの揺れは感じるが、これならば【振土】の影響を大幅に減すことができる。
「手数なら俺も負けてなくってなあ。上手く避けてみせろ」
「ズルすぎでしょ⁉」
【振土】の効果が消えきらぬまま、俺は四つの【鎌首】をリアナに伸ばす。
二本ならばいざ知らず、四本となると手が足りないと判断したか、リアナは大きく跳び退いて鎌の魔の手から逃れる。
流石の速さというべきか、刃を伸ばして追いかけるがなかなかリアナに届かない。外套から刃が独立しているならばともかく、外套と繋がっている状態では彼女を捕らえるのは難しいか。
とは言え、これは時間稼ぎに過ぎない。
「よし、【振土】が切れたな。さて残り三十秒――本気で行こうか」
揺れが収まったのを感じ取った俺は地面に足を付けると、身体強化で一気にリアナに接近する。
「ちょおっ⁉ く、来るなあ!」
「全力で来いって言ったのお前じゃん」
焦るリアナに俺は手に持った木剣を振るう。
リアナはなんとか剣を受け止めたが、俺の背中から生える六つの【鎌首】が彼女の四方から無慈悲に襲い掛かる。
頭から振り下ろされる鎌を頭を下げて躱し、右下から迫る鎌を短剣で受け止める。しかしどれだけ頑張っても、防げる刃は二本だけ。
「いっ、ちょっ、やめっ――止めろおぉ!」
俺の接近を許してしまったことで蜘蛛の脚に囲われてしまったリアナに、もはや逃げ道は存在していない。
背中、頭、腕、脚、脇腹は少し多めに狙って、四方八方から小突きまくる。
リアナは二本の短剣を必死に振るうも、それで弾ける鎌はやはり二本しかなく、どれだけ身をよじって躱そうとしても、避けた先にある鎌が容赦なく彼女を襲う。次第に身体のキレが無くなり、リアナは無数の脚に小突かれて悶絶する。
なあに、刃は潰してあるし先端も丸まっている。そこまで強く突いていないから、せいぜいくすぐったい程度だろうよ。
途中でキレたリアナが何度か鎌の攻撃を無視して俺に斬りかかったが、木剣で軽くいなして再び脚の餌食にしてやった。
こうしてリアナは、職員から試合終了の合図が出るまでの三十秒間、ひたすら突かれることとなったのだった。
「あ、うん……大丈夫」
はっとした様子のフィリアが急いでリアナの容体を確認する。叩きつけられたリアナの方は、魔道具の効果のおかげか、はたまたフィリアがきれいに投げ技をきめたおかげか……ともかく怪我をした様子はない。
地面に転がったまま動かなかったのは、ただ呆けていただけのようだ。どうやら投げ飛ばされたことがよほど衝撃的だったらしい。
「あ……そ、そこまで! 試合終了です!」
職員が思い出したように試合終了の合図を下すと、急いで二人の下へ向かっていく。職員は二人に怪我がないことを確認すると、フィリアから少し離れてリアナと何かを話し始めた。
俺も木剣を持ってフィリアの方へ向かった。
「お疲れ……なんていうか、予想外の結果だった。お前魔術だけじゃなくて、体術の勉強もしていたのか?」
「えっと、勉強してたと言えばそうだけど、あれは子どもの頃に習った護身術が出たんだと思う……なんていうか、びっくりしちゃって反射的に身体が動いたというか……」
投げた本人も困惑しているところを見るに、フィリア自身も狙ってやったわけではないということか。
この二日で彼女の意外な面が、次々と出てくるなあ。
「あはは……まさか組み伏せられるとは思わなかったわ」
話が終わったのかリアナが苦笑しながら近付いて来る。どうやら職員との評価のすり合わせは終わったみたいだな。
「もうほとんど結果は決まっているようなものだけど、合否はアゼルの試験が終わったらまとめて言うわね。お疲れ様、フィリア」
「あ、ありがとうリアナ。じゃあアゼル、頑張ってね」
そう言うとフィリアは杖を拾って職員と共に観戦席へ離れていく。そして訓練場の中央には、俺とリアナだけが残った。
「連戦だが、大丈夫か?」
「怪我もしてないし、疲れてないから大丈夫よ……一緒に戦ったことがある仲だけど、こうして武器を持って対面するのは初めてね」
そう言うとリアナの気配が変化する。
フィリアの時とは異なり、短剣は逆手でしっかりと握られ、姿勢は僅かに前へ傾きいつでも飛びかかれるような状態になっている。見るからに全力を出すつもりでいるな。
そんな彼女の変化に気付いたのか、遠くから見守る職員から戸惑ったような声が聞こえてきた。
「初めに宣言するわ。アゼル、アンタは合格よ。戦う前からわかっているわ」
「へえ、そいつは嬉しいね。じゃあ、試合は免除しても良いんじゃないか?」
軽口を返すと、リアナは愉快そうに笑みを浮かべる。
それとは反対に、リアナの身体と木剣には魔力が流され強化されていく。
「そうはいかないわ。アタシも協会から仕事を受けた以上は真面目に働かなきゃ評価に響くし、試合無しで合格させても協会は納得しないからね。それに……この話を持ち掛けられた時から、アンタとの試合を楽しみにしてたんだから」
だからってそんなにやる気になって……Eランクの魔物のつもり云々はどこへ行ったんだか。
「言っておくけど、アタシは全力でアンタに挑むから。だからアンタも【武具製造】でもなんでも使いなさい。どうしても気が乗らないって言うなら、そうね――アタシから一撃食らうたびに、アンタの評価下げていくって言ったら、本気になってくれる?」
「そいつは困るな。しかし、なんだってそこまで全力の俺と戦いたがる?」
「うーん、興味本位とほんの少しの挑戦精神からかな? フィリアの言葉を借りるなら、今のアタシがAランクを相手にどこまでやれるか試したい、ってところかな?」
「……ははっ、Aランクね」
不敵に笑うリアナに、俺もつられて笑みを零した。
リアナとカイル、エマの三人の冒険者は、俺たちロスウェル村が喰血哭を討伐したことを知っている。リアナは三人の冒険者の中で唯一、僅かな時間ではあるが俺と喰血哭との鍔迫り合いを間近で見ていた奴だ。
俺の実力に関しては、フィリアとロスウェル村の兵士たちと同じくらいには知っているだろう。現に今も、彼女自身俺との実力差が離れていると考えている。
そう認識したうえで、力を試したいと言った。ならばその心意気を買っても良いだろう。
「それにここは、もうロスウェル村じゃないんだ……少しくらい羽目を外すのも悪くはないか」
そう言い俺は木剣を構えて、肉体と外套に魔力を巡らせる。
生涯、村から出ずあの地で骨を埋めるつもりだった。それ故に、俺は皆からの迫害を恐れて固有魔術を秘匿していた。まあ今となっては、俺の心配は杞憂だったみたいだがな。
だが今の俺は、村から出た一介の旅人だ。故郷から出るという選択は俺にとっても厳しい選択だったが、同時に俺から秘匿という制限から解き放った。
どうせ今も、この先も、周りに居るのは会えばそれまでの他人ばかりだ。であれば、意固地になって秘匿する必要もないというものだ。
「両者、準備はよろしいですか? リアナさんくれぐれも、怪我などはさせないように気を付けてください」
職員が腕を上げる。事情を知らない彼女はリアナが見せる本気の様子に不安を覚え、俺を気遣うような注意をする。
そんな職員の言い分に、俺とリアナは思わず吹き出す。職員を馬鹿にするようで申し訳ないが、心配するべきは俺じゃないかもしれんぞ?
「それでは――始め!」
職員の腕が振り下ろされると同時に、リアナが動く。
フィリアの時とは比べ物にならない速度で接近した彼女は、瞬時に俺の懐に潜り込むと右手の短剣を振り抜いた。
見ていた職員が動揺して一瞬静止の声が出かけたようだが、俺は慌てることなく木剣で弾き返し、その拍子で素早く反対から来る短剣を受け止める。
「ふっ!」
次の攻撃が来る前に俺は足払いを仕掛けるが、リアナは素早く跳び退いて距離をとった。
ふむ、フィリアとの試合ではほとんど打ち合っていなかったからわからなかったが、こうして戦ってみるとなかなか厄介な相手だな。
リアナの持つ木製の短剣は、彼女が持っている短剣と同じ刃渡りが三〇センチメートル程の物だ。剣よりも短いため通常よりも相手に接近しなければ刃が届かないが、それ故に剣と比べて小回りが利く。
加えて彼女の場合は二本ある。それによりただでさえ攻撃の間隔が短いというのに、手数も単純計算で倍に増えている。
これは悠長に受けていたらその内攻撃を捌ききれなくなるかもな。
そう考えた俺は、下がったリアナを追いかけ距離を詰める。
「くっ……」
横薙ぎで振るわれた俺の剣をリアナは二つの短剣で受け止めるが、俺は受け止められたことを確認すると無理に押しこむことはせず、身体を素早く回し彼女の反対側の胴へ剣を振るった。
威力は無いが、遠心力も利用した速い一撃。しかしリアナは後退するのではなく、身体を地面の近くまで低く伏せることで躱してみせた。
俺の剣がリアナのポニーテールを掠めて頭上を通過すると、彼女は短剣を交差して立ちあがる力を利用して斬りかかる。
てっきり後ろに下がって躱すかと思ったが、随分と身体が柔らかいものだな。
俺の方は回転切りを披露した直後であったために、すぐに剣を引き寄せてこの攻撃を受け止めるのは難しい。かと言って普通に後退するのでは、突進してくるリアナの攻撃を躱すのは不可能か。
「なら――」
「なっ⁉」
俺は脚に魔力を流し脚力を強化すると、つま先で地面を蹴って大きく跳び退いた。少し無理な体制かつ、つま先の力だけの跳躍であったにもかかわらず、俺の身体はリアナから三メートルも離れあっという間に短剣の間合いから外れることができた。
魔道具の影響で身体への魔力の通りが悪かったが、何とか避けることができたようだ。
「危ない危ない。危うく一発入れられるところだった」
「完全に意表を突いたと思ったのに……っていうか身体強化も使えるんじゃん。それもかなり強いね?」
「知っての通り、武器を使う魔術師だからな。固有魔術使いだから肉体を強化する方法は魔力強化くらいしかなかったってのもあるが、戦士としてこれくらいは基本だろ?」
普段は【血濡魔術】の魔術強化も併用しているのだが、今回は魔力強化だけで十分だろうと判断した。血染布を用いた魔術強化は、力加減が難しいからな。
「それだけ強い身体強化も使えるなら、多少強く打っても大丈夫だよ、ねっ!」
リアナのスピードが一段階上がる。最初と同じ右手の斬り上げだったが、今度は俺の脇を抜けて擦れ違い様に斬りつける動きをする。
一撃目は剣で受け流したが、リアナはそのまま横を走り抜けたあとすぐに身を切り返し、俺の背中を狙って左の短剣を突き出す。
俺は身体を捻って刃を紙一重で躱すが、リアナは追い縋り再び右手の短剣を振るう。
通り抜けるように小さな斬撃を加えていき、常に死角に回り隙を見つけたらまた斬撃を加えるの繰り返し。
一撃一撃は重くは無いが、なにぶん速い。まるで狼の群れを相手しているようだ。
「どうしたの! 防ぐばっかりじゃアタシは倒せないわよ!」
「……なんか趣旨変わってないか?」
いちおう確認だが、これって新人用の試験だよな? 試験者の実力を測るためであって、教官を倒す必要はないはずだったが……こいつすっかり楽しんでやがるな。
このまま五分間しのぎ続けていれば試験自体は合格出来そうだが、それはリアナの望んでいる試合ではないのだろう。
身体強化の力押しでこの攻撃を止めることもできるが、彼女求めているのはそういった普通の手段ではなく、やはり――
「ふう……仕方ないなあ」
今の俺の手元には血染めの剣も鞘もない。血染布は変わらず腰のポーチにあるが、それよりも良い物を俺は身に着けている。
何度目かのリアナの刃を払った後、俺はあえて木剣を下ろし彼女に背中を晒す隙を見せた。
「そこぉ!」
気合の一声と共にリアナは一層鋭い突きを俺の背中に放つ。彼女の握る短剣が訓練用の木剣ではなく本物であったならば、その刃は背中から俺の心臓を完璧に貫いていただろう。
あれだけ俺の周りを動き回ったというのに彼女に疲れた様子はなく、むしろその動きは時間と共に鋭さを増していた。
なるほど、若くしてCランクに上り詰めるだけはある。大したスタミナだ。
「――なっ⁉」
木剣の切っ先が俺の背中に届く前に、カァンという木の軽やかな音が響いた。
リアナが驚きの声を漏らしている間に、俺は攻撃を防いだソレを大きく動かしリアナを遠くへと追い払った。
「おっ、とと……へへ、やっと魔術を使ったわね」
俺はゆったりとした動きで振り向き、リアナに向き直る。その背中からは俺の身の上半身ほどもある刃を持った赤い大鎌が生えており、それがリアナの攻撃を防いだ。
「最初は用意された木剣だけ使うつもりだったんだが、お前にあんな風に言われちゃあな。こいつは俺なりのサービスってところだ。安心しろ、凶悪な見た目かもしれないが刃は潰してある」
俺の言葉を証明するように木剣で背中の大鎌の刃を叩いて見せると、木剣は傷ひとつ付かず軽やかな音を立てて弾かれる。
「その外套、アンタにしては色が少し派手だなあって思っていたけど、それも魔術で作った鎧ってことね」
「そういうことだ――ところで職員さん、試験は後何分だ?」
離れて見ている職員に視線を向けると、彼女は突如背中に生えた大鎌に驚いていて呆けていたが、俺が声をかけたことで慌てて時間を確認する。
俺たちのせいではあるが、いったいこの人は今日で何度驚いたのだろうか?
「は、はい! あと一分です!」
一分か……まあまあ時間あるな。
「どうするリアナ? 俺たちお互いに一撃も食らっていないが、試験的には充分だと思うんだが?」
言外に試験を終わらせないかと提案したが、この言葉は彼女に対する挑発のようなものだ。彼女の言動と性格を考えれば、その答えはわかり切っている。
言葉を受けたリアナは一瞬きょとんとした顔をするも、すぐに俺の意図に気付き挑戦的な笑みを返した。
「冗談でしょ? 時間いっぱいまで、全力でやりなさい!」
そう言うとリアナは短剣を構えて勢いよく走り出す。俺も剣を構えて待ち構えるが、今回もリアナは異なる動き出しを見せた。
「――【振土】!」
「うおっ――」
そのまま接近して来るかと思われたリアナは、俺から三メートル離れた地点で一瞬立ち止まったかと思うと、突如俺に立っていられない程の揺れが襲った。
倒れはしなかったものの大きく体制を崩している間に、リアナは揺れる地面を無視して俺の懐に潜り込んだ。
「こいつはやられたな……」
踏み込みと同時に足を起点に放った地揺れの魔術。完璧に不意を突いてみせたリアナに、俺は思わず舌を巻く。
身体の柔軟さを生かした身のこなしと、身体強化をも用いたスピード、双短剣の手数を駆使した攻撃。これらに隠れてすっかり忘れていたが、彼女の一番の武器は喰血哭にも通用したこの地面を揺らすだけの下級魔術だった。
同じ範囲にいるにもかかわらずリアナは揺れの影響を受けていないようだが、彼女は驚異的な体感で以って転ぶことなく接近した。おそらく揺れる足場でも動けるような訓練を積んだのだろう。
揺れる地面で体勢を崩され続ける中、彼女のスピードに対応するのは困難極まることだ。
「――【血織刃】」
だが魔術ならば問題はない。【鎌首】を動かしてリアナの短剣をすんでのところで受け止めた。
「くっ、また――【振土】!」
上手く攻撃が防げたと一安心したのもつかの間、リアナは短剣を起点に再び【振土】を放った。
鎌が大きく揺れて振動が外套を伝って俺の身体にも響いたが、瘴気の魔力を通した俺の外套は精気の魔力の波を阻害して衝撃を軽減した。しかし――――
「一撃、か」
「評価、下げたわよ?」
今度は俺が挑発される番だった。
ほとんどダメージにはなっていないとは言え、攻撃は確かに俺の肉体に届いた。であればこれは、どう言い訳しようが一撃だ。
挑発的な笑みを浮かべるリアナに、俺も愉快な気持ちが湧き上がる。思い返せば、こうして誰かと戦って楽しいと感じたのは久しぶりだ。今世ではまずなかったし、前世でも先生に鍛えてもらった時か、軍の同僚か部下と模擬戦をした時くらいだ。
「残り四十秒です!」
職員の時間を知らせる声が聞こえる。このまま評価を下げられたままというのも、なんだか癇に障る。ちょっとばかし大人げないが、少し手を増やすとしよう。
「【血織刃】」
「うっ――もういっちょ【振土】!」
短剣を受け止めたままの鎌を強く押し出して、リアナを力尽くで遠ざける。予想よりも強い力にリアナは一瞬戸惑ったが、すぐさま【振土】を放ち地面を揺らした。
だが、そう何度も食らうかよ。
「ちょっ、何それ⁉ そんなこともできるの⁉」
リアナが驚愕で目を見開く。そんな彼女を俺は地面から少し浮いた状態で見ていた。
「【血織刃:絡繰蜘蛛】」
外套の背中から更に大鎌を増やし計六本となった【鎌首】が、蜘蛛の脚のように開いた。その内の二本がしっかりと地面に突き立てられ、俺は宙に浮くことで魔術による激しい揺れの影響を大幅に軽減することに成功する。
揺れる地面に突き立てている以上、流石に僅かばかりの揺れは感じるが、これならば【振土】の影響を大幅に減すことができる。
「手数なら俺も負けてなくってなあ。上手く避けてみせろ」
「ズルすぎでしょ⁉」
【振土】の効果が消えきらぬまま、俺は四つの【鎌首】をリアナに伸ばす。
二本ならばいざ知らず、四本となると手が足りないと判断したか、リアナは大きく跳び退いて鎌の魔の手から逃れる。
流石の速さというべきか、刃を伸ばして追いかけるがなかなかリアナに届かない。外套から刃が独立しているならばともかく、外套と繋がっている状態では彼女を捕らえるのは難しいか。
とは言え、これは時間稼ぎに過ぎない。
「よし、【振土】が切れたな。さて残り三十秒――本気で行こうか」
揺れが収まったのを感じ取った俺は地面に足を付けると、身体強化で一気にリアナに接近する。
「ちょおっ⁉ く、来るなあ!」
「全力で来いって言ったのお前じゃん」
焦るリアナに俺は手に持った木剣を振るう。
リアナはなんとか剣を受け止めたが、俺の背中から生える六つの【鎌首】が彼女の四方から無慈悲に襲い掛かる。
頭から振り下ろされる鎌を頭を下げて躱し、右下から迫る鎌を短剣で受け止める。しかしどれだけ頑張っても、防げる刃は二本だけ。
「いっ、ちょっ、やめっ――止めろおぉ!」
俺の接近を許してしまったことで蜘蛛の脚に囲われてしまったリアナに、もはや逃げ道は存在していない。
背中、頭、腕、脚、脇腹は少し多めに狙って、四方八方から小突きまくる。
リアナは二本の短剣を必死に振るうも、それで弾ける鎌はやはり二本しかなく、どれだけ身をよじって躱そうとしても、避けた先にある鎌が容赦なく彼女を襲う。次第に身体のキレが無くなり、リアナは無数の脚に小突かれて悶絶する。
なあに、刃は潰してあるし先端も丸まっている。そこまで強く突いていないから、せいぜいくすぐったい程度だろうよ。
途中でキレたリアナが何度か鎌の攻撃を無視して俺に斬りかかったが、木剣で軽くいなして再び脚の餌食にしてやった。
こうしてリアナは、職員から試合終了の合図が出るまでの三十秒間、ひたすら突かれることとなったのだった。
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