たとえ運命の番じゃなくても

暁 紅蓮

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高校では… side悠

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それに梨衣玲衣からもらった首輪も付けている。
それを考えたらそれこそ番なんて到底無理だ。

虚しさを覚えながらも和哉に助けてもらい、取り敢えず保健室に向かった。

「ありゃ、どうしたの?」
「あ、悠が発情期になっちゃって…」
「貴方‪α‬?少しはつらいわよね?私が面倒みるから大丈夫よ。教室に戻ってて」
「あ、はい」

胸元くらいまでのストレートな黒髪を1つで縛っている女性。
保健室の先生の名前は確か橘紗夜たちばなさよ
本人も‪α‬だが番がいると言っていた。

「えーと、新垣悠くんね?」
「あ…はい。1年の新垣悠です…」
「薬は?」
「打ちました。今は少し落ち着いています…」
「でもまだ匂いがするわね…私のフェロモンで囲っていいかしら?それともさっきの男前くんにする?」
「い、いえっ!これ以上和哉に迷惑かけられない…」
「分かったわ」
「先生番いるんですよね?」
「いるわよ?」
「…あの、大丈夫です。落ち着いてきているので。自衛もありますし」
「うーん、でも…」
「何かあっても首輪がありますから」
「…分かったわ。でも‪α‬は凶暴なものだから気を付けてね?」
「はい、ありがとうございました」

俺はそのまま教室を出た。
出た瞬間多分‪α‬であろう人達がギラついた目でこちらに視線を向ける。

大丈夫、大丈夫…何かあっても首輪これがある…。
このまま帰ってしまえば迷惑もかけない。

俺は教室に戻った。

「悠!?どうして教室に…!」
「和哉…俺帰るね」
「その状況でか?」
「うん。薬はちゃんとその後飲んだから大丈夫」

俺は自分が出している誘惑に気付いていなかった。

「悠」
「ん?」
「どれだけ視線を呼び寄せているか分かるか?どれだけ‪α‬達を、俺達を誘惑しているか分からないだろ」
「それは分からない…でも迷惑かけられないから帰るの」
「…じゃあ俺のフェロモンを」
「番じゃないのに申し訳ないよ。じゃあ梨衣玲衣と帰ればいい?」
「あいつらだってβだろ?」
「和哉心配性…親に迎えに来てもらうには住んでる所が遠いから親戚の人に頼む。それでいい?」
「…それならいい」
「じゃあ連絡するね」

親戚の人、叔父さんはこの学校からそう離れてはいない所に住んでいる。
叔父さんはΩで、俺と同じ。
そして番持ち。
番はいかにも‪α‬と思わせるような女性。
運命の番ではないけれど、一緒にいて楽しそう。

叔父さんに連絡を入れるとすぐに来てくれるということだった。

「すぐに来てくれるみたいだから校門で待ってるね」
「俺が…」
「この梨衣様が待っていてあげましょ~」

和哉が何か言っていたが梨衣の言葉に阻まれ聞こえなかった。

「ありがとう梨衣。じゃあ一緒に叔父さん来てくれるの待と…?」
「おっけぃ~」

梨衣が荷物を持ってくれた。
梨衣に支えられて校門まで向かう。
つらそうに歯を食いしばっている和哉には気づかずに。
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