血染めの世界に花は咲くか

巳水

文字の大きさ
42 / 71

41話:旅立ち

しおりを挟む
 実家で夜を過ごした翌日。俺は家の整理をするために一度自宅に帰っていた。
 旅立ちにあたり、この家をどうしようかとずっと悩んでいた。
 と言うのも、この家は俺が自力で建てたものだから、細かい所の造りが杜撰になっている。倒れることはないが、内装をよく見るとやや不格好な所がある。
 だから村を出る直前に壊してしまおうかとも考えていたのだが、昨日の父さんたちの言葉は俺の考えを変えた。
 もし帰ってこれた時に、家が無いんじゃ恰好が付かないからな。
 俺がいない間この家は、父さんたちが休憩所として使ってくれるそうだ。そうなるとベッドや農具の類は残しておいたほうが良いだろう。もしかしたらダリオンが結婚したら、ここに住むかもしれないしな。
 とは言え残しておける物は存外少ない。せいぜいベッドや棚、食器類程度だ。寧ろ、残してはおけない物の方が俺の家には溢れている。

「あ、魔物彫刻ガーゴイル……作っておいたが、結局こいつが動くことはなかったな。こいつは処分っと」

 倉庫の入り口に近い角隅にひっそりと置いてあるのは、鋭い角と牙が生えた猿のような赤黒い彫像だ。
 当然この魔物彫刻ガーゴイルはただの魔除けではなく、【血濡魔術ブラッティー・マジック】で作られた土石動像ゴーレムだ。これもある種の【血骸操ブラッドパペット】とも言えるが、こちらは中身が死体ではなく木像だからどちらかと言えば【血織刃けっしょくじん】の方が近い。
 こいつは倉庫の警備として作ったもので、倉庫内に盗人などが入ったら遠隔で俺に知らせてくれる仕組みになっている。当然侵入者の排除もできるが、その機能を使うことも俺に知らせが届くこともついぞなかった。

「結構こだわって作ったが、旅に持っていくにも邪魔になりそうだな。血を抜いて屋根にでも飾るか」

 【血濡魔術ブラッティー・マジック】で魔物彫刻ガーゴイルを屋根に上げて、その頭に【渇紅紋かっこうもん】が付与された血染布を乗せてしばらく放置する。今後は普通の魔除けとして活躍してくれ。
 血染布についてだが、こちらはすべて持っていくことに決めている。予備として用意していたものが三〇枚、その内の三枚には【渇紅紋かっこうもん】が不活性状態で付与してある。

「これを喰血哭ブラッドハウルとの戦いで持っていれば、もっとましな戦いができたんだが……はあ、焦って動くと碌なことにならないな」

 今振り返っても後悔しかない。昔から想定外の事態には弱く、その度に取り乱してしまっていたなあ……。
 「血塗れ夜王」になってからは生きること自体に無気力になり、逆に焦ることもなくなっていたが、今思い返せばそれ以前の軍役時代はその傾向が特に顕著だった気がする。

「まあ、この失敗は重く受け止めるとして……やっぱり旅に出るとしたら、細い布だけじゃ野営に不便か?」

 血染布は主に狩猟用の矢のために作った物ばかりで、どれも三十センチメートルほどの長さの細い切れ端ばかりだ。
 いくら【血濡魔術ブラッティー・マジック】で長さや幅を膨張させられるとは言え、元が小さいと大きくするのにも限界がある。
 血の量が増えればその分だけ大きく、また丈夫にできるが、それだけ大量の血液を含んだ物体を変形させるとなると、それにかかる魔力も多くなってしまう。さすがにそれは効率が悪い。

「大きな物を一枚持っていくことも考えるか。他の土地へ持ち運ぶとなると、最低限見栄えは良くしないといけないな」

 ひとり呟きながら、俺は壁にかかった色褪せたローブに目を向ける。
 もうずっと昔のようにも感じる野盗討伐の時に使っていたローブだが、こちらは完全に血を移し替えられており、もはやただのボロ布と化している。元が捨てられる予定だったおふるを貰った物なので、この有様なのは仕方がないが、これを持っていくのはさすがに格好がつかない。そこに血を含ませるとなると尚更だ。
 寝具の毛布を血染布にすることも考えたが、さすがに寝る時くらいは臭いを気にしたくはない。それに想定外の事態に遭遇した時に荷物を捨てることを想定すると、これまで通り身に着けていた方が良いだろう。

「よし、この際だ。新しく外套コートを作ろう」

 そうと決まれば早速買い出しに出かける。領主様からの報酬のおかげで、お金はいくらでもある。これなら少し良い生地を買えるだろう。
 布の素材には悩んだが、ここは毛織物ウールにしよう。
 丈夫な麻や見栄えもよい革も捨てがたいが、毛織物ウールは撥水性が高く雨に強い。【血濡魔術ブラッティー・マジック】にとって雨は旅における最大の天敵だ。少しでも弾いてくれると助かるというものだ。
 おまけに羊毛は動物性タンパク質であるため、染めるに当たって血とはとても相性がいい。
 村の織物屋に行き白い毛織物ウールを一反買って帰ったら、次はその布を染色する。白色を選んだのは、きちんと血が染まったかをわかりやすくするためだ。
 買った布を酢と一緒に火にかけている間に、俺は床下に隠している水瓶を取り出しその中身の状態を確認する。
 蓋の部分は【血濡魔術ブラッティー・マジック】で完全に密閉されており、空気が入らないようにしている。蓋を開けると中には水瓶いっぱいに血液が満たされていた。

「よし、若干変色はしているが、腐敗や凝固はしていないな」

 軽く手を入れるとドロリとした不快な感触の中に、細かい粒があるのがわかる。俺はそれらに手にまとわりつくよう命じて、ゆっくりと水瓶から手を引き抜いた。

「うえぇ……我ながら気持ちの悪い魔術だ。晩年の俺がどれくらい狂っていたかがわかるな……」

 血に染まった手にまとわりついていたのは、おびただしい数の赤い蛭だ。それらは湿りヌメヌメと蠢いては、俺の手に付いた血を吸い取っている。

 【蠢血蟲しゅんけつちゅう】――俺はこの蛭たちをそう名付けた。

 こいつも【血骸操ブラッドパペット】で動かした蛭の死体だが、戦闘用に使っているものと違い、これは「血の長期保存」のためだけに生み出された特別製で、こいつらに戦う機能はない。
 蛭の持つ血の凝固を防ぐ体液に目を付けて、そこにさらに魔術による改造で抗菌作用も持たせた。
 蛭に血を吸わせて体内で保存液を分泌させて血液と混ぜる。それを吐き出させ、また血を吸う。それを繰り返させることで、血の長期保存を可能にした。
 血というのはどうしても劣化が早いもので、欲しい時にすぐに用意するというのが難しいものだ。この血液も緊急のための備えとして、定期的に蛭ごと中身を入れ替えながら家に隠していたのだが、今回の染色で捨てる手間が省けそうだ。

 蛭を脇に退けてから、下処理を終えた布を血液いっぱいの水瓶の中に放り込み、火にかけて染色を行う。血を火にかけるというのはいかがなものかと思うが、血液は雑菌に塗れているため臭いや衛星の観念から加熱消毒は必須なのだ。
 しばらく放置してから血から引き上げると、ドロドロと血を滴らせた赤色の布が出来上がった。ここから更に色が落ちにくくなる「媒染」という作業をする。今回は酢と鉄錆を入れた鉄媒染液を用意した。血液自体が鉄分を含んでいるため、相性は良いだろう。

「もっと暗い色になるかと思ったが、存外はっきりと赤色に染まったな。乾いたら少し汚い色になってしまうが、この分なら思ったよりもましになりそうだ……ともあれこれで、人間大の血染布を持ち歩けるようになったな」

 デカい物が有るのと無いのとでは、今後の戦術にも大きな差が生まれる。
 染色した布を水で軽くすすいで乾かしたら、後の加工は簡単だ。
 布に魔力を流し【血濡魔術ブラッティー・マジック】で、手早く裁縫をしていく。布自体が胴や袖の形へ切り分けられていき、針も用いずに端の繊維が互いに絡み合い、そこを補強するために赤い糸が蛇のように動いて縫い合わせていく。首への防御が気になったのでそこを覆うような襟と、ちょっとした装飾として木製のボタンをつける。
 瞬く間に、脚区に届くほどの丈のロングコートが完成した。血が乾いたことで、色は赤黒い褐色になってしまったが、比較的マシな色であると言えた。血ではない染料で鮮やかな赤色に染色することも考えたが、そうすると血が薄まってしまうと思い止めた。
 上はボタンで占められるようになっており、腰から下は走行の邪魔にならないように前方が開いている。
 仕上げに外套コートに大きな【渇紅紋かっこうもん】を描き、水瓶の中に残った僅かな血液をすべて吸収させる。

「お前たちの役目も終わりだな。ご苦労さん」

 ただの人形に言葉をかける程無駄なことはないと思うが、なんとなく別れを告げてから外套コートの上に【蠢血蟲】を乗せると、そのまま蛭たちは身体の血液を抜かれて動かなくなる。
 血をすべて吸収したことを確認してから【渇紅紋】を消し、これでようやく外套コートが完成した。
 気が付けばもうかなりの時間が経っているようで、外はすっかり暗くなっている。染色にかなりの時間がかかったが、裁縫が手早かったおかげで何とか一日で仕上げることができた。
 俺は部屋の中に血が一つも残っていないことを確認し、最後に旅装を確認する。

「武器は剣、それから解体用のナイフに血染布。衣服は数着あれば良いだろう。寝具はいつもの毛布を持っていくとして……食器類が意外と邪魔になるな。もう少し大きなカバンを用意するか」

 他にも火打石や周辺の地図、手製の薬や日々の出来事を記録する手帳など、細々こまごまとした物を確認した後、それぞれ鞄に詰めていく。着替えや鍋といった大きなものは巾着型のバックパックに。血染布や薬などの小さいものは、ベルトのついたサイドポーチへ入れていく。

「ふう、何とか終わったな……この家とも今日でお別れか」

 元々無駄な物を極力置かない質だったため、内装は大きく変わっていない。それでも片付ける前とは違い、今はどこか寂しさを感じた。
 別れに対する僅かな寂寥感を抱いたまま、俺は家のベッドで最後の眠りについた。



 そして迎え旅立ちの日。
 村の人がまだ起き始めたばかりの時間に、俺は実家の前で最後の別れを告げていた。

「これ、俺の家の鍵だ。使っていた道具はほぼ全部置いてあるから、俺が居ない間は適当に物置として使ってくれ」
「ああ、預かるよ……本当に、行くんだな」

 鍵を受け取ったダリオンが、寂しそうに言う。そんな彼の表情に、俺は少し困った笑みを浮かべながら静かに頷いた。
 そんな俺に対しダリオンは、仕方が無いと言うように力なく首を振った。

「わかった。何度も言うが、必ず帰ってこい。たとえどれほどの年月が経ってもな……間違っても、死体で帰ってくるんじゃないぞ?」
「わかってるよ。こちとらAランクの喰血哭ブラッドハウルとやり合って生き残ってるんだ。たとえSランクと戦っても生還してみせるさ」

 そう言って俺たちは笑い合う。

「アゼル、これ持っていきなさい」

 母さんが手に持っていた小包を手渡してくる。

「お弁当よ。お昼にでも食べなさい」
「ありがとう母さん」
「お前のことだ、きっと普通の旅ではないのだろう。それでもどうか、アゼルの旅路が良いものであるように祈るよ」
「ありがとう父さん。皆も、どうか元気で……と、そうだ――」

 俺はふとあの時の夜のことを思い出して、腰のポーチから三枚の血染布を取り出す。旅立ちの日に何も送らないというのも味気ない。
 俺は家族の前で【血濡魔術ブラッティー・マジック】を発動し、血染布を三本の赤いガーベラの花に変えた。少し多めに魔力を流したことにより、色が鮮やかな赤色になっている。

「俺の魔術で作った造花だ。皆が嫌じゃなかったら受け取ってくれ」

 俺にとって花を贈るという行為は、親しい人との別れによく行う習慣のようなものだ。
 元は戦場で散った仲間への献花から来るのだが、いつの間にか死者に限らず別れが惜しい人へ向けて送るようになった。

「まあ……触っても大丈夫?」
「ああ。汚れることはないが、水に濡れると元の布に戻るから、そこだけ注意な」
「ありがとう。花瓶に挿して飾るわね」

 そう言って母さんはガーベラを受け取った後、優しく俺を抱きしめた。次いで、父さんとダリオンも抱擁を交わす。

「それじゃあ、行ってくる」

 そうして俺は家族に別れを告げて歩き出す。少し歩いたところで背後を振り返ると、家の全体と玄関に立つ家族の姿をひとつで見ることができた。この光景を目に焼き付けてから、俺は再び村の出口へと向かう。

「よし! 目指すは隣の町、カルディナだ」

 俺は決意を新たにし、東に向かって進んでいく。故郷の風景を己が内に刻み付けて。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...