転生したら王族だった

みみっく

文字の大きさ
28 / 223
第一章 - 出会いと成長

28話 ダンジョンの階層を降りてみた

しおりを挟む
 さらに洞窟の奥に進むと、小さな地下湖が現れた。その水面は薄い霧がかかっており、松明の光が反射して幻想的な光景を作り出している。幻想的で不気味にも感じる光景で、息を呑む雰囲気だった。

「わぁ……キレイだけど……不気味だね」エリゼも同じ事を感じていたみたい。

「幻想的でキレイだけど、魔物が現れそうな感じがするね~」

 湖のほとりを見渡すと、冒険者たちが置き去りにした古びた装備や道具が見え、ここが多くの者にとっての休息の場でもあったことがうかがえるし、ここで襲われたとも考えられる。休憩をしているところを襲われ、荷物や装備品をそのままに逃げたのかもね……。

「冒険者の装備品が、不気味に見えるね~。周りに魔物の気配は無いけど、気を付けないとね」装備品を見て、ここは危険な感じがするので、エリゼに警戒をしておくように言っておいた。

「うん。気をつける……」エリゼには、結界を張ってあるし大丈夫なんだけどねっ。

 湿った洞窟は自然の息吹を感じさせる場所でありながら、常に危険と隣り合わせの緊張感が漂っている。

 洞窟の壁に古びた扉を発見した。扉には苔が覆い洞窟の壁と同化しつつあった。ギギギィィ……と金属が錆びた音を洞窟内に響かせて開けた。

 扉の先には暗闇が広がり、石でできた下り階段が現れ不気味な静けさと、不規則に水が滴る音がしていた。「階段があるけど……?」俺の背中に抱きついて、怯えているエリゼに聞いた。

「お兄ちゃんが決めて……お兄ちゃんなら進める気がするけど」怯えているが、好奇心の方が勝っている様子で俺に言ってきた。

 時間は、まだ午前中だし……進みますかぁ~♪ レベルも順調に上がってるし。

 石造りの苔が覆った階段を慎重におり、その先に古びたドアを開けると、空気はひんやりとして湿気が漂い、薄青い光が天井の隙間から漏れていた。この光が、地下林全体に幽玄な雰囲気をもたらしている。 
 天井から垂れ下がる巨大なツタが洞窟内を覆い、苔むした岩々が足元を不安定にしている。地面にはシダや小さな花々が咲き誇り、自然の力強さを感じさせる。

 薄暗いがかなり広大さを感じる、下手に探索をすると迷い無事に帰れる気がしない。

「エリゼ、ここは近場だけにしておくかぁ……迷子になりそうだし。食料も少ないしな~」もう少し探索を続けたかったけど、食料と探索する時間が少なすぎる。帰る時間も含めて考えると……難しい。

「うん。また機会があったら来たいなぁ~」エリゼは冒険者志望だからなぁ~こういう場所が好きなんだろうな。エリゼのお父さんのセリオスさん次第かな。

「わぁっ。大きなカタツムリ……わたし、ああいうの苦手かも……っ!」

 再びあーちゃんが、気づいたことを知らせてくれた。『……うぅ……ん、なんだか気配を感じるよ……。あっちも気づいちゃったみたいかも』

『気配を消すってことはさぁ、知能が高くて力もあるってことだよね? 普通の魔物じゃないってことかな……』

『一応、気をつけてくださいね……でも、レイニー様なら大丈夫だと思いますけど!』随分と、過剰評価をしてくれてるけど、俺はこの世界に来たばかりで……不安なんですけど。
 
 近辺の探索をすると、遺跡のような場所を発見した。そこには小さな祭壇があり、その祭壇には祀られているのか封印されているのかは不明な場所があったが、それが開けられていた。

 あぁ……ここで何かをしていたのか~? うぅーん……気配の性質が魔物ではなく、知能が高い……。それに悪意を感じるという事はぁ~……悪巧みをしてるってことかぁ~

 気配を消してもバレバレなんだけどね、悪意に害意と殺意を感じるし。

「あのさぁ~ここでなにをしてたのかな~?」殺意のある方へ声を掛けた。

 
 祭壇の陰からディアブロとは違い、人型の悪魔が現れた。雰囲気とオーラの感じからしてディアブロの放つ悪魔のオーラをまとっていた。
 その姿は銀色の長髪が光を受けてキラキラと輝き、深紅の瞳が鋭い光を放つ。高級感あふれる黒と金の貴族衣装は、歩くたびに優雅に揺れ、豪華な装飾が一層彼の威厳を際立たせている。浅黒い肌には冷たい光が反射し、頭に生えた曲がった角が漆黒に光る。まさに高貴な悪魔の子爵といった風貌だ。

 その悪魔が一瞬の沈黙を破り、低く冷ややかな声で話し始めた。「……全く、見て見ぬふりをしてその場を離れてくれればよかったのに……しかし、見つかってしまったからには、仕方ありませんね。直ぐに死ぬので、貴様たちに名乗る必要はありませんが、私は悪魔の子爵ダイモンと申します」

 その言葉は、まるで氷の刃のように鋭く、周囲の者たちに恐怖と敬意を同時に抱かせるものだった。彼の姿は、まさに圧倒的な存在感と威厳を放ち、誰もがその支配力に屈するほかなさそうな感じだが……周りには俺とエリゼにあーちゃんしかいない。

 うぅーん……どうやら俺たちは、死ぬらしいぞぉ? あーちゃんが焦ってないし、キケンな存在ではなさそうだけど。それに、あーちゃんと比べれば格段に格下だと分かる。

「伯爵様からお受けした大切な任務を邪魔をされて苛立っているのです、さっさと死になさい……黒炎弾!」

 おっと……あーちゃんが放ってきた魔法の、だいぶ下位の魔法だなぁと見せかけて強かったりして? シンプルな魔法が強かったりするし。

 確実に黒いの炎の塊が俺をめがけて飛んできた。
 
 ……あ、うん。見た目通り下位の魔法だね……。フッと息を吹きかけて消し去った。その様子を見て不思議そうな顔をしていた。

「貴様、何をした? 黒炎弾だぞ! 人間を焼き尽くす地獄の苦しみとともに、魂ごと焼き尽くす高位魔法だぞ!」ダイモンが怒り狂った表情をして怒鳴ってきた。

「その魔法よりも強力な魔法を受けたことがあるしなぁ~」と俺が言うと背中に背負われていたあーちゃんがビクッと反応をした。

「……いったい何の話をしているのですかね。そのような魔法を放てるのは上位以上の悪魔ですよ、その様な魔法を受けて無事で済むわけがございません。そんなことはありえませんが、もしも本当だとして上位以上の悪魔と対峙をして、ここに無事に存在できているわけがないでしょう……」話をしていたダイモンが、急に目を閉じ黙り頷いた。すると雰囲気が変わり、殺意が強まった。「キケンな人物と判断されたようですな。今、殺せとの命令が下りました」と言うとスッと消え、エリゼの背後に現れた。

「きゃっ!! なに? え!?」と、エリゼが悲鳴を上げた。
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

小さな貴族は色々最強!?

谷 優
ファンタジー
神様の手違いによって、別の世界の人間として生まれた清水 尊。 本来存在しない世界の異物を排除しようと見えざる者の手が働き、不運にも9歳という若さで息を引き取った。 神様はお詫びとして、記憶を持ったままの転生、そして加護を授けることを約束した。 その結果、異世界の貴族、侯爵家ウィリアム・ヴェスターとして生まれ変ることに。 転生先は優しい両親と、ちょっぴり愛の強い兄のいるとっても幸せな家庭であった。 魔法属性検査の日、ウィリアムは自分の属性に驚愕して__。 ウィリアムは、もふもふな友達と共に神様から貰った加護で皆を癒していく。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

乙女ゲームの隠れチートモブ〜誰も知らないキャラを転生者は知っていた。〜

浅木永利 アサキエイリ
ファンタジー
異世界に転生した主人公が楽しく生きる物語 その裏は、、、自分の目で見な。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

スキル買います

モモん
ファンタジー
「お前との婚約を破棄する!」 ローズ聖国の国立学園第139期卒業記念パーティーの日、第3王子シュナル=ローズレアは婚約者であるレイミ・ベルナール子爵家息女に宣言した。 見習い聖女であるレイミは、実は対価と引き換えにスキルを買い取ることのできる特殊な能力を有していた。 婚約破棄を受け入れる事を対価に、王子と聖女から特殊なスキルを受け取ったレイミは、そのまま姿を消した。 レイミと王妃の一族には、数年前から続く確執があり、いずれ王子と聖女のスキル消失が判明すれば、原因がレイミとの婚約破棄にあると疑われるのは明白だ。 そして、レイミを鑑定すれば消えたスキルをレイミがもっている事は明確になってしまうからだ。 かくして、子爵令嬢の逃走劇が幕を開ける。

処理中です...